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がっこうぐらし!The world in confusion

作者:ウィング
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chapter32

学校から出て一夜が明けて胡桃が運転する車が私達以外通っていない道路を走行していく。

「遠足~楽しい遠足~」

後ろからは楽しそうな由紀ちゃんの声が聞こえてくる。

「全く、こんな状況で楽しいなんて…子供みたい」

「そんなこと言って優花も楽しみでうずうずしてるように見えるけど?」

運転する胡桃がバックミラーで優花の顔を確認して言うと優花ちゃんが慌て出す。

「そ、そんな、わけ…ないでしょ~」

否定はしてるけど完全に目が泳いでる…

「おっ!見えてきたぜ」

胡桃がそう言うと車の向かう先に大きい建物私達の目的地のリバーシティ・トロンが見えてくる。

リバーシティ・トロンのすぐ近くに駐車しみんな車から出ると玄関口で集まる。

「とうちゃーく!」

「由紀、あんま大きな声出すなよ」

胡桃に注意されると由紀ちゃんは口元を手で抑える。

「…さてと、中に入ろうぜ」

さてと、中には奴等もいることだし、警戒して進まないとね。




だが、その考えは入って中を見た瞬間打ち砕かれることになった。

「なんだ…これ」

胡桃はこの光景を見て絶句する、他の私達も同じように唖然として眺めていた。

目の前は奴等のなれの果てが大勢倒れている全て倒されているのだ。

「…ここに誰か来てたんだろう…しかも、割りと最近に」

いち早く正気に戻った誠くんが事の状況を口にする。

「ってことはこれをやったのは管理局なのか?」

そう考えるのが妥当と言っていい

予想はしていたがまさか、管理局と鉢合わせになる確率がここに来て一気に上がった。

「…諦めて帰る?」

音姫さんは被害がでないうちに帰るかみんなに提案してきた。

「いや、これだけ、戦える人数いるんだから少しの相手なら問題ないだろ」

そうだ、今の私達は前の怯えている私達じゃない、多少の人数でも太刀打ちできる。

「…そうだな、でも危ないと判断したら真っ先に帰るぞ」

誠くんの忠告にみんなうなずきエスカレーターを上り2階の雑貨屋に辿り着く。

「さてと、これとこれ…あとこれなんかも必要かしら…」

予備は学校の地下などにあるけど何かの拍子に行けなくなっては困るので必要そうなのをリュックサックに入れていく。

「ねえねえ、りーさん!」

「ん?何かしら?」

物色していると由紀ちゃんが来てピンクのリュックサックについている防犯ブザーを見せる。

「どうかな?」

「防犯ブザーか…もってて損はないわね」

由紀ちゃんが持ってきた防犯ブザーも持って帰ることにしよう。

「持って帰る物はこれぐらいにしていよいよ、服屋に行くか!」

雑貨屋を離れて今度は服屋のある場所に歩いていった。

雑貨屋から出て10分ほど立ちはだかる奴等は全て倒されており難なく服屋にたどり着いた。

「よし、それじゃあ優花ちゃんの似合うそうな服手当たり次第試着していきましょうか」

そういった私達は服屋に散らばって服を見ていく。

「うーん、やっぱりジーンズよりスカートの方が似合うし色は…髪の色と同じ緑主体の色彩の方がぴったりかしら」

そうなると…これと…これかな?

「優花ちゃん、今度はこれ着てくれないかしら?」

「えっと、これでもう何回目なのよ」

「うーん、20回くらいかしら?」

まあ、女の子の服選びはそんなもんかしらね♪

もう何回もやってる事からうんざりしてる様子だけど心のそこじゃあ楽しんでるみたいだし

「どう…かしら…」

試着室からでた優花ちゃんが似合っているか聞いてみる。

「うーん、似合ってるんだけどもう少しほしいかしら…あっ、チェックのスカートなんかどうかしら」

思いだったら吉日とチェックのスカートを持って優花ちゃんに渡して試着してもらうと先程よりしっくりくる容姿になった。

「どう?」

「似合ってるよ!なんか優等生みたいな雰囲気がするわ」

「そ、そう…それじゃあこれにしよっかな~」

何だかんだで優花ちゃんも気に入ってくれたみたいだ。

「あ、りーさん、優花の服、決まったか?」

そういって胡桃が幾つか服を持ち、そして何故かボロボロな誠くんを引きずってやって来た。

「えっと、何があったのかしら」

もう3回目だと言うこともあってもう、そこまでリアクションも薄い、

「いやあ、また女に気が障ることを言ったから、ついな」

「…どうせ、私の胸は小さいもん、若狭さんより、大きくないもん…ブツブツ」

…音姫さんに対して言ったみたいね、それを胡桃が代行して制裁っと…

「それじゃあ何着かほしい服取って上の階に向かおうぜ」

「そうね、そうしましょう」

それから私達、既に選んでいた優花ちゃんの服も他にも何着か選びリュックサックに入れてその場をあとにした。

服選びも済ませて既にお昼が過ぎた頃、持ってきたお弁当を食べて四階で生存者を探していた。

奴等が上に上るのを苦手なのはわかっていることつまり上にいくほど奴等が少なく生存者がいる確率があるということになる。

だけど、管理局は例外だから…正直いるかどうか…

「四階にはいないみたいだな…」

「残すは五階だけね」

私と胡桃が話し合うやっぱり、奴等が全滅されていることに関係してるのかも…最悪手遅れ…

「っ!誰だ!」

最悪の予想をしていると誠くんが上の階に向けて叫ぶ。

「っ!!」

すると誠くんが向いていたところの物陰から誰かが出ていって私達から逃げるように離れていく。

「もしかして生存者かも!」

音姫さんの言葉にみんながうなずき発見した生存者を追いかけていく。

「完全に見失った」

「でも五階のどこかに行ったはずだから」

「っ!こっちから音がしたよ!」

生存者の行方を見失いしらみ潰しで捜索しようとしたとき由紀ちゃんが指差した方向から音がしたとみんなに伝える。

「…行ってみるか」

由紀ちゃんのことを信じて胡桃は行くことを決めて胡桃を先頭にその通路を進んでいくと、1つの部屋の前でみんな立ち止まる。

「…誠」

「いるな…一人だけ」

胡桃は部屋の中の気配を感じて同じく気づいていた誠くんにも確認をとりドアノブに手を当てドアを押して開けると

「やっぱり、生存者」

部屋の隅で私達を怯えた目で見てくる巡ヶ丘中学の制服を着た女の子がいた。

「近づかないでください!」

女の子は直ぐに近くあったハンドガンを構えて銃口を私達に向けてきた。

「ま、待って!私達は敵じゃないわ!」

「そんなこと、信じられる筈がないじゃないですか!さっきだって!大声で呼んだのに!」

私も説得も空しく通じず、ふと余計なことをしてしまった誠くんを横目で見る。

「え、俺のせい?」

「ふん!」

「ぐぼぉ!」

キョトンとした顔の誠くんに優花ちゃんが裏拳を溝に入れ相当の威力だったのか膝をおって蹲った。

「えっと、大声で叫んだことで驚かしてすまない」

「…」

未だに信用できないのか銃を下ろさず構えたままだ。

すると後ろから走る足音が聞こえてきてそれは段々とこちらに近づきつつあった。

「っ!もしかして帰ってきたんだ!」

女の子の他にも生存者がここにいたのか

そう思っていると先にドアの前にたどり着いた人を見て私は…いや女の子と誠くんと優花ちゃん以外驚いた。

「圭!」

「美紀!急いで脱出…っ!?」

圭と呼ばれたライフルを持った少女、彼女は私達を見て驚いた表情をする。

この女の子はあの放送で死んだと思ってた女の子だ…つまりは

「圭!直樹!時間がない!急…い…」

更にきた人物は私達を見るや言葉をつまらせた。

考えた通りだった、女の子が生きてるなら勿論、もう一人も生きてるはずだと

私は生きていた嬉しい気持ちで彼の名前を口にした。

「ゆうくん!」

月宮雄也…ゆうくんは今私の目の前に生きている。

 
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