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水の国の王は転生者

作者:Dellas
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第九話 再び、ヴァリエール家へ

その日の真夜中、カトレアは中々眠りにつく事が出来なかった。

寝返りを、右にうっても左にうっても、睡魔はやって来ない。
気分転換をしようと、スタンド型の魔法のランプを点け、ベッドの下に置いてある籠を取ろうとモゾモゾとベッドの上を這いつくばる。
側で寝ていた動物たちの何頭かがランプの明かりで起きて、ベッドの下の籠を取って上げた。

「わ、ありがとう」

カトレアのお礼に動物たちは、小さく鳴いて答えた。

起き上がって、籠に掛けてあった布を取ると、中には何十通もの手紙の束がきっちりを収まっていた。
カトレアは手紙の束の中から、一通取り出して読み出す。
手紙の送り主は婚約者のマクシミリアンで、それぞれの手紙には劣化しないように固定化の魔法が掛けられていて、送られた当時のままの姿を保っていた。
カトレアと婚約者であるトリステインの王子マクシミリアンとも文通は今現在でも続いていた。
最近起こった事や楽しい作り話、励まし言葉などの内容で、もう、お互い何年も会っていないが、カトレアはマクシミリアンの事を考えると思わず頬が熱くなった。

だが、先日届いた手紙はいつもと違った。
手紙の最後に『カトレアの病気を診る許可が下りたので、数日中にお邪魔します』と、書かれていたのだ。
カトレアにとっては嬉しさ半分、戸惑い半分だった。
何年ぶりかの再会の嬉しさに、熱を出して家族一同を心配させたりもした。
だが、いくらマクシミリアンが10歳でトライアングルになり、近々スクウェアに到達すると噂される天才と言っても、いくらなんでも若すぎる。

(ひょっとすると・・・)

カトレアには思い当たるものがあった。
最近、両親や姉、メイドたちの一挙手一投足に何か『ふくむもの』を感じたからだ。
それでも感じた当初はそれほど気にしていなかったが・・・

それがここにきて、マクシミリアンの手紙がカトレアの心に不安を植えつけた。

(破談が近いのかも・・・)

だから両親が『最後の思い出に・・・』と、マクシミリアンを呼んだのかもしれない。

「・・・」

手紙を見ながら沈黙がおちる。
そんなカトレアを見て心配したのか、ベッドの周りで寝ていた動物たちがカトレアに寄ってきた。

「みんな・・・ありがとう。もう大丈夫だから、起こしてごめんね」

読み直していた手紙を籠の中に戻してベッドの下に置いた。
ランプを消して。カトレアは布団を被り直す。
リスや猫といった小型の動物たちが添い寝するように布団の中に潜り込むと、安心したのかカトレアにようやく睡魔が襲ってきた。

「マクシミリアンさま・・・」

一言つぶやくと、カトレアは眠りに落ちていった。






                      ☆        ☆        ☆ 







トリスタニア上空に北東へと向かう竜籠とそれを護衛する5騎のグリフォン隊の編隊があった

竜籠にはマクシミリアンと執事のセバスチャンの二人だけ乗っていて、ラ・ヴァリエール公爵領へ婚約者のカトレアの病気の治療を行うの旅の途中だった。

マクシミリアンは家臣団から提出された報告書を読んでいた。
報告書にはそれぞれの分野の改革案が書かれていて、この旅から戻り次第、父王エドゥアール1世と協議を行う事になっている。

先日、行われた元エスターシュ派の旧臣らとの会合は成功裏に終わり。マクシミリアンは優秀な政策ブレーンを手に入れることができた。
そして更なる人材の確保を目指して、密偵団を使って諜報活動がてら人材の捜索を行っている。

「殿下、何かお飲み物はいかがでございましょうか?」

一息入れようとした所、セバスチャンが聞いてくる。

「紅茶を頼むよ、ミルクたっぷりで」

本当は、コーヒーが飲みたかったが無いみたいだったから紅茶にしておく。
セバスチャンは一礼するとキッチンへと去っていった。
ちなみに、この竜籠は王家専用で簡単な料理なら出せるちょっとしたキッチンがついていた。

しばらくして。出された紅茶を飲みながら下界を眺めると、真下に川が流れているのが見えた。
下に流れている川はヴァール川といって、上流ではメイン川と呼ばれる大河で、ガリア北東を水源としてガリアとゲルマニアと流れトリステイン北部へ入ると2分岐し、ヴァール川とレッグ川になりそれぞれ海へと流れる。
上流のメイン川はゲルマニア人には『父なる川』と呼ばれ親しまれている。
ちなみに上流のガリア、ゲルマニアからの生活用水が混じって流れてきていて、下流側のトリステインでは、川の水はとても飲めるような水質ではない。
飲み水といったら大抵は井戸水だった。そのせいかトリステインは飲み水よりもワインのほうが安いため、ワインの需要が高かった。

マクシミリアンは眼下に広がるヴァール川と無数に伸びる支流を見る。

(出発前にヴァール川・レッグ川流域の開発予算を請求したけど。全額は無理でも半分は欲しいなぁ)

それはマクシミリアンが直轄地で水資源の豊富なヴァール川・レッグ川流域がほとんど手付かずだった事に目を付けて、国内での実績作りと、建設業の育成のための下準備を家臣団に命令した。
予算が下りれば、すぐにでも始められるように土木関係者に話をつけたり測量が出来る者を抜擢したりと、ミランはじめ家臣団は大わらわだった。
ちなみに測量と同時進行で正確な地図作りもさせている。

(いわゆる、ゼネコンを真似して見ようと思ったんだけど・・・)

・・・本当の所は、公共事業を同時に減税を推し進めてトリステイン国内の景気を上げたかったのだが、そこまでの権限も発言力も今のマクシミリアンには無い。
そこで財務担当の貴族を説得してみたが、良い返事をもらう事が出来なかった。
トリステイン貴族は表面上は王家に対して、絶対的な忠誠を誓っているように見えるが、自身の利権が侵されようとすると激しく抵抗してくる。
ここで無理に王家の権威を振りかざして、貴族らの利権を切り取ろうとすれば、内乱が起きてしまうかも知れない。
仕方なく減税の条件として、その貴族所属する派閥の令嬢らと会食をする羽目になってしまった。
公共事業を推し進めても重税のままだったら、この開発事業は中途半端に終わる可能性が高い。
それを心配していたマクシミリアンは、仕方なく会食を承諾した。

(貴族連中は、オレが12歳になれば婚約が解消されるのを知っているんだな)

ため息をつきながらも会食の事について考える。
婚約が解消されるのを見越して、それどれの娘たちを紹介し始めた。

(でも、綺麗どころばかりみたいだし会うくらいなら、いいかな?)

・・・と、のん気に構えながらマクシミリアンはミルクティーを楽しんだ。









                      ☆        ☆        ☆ 







ラ・ヴァリエール公爵の屋敷に到着すると。ラ・ヴァリエール公爵を始めとする家人一同が盛大に出迎えてくれた。

「ヴァリエール公爵、今回は僕のわがままを聞いてくれて、ありがとうございます」

「殿下とカトレアの仲を思えばこそでございます。どうかカトレアをよろしくお願いします」

と、公爵は一礼した。

「カリーヌ夫人とミス・エレオノールも、ご無沙汰しています。短い間ですがお世話になります」

カリーヌ夫人とエレオノールにも挨拶をする。

「この度は、お越しいただきありがとうございます。家人一同、心より歓迎いたします」

「お久しぶりでございます、マクシミリアン殿下。カトレアの事、よろしくお願いします」

カリーヌ夫人とエレオノールも優雅に返した。

「時にヴァリエール公爵、今までカトレアを治療したメイジたちのカルテ・・・治療法とか記録した物があったら参考のため、見せていただきたいのですが」

「なるほど。分かりました、用意させましょう」

「ありがとうございます。治療は明日以降になると思いますので。短い間ですがお世話になります」

公爵とカリーヌ夫人とエレオノール、マクシミリアンの四人は和気あいあいとしながら廊下を歩く。

「殿下、早速、カトレアに会っていただけないでしょうか?」

と、カリーヌ夫人が言う。

(この人はいつも妙なオーラを放ってるなぁ)

どういう訳か、マクシミリアンに会うたびに奇妙なオーラを放つカリーヌ夫人。
そのためマクシミリアンはカリーヌ夫人に『嫌われているのか?』と、思って苦手意識を持つようになった。

「もう何年も会ってないですからね。是非とも合わせて下さい」

マクシミリアンも気にしないようにしながら承諾した。

・・・・・・

そうしてカトレアの部屋へ向かう途中。

「そういえば、ルイズ=フランソワーズに機会があれば会ってみたいのですが」

以前、カトレアの手紙に書いてあった、ラ・ヴァリエール公爵家の末娘の事で今年で2歳になる。

「そういえば、ルイズは何処いるのだ?」

「メイドたちに任せたはずですけど」

「メイドは全員、殿下のお出迎えに出払ってました。ひょっとしたらカトレアの所では?」

「多分、そうなのだろう。エレオノール、すぐに見に行ってきてくれ」

何やら3人でぼそぼそと話をしているが、マクシミリアンには丸聞こえだった。

「カトレアの所に居るのでしたら、ちょうど良いです。早速会いに行きましょう」

マクシミリアンは三人を急かす様に足早にカトレアの部屋へ向かった。





                      ☆        ☆        ☆ 





結論から言うとルイズはカトレアの部屋に居た。

ヴァリエール夫妻を廊下に残して、マクシミリアンとエレオノールの二人が部屋に入ると、ルイズは絨毯座って人形遊びを、カトレアは部屋に具えてある椅子に座ってルイズを見守っていた。

「マクシミリアンさま、ようこそ御越しいただき、ありがとうございます」

「カトレアいいかしら? 殿下が是非、ルイズにもご挨拶をされたいと、おっしゃっています。少しの間、ちびル・・・コホン。ルイズを貸してもらうわよ?」

エレオノールの宣言にもルイズは我関せず。エレオノールを無視して人形と遊んでいる。
無視された事で、エレオノールのこめかみに青筋が立った。

「ちびルイズ!」

青筋を立てたエレオノールの怒鳴り声にルイズはびっくりしてカトレアの足に引っ付いた。

「まぁまぁ、ミス・エレオノール。ここは僕に任せてください」

「・・・コホン、殿下が、そう、おっしゃるのでしたら」

エレオノールをなだめて、ルイズとカトレアに向かい合う。

ルイズはカトレアに、しがみ付くように抱きついていて離れようとしない。
一方、カトレアも『あらあらうふふ』と、言いながらルイズを愛でている。

「やぁ、カトレア、久しぶりだね。とっても綺麗になったよ。またこうやって会う事ができて嬉しいよ」

マクシミリアンはさわやかに挨拶した。

「わたしも嬉しいですわ。マクシミリアンさまの手紙はいつも楽しみにしてました」

「喜んでもらえて嬉しいよ」

二人は『あははうふふ』と、笑いあう。
そうしていると、カトレアの陰でルイズがジッと、マクシミリアンを見ていることに気付いた。

「ルイズに挨拶したいから、ちょっと失礼するよ」

マクシミリアンは片膝をついてカトレアにしがみついているルイズと同じ高さの目線になる。

「始めましてルイズ、僕はマクシミリアン。これから仲良くさせてもらって良いかな?」

にこやかに挨拶する。
一方、ルイズはジッと見つめながら、うーうー唸ってカトレアの側から動こうとしない。

(まだ、2歳だし仕方ないかな)

マクシミリアンはルイズの頭を撫で、手を差し出した。

「握手してもらっても良いかな?」

「ルイズ、マクシミリアンさまにご挨拶を・・・ね?」

カトレアはルイズに、優しく挨拶するように促した。

ルイズはマクシミリアンとカトレアを交互に見ると、おずおずとカトレアから離れ、差し出されたマクシミリアンの手をペタペタと触った。
マクシミリアンはルイズに受け入れられた事に、思わず胸をなでおろす。

「よろしくね、ルイズ」

ルイズの小さな手を握りなおし握手した。
にへらと、笑うルイズ。鼻水を垂らしていた為、ハンカチで拭いてやった。

「ちょっ!? ルイズ! 申し訳ございません殿下!」

「まっ、ルイズったら。はしたないわ」

エレオノールは頭を抱えながら、カトレアは少し困ったように言う。

「まぁまぁ、まだ2歳なんですし・・・」

マクシミリアンがフォローを入れて、この場は収まった。

(何はともあれ、ルイズに受け入れてもらえたようだ)

ホッと、胸を撫で下ろした。

・・・・・・

ルイズたちは去って、部屋には二人と動物たちだけが残った。

「それにしてもカトレア、動物がまた増えたみたいだね」

以前、会ってから5年近く経っているとは言え、カトレアの部屋はまるで動物園のようだった。

「怪我をして動けなくなったり、群れからはぐれてしまったりと、そう言った子たちを引き取ってたらこんなに多くなってしまって。でも、毎日が賑やかで、とっても楽しいですわ」

カトレアは、ポンと手を合わせてにっこりと笑った。


「そうなんだ。いつもながらカトレアは優しいなぁ」

ほんわかな雰囲気で二人とも笑顔になる。それに釣られて動物たちが騒ぎ出した。

「みんな、マクシミリアンさまを歓迎しているんですわ」

わんにゃんぶーと、騒ぐ動物たち。
マクシミリアンは一頭づつ、頭を撫でてやった。

「動物たちにも気に入ってもらえたようだ」

ちょっとおどけて言うと、カトレアは口に手を当てて笑った。
その後、二人は数年ぶりの再会を喜びながら会話に花を咲かせた。


・・・・・・


楽しい時間は早く感じるもの。
あらから喋ると、少し間をおいて、カトレアは神妙は顔つきになった。

「・・・マクシミリアンさま、この度はわたしの為に時間を割いていただいて、ありがとうございます」

改めて、カトレアはマクシミリアンが自分の治療の為にわざわざやってきた事について礼をした。

「気にしなくても良いよ。カトレアの力になりたくて来たんだから。それにね、僕はカトレアが好きだから・・・病気を治して、どこか旅行に行こう」

カトレアの両手を握って、領内からほとんど出た事の無いカトレアに旅行の約束と告白をした。
すると、カトレアはびっくりした顔をすると、たちまち目に涙を浮かべた。

「ありがとうございます・・・わたしなんかの為に、ありがとうございます。実はマクシミリアンさまが、わたしの病気を治しにお越しいただくと聞いて、婚約話が解消される前にせめてもの思い出作りを・・・と、ふとそう思い当たったのです」

溜まった涙はついに零れ落ち、頬を濡らした。

「婚約が解消されてしまったら、もうマクシミリアンさまに会えない。もう・・・手紙が届く事もなくなって。いつの日かみんなに見守られて死ぬ。でも、マクシミリアンさまは、そこにはいない、そういう人生をこれから送るとも思うと、怖くて、怖くて堪らないんです」

マクシミリアンは内心、唸った。

(カトレアは感が良く働くとは聞いてたけど。どうする? 婚約解消の期限、言うべきか・・・)

とはいえ、ぽろぽろと涙を流すカトレアをそのままにしておく訳にはいかない。
涙を流すカトレアを抱き寄せた。

「泣かないでカトレア、すぐに婚約解消になるはずないよ。僕はカトレアの涙は見たくないよ」

カトレアに胸を貸しながら慰める。
二人の周りでは動物たちが心配そうにしていた。

「それにみんなも心配してるよ?」

「・・・はい」

小康状態になったカトレアを背中を優しく叩く。

「それにカトレア、僕だって遊びに来たわけじゃないよ。きっとカトレアの病気を治して見せるから、一緒に頑張ろう」

「はい、わたしも・・・頑張ります」

カトレアは、弱々しくも励ましの言葉に答えた。
カトレアとマクシミリアンはにっこり笑いあった。

・・・結局、期限の事は言い出せなかった。





                      ☆        ☆        ☆ 






夕食後、マクシミリアンは宛がわれた部屋でカトレアのカルテの読んでいた。

カトレアの治療に対して、まず最初に行った事は、今までのメイジたちの治療法をよく吟味する事だ。
そうする事で、カトレアの治療のヒントを探すつもりだった。
ペラペラとカルテのページをめくると、とあるページに行き着いた。

(精霊の涙、もうすでに試した後だったか。有名な魔法の妙薬をヴァリエール公爵が知らないわけが無いと思っていたけど・・・)

そのページに書かれていたものは、『万病に効く』と、言われる秘薬、精霊の涙の事だった。
精霊の涙とはトリステインとガリアとの間にあるラグドリアン湖に住むといわれる水の精霊の身体の一部を使って作る最高の秘薬のことだ。
ヴァリエール公爵はもう何年も前に精霊の涙を手に入れ、カトレアに使ったようだったが、カルテを見る限りでは効き目が無かったようだ。

(秘薬中の秘薬をもってしても治らない病気っていったい何なんだ?)

ヴァリエール家が精霊の涙を使ってなかったら、何とかして手に入れてカトレアに施そうと計画を練っていたが、いきなり暗礁に乗ってしまい、頭を抱えるマクシミリアン。
しかし、『頭を抱える時間は無い』と、再びカルテのページをめくる。

・・・どのくらい時間が経っただろう。
一字一句、見落としが無いように食い入るようにカルテを見る。
しかし、これといって決め手になるような治療法は思いつかない。

(焦るな焦るな・・・まだ、一年以上の時間がある。明日、カトレアから血液と体液、その他諸々を採取して、じっくり調べ上げれば良い。努力はきっと報われる。あんな良い娘がいつまでも不幸であってたまるか!)

自らを鼓舞しながらページをめくる。

「ん?」

その後もカルテを読み続けると妙なページに行き着いた。

「何この中途半端なやつ」

それはページの半分程度しか書かれていない、まるで途中で放り出されたような感じのページだった。

(どんな治療法かな?)

と、半端なページを読む、すると見る見るうちにマクシミリアンの顔が険しくった。

「これは・・・治療というより、人体実験じゃないか!?」

思わず声を荒げる。
部屋の外で警護をしていた魔法衛士が異変と勘違いしたのか、ノックをしてマクシミリアンに応答を求めた。

「殿下? どうかなさいましたか?」

「いや、なんでもない。警護を続けてくれ」

「御意」

魔法衛士は警護に戻り、マクシミリアンも気を取り直して、再びカルテを見た。

(中途半端で終わっているのも、きっと途中でクビになったんだろう・・・)

そう思いながらも、何か引っかかるものを感じる。
どういった人が、この人体実験をやらかしたのか興味を持ったマクシミリアンは人名を検める。

そこにはフルネームではなく、『ワルド』と、簡単なサインが書かれてあるだけであった。
 
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