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『愛花-アイカ-』

作者:零那
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『真相』



売人を捜した。
見つかって話を聞いた。
アッサリ口を割った。
女やしクソガキや思てナメ腐りやがって。
バカにした物言いがムカついた。

30前のオッサンのくせに見た目ハタチそこらのガキに見える。
この年で未だ売人って...。
バカだろ絶対。
...って、中学生の零が内心コイツらをバカにしてた。

事の発端はやっぱり金銭絡み。
相当借金しとったらしい。
サムライは此の売人の上の人にも借金しとった。
先に返さな売らんって言われて発狂したらしい。
手に負えんなって、黙らす為に仲間呼んで暴行に至ったと。

なるほど。
納得。
でも殺す必要有った?
殺しては無いって言う。
暴行はしたけど、歩いて単車迄行ったし、単車も普通に乗って行ったって。

真実は現場見して貰わんと解らんやん?
暴行した処、連れて行って貰った。
血痕に、歯まで在った...。
そのまま...

其の痕跡をジッと見てた零に言い放った。

『いつ捕まってもええで。通報するならせんけん嬢ちゃん。かまんで』

苛っとするわホンマ。
我慢して頭下げて出た。

通報しても変わらん。
同じ様なクローンがウヨウヨしとんやけん、いたちごっこ。

サムライは、最期の最期に正気に戻った。
茉莉花先輩の元に逝きたくなったんか...

そう想えば綺麗な思い出。

綺麗な生き様やったんやなって思ってしまう...

真実は...
本人にしか解らん...

あの世という世界が在るなら、ソッチで2人で幸せになれたら...

そう願ってしまう...


 
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