| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第20話 ネオ・アルカディアⅡ

 
前書き
ネオ・アルカディア正面ゲート前 

 
エックスを助けるためにネオ・アルカディアの正面ゲートの前に転送されたゼロとルインは辺りを見回すと、警備用メカニロイドとパンテオンがこちらに攻撃を仕掛けてきた。

「そこをどけえ!!」

ZXバスターを構えてチャージショットを放つと、ゼロがZセイバーを構えて敵陣に突撃する。

ルインはバスターでゼロを援護しつつ、ゼロはセイバーの破壊力に物を言わせながら敵を叩き斬る。

「一気に蹴散らす!!」

即座に火力重視のFXアーマーに換装し、二丁のナックルバスターを構えたルイン。

FXアーマーの火力で一気に敵を押し潰すつもりなのだ。

「ゼロ、離れて!!」

二丁のナックルバスターからショットを連射しながら突き進む。

単発の威力が高いナックルバスターのショットの連射に耐えきれるレプリロイドやメカニロイドなどはあまりいないだろう。

「ルイン…」

普段のルインとはまるで違う戦い方だ。

まるでエネルギーの温存を考えておらず、普段のルインならば後先のことを考えて行動するはずなのにだ。

それほどまでに余裕がない。

「はあ…はあ…」

周囲のメカニロイドやパンテオンを一掃すると、息を切らしながらナックルバスターを下ろした。

「ルイン落ち着け」

「ゼロ…でも、急がないとエックスが…」

「焦りで判断力を鈍らせてしまっては逆にこちらがやられてしまう。そうなってはますますエルピスの思う壺だ」

敵の本拠地である以上、警備は今までのネオ・アルカディアの施設の比ではないのは明らかだ。

自分達がやられてしまってはエルピスを止められる者がいなくなってしまう。

「ゼロ…」

「エルピスもネオ・アルカディアの攻撃を受けているはずだ。エックスの元に向かうにも、道中に大量の罠があるはずだ。いくらベビーエルフがいようが、そう簡単には辿り着けんだろう」

「うん…ごめんゼロ…」

ルインは冷静さを取り戻し、HXアーマーに換装すると、バーニアを噴かして、空高く飛翔した。

「プラズマサイクロン!!」

チャージを終えたダブルセイバーを振るって電磁竜巻を繰り出すと、電磁竜巻に引き寄せられたパンテオン達は感電と同時にズタズタにされる。

「旋牙突!天昇斬!落烈斬!!」

ゼロもセイバーによる技で、パンテオンとメカニロイドを薙ぎ払っていく。

トゲが敷き詰められた場所はルインに運んでもらうことで無事に突破し、ゼロとルインは圧倒的な力を発揮しながら次々と敵を屠っていく。

そして奥にあるシャッターをこじ開けると、かつてゼロが戦ったレインボーデビルがいた。

「うわあ…何こいつ?うねうねしてて気持ち悪い…」

「レインボーデビル…確か、ボディが液体金属で出来た奴だったな…理性はなく、大して強くはないが、パワーと耐久力に優れている。一対一ならば手間がかかるが…」

「私とゼロの二人掛かりなら?」

「簡単にカタがつく」

それだけ言うと、ゼロはセイバーを構えた。

レインボーデビルはゼロとルインを認識するのと同時に殴りかかるが、パワーを重視し過ぎているためか動きがかなり遅い。

「ルイン、こいつは自分の液体金属を飛ばす攻撃を持っている。それだけには注意しろ」

「了解。ダブルプラズマサイクロン!!」

ダブルセイバーを振るって電磁竜巻を同時に二発も繰り出す。

電磁竜巻をまともに喰らって体が引き裂かれていき、飛び散った液体金属が爆発した。

「…どうやら今回の奴は液体金属自体が破壊力を持った兵器らしいな」

「やっぱり昔と比べて技術は進歩してるようだね。」

二百年前も確かに液体金属の研究自体は行われてはいたが、当時は確か状態変化を繰り返すのが精々だったはずだ。

「だが、図体がでかいだけだ。行くぞ。コアを破壊すれば終わる」

アイスチップを使い、武器に氷属性を付加させ、レインボーデビルに氷属性のチャージショットを放つ。

液体金属のボディを凍らせて液体金属特有の柔軟性を封じることで直接攻撃が有効になるようにしたのだが、チャージショットがレインボーデビルに直撃し、体の表面の一部分を凍らせたものの氷を取り込んだ。

「氷を取り込んじゃったよ!?」

「以前より氷属性の耐性が上がっているな。しかし、あれより強力な攻撃となると…」

「チャージセイバーじゃあ、凍る前に液体金属が飛び散っちゃうよ。落烈斬は一撃で倒せないと自爆技になりやすいし…なら…LXアーマーで!!」

HXアーマーからLXアーマーに換装し、同時にオーバードライブ発動してダッシュで距離を詰めると、レインボーデビルも迎撃しようと殴りかかる。

ルインはダッシュジャンプで回避し、レインボーデビルにハルバードを頭部に突き刺す。

レインボーデビルがコアを移動させたために、コアには掠りもしなかったが、ハルバードが突き刺さった部位から凄まじい勢いで凍結していく。

オーバードライブは武器の出力を通常時の二倍にするだけでなく、武器に属性を付加するので、この状態の時のルインの攻撃はノーチャージのチャージアタックのような物なのだ。

瞬く間にレインボーデビルの液体金属は凍結し、柔軟性を失った。

「ゼロ!!」

「ああ」

既にエネルギーチャージを終えていたゼロはセイバーを構えて突撃し、液体金属を完全に凍らされたレインボーデビルに回避手段はなく、チャージセイバーをまともに喰らった。

凍った液体金属のボディごとコアを両断されたレインボーデビルは爆散した。

「やったね」

「ああ」

二人が先に進もうとした時にシエルから通信が入る。

『座標軸セット完了…これでいつでも、ここへ戻れるようになったから…そのまま、先に進まずに…一度ベースに戻って欲しいの…お願い…二人共』

「…分かったよ」

「…了解。」

二人は転送の光に包まれ、レジスタンスベースに一時帰還したのだった。

「ゼロさんとルインさん、帰還します。」

「転送完了まで…2…1…転送!!」

二人がトランスサーバーに出現した。

「転送終了しました」

ゼロとルインが司令室のトランスサーバーに出現すると、シエルが駆け寄った。

「良かった…無事だったのね。ともかく、お疲れ様でした。ゆっくりと休んでいってね…」

「ありがとうシエル…じゃあ……エネルギーの補給が終わるまでは休ませてもらうよ」

本当なら今すぐにでもネオ・アルカディアに戻り、エックスの元に向かいたい。

しかし、今はかなりエネルギーを消耗しており、そんな状態では
ベビーエルフとダークエルフの半分を手に入れているエルピスには勝てる可能性は低い。

ルインは今は休む時だと自分に言い聞かせた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧