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新オズの腹ペコタイガー

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第五幕その九

「お握りもそうね」
「そうですね、こんなに皆が食べる美味しい食べものでも」
 日本ではそうであってもです。
「違うってことですね」
「オズの国は昔パンだけだったわよ」
 ドロシーは自分が最初にオズの国に来た時のことからお話します。
「本当にね」
「そうでしたね」
「それが変わったの」
「そうでしたね」
「私もはじめてお握りを見た時何これって思ったわ」
「御飯のボールって」
 ジュリアも笑って言います。
「こうした食べ方があるのかって」
「思ったわよね」
「ええ、私もね」
「お寿司は知っていたけれど」
「また違ってて」
「不思議に思ったわ」 
「けれど食べてみて美味しかったわ」
 そのお握りがというのです。
「今でもオズの国ではパンが主流だけれど」
「御飯を食べる時もあるわよ」
「そういうことですね、いいことがわかりました」
 笑顔で頷いた恵梨香でした、そしてです。
 そうしたお話をしながら御飯を食べてです、それから。
 オズマはあらためてです、皆に言いました。
「では今からね」
「はい、出発ですね」
「それぞれの食材を手に入れる為の冒険に出発ですね」
「そうよ、まずはジュリアとね」
 オズマは皆に言います。
「チクタクと臆病ライオン」
「そして僕ですね」
 ジョージが笑顔で応えます。
「このパーティーですね」
「そうよ、楽しくね」
「そうしてーーきます」
「是非共ね」
 臆病ライオンとチクタクが応えます、オズマはその四人に言います。
「リーダーはジュリアがいいかしら」
「私ですか」
「ええ、何か女の子がリーダーの方がね」
「いいと思ったからですね」
「今回の冒険はどのパーティーもよ」
 ジュリアのパーティーだけでなくというのです。
「女の子がリーダーでどうかしら」
「それでこのパーティーのリーダーはですね」
「貴女なの」
 ジュリアだというのです。
「それでどうかしら」
「姫様がそう仰るのなら」
「それじゃあね」
 こうしてです、ジュリアがパーティーのリーダーになりました。そして。
 オズマは今度はです、ベッツイ達に言いました
「ベッツイと船長さんに」
「私とね」
「僕ですね」
 ビリーナと神宝が続きます。
「この四人でね」
「出発ですね」
「そう、そしてね」
 オズマはこのパーティーにも言いました。
「リーダーはベッツイよ」
「ジュリアと一緒で」
「楽しんできてね」
「ううん、私がリーダーね」
 そのポジションについてです、ベッツイは少し微笑んで述べました。
「それはね」
「意外かしら」
「いつも誰かと一緒に冒険していても」
 リーダーのポジションにいたことがというのです。 
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