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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第19話 ダークエルフ

 
前書き
エルピス暴走 

 
ルインはトレーニングルームにて、ゼロの新技開発を手伝っており、ゼロが新技開発の参考にしているのは、ゼロが戦ったレヴィアタンとハルピュイアだ。

「落烈斬!!」

アイスチップを使い、Zセイバーに氷属性を付加させると、落下の勢いを利用した下突きを繰り出す。

「く…っ!!」

咄嗟にZXセイバーで受け止めるが、予想以上に重い一撃に、ルインは顔を顰めた。

そして両腕と両足に力を込め、一気にゼロのセイバーを弾いた。

「……」

「ふう……今のがレヴィアタンの攻撃を参考にした技なの?」

「そうだ」

真下にいる敵に対して有効そうな攻撃だったので、対地技として開発したのだ。

「真下にいる敵に有効そうだね。次の技は?」

「次はセイバーでも距離のある敵に対応出来るようにした技だ。ルイン、セイバーの出力を最大にして構えていろ」

「OK、分かった。」

言われた通りにルインはセイバーにエネルギーチャージをし、出力を最大にする。

「行くぞ…光幻刃!!」

セイバーを勢い良く振るうと、ハルピュイアやHXアーマーのようなソニックブームが放たれた。

「はあっ!!」

ルインは勢い良くセイバーを振り下ろし、チャージセイバーでソニックブームを砕く。

「どうだ?」

「うん、いいと思うよ。これである程度敵に距離を取られてもすぐに対応出来るね」

ルインも新技の出来に合格とばかりに頷くが、すぐに表情を引き締めた。

「操られていたレジスタンスは、誰も操られていた時の記憶がないみたいだったね」

「ああ」

ゼロがレジスタンスベースに戻って、しばらくして洗脳から目覚めたレジスタンス兵に尋ねてみたが、誰も操られていた時の記憶がないらしい。

「自分を心配してくれた部下を操るなんて…エルピスは本当に何考えてんだか…」

深い溜め息を吐くルイン。

ゼロもセイバーをホルスターに戻してルインの肩に軽く手を置くと、トレーニングルームを出て、司令室に向かう。

そして司令室に入ると、シエルがゼロとルインを出迎えてくれた。

「あ、二人共。トレーニングは終わったの?」

「うん、ゼロの新技も無事に完成したよ。ところでエルピスの行方はまだ分からないのシエル?」

「ええ、エルピスは一体どこに行ったのかしら…?」

全員が顔を顰めた次の瞬間であった。

『クックックック。ゼロくーん、ルインさーん。君達はとうとう、この私を止めることが出来なかったようだねー』

司令室に響き渡る声に誰もが目を見開いた。

全員がこの声を知っている。

「この、嫌味たっぷりの言い方は…」

「極秘回線から、通信…このコードは…司令官です!!」

「モニターに繋げて!!」

シエルがすぐさま指示を飛ばしてジョーヌとルージュが作業に取り掛かると、モニターにエルピスの姿が映る。

モニターに映ると、こちらに振り返って勝ち誇った笑みを浮かべており、その瞳には狂気の光が宿っている。

『ここは、どこだと思う?二人共ー。ここはネオ・アルカディアの最深部…。ネオ・アルカディアの幹部ですら、立ち入ることを禁じられているダークエルフが眠る部屋だ…。まず、ここのダークエルフを目覚めさせ…次にオリジナルエックスを破壊すれば…ダークエルフの真の力を得ることが出来る…。クックック…もうすぐだ…もうすぐ、究極の力が手に入るのだー!!』

エルピスの狂笑が響き渡るが、オリジナルエックスの破壊というその言葉にルインの表情は青ざめた。

このままではエックスが殺される。

「な、何でエックスを殺すの!?ダークエルフの半分とベビーエルフがいれば充分でしょう!?」

『分かってないようだねー。ハルピュイア達を倒し、人間共を滅ぼすにはダークエルフの半分だけでは足りないんだよ。』

「や、止めてよ…お願いだからエックスを殺さないでよ!!」

必死に懇願するルインだが、逆にそれがエルピスにあることを気付かせてしまう。

『随分必死のようだが…それだけオリジナルエックスが君にとって大切なようだねー。これはますますオリジナルエックスを破壊したくなったよ』

陰湿な笑みを浮かべながら言うエルピスにルインは更に青ざめた。

『ん?何だ…エックスか…』

「え!?」

モニターをよく見ると、確かに見覚えのあるサイバーエルフ…エックスの姿があった。

『ダークエルフを封印するため、動けぬお前など怖くない。お前は、ベビーエルフの相手でも………何だ?何をする気だ…や、止めろ…っ!邪魔するなっ、エックス!!』

[ミーーーーーッ!!]

赤いベビーエルフがエックスが放つ光に怯えて逃げ出そうとする。

『こら、逃げるなベビーエルフ!クッ、わ、私は…負けん!う…うおおおおおおおおっ!!』

エルピスの絶叫と共にモニターから映像が消えた。

「一体何が…」

何がどうなっているのか分からず、状況が飲み込めずに呆然となったシエルが呟いた途端に異変が起こった。

突如全身を襲った悪寒に全員が戦慄を感じた。

「な…何…今の感じ……」

シエルが体を僅かに震わせながら呟くと、直後にサイバーエルフが司令室に現れ、人型となった。

現れたサイバーエルフはエックスである。

「エックス!!」

エックスの姿を見たルインが思わずエックスに駆け寄る。

「彼はついに…ネオ・アルカディアの地下までやってきた…。そして…とうとう…封印を解いてしまった…」

エルピスは、ネオ・アルカディアの地下に封印されていたダークエルフの半分を復活させてしまった。

エックスの様子から、自分が長い間守ってきたダークエルフの封印の半分を解かれたことを嘆き、それを阻止出来なかった自分を責めているように見えた。

「ダーク…エルフか」

「すまない…彼の心には…僕の声が届かなかったようだ…。」

エルピスを説得しようとしたが、絶望と狂気に囚われたエルピスを止めることは出来なかった。

「エックスのせいじゃないよ!そんなに自分を責めないで…エルピス…絶対に許さないんだから!!」

エルピスに対しての怒りを抑えきれない様子のルイン。

「ごめん…しかし…彼女は…ダークエルフと呼ばれている、可哀想な彼女は…まだ…完全に目覚めていない。僕が…最後の力を振り絞って…目覚めぬようにしているんだ…お願いだ、ゼロ…ルイン…。今すぐ、ネオ・アルカディアに来てくれないか…そして彼を止めてくれ。頼む…ゼロ、ルイン…」

それだけ言うと、エックスはレジスタンスベースを去った。

少しでもダークエルフを抑えるために。

「シエル。今すぐ俺達を転送しろ」

「ネオ・アルカディア内部へは、直接転送出来ないけど………正面ゲートの前にだったら…何とか…でも…」

「お願いシエル!このままだとエックスがエルピスに……私をネオ・アルカディアに転送してよ!!」

「心配するな…俺達に…任せろ」

ルインは急いでトランスサーバーに入り、ゼロもシエルにそう言うと、トランスサーバーに入る。

「転送準備完了…転送!!」

転送の光に包まれ、ゼロとルインはネオ・アルカディアの正面ゲート前に転送された。

「ゼロ…ルイン…」

エックスをエルピスから守るために、ゼロとルインは危険を承知でネオ・アルカディアのユグドラシルへ向かう。

戦えないシエルはそんなゼロとルインをただ見送るしか出来ない。
どうか無事に帰ってきて欲しい。

ゼロもルインも。

シエルは二人の生還を祈った。 
 

 
後書き
エルピスに対して一言。
正義の一撃作戦で戦うなら最初から自分を戦闘用に改造してもらえばいいのに。
改造なんてシエルなら簡単でしょ?
コピーとは言え、エックスやら、アルティメットアーマーのパチモンとは言え強化アーマーを造れたんだし。
アンドリューみたくレプリロイドの改造自体はしたことあるんだし。
自分を戦闘用にして、四天王含めたネオ・アルカディア主力の戦闘力などの情報収集を完璧にして、準備万端で挑んでそれでもぼろ負けしたなら狂気に走る気持ちもまあ、分からんでもない。
しかし、エルピスの場合は碌にネオ・アルカディアの主力の情報収集もせずに、自分達の力を過信して、ゼロへの対抗心から敵陣に突っ込んで、あんな結果になったからはっきり言って自業自得感が否めない。
おまけにオリジナルエックスのボディを破壊しときながらそこら辺の謝罪もなし。 
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