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東方喪戦苦~堕罪編~

作者:鬼心
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~新九幕~真実の手掛かり

獄「お前の足は確実に使い物にならねぇぞ?どうするんだ?」

挑発気味にこちらの出方を伺っている。

「へへ、そいつはお門違いだぜ」

そういって俺は笑みを溢す。
だがその瞬間、笑みを溢した俺は紙切れに変わっていった。

「ここだよ」

そう言い放ち、獄王に後ろを取った事を悟らせた。

獄「っ!?」

素早く後ろを向こうとしたが、巨大な体がそれを許さなかった。その一瞬で後ろを向く事に成功したのは顔だけだった。
俺は迷わずその顔を目掛け拳を振るった。皮膚越しに骨と骨が勢い良くぶつかる鈍い音が木霊した。
獄王は奇襲の為、防御手段を一切使えず、もろに食らってしまった。
それに堪らず獄王は膝を付いてしまった

「『柔く剛を制す』正にこう言うことだな」

腕を組み、膝を付いた獄王を見ながら頷く。
だが獄王は直ぐに立ち上がった。

獄「一撃でこの破壊力か···だが、そのことわざには続きがあるんだぜ··剛よく柔を断つってな···」

獄王が殴りかかったその瞬間、どっかに消えてた筈の兄さんと韋駄天が戻って来た。

獄「あれ?韋駄天やられちゃったの?」
そんな事を言う獄王は酷くあっさりとした言い方で韋駄天に問いかける。
韋駄天は首を縦に振るだけだった。反対に兄さんの方はヘラヘラと何もなかったかのように笑っている

「まぁそれは言いとして、あんたが強いのは身体でしっかり感じたよ」
そう言って俺は体に付いた土を払った。

獄「実を言うと、こんな事必要なかったんだけどな。ガキっぽいっての言われなれてるし」
そう言った獄王は先程の覇気がある姿から一変、子供の姿に戻っていた。

「俺らは暇潰しか!」

獄「まぁそんなとこだな。後、八千代から話は聞いてる、確か浄土の行き方だったな?」

「あぁ、なんか知らねぇか?」
獄王が知らないとなると、俺の希望は潰えてしまう。
真実を知ることも祐海を追う事さえ出来なくなってしまう

獄「めんどくせぇから連れてってやるよ。だが浄土に行くにはちょいと手続きが必要でな。
それまで待っててくれや」
獄王は溜め息を吐きながら気だるそうに言った。

「あっ!早く帰らないと戻れない!」
俺はその事を唐突に思い出した。

獄「あぁそれは心配すんな今から帰してやるよ」
そう言って獄王は、俺の額に親指を当てて、少し強く擦った。
その瞬間、体がフワッと浮かぶ感覚に見舞われ、次に目を覚ましたのは、見慣れた我が家だった。




To be continudー






 
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