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『茉莉花-マリカ-』

作者:零那
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『出逢い』



茉莉花先輩と出逢ったのは中学1年生の夏休み。
零が施設に入所する2年前。
保護して欲しくて助けをマダ求めていた頃だった。
児童相談所に電話していた。
悪さをして警察に行った時、今の家庭の事情を話した。
母親の再婚前から世話になってる警察は、事情を知ってた。
保護して欲しい、あの家には帰りたくないと、何度も何度も訴えかけた。

マダ希望を棄て切れて無かった。
諦めないといけないのか、諦めてしまった方が楽なのか、そう考えてる時、茉莉花先輩に出逢った。

高松から島に遊びに来てた茉莉花先輩。
レディース、走り屋。
無駄な喧嘩は買わん。
仲間を守る為なら、いつでも死ぬ覚悟。
カッコイイ女ってイメージそのもの。

島には単車で山攻めに来てた。
5人くらい一緒だった。

零は、たまたま膝に怪我してた。
此は転けた時の傷。
あ、虐待の傷も痛々しかったんかも。
珍しく見える場所、顔面に殴られた痕が在ったから。
目の横切れてたし青アザ酷かったし。

目が合った瞬間、茉莉花先輩は近付いてきた。
何の躊躇も無く抱き締めてきた。
零は何が何やら解らんでパニクったとゆうか固まった。
茉莉花先輩と一緒に居た人達は、戸惑う零を見て笑顔で頷いてた。
理解できん。


ただ、生身の人の体温を感じた。
心まで温まるような...
涙が出そうになるような...
甘えてしまいたい...
すがりついてしまいたい...

人間の体温というものが、危険な温もりだということを初めて知った。

出逢った場所は中学校の近く。
家からは何だかんだと理由をつけて逃げてきた。
許されん日が殆ど。
でも、逃げ出した。
勿論バス代は貰えんから限界の限界になる迄は全力疾走。

虐待の傷の方が断然多いけど、度が過ぎる全力疾走のせいか生傷は絶えん。
走るのが早いから勢いよく派手に転ける。
だから手の平も肘も膝も、擦り傷とかは結構派手。

車にハネられる事もたまに。
ボンネット乗った時は運転者に申し訳なかった。
でも無我夢中で全力疾走中の零には、謝罪行為すら時間のロスで恐怖の対象。
本当に命懸けの逃走をしてた。


 
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