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その手で引き金を引け!!

作者:櫻木可憐
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第七章 神隠し
  第二話 捜査開始

 
前書き
元ネタがわかる人にはこの章はかなりつまらんかも・・・ 

 
俺は出水公平!!
弾バカとか言う奴もいるが、槍バカと同じにだけはされたくない!!
待ち合わせに寝坊する奴とは!!

如月に会いに行くのに緑川、米屋は寝坊。
風間隊の作戦室に一人で行くのはいいが、一人で如月の話を聞くのはやめてくれ。

絶賛神隠しと噂される行方不明事件を俺らがやれるわけがねぇ!!

二次被害が予測されるだろ。
しかもあんな槍バカ寝坊野郎と組むなんて、先が思いやられる・・・

「一人で作戦室前で騒がないで。入りなさい」

「如月・・・うおっその顔どうした!?」

作戦室から出てきたのは目に大きな隈のある如月。
かなりの寝不足らしく、話が耳に入っていないようだ。
手招きで中へ勧められる。
中に入るとノートパソコン片手に何やら説明を始める。

ノートパソコンなんか持ってたっけ?

「・・・ねぇ、二人は?」

「寝坊。」

「あ?・・・まぁいいや。あなたが来たならそれで。
これ、もし魔法絡みだった場合の基礎知識。」

渡してきたのはレポート。読む気は失せている。
量が多い訳ではなく、理屈が難しすぎた。
一ページ目から脱落。

「苦手なタイピングで打ち込んだのよ。一晩で。おかげで徹夜よ。
わざわざ中古でノートパソコンまで買って・・・
まぁパソコンはあれば便利だし。他にも使うし。」

「手書きでいいんじゃ・・・」

「人のあぶらで黒くなるから嫌。
それより始めにやることは、2つの隊の連絡がつかなくなった現場に行くことよ。」

「すでに菊地原が行ってるぜ?」

「信じてないわけじゃないけど、自らの目で見なきゃダメよ。
菊地原は耳ばかり集中してたはずだから、何か見落としがあるかも。
それに手掛かりがないんだから、そこから探りなさい。
各オペレーターにも会いに行きなさい。データあるかも。
行き詰まったら連絡して。起きてるから。」

「いやいや寝ましょ!?顔がヤバイ!!」

「やることがあるのよ。大丈夫。
終わったら、お言葉に甘えて寝るから。」

この人は本当にそうしてくれるかが不安だが、風間さんや菊地原がいるから大丈夫だろう。
フラフラ歩く如月はオペレータールームに吸い寄せられていった。

~~~~
私はオペレータールームに入ると、椅子に深く腰掛けた。
三上ちゃんが今いたら、少しは寝られるのだが、あいにく風邪でいない。
機械いじりは不得意分野で、正直破壊する自信が強かった。
機械はいつも彼任せだったからな、と後悔する。

「えーと、オペレーターって機械いじり大変だよな。あ、これかな。」

オペレーターが女子である理由は処理能力の問題らしいが、私は女子だが処理能力なんてないだろう。
今回はオペレーターとしてではないので良しとしよう。

それにワートリ風菊・歌菊・米出のために、パソコンはよく使ったから大丈夫なはず。

そんなとき、風間さんから電話が来た。
寝ていないことがバレると怒られるが、仕方なく電話に出た。

「風間さん、おはようございます」

『おはよう。その声だと寝てないな。』

「それより頼んだもの、買ってくれましたか?」

『あぁ。お前にそんな特技があったとはな。』

「違います。見よう見まねでやるんです。期待しないでください。
出水たちの方が遥かに良い成果が出るはずです。」

『その出水たちが二次被害にあったらどうする。』

「・・・だから私は行かないんです。
ただの誘拐なら彼らで大丈夫でしょうが、もし違ったら・・・
私なら対処できるかもしれないし。」

『そうか。わかった、俺が来るまで寝ていろ。
すぐ行く』

風間さんは頼りがいがあってかっこいいよな~
とりあえず、言われるままに目を閉じた。
少しは休もう。やることは多いのだから。

~~~~
バカアホ寝坊A級野郎二人組がやっと来た!!
俺を一人で如月のところ行かせやがって・・・

「いずみん先輩、寝坊しました」

「わりー、寝過ごした」

「槍バカ、もっと謝れ」

そして泣いて喜べ。俺の器が広いことに。
とりあえず、如月がくれた難しすぎたレポートを見せてやろう。撃退がてら。

「うお~ビッシリ。徹夜にもなるな~」

「すげー如月先輩、タイピング出来るの?」

いや、出来ないって言ってたぜ、緑川。
本人のために言わないが。
意外にも米屋がすらすらページを捲る。
いやいや、ただ見てるだけかもしんねぇし。

「これ、漫画とか小説とは違うことや同じこと書いてあるから楽しめる!!
でも漢字わかんねー」

「よねやん先輩、如月先輩からのメモ。
『小説として読めば、読みやすくなるよ。』
読む時のアドバイスじゃん!!」

お、俺にも教えろよ、先に。
朝からこいつらより先に来たのに。
なんか損してないか、俺。
そもそも如月が優しくしてくれるわけないが。期待すらしてない。

「とにかく、捜査開始だ!!」

米屋、テメーが指揮してんじゃねぇ~!! 
 

 
後書き
今までの軽い解説。
オリジナル性の高いシナリオに予想外にもなってしまった。はじめはそんな予定ではなかったのだが♪読み返したはじめは一人称、視点が曖昧すぎて読めない。読者に申し訳なかった。もう少し読みやすく、と思い頑張りはしてますが、空回りしてます。
魂と世界の話がメインな訳ですが、よくわからない方も多々いるのでは?軽く説明しますと・・・
別の世界にはあなたと同じ魂の人がいる!
正確には魂の構造が同じってだけ。
これが魂の共有者の話。
ではなぜ、風間隊に他者の魂の構造が付着しているか。
・・・簡単にいうと如月のそばに居すぎたため。
別世界の彼女が来たことで、世界のルールが歪んで出来たバグ。その中で原因に近いところにいた風間隊が巻巻き込まれたわけです。
可哀想に・・・
この章の後書きでは、今までの振り返りがてら、作者が作品について語ろうかなと思います。
ネタバレはしないのでご安心を。 
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