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オワリノコトノハ

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入学編
1章
  第三話「親睦会!!」

 
前書き
「こんにちは、玲です。え?和樹はって?保健室でぐったr...寝てますよ。つまり今回は俺だけで三話の前フリをでき...」
「やあ、こんにちは。皆大好き学園長だよ☆」
「よ、義昭さん!?なんでここにいるんですか?あとその☆ってなんですか!?」
「いや〜水臭いな〜。前フリあるなら誘ってくれよ〜。」
「酔ってるね!?酔ってるんだよね!?」
「ちょっと飲んだだけだ〜。じゃ、第三話目スタート〜。」
「また言われたーーー!!!!」 

 
入学から1週間が経ち、学園生活にも少し慣れてきていた。クラスメートの名前も大体は覚えたし、教室の場所とかもほとんど覚えた。
この前の模擬戦で吹っ飛ばした保宮には逆恨みをされることはなく、むしろ少し尊敬の眼差しを向けられ底が知れるなどと侮辱したことも謝罪してきた。思ったよりいい奴で、今では普通に話もする仲になった。
そんなある日の放課後に和樹がいきなりこんな提案をしてきた。
「入学してからまだ日も浅いし、親睦会でもやらないか?」
その誘いに対して俺は少し心がワクワクしていた。なにせ、俺は今までそういった親睦会や打ち上げなどに参加したことがなかったからだ。
「じゃあ、何人か声かけてみるか...」
「あ、私も参加していいでしょうか?」
声をかけてくれたのは万葉里さんだった。参加してくれるのは大歓迎だ。
「全然いいよ、むしろ大歓迎だよ。」
「ありがとうございます!あの...図々しいとは思いますが、友達を誘ってもいいですか?」
「いいよ?呼んできなよ。」
「はい!今から呼んできますね!」
と、彼女は教室の前の方の席に座っていた女子を連れてきた。
「えっと...アタシも参加してもいいのかな?」
「歓迎するぜ、人が多い方が楽しいしな。あ、名前って...」
和樹が名前を聞く。確か...この子の名前は...
「藤堂 春...春でも苗字でも呼び方はなんでもいいわ。」
そうそう藤堂 春だ。ポニーテールでとても活発的な印象だ。
「そうか、じゃあ春を含めて4人だな...そうだ玲、保宮を誘ってみてくれよ。」
「いいけど...あいつ来ないと思うぞ?まあ、とりあえず声かけてくるわ。」
「おうよろしく。」
俺はカバンに教科書などを入れ帰り支度をしていた保宮の後ろから声をかける。
「おーい保宮。ちょっと話あるんだがいいか?」
「お、なんだ葉桐。まさか稽古つけてくれるのか?」
「いや、そうじゃなくてだな。今度親睦会を開くことになってだな、お前にも来て欲しいんだが...」
「行こう。」
「こういうの苦...え!?いいのか!?」
「ああ、別に問題はない。」
苦手だよなって言おうとしたら即答された。超意外。
「おお、そっか...じゃあ場所と時間決まったらメールするな!」
「ああ、了解した。」
ダメ元だったのだがまさかオッケーだとは...根は素直だな...
和樹の元へ報告しに行く。
「保宮オッケーだとよ。意外だったな...あいつ親睦会とか参加したがるキャラじゃないと思ってたんだが...」
「お前からの誘いは例外なんだろ。どこかしらお前を尊敬してるしな。」
「とりあえずこれで5人か...場所はどこにするんだ?」
人数は集まったが、日にちと場所はまだ決まっていない。
早めに決めた方がいいだろう...どこかいい店とか近くにあるかな...
「何言ってんだよ?お前の家に決まってるだろ?」
「はい?」
おいおいマジかよ。
「あ、いいですね葉桐君の家!」
万葉里さんまで乗り気かよ。
「え、えと...」
口ごもる俺。
しかし、そんな俺に万葉里さんがトドメの一言。
「だめ...ですか?」
「だめじゃないです。むしろばっちこいです。」
この子は子犬か!?ダメだ!この子の涙目はかなり揺さぶられてしまう!
こうして、開催場所は葉桐家の自宅となったのだった。

「ただいま。」
俺は帰宅し、親父とお袋に親睦会の事を説明した。
すると予想通り双方ノリノリで、「料理には腕を振るうわ〜」とか「もう友人ができたのか。親睦会は大いにやるべきだな」とか盛り上がっていた。
「あ、保宮にメールしとこう。」
俺はスマホを取り出し保宮に向けメールを作成。
『親睦会の予定決まったぞ。日時は今度の日曜日の午後5時から、場所は俺の自宅だ』
「送信っと」
すると20秒後...チーンという音がスマホから流れた。
保宮からの返信だ。てか、早すぎるだろ返すの。
『分かった。必ず行く。』
あいつらしいメールの返し方だなと思い少し笑ってしまった。

そして親睦会当日。
俺はリビングを掃除し、お袋と親父は料理の準備をしていた。
「ふぅ...お、そろそろだな。」
時計を見ると4時50分を指していた。
『ピンポーン』
チャイムの音がなり俺は玄関へ行きドアを開けた。
「よ、玲。俺が一番のりか?」
「ああ、まだお前だけだぜ。ほら上がれよ」
「おじゃましまーす」
和樹をリビングへ誘導する。
「あら〜いらっしゃ〜い」
お袋が笑顔で迎え入れる。
「初めまして、玲のクラスメートの雨宮 和樹です。すいませんね親睦会のためにご自宅を使わせてもらっちゃって」
「いいのよ〜。れーくんがお友達連れてくるなんて初めてだからお母さん嬉しくって」
「お袋、余計な事言わなくていいから」
だが、友人を家に招くのは初めてだ。だからお袋もテンションが上がっているのだろう。
「あ、これうちの母が持って行けって。家の近所の和菓子屋の饅頭なんですけど、美味しいんで食べてみてください」
「あら〜ありがとね〜。」
「ありがとな和樹。そこのソファに座っていてくれ」
「分かったぜれーくん」
「それ絶対他の3人には言うなよ...」
和樹をソファに座らせると、またチャイムが鳴り玄関へ。
保宮と万葉里さん、そして春さんが来た。
「「「おじゃまします」」」
「いらっしゃい」
3人もまた手土産を持ってきていて保宮は日本酒、万葉里さんはフルーツの詰め合わせを藤堂さんはクッキーをお袋たちに渡していた。特に保宮の日本酒は親父に喜ばれ「保宮君、今度稽古に付き合わないか?」と言われ保宮が目を輝かせていた。
「じゃあ全員集まったところでとりあえず乾杯しますか」
和樹が音頭をとる。
「今年一年よろしくな!かんぱーい!」
「「「「かんぱーーーい!」」」」
かんぱい親睦会が始まり、お袋の作った料理を食べ始めた。しかし、この量は作りすぎだろう...コロッケにサーモンカルパッチョ、ポテトサラダにフライドポテトその他もろもろ。
「カルパッチョ絶品です!」
「本当!このカルパッチョ美味しいですね!後でレシピ教えてもらえませんか?」
「いいわよ〜。もうどんどん食べてね〜」
お袋は万葉里さんと藤堂さんに料理を褒められ上機嫌。
「「このメンチカツコロッケ...美味い...!」」
俺の横では保宮と和樹がコロッケの信者と化していた。
そんなこんなで7時を迎えた。少し早めに始めたため大分時間が余った。料理は和樹と保宮が綺麗に胃袋に収納してくれたため残ることはなかった。どんな胃袋してんだこいつら。
「それじゃあお母さんはパパとデートしてくるから、後片付けお願いね〜」
「分かったよ」
「それじゃあ、後は楽しんでね〜」
4人は「ありがとうございました」と言い見送った。
お袋達が家を出た後は雑談会が開かれた。
「いいご両親ですね。仲もいいですし」
「そういえば喧嘩してるとこなんて見たことないな」
「あ、そういえばれーくん」
和樹がパンドラの箱を開けた。
「おい和樹?さっき言ったよな?その話はするなって」
「えー?言ったっけー?」
こいつ...
「雨宮...れーくんとは?」
保宮は興味津々
「葉桐君?教えてくださいよぅ...」
万葉里さんも興味津々。
「アタシも知りたいなぁー」
藤堂さんも興味津々。
これは逃げられなさそうだな...
「お袋が昔から俺の事をそういう風に呼ぶんだよ...」
恥ずかしい...死にてえ...
予想通り全員ニヤニヤしていて保宮は吹きそうになるのを我慢していた。ちくしょう...和樹...覚えてろよ...
「かわいいですねれーくん(ニヤニヤ)」
「かわいいじゃんれーくん(ニヤニヤ)」
「い、いいんじゃ...プッ....な、ないか?プッ...れーくっ...プッ...」」
「やめてくれぇぇええぇぇええええ!!!!!」
なにこれ新手のイジメか!?!?
「お、そろそろいい時間だな...今日はここらへんでお開きにしようぜ。電車の時間もあるしな」
「ああ、そうだな」
現在時刻10時をもって、めでたく親睦会はお開きとなった。

「ごめんね。皆帰ったのに後片付け手伝ってもらっちゃって」
「いえ、いいんですよ。今日はお邪魔させてもらいましたし、それに美味しい料理までご馳走なって...」
他の3人は帰宅したが万葉里さんは後片付けが大変そうだと言い、残って手伝ってくれていた。
「でも、楽しかったね。正直またやりたい」
「そうですね、次もれーく...は、葉桐君の家になりそうですけどね!」
互いに食器などを片付けながら交わした会話の中に危ないワードが出てきた事を見逃さない。
「ねえ今れーくんって呼びそうになったでしょ?万葉里さん」
「い、いいいええ!?そ、そんなことないですよ!?」
「いや、動揺しすぎだから」
「と、ところでれーくん。万葉里って呼びにくくないですか?」
もう諦めるよ。れーくんでいいや。うん。
「んー、確かにちょっと呼びにくいかも...」
「沙知でいいですよ。ほら、さ・ち」
「いや、それは恥ずかしいっていうか...」
下の名前で呼ぶのはなんか抵抗がある。
「もう...呼んでくれなきゃ泣きますよ?」
彼女はもう泣く寸前のような目をしていた。ここで呼ばなかったら確実に泣かれるな。泣かれる理由についてはよく理解できないが。
「わ、分かったから...えと...さ、沙知...(ボソ)」
「え?もう一回お願いします」
「あぁーもぉーー!沙知!これでいいよね!?」
「ふふ...私の勝ちですねれーくん」
彼女は勝ち誇ったような表情でそう言った。
もうなんとでもなりやがれ。

「ふぅ〜あらかた終わりましたね〜、今の時間は...え!?11時30分!?」
「嘘!?まじかよ!?」
「れ、れーくん!近くにある駅って終電何時ですか!?」
「えと...11時15分...な、なんかごめんね?」
終電はとっくに終わっている。やってしまった...家まで送るにもお袋たちはデートに行ってるし、しかも朝まで帰ってこないし...
「と、とりあえずお家の人に電話しようか!」
「わ、私...一人暮らしなんです...ママたちは九州の方にいて...」
「マジ?」
「マジです...」
あまり女の子に対して提案していいことなのか怪しいとこだけど...仕方ないよな。
「うちに泊まってきなよ」
「ふぇ?ふぇぇえええぇええ!?」
彼女の頭の中がショートしたような音が聞こえた気がした。











 
 

 
後書き
こんにちは!エンピツ魔王です!
第三話どうでしたか?
今回は親睦会という形で主力メンバーである(予定)の5人での絡みを書いてみました。
個人的にですね、保宮がとっても好きなんですよ。
なんか、こう...ねぇ?堅い男って...いいじゃん?
違うよ!変な意味じゃないの!やめて!勘違いしないで!
まあ、冗談はさておきですね。なんと!なんとなんと!
お泊りイベント勃発ですよぉ?フラグ?フラグ?
まあ、まだ万葉里や藤堂の心情などは書いてないのでなんとも言えませんが...これからの彼らの物語を楽しんでもらえたら作者冥利につきます。
それでは!また次回お会いしましょう!
評価、レビュー宜しくお願いします。

 
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