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スカイランドメモリー

作者:直樹
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Memory1 time&oath

 
前書き
初投稿です。
参考にしたいので色々コメント下さい。
よろしくお願いします。
 

 
いつもの様に帰り道を俺、高田陸と高宮空は、肩を並べて帰る。
「私ね、後一年ぐらいしか生きられないんだって。」
「何、言ってんだよ。俺を脅かそうとしてんのか?もっと他にはなかったのかよ。」
「えへへ。ばれちゃった?」
「そんな嘘、誰が信じるんだよ。」
「えー、だって陸バカだから騙せると思ったのに。」
「バカなのは空の方だろ。」
めちゃくちゃ元気なやつが死ぬって、そんな嘘誰が信じるんだよ。
「私、陸よりは賢いよー。」
頬を膨らましながら言う。
本当に空が居なくなったら俺はどうなるんだろーなー。
ずっと隣にいたから考えたこともなかったな。
思い返して見れば本当にずっと一緒にバカやってたなー。
俺は何がらでも無い事言ってんだ。
やめるか、待てよこれフラグ立ってんじゃねーか?
でも空が居なくなる訳無いか。
化けてでも俺の前に現れるかもな。
あー怖い怖い。
急に空がふらつきだしてたおれかける。
咄嗟に俺は空の手を掴んだ。
「空!どうしたんだよ。」
「ごめん。ちょっと疲れてるみたい。」
「大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ。」
空は笑った。
俺には、少し悲しそうに見えた。
ふと頭の中をよぎる。
さっき言ってた後一年しか生きられないのが本当だとしたら。
嘘だよな。
嘘って言ってたもんな。
俺の考えすぎだ。
空が死ぬわけないもんな。
どうする?
聞いてみるか?
でも。
いや、嘘に決まってる。
「なー空、お前死なないよな?」
「何言ってるの?死んじゃうに決まってるじゃん。」
「え?」
嘘だろ?
「だって私人間だもん。」
何だよ。
そう言う事かよ。
「そうじゃなくてさ。さっき言ってたの嘘だよな?」
「もしかして信じてたの?嘘に決まってるじゃん。本当に陸はバカだなぁ。」
「そうだよな。」
そうだ。
何言ってんだ。
はー。
まじでびびったわー。
「それじゃあ。また明日。バイバイ。」
「おう!」
次の日。
空は休みだった。
疲れてるって言ってたしな。
帰り寄ってくか。


ピンポーン。
高宮家のインターホンを鳴らす。
あれ?
誰も出てこない。
いないのか?
「あのー」
後ろから声が聞こえ。
振り返る。
「高宮さん昨日から病院よ。」
「え?」
「空ちゃんが倒れたみたいなのよ。」
「ありがとうございました。」
俺は、病院に向かって走り出す。
「空、大丈夫だよな?」


「高宮空の病院はどこですか?」
「はい。201号室になります。」
「201、201」
呟きながら走る。
「あった。ここか。」
ガララ
病室のドアを開ける。
「空?」
「陸、来てくれたんだ。」
「大丈夫なのか?」
「うん。大丈夫だよ。本当に陸は心配性なんだから。」
「ならよかった。」
空は昔から人に心配かけないように嘘つくから後で医者に聞きに行こう。
「お見舞いに来てくれたんでしょ?何持ってきてくれたの?」
「あ、急いで来たから忘れてきた。」
「えー、何か持ってこなきゃだめでしょ。」
「うるせー。いいだろ別に空なんだから。」
「なにそれ、でもお見舞い忘れるぐらい心配してくれたんだ。」
「そんな訳ないだろ。」
「そんなこと言っちゃってー。」
「それじゃあ、元気そうだし俺はそろそろ帰る。」
「どうせ暇なんでしょ?もうちょっといなよ。私が暇になるじゃん。」
「これでも俺は忙しいんだよ。」
「またそんな嘘ついてー。」
「それじゃあ。もう、帰るぞ。」
「本当に帰っちゃうのー。」
「おう。」
ガララ。
本当に、大丈夫か聞きに行かなきゃな。
「あの、すいません。高宮空の病体ってどうなんですか?」
「それがですね。とても言いにくいのですが。」
「そんなに、ひどいんですか?」
「はい、もう長くはありません。」
「え?」
なんでこんな大事な事黙ってんだよ。
「後どれくらいまで?」
「半年ほどです。」
「助かる方法は無いんですか?」
「今の技術では。」
うつ向きながら呟いた。
俺はもう一度201号室に走る。
嘘だろ。言ってたのより短いじゃねぇか。
ガララ。
「おい、空!」
「あれ、陸?帰ってなかったんだ。」
「お前、なんで黙ってんだよ!後、半年ってなんだよ!」
「ごめん。言っちゃったら陸心配するでしょ?」
「心配するに決まってるだろ!後、半年しかないんだぞ。」
「ほら心配するじゃん。」
「言われないままお前が居なくなるより、聞いて色々思い出作って別れた方がいいに決まってるだろ!」
「でも、これ以上思い出いっぱい作ったら別れるとき辛くなるでしょ。」
「俺は、それでもいい。俺は空の事が好きだ。だからもっと一緒にいたい。ずっと俺の隣にいてほしいんだよ。」
俺は泣きながら空に叫んだ。
なんで空なんだよ。
なんで空が死ななくちゃならないんだよ。
「ちょっと急過ぎるよ。まだ心の準備が、それになんで陸が泣いちゃうの?」
空も泣き出した。
「ほら、陸が泣くから。」
俺は泣く空を抱きしめた。
「俺は、空が大好きだ。」
耳元で呟いた。
「私もだよ。」
空が呟き返す。
「私もっと、長生きしたいよ。」
「うん。」
「もっと、陸の隣に居たいよ。」
「うん。」
「やりたい事もまだまだいっぱいあるのに。」
「うん。」
「私、まだ死にたくないよ。」
空は震えた声で呟いた。
なんでだよ。
あんなに元気だったのに。
なんで空なんだよ。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんだよ。
俺には、どうする事もできないのかよ。
本当に助けられないのかよ。
「ごめんな。何もしてやれなくて。」
空は首を横に振った。
「本当にごめんな。」
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、俺の胸の中は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
この時、俺は自分の無力さを呪った。
同時に俺は、誓った。
空に残された半年。
俺の全てを懸けて空に尽くす。
命に代えても。
 
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