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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1200話

 ギルガメッシュの両腕を見たレモン達だったが、それでも誰1人悲鳴の類を上げなかったのは、さすがと言うべきだろう。
 こう言うのは何だが、既に慣れているといったところか。
 それは生身での戦闘をメインにしているあやか達従者組も同じであり、シャドウミラーの広告塔として動いているシェリルも同様だった。
 戦闘関係には殆ど参加しないシェリルが一番怖がってもおかしくなかったが、そのシェリルにしてもエヴァとの訓練で相応の地獄を見ている為か、不愉快そうな表情を浮かべてはいても悲鳴を上げたりはしていない。
 ただ……

「ちょっと、アクセル。テーブルの上に直接上げないで頂戴。血で汚れるわ」
「そうよ、アクセル君。せめて何か布に包んでとかした方がいいわ」

 不愉快そうな表情を浮かべてそう告げたのは、この家の台所を支配するマリューと千鶴。
 ……怒る方向性が違うと思ったものの、言っているのは正論だったので、改めて空間倉庫から数枚のバスタオルを取り出し、ギルガメッシュの両腕の下へと敷く。
 幸い血とかは殆どテーブルに付いたりしなかったけど、もしかして金ぴかの血って事で相応に何らかの効果はあったりするんじゃないか?

「ギルガメッシュは宝具の担い手という意味で個人としての戦闘能力自体はそれ程高くなかったが、普通のサーヴァント3人分の魂を持っているというだけあって、その基礎能力は非常に高い」

 まぁ、この金ぴかは凛の父親じゃなくて言峰と契約を結んだ状態での肉体だから、筋力や魔力はそれなりに高く、幸運は非常に高いパラメータだろうけど。
 それでも技術班にしてみれば、宝具と同等か……人造人間に関しての研究をしているレモンにしてみればそれ以上に高い価値を持っている筈だ。
 俺が知っている限りでも、門世界のオーガやネギま世界での技術を使って、量産型Wは日々バージョンアップしている。
 だとすれば、素材だけは一級品でもある金ぴかの肉体を研究する事により、量産型Wの性能は更に上がるだろう。……慢心したりするようにならなければいいんだが。
 いや、量産型Wは人型の機械に近い存在だ。Wナンバーズのように自意識がない以上、慢心とかはしないと思う。……多分。

「へぇ……ギルガメッシュの両腕、ね。確かにアクセルの話を聞く限りだと、かなり有用な素材に思えるわ。けど、さっきの話だとアクセルの挑発に掛かってあっさりとやられたんじゃなかったの?」
「こう言ってはなんだけど、俺の場合はサーヴァントとしても色々規格外な存在だったからな。規格外なサーヴァントである金ぴか……ギルガメッシュと比べても、更に俺の方が規格外な存在だった訳だ」
「……なるほど。まぁ、色々な意味でアクセルと戦って無事に済むような相手がいるとは思えないから、その説明は寧ろ納得してしまうわね」

 何故か思い切り納得の表情を浮かべるレモン。いや、レモンだけではなく全員が頷いてレモンに同意している。

「そんな納得のされた方は余り面白くないんだけどな。……まぁ、それはともかくとしてだ。ルールブレイカーとゲイ・ボルクの方は俺がこのまま使うけど、他に金ぴかから奪った宝具は技術班に渡すから研究材料にしてくれ。ああ、でも宝具として真名解放は出来ないけど、純粋に武器としての性能はかなりのものだからムラタ辺りには渡した方がいいかもな」

 物干し竿があればムラタにとってはベストだったのかもしれないが、そういう意味だとちょっと早まったか? ……いや、これからFate世界で綾子が凛と共に歩むというのなら、物干し竿は決してあって困るものではない筈だ。

「そう、ね。魔力を纏っている武器というだけで結構珍しいから、研究はしてみるわ。上手くいけば、シャドウミラーの機体にも魔力を纏わせるという事が出来るかもしれないし。ただ、ニーズヘッグの方も調べさせて貰うわよ?」
「分かっている。何度か戦いで使っているから、整備と補給は必要だしな。特にフレイヤを1度使ってるから、そっちの補給はしておきたい」

 ラグナロクと違い、フレイヤは実弾の武器だ。使用すれば当然消費してしまい、エネルギー兵器のように無尽蔵という訳にはいかない。

「他にも、技術班には最優先事項でやって貰いたい事がある」
「……最優先事項?」

 小首を傾げるレモンに頷き、その研究内容を口にする。

「俺がいた、Fate世界。その世界の座標を特定し、リュケイオスで行き来出来るようにして欲しい」

 その言葉を聞いたレモンは、小さく笑みを浮かべて口を開く。

「何で、なんてことは聞かないわよ? アクセルの性格を考えれば、何をしたいのかは分かっているし」
「遠坂凛と美綴綾子、か。まぁ、アクセルの女好きというか、女運というか、女難というか。ともあれ、そのようなものを考えた場合、アクセルが新しい女を作るのは普通に予想出来ていたからな。寧ろ、2人だけだったというのが驚きだ。てっきり4人も5人も連れて来てもおかしくはないと思っていたのだから」

 コーネリアのその言葉に反論しようと思ったが、よく考えればあやかたちをネギま世界から4人一緒に連れて来てるんだよな。
 その辺を考えれば、俺としても迂闊に反論は出来ない。
 ……そもそも、恋人9人と同棲している時点で色々と文句を言える状態じゃないのは事実だが。
 そんな風に悩んでいると、不意に美砂が口を開く。

「寧ろ、私としてはアクセル君に対して文句を言いたい事は別にあるんだけど」
「あ、美砂も? うん、私も」
「ですわよね」
「そうねぇ。確かにあやか達の言いたい事は分かるような気がするわ」

 そんな従者組の言葉を聞き、スレイが意味が分からないと首を傾げる。

「うん? 何でそんなに怒っているんだ?」
「うふふ。スレイには分からないでしょうね。私達がアクセル君と出会ったのは中学生の時でした。その時に愛を告白したのに、それに応えて貰ったのは高校を卒業した後なの。高校生とそういう関係にはならないって言って」
「あ、ああ……」

 千鶴の有無を言わさぬ迫力に、スレイの口からはそれだけしか出てこない。
 だがスレイのそんな様子に構わず、千鶴は言葉を続ける。
 その周囲ではあやか、円、美砂の3人も迫力のある笑みを浮かべていた。
 ……その笑みの向けられている先が俺じゃないのは、せめてもの幸運か。
 いやまぁ、実際にはその笑みが向けられているのが俺だってのは分かってるんだが。

「最初はしょうがないと思うわ。凛と綾子という2人を助ける為には抱くという手段しかなかったんだし」

 最初から凛と綾子の2人を呼び捨てか。いや、ただこれは寧ろいい事だろう。俺の新しい恋人だからと認めているんだから。……多分。

「その行為の後で、何回か抱いたのも分かるわ。アクセル君は記憶を失っていたのだから」

 千鶴の言葉を続けるように円が告げる。

「けど、記憶を取り戻してからもその2人を抱いたっていうのは……正直、私達に対しては不誠実だと思うのよ。スレイはどう思う? まぁ、スレイはアクセル君と最初に出会った時から年齢的に抱かれてもいい年齢だったから、あまり実感はないかもしれないけど」
「いや、そんな事は無いぞ。あ、ああ。そうだな、うん。アクセルは不誠実だ」

 円の言葉に慌ててスレイがそう告げると、あやか達4人は俺の方へと視線を向けて言葉を続ける。

「ねぇ、アクセル君。その辺どう思っているのか……聞かせてくれる?」
「そうね、私達も高校を卒業するまでは我慢してたのに、何だってその2人だけ……ズルいわよ!」
「そうねぇ。確かに美砂の言う事も分かるわ。ウフフ。私としても是非その辺を聞かせて欲しいのだけれど」
「アクセル君、隠し事はなしですわよ?」

 何だか、言葉では説明出来ない迫力を放ちながら尋ねてくる4人。
 助けを求めて視線をレモン達の方へと向けるも、レモンやシェリルは面白そうな笑みを浮かべて成り行きを見守っており、マリューは苦笑を浮かべ、コーネリアは処置なしとばかりに視線を逸らす。
 誰も助けてくれないのか。……いや、今までの事を思えば、あやか達がこうやって詰め寄ってくるのは当然だな。
 けど、何故と言われても……

「殆ど成り行きに近い、としか言えないな」
「……へぇ。成り行きであっさりとどうにかなるんだ」

 円のジト目と言葉に、思わず怯む。

「勿論ただ成り行きだけって訳じゃない。凛と綾子の2人を愛おしく思ったというのが大前提にある。それは、決して間違えようのない事実だと言ってもいい」
「……本当に?」

 確認するような視線を向けてくる円に、そして他の3人に自分の疚しいところはないとばかりに頷きを返す。……いや、凛と綾子を自分の意思で抱いたのは、円達にしてみれば疚しいんだろうけど。
 そのまま俺の目をじっと見据えていた円達4人は、やがてそのまま数分程お互いの目を見つめ合う事になり……

「ま、いいわ。確かに今のアクセル君を見ている限りだと、その辺を心配する事はあまり必要なさそうだし」

 やがて円がそんな風に呟き、見つめ合うという行為は終わりを告げる。
 どうやら信じて貰えたらしい。

「けど、アクセル君が高校生まで毒牙に掛けるようになったとしたら、色々と面倒な事になるかもしれないわね」
「そうですわね、ただでさえアクセル君の女好きは悩みの種でしたのに」
「フフフ。これで女好きじゃなくて女癖が悪いんだったら色々と私の長ネギも出番があったのに」
「女好きと女癖が悪いって、意味的に変わらなくない?」

 そんなやり取りをしていた従者組だったが、それもレモンが手を叩いたところで終わりを告げる。

「はいはい、そこまでよ。取りあえずアクセルの件はそれでいいとして、次はこっちの世界で変わった件を話させて貰うけど、いい?」
「うん? ああ、そうだよな。1年も俺が留守にしていたのを考えれば、色々と変わって当然か」

 特にマブラヴ世界。
 ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界といった世界は、既に大きな騒動を終えている。
 何らかの騒ぎが起きたとしても、そう大きなものではなかった筈だろう。
 だが、マブラヴ世界は1年前の時点では未だにBETAとの戦いが続いており、何より俺が消えたのは……

「マーズゼロを含んだ火星の件はどうなったんだ? 俺がFate世界に転移した時は攻略するという前提で話を進めていた筈だけど」

 そんな俺の言葉に、レモンは首を横に振る。

「残念ながら、火星の攻略は延期されているわ」
「……やっぱり俺が消えたからか?」
「それが大きいでしょうね。何だかんだと、マブラヴ世界でBETAをゴミの如く仕留めてきたのはニーズヘッグの活躍が大きかったもの。そのニーズヘッグを操るアクセルがどこへともなくいきなり消えたというのは、マブラヴ世界の人達へ不安を抱かせるのに十分だったのよ」
「けど、アメリカや日本、アフリカ、中東、イギリスなんかの俺達の友好国はこっちの提案に乗り気だった筈だろ?」
「そうね。ただ、アクセルがいなくなった時点で反対にはならなかったけど、積極的に賛成って雰囲気でもなくなったのよ。……まぁ、ソ連とかは積極的に反対の姿勢になったけど」

 またソ連か。
 いや、元々向こうとしてはこっちを何とか取り込みたい、こっちの技術を奪いたいと思っていたんだ。シャドウミラーの代表である俺が消えたというのは、向こうにとっては仕掛けてくるのに十分な判断材料だったのだろう。
 ……ただし、誤算だったのはシャドウミラーは俺がいなくても十分に動けるだけの自由性を持っていたって事か。
 そもそも、俺が代表という扱いになっているのは殆ど成り行きのようなものだ。
 このホワイトスターに俺達が避難した直後ならまだしも、今は俺がいなくてもシャドウミラーの運営に支障はない。
 あるとすれば……ニーズヘッグを使った戦闘力に、新しい世界を調べる事が出来ないといった程度だろう。
 実働班、技術班、政治班といった具合にシャドウミラーの組織を分けたのは、元々今回のように俺が転移でいなくなった時の事を考えてだし。
 まぁ、今回はリュケイオス以外の転移だったから、色々とあったのだろうが。

「火星の件に関しては分かった。なら、地球上のハイヴは?」
「そっちも新しいハイヴ攻略はされていないわ。ただ、こっちはしょうがない一面があるわね。元々私達が協力した事でハイヴ攻略が一気に進んで、占領したハイヴを基地として使う為の工事とか、そういうのがあったのも事実だもの。アクセルが消える前にはハイヴの基地化がかなり難航していたってのを覚えているでしょ?」

 レモンの言葉に、頷きを返す。
 しかも、その基地化を邪魔しようとして恭順派やら、オルタネイティヴ5派やらがゲリラ的に攻撃をしてきたからな。
 もっとも、最終的にそっち関係は殆ど捕らえるか撃破する事に成功したんだが。

「この1年で、大分占領したハイヴの基地化は進んだわよ。勿論完璧って訳じゃないけど、それでも一段落出来たのは間違いないわ」
「なるほど。まぁ、そっちはそっちで良かったんだな。なら、まず俺達がやるべき事は各世界の窓口に俺が戻ってきたってのを知らしめてから、火星のハイヴ攻略でG元素を入手か?」
「そうね。でも、出来ればハイヴはある程度残しておいて、継続的にG元素を入手出来るようにしたいわ。……ま、これからの事に関しては明日にでも考えましょ。とにかく今日は、久しぶりにアクセルが帰ってきたんだから……ね?」

 艶っぽい視線を向けてくるレモンに笑みを浮かべ、俺はレモン達9人と共にベッドルームへと向かい……この1年の不在を埋めるかのように熱い夜を過ごすのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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