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FAIRY TAIL~空の帝王と天空の巫女~

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三話

「へぇ、じゃあ二人はその化け猫の宿《ケットシェルター》っていう魔導師ギルドに所属してる魔導師なんだ?」

「はい、そうですよ」

「と言っても生産系とあまり変わりませんが……」

ソラの問いに答える二人の女の子……

青い髪の女の子がウェンディ・マーベル

天空を司る滅竜魔導師(ドラゴンスレイヤー)で、話を聞いたソラはとても驚いていた

そして赤い髪の女の子がマルテディ・ウリエル……

本人いわくかなり特殊な魔法で上手く使えないので今は錬成魔法(薬の調合や武器の作成が主)を使うとの事……

そんな話をしながらソラはウェンディとマルテディの二人を化け猫の宿《ケットシェルター》に送っていた……

その時だった

「ウェンディィィィィ!!!! マルテディィィィ!!!!」

声が聞こえた

上から

「へ?」

「今のって……」

「シャル!!?」

そう言って上を見ると……

「二人を離しなさーーーーーい!!!!!!!」

「へ?」

ソラの視界には肉球が……

そして、そのまま意識を失った

●○●○

数分後……

「ソラさん、本当にすいません!ほら、シャル!! 謝りなさい!!」

「……悪かったわよ」

「こら、ちゃんと謝りなさい!!」

目を覚ましたソラに対して謝る二人と……

「(……猫?)」

ソラの視線の先には二本足で立ち、喋る猫が……

「(猫……なのか?)い、いや、気にしないで……悪気はないんだし……」

そう言って許すソラ……

「本当にすいません……」

●○●○

その後、ウェンディ達といろんな質問をするソラ

ソラが合間合間に聞いた話では、彼女達のギルドはギルド自体が集落となっているらしく、そこの生活で全てが完結しているのだという

つまり、食料などは自給自足、必要な物品を買うお金は集落に伝わる織物技術で編んだ服などが主な収入源であること……等

「あ、見えてきました!!」

話をしながら歩いているとウェンディが指を指す

その先には猫の頭を象ったような、特徴的な建物が見える……

「あれが私達のギルド、 化猫の宿《ケットシェルター》です!」

●○●○

「あら、ウェンディ。お帰りなさい……、そちらの方は?」

と、建物の中から若い女性が出てきて、僕の存在に気づいたせいか驚いたような様子で疑問を挨拶と同時にウェンディちゃんにへ投げかけた。

二十代前半くらいだろうか、ウェンディちゃんが比較的普通な服装なのに対し、その女性は占い師のような、どこか民族衣装を連想させる独特な衣類をまとっているためわかり辛い(東方の品である和服をまとう僕が言えた筋合いではないが)

「あ、ぺテル。ただいま! この人はソラさん、森でモンスターに襲われてたところを助けてくれたの。だからお礼にお茶とか――」

「モンスターに襲われた!?」

大声が、ウェンディの説明をさえぎった

ちょっと驚いた、にしては少々声が大きく、ウェンディ達は肩を跳ねさせ硬直してしまった

が、ぺテルと呼ばれた女性はかまわず接近し肩をつかみ、揺らす

「け、怪我とかしなかったの? シャルルも!もししてたら見せて頂戴、薬草の備蓄はあるから安心して。ああ、でもこの森はモンスターがいないはずなのにどうして……!」

過保護なのは、どうやらシャルルだけではなかったらしい

取り乱したぺテルの声は相変わらず大きく、ウェンディ達が彼女をなだめている間にぞ

ろぞろと人が集まってきた。

「どうした、ぺテル! なんの騒ぎだ?」

「ウェンディが襲われて怪我したらしいの!」

「ウェンディが!?」

「そんな、今日は近くに木の実取りに行くだけの簡単な依頼に行ったはずだろ!」

「襲われたって何に! モンスターはいないはずよ!」

「って、おい。この黒スーツの男誰だ!」

「まさかこいつが……!」

「ウェンディ、マルテディ、ぺテル、シャルル! 早くこっちに!」

ソラを見た村人がウェンディ達を人垣の中へ連れていく……

そして農業工具を持ち出してきた……

来たのだが……

「(鎌に高枝バサミ、トンカチに剪定バサミ、のこぎりに斧は解る……でも……)」

そう思いながら、ある一点を見る……

「(電動ノコとインパクトドライバー、そして何で銛がある……近くに海は無いだろう? そして電気も通ってないだろ?……其にこの人達……なんか可笑しい、まるで、幻みたいな……)」

そう思うソラ……

その時だった……

「み、みんな落ち着いて! この人は助けてくれた人だよ!」

「其に怪我も直してくれたの!」

人の隙間を縫って出てきたウェンディとマルテディが止めてくれた

「ぺテルにも言ったけど、私が襲われたのはモンスター……バルカンだよ。この人はバルカンから助けてくれたソラさん!」

「そ、そうなの……?」

「そうなの! だからみんなそんな危ないものしまってください!」

よほどの信頼を寄せられているのだろうか、マルテディのその一言で皆は下げた

「すいません。みんないい人たちなんですけど、お客さんがあんまりこないところなので……」

「い、いや気にしなくていいよ。俺も同じ立場ならやると思うし……」

そう言って許すソラ……

周りを見ながら思う……

「(まさか、この人達……)」

ある確信を持って……

「あの」

「はい?」

考えているソラが声に気づいて振り向けば、先ほどぺテルと呼ばれていた占い師姿の女性が申し訳なさそうにこちらを伺っていた

「申し訳ありませんでした。なにぶん客人が少ない場所なもので失礼なことを……」

「ああ、いえ。お気になさらず、先程もウェンディ達に言いましたが俺も同じ立場ならやると思いますので」

「そういっていただけると恐縮です。それで、失礼ですがここにはどういった理由で……」

「言ったでしょ、ぺテル。お礼がしたいから私が無理を言って来てもらったの」

「……そ、そうなの」

再びウェンディによる指摘

「わかったわ。でも、一応このギルドの人ではないし、マスターに一回会ってもらってからにしなきゃだめよ?」

「わかってる。心配しないで、いい人だから」

その返事に、こんどこそ安心したらしいぺテルは先ほどより若干柔らかな表情でソラを見る

「この子達を助けていただいてありがとうございました。皆の代表として、私がお礼を言わせていただきます。小さなギルドですのでたいしたものはありませんが、歓迎します。ウェンディ、お茶の用意はしておくから」

「うん、ありがとうぺテル」

一転、笑顔が多くなったギルドのメンバーたちに見送られ、ソラはウェンディ達とその場を後にした 
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