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新オズの腹ペコタイガー

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第三幕その三

「それでカレーとカツを一度に食べる」
「その為になの」
「カツカレーを考え出したのよ」
「インド人が考えたのじゃないのね」
「そもそもビーフカレーはインドにないでしょ」
「インドの人が牛肉を食べないから」
「そう、だからよ」
「そうそう、オズの国のインド系の人もね」
 トロットも恵梨香にお話します。
「大抵の人は牛肉を絶対に食べないのよ」
「オズの国でもですか」
「だから私もナターシャのお話がわかるわ」
 カレーについてのそれがというのです。
「ビーフカレーとかは日本のカレーよ」
「じゃあ腹ペコタイガーさんの好きなカレーは」
「ええ、日本のカレーね」
「そうなんですね」
「ううん、そうなるのかな」
 腹ペコタイガー自身も言います。
「僕はカレーはインドのものって思っていたけれど」
「私もだけれど」
「僕の好きなカレーは日本のカレーなんだね」
「そうなのね」
「日系人の人が日本から持ち込んだ」
「何かそう聞くと」
 恵梨香は皆の言葉を聞いて言いました。
「不思議な気持ちね」
「インドのお料理と思っていたからだね、カレーが」
「ええ」
 その通りとです、腹ペコタイガーにも答えます。
「それが、だから」
「そうだね、けれどね」
「実際にそうだから」
「僕も今までそう思ってたよ、カレーはインド料理だってね」
「けれどそれはカリーで」
「僕が好きなのはカレーライスなんだね」
 日本の、です。
「そうなんだね」
「みたいね、だからビーフカレーも食べるのね」
「ビーフカレー好きよね、タイガーさんも」
「大好きだよ」
 実際にとです、腹ペコタイガーは答えました。
「どのカレーもだけれど」
「ビーフカレーも」
「好きだよ、甘口も辛口もね」
「味はどちらでもいいのね」
「中辛も好きだよ」
「カレーのその分け方もよ」
 甘口や辛口もとです、トロットは恵梨香にお話します。
「日本だけみたいよ」
「インドのカリーにはないんですね」
「カリーにもそれぞれの味がああるけれど」
「日本みたいな分け方ではないんですね」
「そうなのよ」
「ううん、本当にびっくりです」
 恵梨香は腕を組んでしみじみとした口調になっていました、そのうえでトロットに対してあらためて言います。
「日本のお料理なんですね、カレーは」
「洋食の中でね」
「そうなんですね」
「けれど好きよね」
「大好きなことは確かです」
 恵梨香もです。
「そのことは」
「そうよね、けれどね」
「それはあくまでカレーライスですね」
「そうなのよ、カリーじゃないのよ」
 そこが違うというのです。
「私も最近になってわかったわ」
「カレーとカリーの違いですね」
「そのことがね」
「そうですか、じゃあ私はカレーライスを」
 そちらをというのです。
「今度頂きます」
「カリーじゃなくて」
「はい、カレーライスを」
 こう言うのでした、ですが恵梨香はトロットにこうも言いました。 
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