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おぢばにおかえり

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第十八話 プールですその十二

「凄いわね、それって」
「まあ今は流石にそういうのじゃないから」
「厳しいことは厳しいけれど」
 これは否定できない事実です。
「あと朝は」
「普通の教会より早いからね」
「そうなのよね」
 これは否定できないです。実際に起きる時間は。
「最初辛かったわよね」
「慣れることは慣れたけれどね」
 慣れました。本当に。
「それでもしんどいものがあるのはね」
「あと二年半以上あるからねえ」
 それを考えるとかなり辛いです。二年半以上もこうだと考えると。話を聞く限り男の子の北寮よりもしんどいです。意外とといった感じで。
「女の子同士がこんなに辛いなんて」
「思わなかったわよね」
「意外と陰に篭るところあるしね」
「そうよね」
 女の子は日様ですけれど何故かそうなります。女の子同士が結構以上に陰湿なものがあるのはどの社会でも同じです。男の子は月様なのにです。
「陰湿な話は徹底的に陰湿で」
「それがねえ」
「男の子も陰湿みたいよ」
 こういった話も出ました。
「そうなのかしら」
「そうらしいわよ。意地悪い子もいるらしいし」
「ふうん」
 何かそれは今一つピンときませんでした。男の子ってあっさりしたイメージがあるんですけれど。こういったことも人それぞれってことなんでしょうか。
「意外と陰湿な話って多いのね」
「人って色々あるからね」
「ちっちなんかも」
「私!?」
 私に話が振られました。
「私も陰湿かしら」
「陰湿じゃないけれど」
「ねえ」
 それは違うそうです。よかったよかった、と思ったら。
「意外と以上にね」
「諦め悪いわよね」
「しつこいところがあるわよね」
「しつこいところが。って何処?」
「わかってるでしょ」
 今度はこう言われました。
「あることに関してよ」
「全く。いい加減諦めなさいよ」
「それはそれで人気が出るから」
「人気がって」
 やっぱり話が読めません。
「何なのよ、そんなこと言われても」
「だからねえ」
「さっき散々話したじゃない、今さっき」
「あっ」 
 ここまで言われてやっとわかりました。そういうことですか。
「小柄小柄って。何かもう」
「女の子の小柄はねえ」
「別に」
「そうは思えないし」
 よく言われはしますけれど本当に。小柄でもいいじゃないって。
「それはそうとよ」
「ええ」
 何か話が変わってきてまずはそれにほっとします。それで話を聞きます。
「もうちょっとしたらテストね」
「期末ね」
「それが終わったらお休みよ」
 何かもう待ちに待ったって感じです、本当に。
「ちっちもやっぱり実家に帰るのよね」
「まあそれは」
 言うまでもないことですけれど。実家に帰らなくて一体何処に帰るのでしょう。おぢばに帰っていますし。それ以外の何処にやらって感じです。 
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