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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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Another36 神

 
前書き
ゴッドリディプス戦 

 
リディプスが去り際に残していったレッドホイールの相手に時間を取られてしまったが、エックス達も転送システムに乗り込み、かつて“ヤコブ”と呼ばれていた軌道エレベーターは“バベル”と改修と同時に改名された内部にいた。
執務室の転送装置は、軌道エレベーター内部に通じていたのだ。

ルナ「畜生!!レッドホイールの相手で余計な時間を食っちまった!!早くしねえと超フォースメタルを利用されるか逃げられちまう!!」

エックス「落ち着くんだルナ!!どこに逃げようと必ず見つけてみせる。今はリディプスに超フォースメタルを使われないようにしないと!!」

マリノ「超フォースメタルをリディプスから掻っ払って、リディプスの泣きっ面を拝んでやるさ!!」

マッシモ「リディプスの泣きっ面か…それは見てみたいな…」

マリノ「だろう?」

マリノとマッシモの言葉に全員の緊張が解れていくのを感じた。

ゼロ「それにしても…」

アイリス「ゼロ?」

アリア「どうしたのゼロ君?」

ゼロの呟きが聞こえたアイリスとアリアがゼロの方を向くと、全員の視線がゼロに集中した。

ゼロ「いや…俺はもう新世代型レプリロイドのプロトタイプはアクセルとルナしかいないものだと思っていたんだが…。まだ存在していたとは…」

アクセル「うーん…プロトタイプの生き残りが認知されていないのは仕方ないと思うよ?僕もそうだったけど、新世代型レプリロイドのプロトタイプの製造は一部の研究所で秘密裏に行われていたんだ。僕達には実験動物以下な扱いをする実験を繰り返していたから余計に知られる訳にはいかないからね。」

アクセルの目つきが鋭くなる。
昔のことを思い出してしまったのだろうか?

シナモン「アクセルさん?」

アクセル「あ…いや、何でもないよ。急ごうか!!」

シナモンの視線に気づいたアクセルは笑みを浮かべて走る速度を速めた。
エックス達もアクセルを追うように走る速度を速める。
そして一本道の通路の先にあるエレベーター乗り場に辿り着き、それに乗り込んだ。
少しの間を置いて、エレベーターが上に動いていった。
そしてブルーアースロードに繋がる転送ルームに辿り着くと、そこにある転送システムに乗り込んでブルーアースロードに向かう。








































そして転送システムから出ると、ブルーアースロードの通路を駆ける。
全員のエネルギー感知器がリディプスらしき反応を捉えていた。
間違いなくこの先にリディプスがいる。
最深部から感じる強大なエネルギー。
寧ろ己の存在を隠すどころか誇示しているかのような傲然としたエネルギー反応は紛れもなくリディプスの物だ。
しかもリディプスの近くに強大なエネルギー反応が2つもある。

アリア「このエネルギー反応は…リディプスと…この2つのエネルギー反応は何?」

モデルXのエネルギー感知器も正常に働いているようで、アリアは顔を顰めている。

ゼロ「恐らくは超フォースメタルだ。イプシロンの超フォースメタルとミサイルの弾頭に使われていた超フォースメタル…。やはりリディプスが回収していたか」

ルイン「うん…」

近付けば近付く程、凄まじい威圧感がエックス達を襲う。
しかしもう後には引けないため、エックス達はブルーアースロードの通路を一気に駆け抜けた。









































そして見渡す限り、黄金色に彩られた実験場のような場所でエックス達はリディプスと再会した。
リディプスは全ての外装を取り払ったような姿で、巨大な機械に植えつけられていた。
頭部にはアクセルの額のコアに酷似した物がある。

リディプス「神の御前だぞ。跪いたらどうだ?」

こちらを見下ろしながら言うリディプスに全員が目を険しくした。

エックス「リディプス。お前は超フォースメタルを手に入れるため、俺達を利用したんだな?」

リディプス「そうだ。イプシロンの奴が上手く隠していたのでね。君達のような優秀なレプリロイド達に働いてもらったのだ。」

エックスは眩しいドームの天井を見上げた。
そこには2つの超フォースメタルが、美しい黄金色に光り輝いていた。
左右の超フォースメタルは、色も形も大きさも全く同じだった。
あのどちらかがメルダ鉱石プラントのミサイルの弾頭に使われていた超フォースメタルで、イプシロンの心臓であった超フォースメタルなのだろう。

エックス「…確かに、イプシロンの考えは危険だった。超フォースメタルを進化に使うことは、イレギュラーを生み出す可能性があった…だけど…!!」

エックスは無意識に拳を握り締めていた。
確かにイプシロンもレプリロイドの進化という願望に取り憑かれていた。
しかし、根本的にリディプスの抱いているものとは違っていた。

エックス「…だけど、お前のように、最初っからイレギュラーだったわけじゃない!!リディプス、お前は狂ってる!!」

怒りと共に腕をバスターに変形させ、リディプスに向けた。
しかしリディプスはそれを嘲笑うと、静かに口を開いた。

リディプス「フハハハハハハ…。そのイプシロンは君に言わなかったかね?イレギュラーかどうかは、歴史だけが決められることだと!!レプリロイドが、より高い能力を求め進化する…。それは自然なことだ。違うか?」

リディプスはこちらを睨み据えるエックス達を卑下すると、高らかに宣言した。

リディプス「私は宇宙にて、究極の進化を遂げるのだ!!」

エックス「宇宙!!?」

施設全体が激しく揺れ始め、エックス達は驚き、思わず周囲を見回した。

リディプス「ファッハッハッハッハッハハハ…!!驚くことはない。まだこれからだ…。君達は、神の奇跡を目にする、初めての者となるのだ…!!」

リディプスの変身能力と2つの超フォースメタルが共鳴を起こし、辺りは眩い光に包まれた。











































光が消失し、全員が目を見開いた瞬間、全員が目を見開いた。
目の前には機械と生物がごっちゃになったような、巨大な竜を思わせるような異様な物体となったリディプスがこちらを見下ろしていた。
リベリオンにも巨体を誇る敵はいたが、流石にこれほどの巨体は100年前のカイザーシグマとファイナルシグマWくらいであろうが、リディプスから発せられるエネルギーはその比ではない。
胴体から伸びた細長い首の先に、辛うじてリディプスだと分かる顔があった。
周りの壁が吹き飛ばされているが、モデルXの力で宇宙空間でも活動出来たアリアはリディプスを見上げながら睨み据えた。

アリア「成る程、コピーチップの完成度から察するに製造年数はアクセル君より遅いリディプスはルミネ達同様、旧世代…シグマを含めたレプリロイド達のデータがコピーチップに刻まれていた…。つまり…」

リディプス「正解だ。Dr.アリア。私の欠陥は変身するとコピー元のレプリロイドの人格になってしまうということを除けば、完璧な新世代型レプリロイドと比べても遜色のない能力を持っていた。超フォースメタルの力でそれは解消され、コピーチップに刻まれたレプリロイドのデータを超フォースメタルの力で解放すれば、かつての高性能レプリロイドを遥かに超越することが可能となる。今の私は全てを支配する者…、即ち神である!!」

凄まじい威圧感に身体が震えそうになるが、それを振り払うようにルナがダッシュした。

ルナ「ふざけんな!!寝言はこいつを喰らってからほざけ!!ハイパーモード・イグニス!!ダブルメガトンクラッシュ!!!!」

ハイパーモードでイグニスに変身するとナックルバスターのチャージアタックを喰らわせるが…。

リディプス「ふはははは!!その程度の攻撃では私に掠り傷1つ付けられんぞ!!!」

ルナ「なっ!?」

エックス「馬鹿な…ハイパーモード・フォースアーマー!!プラズマチャージショット!!!!」

イグニスのチャージアタックさえ傷1つ付かないことに目を見開くが、エックスはフォースアーマーを発動し、プラズマチャージショットを放つが、リディプスの全身を覆うバリアで弾かれる。

ルイン「あ、あれは!?イプシロンと同じ!?」

エックス「だが、強度が桁外れだ…」

リディプス「当然だ…私は超フォースメタルが2つもあるのだぞ。イプシロン如きと一緒にされては困る」

ゼロ「くそっ!!ここまで来てやられてたまるか!!ハイパーモード・パワーフォーム!!零式乱舞!!!!」

パワーフォームを発動してリディプスに斬り掛かるが、リディプスの超フォースメタルのバリアは貫けない。

アリア「一斉攻撃だよ!!」

アイリス「はい!!」

アリア達が一斉攻撃を仕掛けようとするが、リディプスはそれを嘲笑うように腕を振るうと、全員が薙ぎ飛ばされた。

シナモン「痛っ!!」

マッシモ「ぐっ!!ハイパーモード・ダイモニオン!!ベルセルクチャージ!!!!」

すぐさま起き上がり、ダイモニオンを発動すると、リディプスに向けて高出力レーザーを放つが、バリアで弾かれてしまう。

リディプス「デウス・エクス・マーキナー!!」

こちらに降り注ぐメテオに全員が目を見開いたが、エックスはフォースアーマーからグライドアーマーに切り換えた。

エックス「ギガクラッシュ!!!!」

ギガクラッシュを発動し、メテオを吹き飛ばす。
そしてバスターを構えるが、リディプスの両肩の2つの超フォースメタルが輝いた瞬間、エックス達を灼熱の業火が焼く。

マリノ「熱っ!?」

アイリス「超フォースメタルからも!?」

アクセル「こんの…変身、ナインテイルズ!!滅殺波動拳!!!!」

ナインテイルズに変身し、リディプスに滅殺波動拳を繰り出すが、ナインテイルズの技を持ってしても超フォースメタルのバリアは破れない。

リディプス「ギガンティス最強の格闘家、ナインテイルズか…しかしいくらナインテイルズであろうとも超フォースメタルのエネルギーバリアを破ることは出来ん。」

エックス「なら…ルイン!!」

ルイン「これを喰らっても、同じことを言える!!?ハイパーモード・OXアーマー!!裂光覇!!!!」

リディプスの頭上から光が無数の降り注ぐ。
しかし、超フォースメタルのバリアの前には裂光覇だけでは力不足である。
そこにエックスがエネルギーチャージを終えたバスターを向けた。

エックス「プラズマチャージショット!!!!」

再び放たれたプラズマチャージショットはバリアに弾かれてしまうが、着弾点にプラズマが発生し、バリアに追加攻撃を与える。

エックス「これならどうだ!!ストックチャージショット!!!!」

プラズマチャージショットの着弾点にストックチャージショットを放つ。
イプシロンのバリアさえ粉砕した攻撃だが、エックスはすぐさまフォースアーマーからサードアーマーに切り換えた。

エックス「全リミッター解除!!クロスチャージショット!!!!」

すぐさまハイパーサードアーマーのアームパーツの潜在能力を解放し、ハイパーチャージのバスターエネルギーが切れるまで、クロスチャージショットを連発する。
そして最後にハイパーサードアーマーからブレードアーマーに切り換え、ギガアタックを放つ。

エックス「ギガブレード!!!!」

巨大な衝撃波がリディプスに向かって炸裂した。

シナモン「やったんでしょうか…?」

ルナ「プラズマチャージショットにギガアタックのストックチャージショット全弾、ハイパーサードアーマーのクロスチャージショットの連発にブレードアーマーのギガアタックのギガブレードだ…これで駄目なら正真正銘の化け物だ……」

煙が晴れていくと、いくらか傷付いたリディプスの姿があった。

アイリス「やった!!倒せてはいないけど、バリアを破壊して、攻撃が効いてる!!」

マッシモ「よっしゃあ!!なら、一斉攻撃だ!!」

ルイン「うん!!」

アリア「喰らえ!!ダブルチャージショット!!!!」

リディプスの顔面に向けてダブルチャージショットが放たれたが、復活したバリアで弾かれた。

マリノ「なっ!?もう復活しちまったのかい!?」

エックス「馬鹿な……イプシロンでもそんなことは…」

リディプス「忘れているようだが、私はイプシロンとは違い、2つの超フォースメタルを持っているのだ。変身により、イプシロン以上の強靭な肉体と新世代型レプリロイドの耐イレギュラー化性能により負荷無しで超フォースメタルの持つ力を100%引き出しているのだ!!」

そしてリディプスの傷はみるみるうちに塞がってしまう。
超フォースメタルにより、強力な自己治癒能力も得てしまったのだ。

リディプス「消え去れ!!!!」

リディプスの掌から高出力レーザーが放たれた。

エックス「くっ!!!」

すぐさまブレードアーマーからハイパーサードアーマーに切り換え、アームパーツの潜在能力で高出力レーザーのエネルギーを吸収、ハイパーチャージのバスターエネルギーがフルの状態になる。

リディプス「ほう…だが、同じことは何度も出来まい!!」

リディプスの掌から高出力レーザーが連射される。

エックス「ぐわっ!!」

ハイパーサードアーマーのアームパーツによるエネルギー吸収が出来るのはハイパーチャージのバスターエネルギーが減っている時だけだ。
故に先程の一撃でハイパーチャージのバスターエネルギーがフルになってしまったために吸収が出来ない。
まともに喰らったエックスが吹き飛ばされる。

アクセル「この…木偶の坊!!」

憤怒の表情でリディプスにバレットを連射するが、威力が低いバレットのエネルギー弾では超フォースメタルのエネルギーバリアは貫けない。

マリノ「この野郎!!」

アイリス「たああああっ!!」

マリノとアイリスがビームチャクラムとセイバーで攻撃するが、バリアに傷すら付けられない。

リディプス「弱い、弱すぎる!!デウス・エクス・マーキナー!!!!」

再びルイン達に降り注ぐメテオ。

マッシモ「くそっ!!ベルセルクチャージ!!!!」

マッシモが前に出ると、メテオに向けて高出力レーザーを放つ。
いくつかはメテオを粉砕したが、残りのメテオが降り注いだ。

アクセル「うっ!!!

マリノ「うわああああ!!」

マッシモ「ぐおおおおっ!!!?」

シナモン「アクセルさん!!マリノさん!!マッシモさん!!」

メテオをまともに喰らった3人が吹き飛ばされた。

ルナ「ち、畜生…よくも!!ハイパーモード・グラキエス!!ダブルフリージングドラゴン!!!!」

巨大な氷龍を2体召喚し、リディプスに突撃させるが、両肩の超フォースメタルが光り輝き、再び灼熱の業火が発生し、氷龍を蒸発させた。

ルナ「あ…っ!?」

リディプス「コードブレーカー!!!!」

ルナ「がは…っ!!」

リディプスが薙ぎ払うように腕を振るうと、まともに喰らったルナは瓦礫に突っ込んでそのまま動かなくなった。

シナモン「ルナさん!!」

瓦礫に埋もれてしまったルナを助けようと駆け寄るシナモンであったが、リディプスはそんなシナモンに高出力レーザーを放った。

ルイン「きゃあああああっ!!!!」

シナモン「ルインさん!!?」

ゼロ「ルイン!!」

シナモンを庇って、代わりに高出力レーザーを背中にまともに喰らったルインはうつ伏せに倒れた。
更に超フォースメタルが光り輝き、アイリスに裁きの雷、アリアには絶対零度の冷気を浴びせた。

アイリス「ああっ!?」

アリア「そんな…」

まともに攻撃を受けた2人は崩れ落ちる。

ゼロ「くそ…っ、許さんぞリディプス!!ハイパーモード・プロトフォーム!!!!」

ハイパーモードの中でも最大の火力を誇るプロトフォームに切り換えるゼロ。
火力は凄まじいが、防御力が著しく下がるデメリットがあるが、リディプスのような相手ではアーマーなどあって無いような物だ。

ゼロ「(プロトフォームでの幻夢零…俺の最強の技を至近距離から叩き込んでやる…)」

セイバーに全エネルギーを収束させながら、リディプスに突撃する。

リディプス「愚かな、血迷ったか!!デウス・エクス・マーキナー!!」

再び降り注ぐメテオ。
ゼロは喰らっても構わないと言わんばかりに致命傷を避けながら接近した。

ゼロ「喰らえリディプス!!幻夢零!!!!」

リディプス「なっ!?ぐあああああああ!!!!」

幻夢零の衝撃波は、超フォースメタルのバリアとぶつかり合い、拮抗するが、バリアを粉砕しながらリディプスに炸裂した。

エックス「くっ…、やった…?」

何とかダメージから立ち直り、目を覚ましたエックス。

ゼロ「はあっ!!はあっ!!」

膝をつくゼロ。
いくら致命傷を避けたとは言え、防御力が低いプロトフォームで攻撃を受けたのだ。
アーマーの所々から火花が出ていた。
負荷を軽くするためにハイパーモードを解除した瞬間…。

リディプス「ふ、ふふふ…今のは少し焦ったぞ…」

ゼロ「な…っ!!?」

シナモン「そ、そんな…」

エックス「バリアとの激突で、幻夢零の威力が落ちていたのか…!?」

リディプス「この程度では私を倒すことなど不可能だ。」

シナモン「ゼロさん、今回復を…」

リディプス「余計な真似をするな!!」

シナモン「きゃあああああっ!!!!」

リディプスの高出力レーザーがシナモンに炸裂した。

ゼロ「シナモン!!」

エックス「く…っ!!よくも…」

ボロボロになりながらも立ち上がろうとするエックスを嘲笑うリディプス。

リディプス「ハハハハハ…なんと貧弱なことか!!分かるか?これが究極の力…神の力だ!!」

リディプスは細い首を伸ばして、背後の地球を見遣る。

リディプス「見よ、我が手にはこの星すらちっぽけだ。私は世界を統べる神となったのだ!!フハハハハハ、ハッハッハッハッハッハ!!!!」

エックス「くっ…!!お前の好きになど、させるものか!!」

ゼロ「このまま、やられてたまるか…!!」

エックスとゼロが起き上がり、バスターとセイバーをリディプスに向けた瞬間、リディプスの掌から放たれた高出力レーザーがエックスとゼロに炸裂した。

エックス「ぐあっ!!」

ゼロ「ぐっ!!」

リディプス「大人しくひれ伏しておれ!!」

再び地面に倒れたエックスとゼロ。
2つの超フォースメタルの恩恵により圧倒的な力を得たリディプスの猛攻により、エックス達は全員倒れてしまったのだった。 
 

 
後書き
リディプス第二形態序戦終了 
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