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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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Another34 野望

 
前書き
リディプス戦 

 
デプスドラグーンを退け、殆ど万全の状態でリディプスの執務室に向かう。
最後の扉を潜ると、ギガンティスに向かう前にエックス達を迎えた時と変わらない眺めだった。
エックスとゼロとルインは、あの日と同じようにリディプスと向かい合っていた。
違っているのは、シャドウの代わりに今はアクセルとルナが2人の横にいて、5人とも上官に対して、尊敬や敬意はなく、敵意と怒りを表していることだった。

リディプス「ほう、エックス!!それにルイン達とレジスタンスの諸君。素晴らしい…生きていたのか」

リディプスは怒りに震えるエックス達を振り返りもせずに言った。
無警戒のようにリディプスはエックス達に背を向けていたが、まるで隙がない。

ルナ「何、ふざけたこと抜かしてやがる…」

今にもバレットを引き抜いて撃ち抜きたい衝動を抑えて、ルナはリディプスに向けて叫ぶ。

ルナ「俺達やギガンティスのみんなを裏切っておいて…てめえ、何様のつもりだ!!!!?」

リディプスは背後からのルナの罵倒を平然と背中で受け止め、含み笑いを漏らした。

リディプス「私が何か?そうだな…。“神”かな?かつてのシグマやルミネを含めた新世代型レプリロイドですら到達出来なかった。全レプリロイドの頂点に立つ者だ。」

ゼロ「な…っ!!?」

その発言には、流石のゼロも絶句するしかなかった。
アリアは鋭くリディプスを見据え、アイリスやシナモンは狂人を見るような目でリディプスの背中を見つめ、マッシモとマリノも目を見開いた。
一体、リディプスの頭の中では、どのような狂った妄想が繰り広げられているのだろうか。

ルイン「リディプス大佐…説明してもらえますか?私達は、あなたの命令でギガンティスに行きました。イプシロンを倒し、リベリオンを壊滅させ、反乱を防ぎました。それも全て罠だったんですか!!?」

怒りを必死に抑えながら尋ねるルインの質問に、リディプスは声を上げて笑った。

リディプス「ハッハッハッハッハッハッ…。そうだな、イプシロンを倒してくれたことには感謝せねばな。おかげで私は目的を果たせたわけだからな」

リディプスが高笑いするなど、以前では考えられないことだが、その笑い声は邪悪な響きがあった。

エックス「答えろ!!何を企んでいる!?」

エックスの怒りに満ちた声が執務室に響き渡った。
次の瞬間、リディプスが口を開いた。

リディプス「言ったろう。私は神になると」

ゼロ「ふざけるな…!!」

怒りで全身から抑えきれなくなったエネルギーが迸り始めていた。
今にもゼロはセイバーを抜きかねない状態だ。

リディプス「勇ましいな。イレギュラーハンターとレジスタンスの諸君。私をどうしようと言うのだね?」

受け入れ難いが、もはやリディプスの思考は異常だ。
エックスが右腕をバスターに変型させるとリディプスの背中に向けた。

エックス「リディプス!!お前は…、お前は……イレギュラーだ!!」

イレギュラーと宣告した瞬間、リディプスがエックス達を振り返ると、みるみるうちにリディプスの端正な顔が醜悪に歪んだ。

リディプス「私がイレギュラーか…愚かな。私からすればお前達の方がイレギュラーに見えるがな。まあいい、イレギュラーの烙印を押されて死ぬがよい!!」

背部のユニットから2本のサーベルを引き抜くと、リディプスは力を解放した。

アクセル「まさか、リディプス大佐がこんなふざけたことを考えていたなんて…」

アクセルがバレットを抜くと、複雑そうな表情でリディプスにバレットを向けた。
流石のアクセルも上官のイレギュラー化にショックを隠せないようだ。

ルナ「くそったれ!!俺達は何のためにリベリオンと戦い続けてきたんだよ!!?」

リディプス「ハハハハハハハ…!!全て私のためさ、イレギュラーハンターとレジスタンスの諸君!!新しい、神のため…!!」

リディプスの高笑いと共に連邦軍主力メカニロイド、レッドホイールが出現した。

アリア「神になるとか寝ぼけたことを言うな、この酔っ払い!!ダブルチャージショット!!!!」

レッドホイールに向けてダブルチャージショットを放つ。

アイリス「アリア博士、下がってください!!チャージセイバー!!!!」

アリアに攻撃を仕掛けようとしたレッドホイールをチャージセイバーで両断したアイリス。
それを見たリディプスが興味深そうにアリアとアイリスを見た。

リディプス「ライブメタルか…非戦闘型や脆弱な人間でさえも強大な戦闘力を持てるようになるアイテム…エックス達を処分した後でも残しておくか…」

アリア「残念、あんたなんかに利用されるなら死んだ方がマシだね!!」

バスターを連射しながらリディプスに向けて舌を出すアリアをアイリスが援護する。

アイリス「あなたの好きにはさせません!!」

セイバーを振るい、アリアに向かう銃弾を蒸発させる。

マリノ「マッシモ、シナモン。アリア達を援護するよ!!喰らいな!!」

レッドホイールに向けてアイスコメットを投擲するマリノ。
流石に連邦軍主力メカニロイドなだけはあり、一撃では倒せないが、アイスコメットを受けて凍結したレッドホイールにマッシモとシナモンが前に出る。

マッシモ「ギガンティスで殺されたレプリロイド達の仇だ!!」

シナモン「絶対に許しません!!」

アイスコメットで凍結したレッドホイールをマッシモとシナモンが破壊する。

マッシモ「エックス!!雑魚は俺達に任せろ!!エックス達はリディプスを!!」

エックス「すまない…ハイパーモード・フォースアーマー!!」

レッドホイールの相手をマッシモ達がしているうちにハイパーモード・フォースアーマーを発動して、リディプスに挑むエックス。
エネルギーチャージを終えたバスターをリディプスに向ける。

エックス「プラズマチャージショット!!!!」

リディプスに向けて巨大な光弾が放たれた。
まともに喰らえば相当のダメージは見込めるが…。

リディプス「甘いぞ!!!」

リディプスのサーベルから衝撃波が繰り出され、プラズマチャージショットが粉砕された。

エックス「なっ!?」

ルイン「エックス!!」

チャージセイバーでエックスに迫る衝撃波を相殺すると、今度はルナがハイパーモードを発動した。

ルナ「てめえだけは絶対に許さねえからな!!ハイパーモード・ウェントス!!」

ハイパーモードを発動し、ウェントスに変身すると、ダブルセイバーを抜き放ち、リディプスに迫る。

ルナ「はっ!!だあっ!!でやあっ!!」

リディプス「ふふふ…怒りで太刀筋が分かりやすいぞ」

ルナの繰り出す斬撃を容易く防いでいくリディプス。
何を思ったのか、ルナはウェントスからイグニスに変身するとナックルバスターを構えた。

ルナ「なら、これならどうだ!!エディットバスター!!!!」

ナックルバスターの銃口から放たれるエネルギー弾がリディプスに向かう。

リディプス「ふん、この程度の速度なら避けることなど造作もない……」

回避行動を取るリディプスだが、エネルギー弾が軌道を変え、リディプスに直撃する。

ルナ「よっしゃあ!!」

リディプス「何…!!?」

ルナ「エディットバスターは俺の思い通りに弾が動くんだよ!!だから基本的に回避は不可!!今だゼロ!!」

ゼロ「任せておけ!!ハイパーモード・アクティブフォーム!!零式乱舞!!!!」

機動力特化のハイパーモードであるアクティブフォームを発動し、零式の技をリディプスに叩き込む。

ゼロ「零式兜割!!!!」

リディプス「ぐあああああっ!!!!」

最後の一撃に回転斬りを喰らわせると、リディプスが勢いよく吹き飛ぶ。

エックス「今だ!!プラズマチャージショット!!」

先程は防がれてしまったが、吹き飛んでいる状態では防ぎようがないと判断したエックスは再びプラズマチャージショットを放ってリディプスに直撃させる。

ルイン「ハイパーモード・OXアーマー!!全リミッター解除!!オーバードライブ!!チャージショット連射!!!!」

プラズマチャージショットを喰らい、発生したプラズマによる追加ダメージを受けているリディプスにチャージショットの連射を喰らわせる。

リディプス「これしきのことで!!」

しかしリディプスも流石と言える。
プラズマチャージショットとチャージショットの連射の波状攻撃を受けているにも関わらず、動きが全く衰えていない。

アクセル「変身、エンシェンタス!!阿修羅ナックル!!!!」

しかしアクセルもエンシェンタスに変身し、誘導エネルギー弾を6発、リディプスに喰らわせた。

リディプス「己…新世代型のプロトタイプが…」

アクセル「プロトタイプで結構!!大体あんた1人で僕達に敵うと思ってる!?」

レッドホイールはマッシモ達が相手をしているために実質5対1だ。
確かにリディプスの実力は凄まじいが、イプシロンやスカーフェイスと比べれば見劣りするくらいの敵だ。

リディプス「くっ…ならば…」

突如リディプスの姿が消えた。
突然のことに目を見開くが、アクセルは原因に気付く。

アクセル「光学迷彩だ!!気をつけて!!」

エックス「光学迷彩か…ならば、セカンドアーマー!!」

フォースアーマーからセカンドアーマーに切り換えるとエネルギートレイサーでリディプスを探す。

エックス「ルイン、後ろだ!!」

ルイン「アースクラッシュ!!!!」

エネルギーを収束させた拳で直接リディプスを殴り飛ばす。

リディプス「ぐはっ!?何故だ…私の光学迷彩は完璧なはず……」

エックス「セカンドアーマーの能力の1つであるエネルギートレイサーはサードアーマーのフィールドレーダーのように広範囲を見渡すことは出来ないが、近距離のエネルギー感知に関しては他のエネルギー感知器を現時点でも遥かに上回るんだ。つまり姿を眩まそうがお前の位置は手に取るように分かる。」

セカンドアーマーからサードアーマーに切り換えると、エックスはバスターにエネルギーチャージを始めた。

リディプス「クロスチャージショットを放つつもりだろうが、チャージなどさせるか!!」

クロスチャージショットはエックスのチャージショットの中でも広範囲を攻撃出来る代物。
つまりこの狭い執務室では回避が出来ないのだ。
リディプスがサーベルを構え、エックスに斬り掛かろうとするが、ゼロとルインがリディプスのサーベルを受け止めた。

ゼロ「悪いが貴様の考えなどお見通しなんだよ」

ルイン「エックスはやらせない!!」

ゼロナックルとΩナックルのチャージアタックが同時にリディプスに炸裂した。

エックス「喰らえリディプス!!」

バスターから放たれたチャージショット。
しかし、2発目が放たれないことからリディプスは笑みを浮かべた。

リディプス「どうやら勝負を焦ったようだなエックス!!」

サーベルでチャージショットを掻き消すと、エックスの方を向いた瞬間。

エックス「引っかかったなリディプス……ダブルチャージショットだ!!!!」

もう1発、チャージショットを放ち、リディプスを吹き飛ばす。

リディプス「がは…っ、馬鹿な…クロスチャージショットではなくダブルチャージショットだと…!?」

てっきり威力の高いクロスチャージショットで来ると思っていたのだが、サードアーマーはチャージショットを放つタイミングによってクロスチャージショットとダブルチャージショットの二択を選択出来る。
一撃の威力はクロスチャージショットには劣るが、2発続けて放つ事で、相手に痛打を与えることが出来る。
一度放たれてしまえば例え初撃を防ぎきったところで、すぐさま襲い掛かってくる二撃目がほぼ確実に敵に炸裂するのだ。

アクセル「やった!!」

ルナ「とどめだエックス!!」

サードアーマーのリミッターを解除し、フットパーツの潜在能力によるダブルヴァリアブルエアダッシュで距離を詰めるとブレードを抜いた。

エックス「喰らえリディプス!!トリプルチャージ!!砕け散れ!!!!」

ハイパーサードアーマーのダブルヴァリアブルエアダッシュのスピードには流石のリディプスも反応出来ず、エックスのチャージブレードが炸裂した。 
 

 
後書き
リディプス1回戦勝利。 
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