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予想外

 同じ武器を持っていたから落ち着いていた。
 今更ながらアリシアは自分の考えの甘さを痛感させられてに嫌になる。
 “蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”を導入し、“蒸気振動剣( スチーム・リップル・ソード)”を知っている人物ならば、この花王製だって容易に想像がつく。

 確かに一般に“蒸気振動剣( スチーム・リップル・ソード)”が広まってはいない。
 というより、“破滅の欠片(R・パーツ )”という発掘された特殊な魔法道具が必要なのだ。
 だからその“破滅の欠片(R・パーツ )”によってその“蒸気振動剣( スチーム・リップル・ソード)”の形態は代わる。

 そしてその“破滅の欠片(R・パーツ )”は発掘が必要とはいえ、そこそこ数が出回っている。
 もちろん一般人は知らないが、業界人では知っているし持っているものなのだ。
 そのうちの一人が彼だったという事。

 敵に回したくない相手だ。
 そこまで瞬時に考えたアリシアは、シャーロットめがけて、今までのは遊びであったと思わせるような速度で走る“蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”に狙いを定める。
 こんな武器を持つ紳士の相手など、まともにやるほうが愚かだ。

 アリシアの一番の目的はシャーロットを連れて逃げることであり、戦うことではない。
 そうおもってその“蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”に向かって行くも、

「おやおや、私がこのような武器を持っているとは想定外でしたか。ですが、だからといって逃げるのはいただけませんね。あなたも偶然を装った“関係者”かもしれませんので一緒に来ていただきましょうか」

 そこで、年齢のわりに、というよりもアリシアよりもよほど速い速度で目の前に現れたその紳士に、アリシアはぎょっとする。
 しかもそのまま仕込杖の“蒸気振動剣( スチーム・リップル・ソード)”をアリシアに向けてくる始末。
 慌ててそれを防御する。

 “蒸気振動剣( スチーム・リップル・ソード)”がふれあい反発しあう耳障りな高い音がする。
 アリシアはその触れ合った感触で、相手のその剣に投入されているエネルギーのほうが僅かに多いと気づく。
 これは特別な方法にアリシアが改良したもので、他よりもずっと効率よくエネルギー変換できるように機構を組み立ててある。

 けれど、残量が少ない“有機魔素化合物(エーテライド )”を出力を上げれば大量に使用してすぐにこの剣はただのなまくらになってしまう。
 出できることは更に少なくなったと、着々と自体が悪化していくのをアリシアは感じながら、

「“関係者”? 何の?」
「知らないふりなのかどうかはこちらで判断しましょう」

 時間稼ぎすらも出来ない。
 “蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”はシャーロットの直ぐ側まで迫っている。
 今ここで彼から背を向けることは出来そうにない、そうアリシアが焦る。
 そこで“機械妖精(スチーム・アンドロイド )”のメイベルが飛び出してきて、

「この技は使いたくないんだけど、えーい、“有機魔素化合物(エーテライド )”の流れを、乱してやる!」

 メイベルがひっつくと同時に、“蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”の動きが止まったのだった。


 
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