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とある科学都市の恋愛事情

作者:matter
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プロローグ

とあるマンションの一室である一人の男が寝ていた

すると男の携帯が着信を知らせる

昔懐かしいベル音が部屋に響く

「うぅん」

男はその音を聞き、鬱陶しげに携帯の方に手を伸ばす

「うるさい」

そしてそのまま手を振り下ろす

すると、携帯はバキッという音を立てて圧し潰れた

そして男はもう一度布団にもぐりこむ

その約二十分後くらい経つと、部屋の扉が勢いよく開いた

「アニキ!早く起きるっす。信二さんから電話の内容を伝えるように言われてるんっすから」

「あと二時間……」

「長すぎっす!」

男の言葉に入ってきた少年がツッコみを入れて布団をはぎ取る

「おい、雄三」

「そんな怖い声で言っても駄目っすよ。信二さんの電話に出ないアニキが悪いんっすから」

雄三と呼ばれた少年の言葉に男は言い返せないままため息をつく

「それで伝言は何だ?」

「はい。『今日の仕事は任せた。詳細はいつもの場所で聞け』だそうっす」

男の言葉に雄三が伝言をそのまま伝える

男はそうか、と伝えてもう一度布団にもぐりこもうとする

「ちなみに待ち合わせの時間まであと一時間もないっすから」

雄三はそういって部屋から出て行った

男はその言葉を聞き、もう一度寝るのをあきらめて外出の用意をし始めた

―――――――――

「すいません、いつもので」

「かしこまりました」

男はオープンカフェのある一席に座り注文をする

急いで準備してきたのでなんとか時間内に間に合ったようだ

そして注文を受けたウェイトレスがその場から離れると、男の前の席にいきなり別の男が現れた

「悪い、少し遅れたか?」

「いや、ぴったりだよ。大吾」

大吾と呼ばれた少年は男の言葉にそうか、と一言言ってからため息を一つ吐く

「それで今日の仕事内容は?」

「昼はいつも通りだ。だが夜の方は今日はちょっと変わっててな、他の暗部組織との合同だ」

大吾の言葉に男は眉をピクッと動かす

「合同ってどことだ?」

「アイテムとだ。武器を外に横流しをしてる研究所があるんだが、候補が三つあるんだ。おそらく二つはダミーで残りに集結させてると思われる。逃げる時間を与えないように一気に三つ襲撃するようにだとよ」

男の言葉に大吾はつまらなさそうに答える

「それでどの研究所に行くかの打ち合わせを三時前くらいにここで行うらしい。信二も雄三も学校だからお前が代表で打ち合わせを、だってさ」

「……了解」

大吾の言葉に男はため息を吐いてつまらなさそうに答える

「それじゃあこれが詳しい資料と待ち合わせの場所のメモだ」

大吾はそういって懐から数枚の紙を取り出し、男に渡す

「サンキュー」

「どういたしまして。仕事も終わったし、俺は帰るわ。頑張れよ悠斗」

大吾はそういって、来たとき同様突然その場から消えた

「お待たせしました」

すると、その直後に頼んでいた飲み物が届いた

悠斗はその飲み物を飲んで代金を支払った後、朝の仕事を済ますために歩き出した 
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