| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生とらぶる

作者:青竹
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Fate/stay night
  1162話

 
前書き
設定資料集の、Fate風ステータスを更新しています。 

 
「あ、あは……あはははは……」
「ちょっ、おい遠坂!? しっかりしろ、正気に戻れ!」

 綾子が、凛の肩を揺らす。
 ……うん、まぁ、そうなる気持ちは分からないでもない。
 凛にしてみれば、異世界……平行世界間の移動というのは、一族を上げての悲願なのだ。
 けど、それを容易く……それこそ、小学生でも可能に出来るというのがゲートなんだから、これまでの遠坂の魔術が否定されたような気になるのもおかしくはない。
 もっとも、魔法が魔術になるのは、あくまでもこの世界の技術でそれが実現可能になったらだ。つまり……

「この世界の技術じゃない以上、世界間の移動は決して魔術じゃないだろ。しかも異世界の技術をその目で見る事が出来るんだから、それは遠坂の魔術に対しても有益なんじゃないか?」

 その言葉に凛の笑い声は止まり、真剣な表情でこっちを見てくる。
 それこそ、これまで何度見たかってくらいの表情で。

「……分かったわ。じゃあ、うちの庭で試してみましょう。幸い、塀で囲まれているから敷地の外からは見えないし。それに、私もあんたの恋人達には色々と言いたい事や聞きたい事があるしね」

 うわぁ……嫌な予感しかしない。
 特に、あやか達からは色々な意味で責められそうだ。
 従者組の4人は、高校を卒業するまで俺とそういう関係になる事はなかった。
 俺がマクロス世界に行っている時間もあったが、それでも律儀に高校を卒業するまで待っていたのだ。
 なのに、凛や綾子は記憶がないとは言っても抱いてしまったのだから。
 しかも、1度や2度じゃない。何日も……そして、何度も。

「ほら、どうしたのアクセル。行くわよ」
「あ、ああ。分かった」

 考えごとをしていると凛に呼ばれ、慌てて付いていく。
 何だか綾子が含むような笑顔でこっちを見てたが……微妙に嫌な予感がした俺は、間違っていないだろう。





「さ、ここなら大丈夫でしょ。その異世界に行くって機械を出してみてちょうだい。正直、機械って時点でちょっとアレなんだけど……」

 ああ、なるほど。何か気が進まないような感じだと思ったら、そう言えば凛は機械の類が苦手だったな。
 留守電とかは大丈夫だけど、少し細かい操作が必要になる機械の類は駄目だったか。

「一応言っておくけど、ゲートは予備も含めて何個かあるが、気軽に壊されたりしたら堪らないからな?」
「わ、分かってるわよ!」

 うん、俺が何か言わないときっと手を出していたな。
 遠坂という家系の事を思えばしょうがないけど。
 周囲を見回すと、確かに塀で囲まれており敷地の外から見えるような様子ではない。
 かなり荒れ気味なのが気になるけど、これはしょうがない。この広い屋敷に凛が1人で住んでいるんだから。
 まさか魔術師の屋敷に誰か他の人を入れる訳にもいかないんだろう。
 ああ、でも使い魔とかでそういうのを……と思ったけど、よく考えれば今の俺って分類的にはサーヴァントで、使い魔なんだよな。
 ここで迂闊な事を言えば、俺がこの庭を掃除しろとか言われかねない。
 どうせならホワイトスターから量産型Wを呼んでやって貰えばいいか。
 ああ、それとも羊? 山羊? そういう奴を呼んで雑草を食べて貰うってのもいいかもしれないな。……駄目か。ゲートを設置した場所を糞塗れにする訳にもいかない。
 我ながら馬鹿な事を考えた……と思いつつ、こちらを見ている凛と綾子に対して声を掛ける。

「じゃあ、ゲートを出すぞ」

 その言葉に無言で頷いたのを確認し、脳裏に空間倉庫のリストを展開する。
 そうしてゲートの項目があるのを確認し、それを選び……選び……選び……

「馬鹿なっ!」

 思わず叫ぶ。
 そう、その現象は俺がランサーの傷を回復させようとしてエリクシールを空間倉庫から出そうとした時と同じ感触。
 脳裏のリストにはきちんとゲートと表示されているにも関わらず、灰色になっており選択する事が出来ない。

「アクセル?」
「ちょっと待ってくれ」

 不思議そうに尋ねてくる凛にそう告げ、次に脳裏のリストからマーカーを選択しようとし……これも出来ない。

「馬鹿な……何でだ?」
「アクセル? どうしたの?」
「……ゲートを取り出せない」
「え? ちょっと、それどういう事よ?」
「さて、なんでだろうな。俺の能力に空間倉庫という能力がある。ああ、スキルにあるからそれは分かるか。この空間倉庫の中には、俺が今まで集めてきた各種道具が無数に入っている」

 金ぴか王の財宝の劣化版みたいな感じだよな。
 実際、1度に出せるのは1つだけだし、金ぴかみたいに射出出来たりもしないし……まぁ、容量に関しては勝っている自信があるが。
 ジェネシスやらホワイトスターやらも収納して、尚余裕があったんだし。
 ……金ぴかの対策も考えないとな。いや、対策じゃないか。今の俺にしてみれば、あの金ぴかは無限ボーナスキャラみたいな感じだ。
 アークエネミーのクラス特性か何か分からないが、今の俺は他人の宝具でも真名解放出来る。つまり、金ぴかが持っている宝具を奪えば奪う程に俺の戦力が上がるという事を意味してるのだから。

「ゲイ・ボルクやルールブレイカーをしまったり、麻婆豆腐を出したりした奴でしょ?」
「そうだ。しまうのは問題なく出来る。……こんな風にな」

 呟き、庭に落ちていた石ころを拾って空間倉庫の中に収納する。
 その様子を見て、凛と綾子が頷いたのを確認し……脳裏のリストから今収納した石ころを取り出す。

「取り出すのも、こういう風に簡単に出来る……筈なんだが、何故か出せない物がある」

 取り出した石ころを凛の方に軽く放り投げる。
 それを受け止め、しみじみと石ころを確認する凛。
 何か石ころに異常がないかどうかを調べているんだろう。
 だが空間倉庫に出し入れした程度で石ころがどうにかなる訳がなく、凛の視線はこちらに向けられる。

「で、結局どうなっているの?」
「さて、どうなんだろうな。……ここだとちょっとアレだな。一旦郊外の森の方で試してみたい事がある」
「郊外の森で? アインツベルンの?」
「出来ればアインツベルンの結界がない方がいいな。この空間倉庫以外の、俺の最後の宝具をちょっと試してみたいし」
「……なるほどね。じゃあ、アインツベルンの城がある森とは反対側の森で試してみたらどう? あっちの郊外も一応森になっているんだし」

 その言葉を聞き、凛と綾子へ近くに来るように言って影のゲートを開くのだった。





 一面に広がる森は、周囲に何もないことを示している。
 アインツベルンの城がある森とは正反対のこの場所は、確かに2月の夜という事もあって人の姿はないし、魔術的な監視の目も存在しない。
 まぁ、既に生き残っているサーヴァントは俺、セイバー、ライダー、金ぴかの4人だけだ。その中で使い魔の類を使えるとすればエセ神父と臓硯だけであり……純粋な使い魔となると、綺礼……いや、言峰はともかく、臓硯の方は厄介だな。
 何だかんだと一流の魔術師ではあるし、蟲を使役するという点でも森に使い魔として放たれていては見つけにくい。
 もっとも、蟲倉を破壊したおかげで向こうにも殆ど余裕はない。
 更には真アサシンを召喚するにも相当の魔力を消費した筈である以上、心配はあまりないか?
 それに……この切り札は、向こうに見られたとしてもどうしようもない類のものだし。

「アクセル、それでどんな物を見せて貰えるのかしら?」
「宝具なんだろう? 今までの経験からすると、武器とかか?」

 綾子の言葉に一応頷く。
 まぁ、武器であるのに変わりはないからな。

「その前に、ちょっと待っててくれ。一応念の為……スライム」

 その言葉と共に空間の穴が空き、そこからスライムが姿を現す。
 今までは空間の穴としか認識していなかったけど、これって空間倉庫だったんだよな。
 ともあれ、伸びてきたスライムを周囲一帯へと触手状にして伸ばしていく。
 使い魔の類がいないかを、一応念の為に確認していく。

「……何か、こう言っちゃなんだけど、ちょっと不気味よね」

 凛の呟きが耳に入ってくるが、スライムの扱いにはもう慣れてるしな。
 そう言われても、そうか? という思いしかない。
 ともあれ、こうしてスライムを使って周囲を探索し、周囲に使い魔の類がいない事を確認すると、空間倉庫へとスライムを戻す。
 突然スライムが消えたのを見て、いよいよ本番に入ると理解したのか、凛と綾子がこっちの方へと視線向けていた。
 そんな視線を感じつつ、俺の最後の宝具を呼び出す。

「ニーズヘッグ」

 呟いた瞬間、俺の隣にはその姿があった。
 全高は15m程度と、一般的なPTと比べるとかなり小柄だ。
 それでいながら、見て分かる程の迫力を放っているのは、このニーズヘッグに備わっている力そのものを感じる事が出来るからだろう。
 両肩からそれぞれ3基ずつ伸びているバインダー、ヒュドラ。
 背中にはバリオン創出ヘイロウが存在し、まだ展開していないがエナジーウィングという装備もある。
 俺が……俺だけが乗りこなす事の出来る、シャドウミラーの力の象徴。嘲笑する虐殺者の名を持つ、最強の機体。それこそが、このニーズヘッグ。

『……』

 凛と綾子も、いきなり現れたニーズヘッグの姿に、ただ言葉を失って驚くしか出来ない。
 いやまぁ、それは当然だろうけど。
 そのまま1分程が経過し、ようやく凛と綾子の再起動が完了する。

「ちょっ、ちょちょちょ……ちょっと、何よこれ! アクセル、あんた一体、何を呼び出したの!? とんでもない魔力を感じるわよ!?」

 ……魔力? 一瞬疑問に思い、すぐに納得する。
 なるほど、グレートグランドマスターキーが内臓しているのや、宝具化の影響でニーズヘッグ自身が魔力を持つようになったのか。

「見ての通り、俺の持っていた最後の宝具にして、最強の宝具。対界宝具の、滅びを告げし大魔王の巨像だ」

 対界宝具ってのは、物理的に空間そのものを切断するってのや、空間を媒介にして侵食するって感じの宝具で、俺が知ってる限りだと金ぴかの乖離剣エアしかない。
 何でニーズヘッグが一撃で雌雄を決する対城宝具じゃなくて対界宝具になったのかと言えば……うん、どう考えてもフレイヤ、ブラックホール・ランチャー、ラグナロクといった、ニーズヘッグの持っている空間に作用する武器が理由だろうな。

「対界宝具……あんた、本当に色んな意味で目茶苦茶ね」
「お褒めに与り恐悦至極……とでも言えばいいのか?」
「らしくないわよ。……それで、これってゴーレムとかそういうのの類?」
「ちょっ、遠坂。本気? ……いや、本気なんだろうね」

 凛の口から出て来た言葉に、殆ど反射的に綾子が突っ込む。
 まぁ、そうだよな。確かに機械の類が苦手な凛に対して、人型機動兵器……ロボットを見せても分かる筈がないか。
 幸い綾子はその言葉から考えると理解しているようだから、助かるけど。

「これは中に乗り込んで操る兵器だよ。分かりやすく言えばロボットだ」
「ロボット!? え? いや、だって……宝具よね? 実際にとんでもない魔力も感じるし」
「そうだな。具体的には魔法的な要素……いや、この世界風に考えれば魔術的な要素を持ったロボットといったところか。科学と魔術が融合されているといった感じに」

 ああ、でも固有結界が限りなく魔法に近い魔術だという扱いなのを思えば、魔法界のような異界を作り出す事が出来るグレートグランドマスターキーは魔法と言ってもいいのか? で、それを装備しているニーズヘッグは既に魔術じゃなくて魔法の産物、と。
 ……いや、システムXNを装備している時点でそれは間違いないか。

「じゃあ、ちょっと確認したい事があるから、ここで待っててくれ」

 凛と綾子にそう告げ、空中を飛んでニーズヘッグのコックピットへと収まる。
 幸いこの近辺は結構大きい木が大きく、ニーズヘッグの姿はそう目立たない。
 ……昼ならどうだったか分からないけど、夜で周囲には明かりの類もないし、人もまずいない場所だから目立つ心配はないんだけどな。
 ん? でも、2000年代なんだし、衛星とかはあるか。となると、ミラージュコロイドかASRSを使った方がいいのかもしれないか。
 そう考え、念動力による識別を終え……いよいよ機体が起動する。

「ちょっとこのままだと目立つから、一旦外から見えないようにするぞ」

 外にいる2人に声を掛け、ASRSを起動する。
 そうして、機体の各種チェックを行い……安堵する。
 宝具化した結果、どんな影響が出るのかと思ってたんだが……幸い、操縦システムの類には特に何もないらしい。 
 となると、次に試すのはいよいよ本命。

「システムXN、起動……」

 T-LINKシステムを使ってシステムXNを起動しようとするが、全く反応がない。

「システムXN、起動」

 再度T-LINKシステムを使っての操作をするが、やはりうんともすんとも言わない。
 その後、何度となくシステムXNを起動しようとするが、全く反応がない。
 異世界間転移だけではなく、同一空間内の転移も使用不可能だ。
 ……こうして、俺は自力でホワイトスターに戻る手段を失った。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:390
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1407
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1187 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧