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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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11.子供は父を見て大きくなる。大人は乳を見て大きくなる。男限定だけど。

<妖精の国>
ベラSIDE

「違うのよ、これは!あれよ、あれ!そう言うんじゃなくて!ね!ね?解るでしょ!そう言う事なのよ!」
雪の女王事、スノウは訳の解らない言い訳をしてい…。
「ごめんなさいポワン様…スノウを許してあげて…冬が好きすぎただけなの」
リュカも約束通り、一緒に謝っている。
リュカってば結構優しいのね。
スケベなだけかと思ってた。

「ふざけんな!馬鹿女!」
一人怒りが収まらないのはザイルだ。
リュカに押さえ付けられ暴れている。
ポワン様の後ろに隠れているスノウに、飛び付きそうな勢いだ。
はぁ~…誰か収拾付けてくれないかな………と、思っていたら、
「いい加減にせんか!ばかもん!」
空気が揺れるぐらいの大声で、ザイルの祖父エーグが叱りつけた。
強烈な大声に耳が痛い。

「申し訳ありません、ポワン様。ワシはともかく、孫には寛大なご処置を、お願い致します」
「いいえ、エーグ殿。私は誰も処断するつもりはありません。リュカのおかげで、春風のフルートも戻りました。誰も大怪我をすることなく」
ポワン様も耳が痛いらしく、左耳を押さえながら優しい笑顔で語りかける。
「おぉ!リュカ殿。あなたには、感謝に絶えません。ありがとうございます」
「ううん。僕は訳も解らず行動してただけ。一緒に来てくれたベラのおかげだよ」
あら?殊勝な事言うじゃない。
「それに最後はスノウが返したんだし。スノウのおかげだよ」
「リュー君大好き!」
そう言うと、リュカに抱き付きイチャイチャしだす。
ウザ!この女!

「それでは、春の訪れを迎えましょう」
ポワン様が春風のフルートを奏でる。
美しい音色は、そこら中に響き渡り空気を暖かい物に変えた。
「リュカ。本当にありがとう。いずれあなたが大人になった時、何か困った事が起きたら、必ずあなたの力になりましょう。その時までの、誓いの証にこれをお持ちなさい」
ポワン様はリュカに『サクラの一枝』を渡した。
「それではリュカ。あなたはあなたの世界へお帰りなさい。………スノウ。離れてくれませんか?」
ポワン様は玉座から立ち上がり、リュカに向けて両手を翳すが、あほ女がベッタリでリュカを返せない…

「イーヤー!リュー君と離れるなんてイヤー!」
「スノウ!リュカには帰る所があるのです。こことは違う世界で生きているのです」
リュカも『離れろ』と一言言えば良いのに、あの巨乳に顔を埋め恍惚に浸っている…男って奴は!
「嫌、嫌、嫌!ぜ~ったい、嫌!私とこっちで暮らす!私が育てる!私好みに育てるぅ!絶対離れないぃ!」
「スノウ?いい加減にしないと、落とすわよ?」
ぎゃー!ポワン様がすっごい怒ってるー!
早く離れなさいよバカ女!

「スノウ。これあげる!」
するとリュカは、自分のターバンをスノウの首に巻き付けて優しく諭す様に言った。
「僕の代わりにはなれないけど、僕の事忘れない為に、これ持ってて」
優しくターバンを巻き付けられたスノウは、白い頬を真っ赤に染めて瞳を潤ませる。
「リュー君………わ、私もリュー君が私の事忘れない様に、なんかあげる!」
そう言うと自分の体を見回した。

あんた露出度の高いドレスと、黒の下着しか着けてないじゃない!
「じゃ、リュー君がキレーって言ってくれた、私の下着あげる!」
そう言って、リュカの頭にパンツを被せる。
あんた馬鹿じゃないの?何でターバンの代わりにパンツ被せてるのよ!
「スノウありがとう。スノウの匂いがする。僕スノウの事忘れないよ!」
リュカも何で喜んでんのよ!
それじゃただの変態よ!

「…それでは、リュカ。よろしいですか?」
「はい。お世話になりました、ポワン様」
リュカとプックルの身体が光に包まれる。
次の瞬間、リュカ達は消えた…
「あ~ん…行っちゃった………さびしー!」
そして、騒がしい奴らが、ここに残された。
はぁ~…私も、あっちの世界へ逃げたいわぁ…

ベラSIDE END




<サンタローズ-パパス宅>


イェ~イ!また、ゲットー!
もうこれ集めるの趣味にしちゃおうかな。
スノウのパンツの匂いを嗅いで、ポーチの奥へしまい込む。
地下より上がり、サンチョに話しかけると、父さんが俺を捜して、教会へ行ったそうだ。
何でもラインハットの城に呼ばれたらしく、俺を連れて行くつもりの様だ。
俺は一旦部屋に戻り、代えのターバンを巻き教会へ赴く。
あぁ…フレアさんに会いづれー!どんな顔して会えばいいんだ?



<サンタローズの教会>
フレアSIDE

パパスさんがリュー君を探しに来ている。
これからラインハットのお城に行く為、探している。
もう!パパスさんは、この間帰ってきたばかりなのだから、呼びつけたりせず、あっちから来ればいいのに!
「それでは、シスター・フレアの所にも、リュカはいませんか?参ったな…」
「ごめんなさい。昼前にここに来ていたんですが、すぐに何処かへ行ったしまいました。…それ以後は…」
そう言えばリュー君、あの時様子がおかしかったわ。
どうしたのかしら?

は!?
もしかして、物置小屋での事見られてたのかしら!?
それで、私の事嫌いになっちゃた?
あの時抱き上げても、いつもの様にオッパイに埋まってこなかったもの!
そんな…嫌われちゃった…
「ん?どうしました。シスター・フレア?」
「もしかしたら私、リュー君に嫌われちゃったかもしれません」
「え!?」
「だからリュー君、私に会わないどこか遠い所へ、逃げちゃったのかもしれません」
「そんな事「お父さーん!」
あっ!リュー君だ!よかった、私から逃げていた訳じゃなかった!

「おぉ!リュカ。何処に行っていた。」
「うん、ちょっと…」
!やっぱり、私に対して余所余所しい!
「そうか…父さんはこれから、ラインハットへ赴かねばならぬ。それ程長旅にはならぬが、お前も連れて行くつもりだ。いつもお前の事を気にかけてくれている、シスター・フレアに挨拶を済ませておけ!父さんは村の入り口で待っているからな」

パパスさんがこの場を去ると、俯くリュー君が呟く。
「あ、あの…シスター・フレア…僕…」
私の事をおねーちゃんと呼んでくれない!
私はリュー君の前に座り、顔を覗き込むが目を合わせてくれない。
私はリュー君の透き通る様な、あの瞳が好きだ。
今朝会った彼も、同じ瞳をしていた。
だから私はリュー君が好きだ。

「ねぇ、リュー君。私リュー君に嫌われる様な事しちゃったかな?」
リュー君の瞳が潤んでる。
すごく苦しそうに…
「ごめんね。謝って許して貰えるか判らないけど…私リュー君に、嫌われたくないから…リュー君の事好きだから…」
リュー君の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「ごめんなさい…フレアさんが悪いんじゃないの…今朝、男の人との事…見ちゃった僕がいけないの…」
やっぱり、アレを見られてた。
私、最低だ…
「フレアさんを取られた気がして…フレアさんを汚された気がして…ごめんなさい…フレアさんは悪くないの…僕が悪いの…」
心が潰れるくらい苦しくなった。切なくなった。
私はリュー君を抱きしめ、二人で涙を流していた。
ただずっと…声も出さずに…



「えへへ。じゃぁ、僕行かないと。」
リュー君はいつもの笑顔を見せてくれた。
少しだけ目が赤い…きっと私も同じだ。

「なるべく早く、帰ってきてね。」
「うーん、お父さんの用事が終わらないと、僕には…」
くすっ、それもそうね。
「そうだ!フレアさん、これお願いしていい?」
懐から綺麗な桜の枝を取り出し、私に託す。
「僕これから、ラインハットに行かなくっちゃいけないし、僕じゃ枯らしちゃうかもしれないし」
「じゃぁ、リュー君が帰ってくるまで、私が育てるわ」
「ありがとう、フレアさん!それとこれ…」
リュー君は腰の袋から光り輝く宝玉を取り出し私に渡す。
「これは?」
「本当は今朝プレゼントしようと思ってたんだけど…渡しそびれちゃって…」
「こんな高価な物貰えないわ!」
「フレアさんに持っててほしいの。僕、フレアさんが好きだから」
「私も大好きよ」
私はリュー君にキスをした。

柔らかいリュー君の唇を味わい瞳を見つめる。
「じゃ僕行ってくるね」
「行ってらっしゃい、リュー君。気を付けてね」
リュー君を見送り、私は別れを惜しむ気持ちで切なくなる。
10歳年下の少年に、恋心を抱き苦しくなる。
あのリュー君と同じ瞳をした彼は、大人になったリュー君なのだろう。
大人になったリュー君が、私に会いに来てくれた…そう思う事にする。
リュー君の事が大好きだから。

フレアSIDE END



<ラインハットの関所>

父さんの肩に乗り雄大なラインハット川を一望する。
以前、インドでガンジス川を見た時も、その雄大さに心を奪われた。
このラインハット川も俺の心を魅了する。
父さんは少し離れた所で、やはり川を眺める爺さんに話しかけていたが、何やら偏屈な応対だったので、さっさと忘れる事にする。

「さて、もういいだろ。そろそろ行かぬと、夜になってしまう」
正直まだ眺めていたかったが、諦め父さんの後に続く………が、
「…お父さん!?」
俺は父さんの後を追わずに立ち止まる。
「?何だ?まだ川を見ていたいのか?」
「いや…そうじゃなくて…そっち…サンタローズだよ!?」
「…!そ、そうか!いや間違えた!わっはっはっは…」
父さんは、恥ずかしかったのか、暗くなる前に辿り着きたかったのか、早足だった。
この身体だと、付いて行くのがしんどい!



<ラインハットの城下町>

暗くなる前に辿り着いたけど、今から謁見するのは、マズイよね!って事で、宿をとり一泊する事になった。
アクティブな俺は、暗くなるまでの少しの時間、町へ繰り出す事にする。
もっと大人な体なら、美女でもナンパして楽しむんだけど…

アルカパの町も活気があったが、さすがは王都!
ッパないね!
人、人、人…主婦、仕事帰りのおっさん、沢山の人が入り乱れる。
この身体では、人混みに入っていけず、遠巻きに移動する事にする。

数十分程彷徨うと、そこには立派な城がそびえ立っていた。
「これがラインハット城かぁ…」
俺はどうやら、大きい物が好きな様だ。
大きい川、大きい城、大きいオッパイ…
「ぴぎゃー、ぴぎゃー!」
すると堀の脇の木の根元で、赤ん坊をあやす一組の若い夫婦がいた。
お父さんの方は兵士の様で、仕事が終わったばかりなのか、まだ鎧を着たままだ。
お母さんの方は、まだかなり若い。フレアさんと同じくらいだ。
赤ちゃんにお乳を与えていたらしく、オッパイを出しっぱなしだ。
大きいオッパイ…

「困ったわ?もうお腹いっぱいなのに泣きやまない!」
「おしめは?」
「………大丈夫みたい」
気付くと俺は、そんな夫婦の側に近寄っていた。
オッパイの魔力に誘われて…大きいオッパイ…
「何かしら?坊や?」
俺は無意識にオッパイへ手を伸ばしていた。
「え!あ、っと…赤ちゃん可愛いなぁ~と思って!あは、あは…」
俺は慌てて手の軌道を変え、赤ん坊の頭を撫でる。

「あら、坊やに撫でて貰うと泣きやむわ!」
確かに!泣きやみ静かに俺を見る。
「おや?君が手を放すと、泣き出すのか!?」
俺が手を放すと、堰を切った様に泣き出す赤ん坊。
「坊やお名前は?」
「リュカです」
「マリソルは、リュカ君の事が好きになっちゃったみたいでちゅねぇー」
でちゅねー…じゃ、ねぇー!
完全に帰るタイミングを逃した。
今帰ると、泣きじゃくる赤ん坊を見捨てる様で、なんかヤダ!

とは言え、ずっとこうしている訳にもいかない。
赤ん坊を撫でる手を見て思いついた。
「じゃぁマリソルちゃんに、これあげる」
手首に巻いてあった、ビアンカのリボンをとると、赤ん坊の髪に結い着けた。
「いいの?貰っちゃって?彼女に貰った大切な物とかじゃないの?」
まぁ分かってくれるでしょ!
ビアンカに愚図られたら『僕、ビアンカとの間にあんな可愛い赤ちゃんがほしかったんだ!』とか言っておけば、きっと騙されちゃうハズ…
こんな台詞は、今の様な子供の時にしか言えないし…10年後に言ったらセクハラっぽいし…

「うん!大丈夫。それにほら。猫のプックルも同じ物持ってるから、平気なの」
そう言って、プックルを抱き抱えリボンを見せる。
若夫婦は、喜び感謝の言葉をくれた。
さすがに、『お母さんのパンツと交換して下さい』とは、言えなかった。
旦那さんいたし。(いなきゃ言ってたのかよ!)



 
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