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幸運E-のIS学園生活

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世界の王に俺はなる!!

全身に重くのしかかる絶望感。キャスターの真名と宝具を突き止めたが逆にそれが精神的に重いプレッシャーを得る事となる結果を生んでしまった。敵クラスカードのキャスターはFate/EXTRAにて相棒として選べる三体のサーヴァントの内の一体であるキャスター。そしてその真名は玉藻の前、日本の平安時代末期に、鳥羽上皇に仕えたと言われる絶世の美女であり、白面金毛九尾の狐が化けたものであるとも言われた大妖狐である。その宝具、水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)は常世の理を遮断する結界を展開し、無限の魔力供給を行うというぶっ飛んだ効果を持つ。

「これはっ、力を出し渋ったのは失敗だったな………」
「フフフッ」

力なく膝を突く心、相手の体力を、魔力を大きく削る為の行動は全て裏目に出てしまった。キャスターは宝具を既に展開しており無限の魔力供給を受けていた為持久戦の効果は無に等しい。逆自分の首を絞めてしまったに等しい。加えて魔力消費が少ないとはいえ宝具も使用した為に魔力の消費が激しかった。心はサーヴァントではなく普通の人間。幾ら宝具を手にした影響で魔力が上昇したとはいえ、結局賄っている魔力は自力で生成している。魔力の生成は苦痛を伴う為、体力を使う。

「ハァハァハァハァ………ぐっ!!(傷が……くそっまだライダーとの傷が癒えていなかったか………)」
「(ニヤァッ)」

獲物が苦しんで居る事に愉悦を感じているのか、キャスターは口角を釣り上げながら一瞬で心の背後を取り、その首筋へと牙を食い込ませた。

「ぐああああ!!!こんのぉお!!」

身体を大きく振るってキャスターを振り解くが、首筋にはくっきりとキャスターの歯型が付いている。そこから血が滴り地面を赤く染める。其処から流れ出しているのは血液だけではない、魔力を補充しやすい人間のものは体液を指す。キャスターは極上の魔力を味わう事が出来、更にその血を飲みたい、その身体ごと我が物にしたいという欲が身体の奥底からあふれ出してくる。妖艶に微笑む女狐は、首の出血を止めようと治癒魔術を掛けている心にゆっくりと歩み寄っていく。

「くっそ…なんとか、宝具を打ち消せればいいんだが………(思い出せ!何度もあのゲームはプレイしてきた、平和男のパートナー時のキャス狐にどうやって勝ったか!!)」

槍を地面に突き刺しながら強引に身体を立たせながら、過去の記憶を必死に漁る。過去、心はキャスターが出ていたゲームを愛用していた。その時にキャスターと対戦する機会も当然のようにあった。その時の戦いの記憶を思い起こそうとしている。何かヒントがあると信じて。

「(思い出せ!!無限の剣製が上書きされてマジ切れした事もあっただろうがっ!?………待てよ、固有結界を上書き………?)」

はっとしながらも、キャスターの鏡を受け流し強烈な一撃を頭部へと叩き込む。だがそこにあったのは魔力によって形成された薄い膜のような防御壁。魔力供給、防御の面においても完璧。正に長期戦にこそ真の力を発揮するサーヴァントだと心は思った。だがそれを破る手を思いついた。心はすぐさま蒼い槍兵(ランサー・ド・クラン)から錬鉄の英雄(ブレード・ウィザード)にフォルムをチェンジし干将・莫耶を投影する。

身体は剣で出来ている(I am the bone of my sword)
「ッ!!」

刹那、キャスターは呪相による超波状攻撃。炎天、氷天、密天。爆炎、氷結、暴風の攻撃が、災害の如く襲い掛かっていく。それを幽霊の如きゆらゆらとしたら不思議な動きをしながらも、狂気に満ちた魔術師の猛攻を防ぎながら、呟き続ける。

血潮は鉄で心は硝子(Steel is my body,and fire is my blood)幾たびの戦場を越えて不敗 (I have created over a thousand blades)

己が目指すべき者、それは世界最強、即ち最強の自分。その為の挑戦、よもやこんなにも早く死に掛ける事になるとは錬鉄の英雄()も考えもしなかった。

ただ一度の敗走もなく(Unknown to Death)ただの一度も理解されない(Nor known to Life)

眼前に立ち塞がる最強の敵(キャスター)、それを切り捨てんと心に決めた。自分に負けという退路は無く、死という名の敗北しかない。己の中に蔓延る恐怖と絶望、それを払拭する為に自分は過ち(正さ)を取る。

彼の者は常に独り剣の丘で…勝利に酔う(Have withstood pain to create many weapons)

唯、突き動かされてきただけだ。今までは自分の意思でこれを使った事などなかったのかも知れない。全ては愛しき人達の為、身体を魔剣、邪剣、宝剣、聖剣へと変えてそれを振るう。

故に、その生涯に意味はなく(Yet, those hands will never hold anything)

今の自分が持ちえる上での最強の力で、それを世界最強(ブリュンヒルデ)へと証明する。

その体は、きっと剣で出来ていた(So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS)!!」

最後の一節が唱えられた途端、炎が奔り世界が変わる。炎は世界を燃やし尽くして行き、喰らっていく。キャスターは余りの炎で瞳を閉じ、数秒後には異界と化した世界に愕然としていた。その世界は、あまりにも寂しかったからだ。草木など一切生えていない赤い荒野。その荒野の色映すかのような赤く淀んだ空。空に回転する巨大な歯車、そしていたる所に突き刺さる剣、それらは凄まじい魔力を放ちながら自らの存在を主張するようだった。

「無限の剣が眠る、剣の墓場。この世界において、私は世界の王となる。これで、貴様の宝具の効力は消えた」
「………ッ!!」

狂気に染まった戦士の如く、怒り狂った叫びを上げるキャスター。自らが持ちえる最強宝具、それを世界を己の心象風景で塗りつぶす大魔術。ある意味で自らをも越える所業を行った心を憎悪の瞳で睨む。だが心は優しげな笑みでキャスターを見つめていた。

「さあ来い、私に出来るのは戦いの中で君という存在を受け入れる事だけだ、来るが良い。玉藻の前」
「ァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


―――ああそうか、俺って、本当の大馬鹿者だ。


そう思っている手の中には、キャスターのクラスカードが握られていた。愛しげに胸へとしまい、俺の意識は、闇へと呑まれていった。 
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