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『愛の性教育』

作者:零那
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『死ニタイ...』



少女と男の長い長い時間がつくられた。

普段されている暴力、普段言われている暴言...
何故こうも人格が変わるのか...
本当の二重人格者だろうか。

少女は、そんな事を真剣に考えていた。

あまりにも男が変わり過ぎるから不思議で仕方なかった。
怖い存在だった。
絶対に普通じゃないと思った。
少女自身も普通では無いけれど、此の男も異常だと感じた。

此の日、少女は、男の性器を口に入れる事になった。
頭を無理矢理動かされ、喉が痛くて苦しくて、何度も吐いた。

最終的に口内射精をされた後、其れを飲まされ、空っぽの胃からは胃液も無くなり、血を吐いていた。
胃も痛いし喉も痛いし、どこからの血かも解らない。

吐血が落ち着いた頃、男は少女を抱えて布団に寝かせた。
首から足の指迄舌を這われ、少女は心を砕かれた気がした。

此の男は、鬼のように怖い時と、そうじゃない時の差が激しい。
というか、優しさの概念を間違ってる気がする...

こんな事で優しくしてくれなくて良いから、せめて毎日御飯が食べたいと思う。
贅沢な事なのかな?
皆は毎日普通に食べてるのに少女だけは御飯を貰えない。
何故だろう...

乳幼児期も母親から御飯を貰ってない。

物心ついた頃には水道水と紐飴で何とか生きてた。

たまに来てくれるオッチャンが100円くれて、駄菓子屋で紐飴を買うことを教えてくれた。

ある店のオッチャンは、産まれて初めてのオニギリを食べさしてくれた。
其れが、白米を初めて食べた日。
温かい御飯が美味しくて美味しくて、生きてるって躰中で感じれた。

御飯は毎日、1日3回、きちんと食べることが当たり前のことで、そして其れは家に居る母親の仕事だと教えて貰った。

当時よりは少し大きくなった。
まだまだ躰は小さくて...クラスでも一番小さくてガリガリ。

それでも、小学1年生の頃、空き巣で食べ物を盗み食いした時に感じた虚しさは...二度と嫌だった。
食べ物だけは盗みたくなかった。
そんな変なプライドが芽生えた。

今、此の家で、毎日家に居るのは母親では無く、此の男。
此の男が御飯をするのが仕事。
皆は貰える御飯。
少女は何故貰えない?

悔しい。
して貰えて当たり前だと知った以上、して欲しくなる。
欲張りなのか?
わがままなのか?

貰えるのは男の精液なんて、屈辱で惨めで生きてるのが辛くなる。
また、少女は死にたくなる。

あんなに生きる為に必死だったのに今度はまた死にたい。

矛盾だらけ...


 
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