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IS~夢を追い求める者~

作者:かやちゃ
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第1章:修正の始まり
  第9話「VTシステム」

 
前書き
秋十君は既に原作の鈴以上の強さを持っています。 

 


       =桜side=



「到着っと。」

  演習場に降り立つ。いやー、ぶっちゃけテロ紛いな事してるな。俺たち。

「あの...警報がなってるんですけど...。」

「気にしたら負けだ。大丈夫。束に丸投げするから。」

【ええっ!?】

「秋十君は隊長さんとの戦いに集中してくれ!データも渡しておくから!」

  秋十君にデータを渡しておき、俺はぞろぞろと集まってくる部隊の連中と対峙する。

「貴様ら...!こんな事しでかして、ただで済むと思うな...!」

「うーん...まぁ、ただで終わらせる訳にはいかないんだよね。やりたい事もあるし。」

「なにを...。」

「秋十君!隊長さん以外は俺とユーリちゃんが引き受けるよ!」

「「ええっ!?」」

  秋十君とユーリちゃんが同時に驚く。

「なーに、ユーリちゃんは俺の援護をすればいい..よっ!」

  拡張領域から手榴弾(IS用)を大量に取り出し、一気にばら撒く。

「っ...!散れ!!」

「はいドーン!」

  さすがと言いたくなる程の反射速度で避けようとするシュヴァルツェ・ハーゼの皆。適切な行動だけど、混乱させるために、俺はその手榴弾を全て撃ちぬく。

「【秋十君!今の内に隊長さんに!】」

「【わ、分かりました!】」

  あっち側は秋十君に任せればいいだろう。データを見れば、相手の装備にも対処できるだろうし。

「くそ...貴様....!」

「お前の相手は....俺だっ!!」

「なにっ!?くっ...!」

  爆風で一時的に連携が取れなくなったラウラに、秋十君は斬りかかり、他の奴との距離を離す。...うん、爆風だと一瞬しか場所を撹乱できないけど、上手く隙を突いてくれたね。

「さて、と。他の奴は俺が相手だ。かかってこい!」

「くそっ....隊長!!」

「この程度、一人で十分だ!!お前たちは他の奴の相手でもしていろ!」

  うーむ、一応ラウラの方が秋十君より強いから言ってる事は合ってるんだけど...。



   ―――その油断、命取りだぜ?



「ぜあっ!!」

「なっ....!?」

  秋十君のブレードの一閃に、ラウラが驚愕する。
  なぜなら、AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)という初見殺しの特殊武装を見切られたからだ。

「おっと、行かせないぜ?」

「くっ....。」

  ラウラのAICが切り裂かれた瞬間、助けに入ろうとした隊員に向けて銃を放つ。

「【ユーリちゃん、今だ!】」

【わかりました!】

  俺の後方の上空に待機しているユーリちゃんが“魄翼”を広げ、援護射撃をしてくる。

「落ち着け!相手はたった二人だ!体制を立て直し、連携を取れ!」

「「「「ハッ!!」」」」

  副隊長であるクラリッサ・ハルフォーフらしき人物が指示を飛ばし、一度俺たちから距離を取る。

「いやぁ、一筋縄ではいかないね。」

【どうしますか?】

「【多分、俺を数人で抑え、後方支援であるユーリちゃんを落としにかかるだろう。俺が相手の想像以上の人数を抑えるから、ユーリちゃんは襲い掛かってきた奴をこっちに叩き落してくれ。】」

【わかりました。】

  さぁ、相手はどれぐらい耐えられるかな?







       =秋十side=





「くそ....!」

「っ、そこだ!」

  ブレードを一閃。また相手の表情が驚きに染まる。

「(本当に、桜さんの言った通りに相手にできる!)」

  確かに、相手は完全に俺よりも操作技術は高い。だけど、桜さんの言った通りに考えて行けば、弱い俺でも十分に戦える...!

「(負けた時の経験を生かし、相手の動きを体で覚え、経験を基に相手の動きを予測して対処!たったそれだけなのに、戦える!)」

  桜さんは、俺に言った事の意味は、そんな所だった。

   ―――「秋十君は確かに、弱くて良く負ける。」

   ―――「でも、負けたから得るものがなかった訳ではないだろ?」

「(分かる!思考するだけでは分からなくても、俺の体に刻み込まれた“経験”が、敵の攻撃を理解してくれる!)」

  飛んでくるワイヤーブレードをブレードで受け流すように防ぎ、躱す。
  転がるように避けて、すぐに間合いを詰める。

「(ここだ!)」

  直接斬りかからずに、少し手前をブレードで斬る。
  またもや、相手が驚愕する。

「なぜだ...なぜ、AICの位置が分かる!?」

「その機能は、イメージとかが重要なんだろ?意識を集中する必要があるから、否が応でも視線とかで狙っている位置が分かるんだよ!」

  そう、これは俺が弱くて負け続けていた時、何とかして相手に勝とうと動きを“視て”きた。ずっとそうしてきたからか、いつの間にか相手の狙っている位置が自然と分かるようになったんだ。

   ―――「弱者には、弱者なりのやり方がある。」

   ―――「自分の力を把握し、相手の力量を明確に計る。」

   ―――「そこから経験を生かし、いかに勝利に導くか。それが重要だ。」

「(あぁ、桜さん...ホント、こんな戦い方があったんだな!)」

  桜さんは“天災の俺が、弱者の事を語るなんて烏滸がましいけど”とか言ってたけど、天才だからこそ俺も知らない俺の事を分かってくれたんだと思う。

「(確かに強い。...だけど、絶対に勝てない訳ではない!)」

  相手の彼女は一度AICとか言うのを使うのを止め、プラズマ手刀という武装で斬りかかってくる。軍人と言うだけあって、鋭い一撃だけど、防げない訳でもない!

     ギィイイン!!

「くぅ....!せぁっ!」

「っ、チィイッ!」

  片方の手刀を受け流し、もう片方は気合で弾く。

「(シールドエネルギーは...まだ半分以上ある!)」

  俺の使っているこのブレードは、エネルギーを切り裂く機能がON・OFFで使えるが、代償として使っている時はシールドエネルギーが減っていく。

「(長期戦は俺の方が不利だ。だから、短期決戦で仕留める!)」

  そのためにも、相手に何とかして隙を作りだしたい。

「(相手の方が強くて隙が作れない。...だからどうした。“夢追”は、こんな所で躓くほど、軟な想いが込められてる訳じゃないんだ!)」

  桜さんの、束さんの、おそらく千冬姉のも。...そして、俺の夢も。その全てを追う想いが込められているんだ。この程度の逆境、覆して見せる!

「はぁあっ!!」

「なっ!?くっ...がぁっ!?」

  瞬間、“夢追”の単一仕様能力が発動し、相手の予想を上回る速度で接近、一撃を決める事ができた。

「(今だ!!)」

  その隙を逃さず、俺はブレードを構えなおす。

「(あの“天災”二人を驚かした(最弱)の一撃、受けてみろ!!)」

  とある日に俺が放った“技”は、あの桜さんも避ける事も防ぐこともできずに喰らった。その時は偶然だったが、今なら出来る!

二重之閃(ふたえのひらめき)!!」

「っ...!?がぁああっ!!??」

  二連撃ではなく、二回同時(・・)の斬撃。Xを描くように放たれた斬撃に、相手が防げるわけもなく、直撃した。

「(エネルギーを切り裂くブレードによる、強力な二撃。これで削りきれなかったら....。)」

「ぐ、ぅうう....!!」

「...もう少し、頑張らないとだな。」

  未だに、SE(シールドエネルギー)は削りきれていないようだ。...尤も、機体は大分破損させているから動くのもきついはずだが。

「...認めない...私は、認めない...!貴様が、教官の弟などと、絶対...認めて、なるものか....!!」

「(来るか...?)....っ、なっ....!?」

  ブレードを構え、攻撃に備えようとしたが、相手のISの様子がおかしかった。

「ぁ..あああああああああああああ!!!?」

「な、なんだ!?」

  いきなり黒い泥のようなものに、彼女のISが彼女ごと取り込まれる。
  そして、その泥が形取った姿は...。

「千冬...姉....?」





   ―――全てが黒いが、紛れもなく千冬姉の乗っていたIS(暮桜)だった。









       =桜side=



「...お、決まったな。」

  秋十君が二重之閃を決めたのを、俺は見る。

「す、凄いですね...速すぎて一回にしか見えませんでしたよ...。」

「あれが、秋十君の努力の結晶だ。」

  二撃同時に見える...いや、放つ方もそう感じる程、速い(早い)二連撃。それが秋十君の編み出した、血の滲んだ努力の結晶だった。
  ...それも、まだまだ伸びしろのある...な。

「く....隊...長.....。」

「...さすが副隊長さん。まだ意識があったか。」

「行かせ...ない....!」

  這いつくばってでも俺を止めようとする副隊長...クラリッサ。
  見れば、他の隊員は死屍累々のように気絶している。

「全滅したのに、往生際が悪いな。」

  五分。この言葉が意味するのは、俺とユーリちゃんがシュヴァルツェ・ハーゼの部隊を戦闘不能にするまでの時間だ。
  まず俺が、大半を抑えると言いつつどんどん倒して行き、支援型だと侮ってユーリちゃんに襲い掛かった数人がエグザミアの特殊武装“バルフィニカス”によって薙ぎ払われ、後は連携を取りつつ一気に人数を減らしただけの話なのだが。

【さー君!】

「分かってる。」

  束の通信に、意識を切り替える。

「な、なんだあれは....!?」

「桜さん...あれは、一体....?」

  クラリッサとユーリちゃんが驚愕の声を上げる。
  当然だ。ラウラごとISが泥のようなものに取り込まれ、あまつさえ千冬のISに変形したのだから。

「あれがVT(ヴァルキリー・トレース)システムで間違いないな?」

【うん。そうだよ。】

「VTシステムだと!?」

  束に通信で確認していると、再度クラリッサから驚愕の声が上がった。

「あの...VTシステムってあの違法の...?」

「ああ。過去のモンド・グロッソ優勝者の戦闘データを再現・実行するシステムだ。搭乗者に能力以上のスペックを要求するから、肉体に多大な負荷がかかり、最悪死に至る。だから違法として開発も禁止されているはずなんだが...。」

【あんな不細工な代物、どこが研究してたのやら。しかもちーちゃんのを。早速特定して潰してくるね。私直々に。】

「【あ、おい!】」

  ....束の奴、勝手に潰しに行きやがった...。こっちの事は丸投げかよ...。

「....はぁ、とにかく、止めに行くか。」

  とりあえず予定通り(・・・・)暴走したので、秋十君の所へ行く。

「秋十君。」

「桜さん、あれは....。」

「...長引くと、彼女が死ぬシステムだ。どうする?」

  ...っと、聞くまでもない瞳をしているな。

「あれは偽物でも千冬姉なんだ。それを、あんな使われ方をしてほしくないし、あんなので死んでいく彼女も見捨てられない。」

「...そうか。」

  琴線に触れるような事を言われたのに、寛大だな。

「...あれでも、千冬姉を尊敬してたのには変わりないからさ...。」

「千冬もいい弟と教え子を持ったもんだな...。よし、なら俺は援護だけに留まる。肝心な所は秋十君がやれ。いいな?」

「はい!!」

  いい返事だ。そう思いながら、俺は武装を銃に変え、撃つ。

「多分、相手は攻撃に反応してくる。俺ができるだけ援護で阻害するから、後は秋十君が自分の判断で行動してくれ。...なに、そのブレードなら勝てるさ。」

「了解!」

  そう言って斬りこむ秋十君。それに俺は当たらないように援護射撃をする。

「(千冬の太刀筋は俺の知ってた頃と同じならば、一切小手先の技術を使わず、正面から高い力と技術で圧倒してくるはずだ。...それを模倣しているというのなら、秋十君の戦い方と相性はいいはず!)」

  秋十君の戦い方は“強者に勝つため”の戦い方だ。敗北を知り、負けに負けてそれでも諦めず、何としてでも勝とうとするそれは、千冬のような強者を斃せる!

「(俺がやってもいいが...秋十君の成長を確かめるのも大事だからな。)」

  今の秋十君ではいくらコピーとは言え、千冬には勝てない。だけど、“戦う”事はできる。なら俺は、秋十君が“ギリギリ勝てる”ぐらいにまで援護しよう。

「くっ...ぁっ!」

  そう思った傍から、秋十君が隙を見せてしまう。

「させねぇよ!」

     ギィイン!

  すかさず、俺が銃を撃ち、剣を逸らす事で攻撃を阻害する。

「ぜぁっ!」

     ギギィン!

  さらに秋十君が体勢を立て直し、相手の体勢を崩す。

「本当の“夢”に辿り着くため、今は偽物の“夢”の化身を...斃す!」

  再び夢追のワンオフが発揮し、秋十君の強さが上がる。
  今のワンオフの効果は1,3倍しか発揮していない。だけど、それは“全体的に強化”した場合だ。つまり、何が言いたいのかというと...。

「斬り伏せる!」

  “斬る”という行動に、その力を集中させれば、偽物の千冬を倒すには充分だと言う訳だ。

「ゼェァアッ!!!」

  秋十君の一太刀が、偽暮桜をブレードごと切り裂く。もちろん、中にいるラウラには傷つけないように表面を..だ。

「はぁっ、はぁっ.....ふぅ....。...っとと。」

  息を切らし、斬った体勢のまま佇む秋十君だが、斬った所からラウラが出てきたので、慌てて抱える。

「お見事だ秋十君。...さすがに、緊張が解けて疲れたみたいだが。」

「はい...まぁ、疲れましたね...。」

  格上の相手に連戦だ。後半は俺が手を貸したとはいえ、疲れたのだろう。

「...早く彼女を医務室に連れて行こう。俺が運んでもいいが...。」

「俺が運びます。...一度、彼女ときっちり話をしておきたいです。」

「...そうか。」

  とりあえず、案内だけでもするか。

  ユーリちゃんに他の隊員を任せ、俺たちは医務室へとラウラを連れて行った。









 
 

 
後書き
今回はここまでです。(中途半端)

二重之閃は別に二重の極みとは一切関係ありません。(どちらかというと、fateの燕返しを参考にしました。) 
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