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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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8.ゲームは1日1時間。エッチは大人になってから。世の決まり事です。

<アルカパ>
ビアンカSIDE

やっぱりリュカは、怒ると怖いなぁー…
さっきも何も喋らず睨んでたし…
昨日も私がソースまみれになったのを見て、すごく怒ってくれてた。
優しいからこそ、怒ると怖いのよ。
そんな優しいリュカの事が、私は大好き。

でも、今日サンタローズに帰っちゃうのよね…
寂しくなるなぁ…いっそアルカパに住めばいいのに!
せめてリュカだけでも…
そんな訳いかないわよね。
リュカを見ると、嬉しそうに猫さんを撫でてる。
猫さんも嬉しそう。
リュカに良く懐いてる。
あ!そうだわ!
何時までも『猫さん』じゃ可哀想だから名前を付けてあげないと。

ビアンカSIDE END


<アルカパ>

「ねぇ、リュカ!」
「ん?なぁに?」
「猫さんに名前を付けてあげなきゃ!」
あぁ、そうか。名前付けなきゃいけないのか…
以前付き合っていた彼女の飼い猫は『ゴンベイ』だった。センス悪!
「私が幾つか考えてあげるから、リュカが決めて」
「うん」
「じゃぁ、ゲレゲレ、ボロンゴ、プックル、チロル」
「………」
「さぁ、どれにする?」
え!その四択?
他の選択肢は?

『ゲレゲレ』ってセンス悪っ!
それもう名前じゃ無いからね!なんか汚い物を表す擬音だから!
『ボロンゴ』ってのもひでーな!
そのうち「うちのカミさんが」とか言って殺人事件解決しだすよ。
「ねぇ!どれにするの!」
怒られた!!
「えっと、あの…じゃ、じゃぁプックル?」
「じゃぁ、あなたは今日からプックルちゃんよ!よろしくね」
「ふにゃ~」

正直どっちもどっちだが、その時触っていた肉球がプックりしてたから、プックルと言ってしまった。
まぁ、本人(本猫?)が嫌がってないからいいか。
ちなみに、プックルは俺が飼う事になった。
ビアンカの家は客商売をしているから、飼えないんだよね。
父さんにお願いしてみよ。
ダメって言われたらどうしよう。
フレアさんに泣き付いてみますか。


<アルカパ-ダンカンの宿屋>

部屋へ戻ると、父さんがまだ寝ている。
おいおい!ちょっと寝すぎだぞ!
「お父さん、朝だよ!サンタローズへ帰らないとサンチョが心配するよ!」
そう言い父さんを揺する。

熱っ!!
ちょ、何!?すごい熱なんですけど!
どうやら、ダンカンさんの風邪をうつされた様だ。
俺は、アマンダさんに事を告げると、その場で延泊する事が決定された。
父さんは2日後には全快したのだが、その2日間は楽しいものだった。

ビアンカ・プックルと一緒に遊び回ったり、食事の準備をするアマンダさんを手伝ったり、教会に保管されてある、魔法に関する書物を読み漁ったり。
まぁ、俺が本を読んでいる時は、ビアンカはつまらなそうだったが。

あ、そうそう。
ビアンカと遊んでいる時、悪ガキ二人組が遊びたそうに近づいてきた時があったが、プックルが威嚇をし俺が氷の様な冷たい視線を浴びせると、半ベソかいて逃げてった。
何より楽しかったのは、夜寝る時だ。
俺は風邪がうつるといけないから、ビアンカと寝る事になった。
正直、襲っちゃおっかなぁ~と思ったけど心はともかく、身体が反応しなかったので断念した。(お子ちゃまの身体とは不便よのぅ)
でも、ビアンカはとてもいい匂いがして、一緒に寝ると心が安らいだ。


<アルカパ-ダンカンの宿屋-ビアンカの部屋>
ビアンカSIDE

パパスおじさまの風邪も治り、とうとうサンタローズに帰る日が訪れた。
リュカは私の部屋で帰り支度をしている。
アルカパとサンタローズ。
そんなに離れている訳ではない。
会おうと思えば何時でも会える…

でも、リュカの事が好き過ぎて、少しの別れでも悲しくなってきた。
泣きそうになった私は、プックルちゃんと会話を始めた。
「プックルちゃんも良い子でね。そうだ、プックルちゃんに、これあげる」
私はお下げ髪からリボンを取り、プックルちゃんの首に巻き付ける。
そして、もう一本をリュカの手首に、巻き付ける。

しかし視界がぼやけて、上手く結べない。
こんな顔で別れたくないのに…笑顔で別れたいのに…
私の涙を手で拭うと、リュカは優しく囁いた。
「僕、ビアンカのリボンもいいけど、ビアンカが穿いているパンツが欲しいな」

……………………は?

な、何言ってるの!
この子すごいエッチな事言ってるわよね!
ど、どう言うこと?どうすればいいの?
「ビアンカと一緒に寝たら、すごくいい匂いがしたんだ。だからビアンカの匂いが残るパンツが欲しいんだ」
…つまり、そう言う事。
リュカも私の事が、好きって事?
エッチな意味も含めて、好きって事!

決めた…将来私はリュカのお嫁さんになる!
これはその約束よ!
だから私はパンツを渡す。
こんなエッチな事をさせたのだから、責任をとって結婚して貰う。
私は穿いてたパンツを脱いで、差し出した。

ビアンカSIDE END


<アルカパ-ダンカンの宿屋-ビアンカの部屋>

「プックルちゃんも良い子でね。そうだ、プックルちゃんに、これあげる」
ビアンカはお下げからリボンを取ると、プックルの首に巻き付けた。
次いで俺の手首に巻き付けようとしているが、もう泣き出してしまい上手く結べないでいる。
また泣かせてしまった。
ここはちょっと怒らせて、最後に『やっぱりビアンカは笑っている方が可愛い。』な~んっつって、最高の別れを演出しよう。
もぅ、ビアンカ俺にベタ惚れだね!

ビアンカの涙を拭ってあげて、俺は続けてこう言った。
「僕、ビアンカのリボンもいいけど、ビアンカが穿いているパンツが欲しいな」
さすがに固まっている。
当たり前だ!いきなり『パンツ寄こせ!』って言われればドン引きだ。
「ビアンカと一緒に寝たら、すごくいい匂いがしたんだ。だからビアンカの匂いが残るパンツが欲しいんだ」
残り香があるパンツくれって、どんだけ変態さんだ!
『何、変な事言ってんの!エッチ、馬鹿、変態』ってな事言ってくれると、『笑顔がステキ』って台詞が際だつよね。

が、現実は俺の予想と違った。
俺の目の前でパンツを脱ぐビアンカ。(その際タテスジが見えてしまいました。)
俺の手にパンツを握らせ、恥ずかしそうに呟く。
「これ私だと思って大事にしてね。無くしちゃダメよ」
今までのアニマルプリントとは違い、純白の小さい布地が俺の手の中で、温もりを放っている。
えぇ~、この世界の女って、みんなこうなの?
フローラが頭のネジ緩いんじゃなくて、みんなこうなの?
えぇ~!?


<アルカパ-ダンカンの宿屋前>
ビアンカSIDE

ちょっとスースーして恥ずかしいな。
リュカとパパスおじさまのお見送りには、お父さんとお母さん以外に、出入り口を番する兵隊さんも来ていた。
何故か悪ガキ二人組も来ている。
小声で『早く帰れ』とか『もう来るな』とか言っている。
頭にくるわねぇ!

パパスおじさまもみんなとの話が終わり、リュカを誘い町の出口へ歩き出す。
リュカも私の方を見て、手を振り別れを告げる。
私は、堪らなくなりリュカの元へ走り寄り、
「リュカ、また一緒に冒険しましょうね。きっとよ!」
本当は、もっと違う事を言いたかったけど、みんながいる前では恥ずかしくて言えなかった。
でも、そのかわり私はリュカにキスをした。
リュカの唇は柔らかかった。
リュカのキョトンとした顔が可愛かったが、またすぐにいつもの笑顔に戻ると、
「またね」
って、優しく微笑んでくれた。
…絶対約束だよ…

ビアンカSIDE END


<アルカパ~サンタローズ街道>

「リュカよ。どうやらビアンカに、相当好かれた様だな」
父さんはニヤケながら、俺をからかう様に言う。
まさか、あの場でキスしてくるとは、思わなかった。
しかも、口に。
頬にとかじゃないからね!

俺もビアンカの事を好きになってきてる。
もっと、一緒にいたいと思ってる。
「リュカよ。レヌール城のお化けを、退治した事。話は聞いたぞ」
父さんは真面目な口調で切りだした。
「その歳で大した物だ」
父さんは褒めてくれた。
「しかし、ビアンカちゃんを危険に晒したのも事実!慢心していると、いつか取り返しのつかないことになるぞ」
その通りだ!
ビアンカが無事だったのは、偶然でしかない。
危険な場面は、何度もあった。
…もっと強くならないと…



 
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