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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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大波乱!?最強の兄とブラコンの姉と乱入者

外界 午後2時ごろ

この時間帯では、町は賑やかさを増していく時間帯
町を歩く、人々の顔は明るく良い物だ・・・が
そんな中、一人の少年は浮かない顔をしている

「はぁ~・・・」
「閃輝♪溜息すると幸せが逃げるぜ♪」
「問題無いよ・・・『不幸を幸せに変える程度の能力』があるんだから」
「まあそうだな」

閃輝の左右には、二人の付き添いが居た
一人は、白のブラウスのような服の上に、黒いサロペットスカートのような服を着用し
リボンのついた黒い三角帽を被っている女の子 霧雨 魔理沙

そしてもう一人は、黒いシャツの上に青いジャケットを羽織り
青いジーンズを着用している、柔らかな顔付きをした男 霧雨 闇夜である

この二人が、閃輝の溜息の元である
何故この二人が外界に居るかというと・・・

時は少々時を遡り・・・河城 にとりの工房

「はぁ!!?闇兄と魔理沙姉のPEが出来てる!!?」

閃輝は兄と姉の二人に、連れられてやって来た工房で大声を上げた

「そうなんだよね♪PEの製作が思った以上に楽しくてね、更に二つ作っちゃった♪」

にとりは闇夜の自家栽培で作られた、胡瓜を食べながら答える
そして魔理沙は、腕に巻かれているブレスレットを見せる闇夜は耳に着けられたイヤリングを指差した。

「私の相棒の『ブラック・ホワイト・マジシャン』だぜ」
「俺のは『煉獄の闇』だ」

闇夜と魔理沙はそれぞれの相棒を、指差しながら名前を言った

「でもなんで、外界に出る必要があるんだよ?」
「決まってるだろ。閃輝、お前のためだぜ」

魔理沙は閃輝の肩を叩きながら言った

「俺の・・・?」

閃輝は少し戸惑いながら魔理沙の顔を見た

「閃輝が居たくない世界で、苦しんでるのは私だって辛いんだぜ。
その苦しみを少しでも和らげてやりたいんだよ、私は」
「ま、魔理沙姉・・・」

閃輝は姉の優しさに涙した。ここまで自分の事を心配してくれていたのか、その事が嬉しくてしょうがないのだ。魔理沙はそのまま泣いている閃輝を抱きしめた。
閃輝は魔理沙の胸の中で少し泣いた。姉の優しさの中で・・・

「で?魔理沙、本音は?」
「閃輝と離れたくないからだぜ!」
「結局私欲!?俺の感動返せ!!」

・・・という事があったのだ
闇夜は完全に弟を心配して、外界に出てきたのだが・・・
そんな3人はIS学園に向かって歩いていた

「で・・・どうするの?」

閃輝は闇夜に尋ねた
勿論これからの事だ。魔理沙は闇夜の付き添いで、数回外界に出た事はあるが
流石に心配なのだ。

「大丈夫だ、戸籍は作ってある。俺は日本の政府のIS研究部のお偉いさん。
魔理沙はその助手って設定だ」
「それで、IS学園に乗り込むって訳ね・・・」
「そういう事」

そして、3人はIS学園行きのモノレールに乗り込んだ
程無くして、モノレールは動き出してIS学園に向かって行った。

「そういえば今更かもしれないけどさ、俺の『ファンダズム・ナイト』って一応IS扱い
だよね?そのコアってどういう扱いになってるの?」
「それなら問題なしだ。量産型である打鉄のコアを用いている事になってる
そのコアには異常が発生していて、それを預かって俺達の専用機が製作されたに事なってる」
「なるほど」

閃輝は若干疑問になってる事が解決してスッキリした顔になっている

「あっ霧雨君?」
「山田先生?」

座席に座っている閃輝は大きな荷物を抱えた山田先生と出会った

「こんにちわ、山田先生。」
「ええ、こんにちわ」
「閃輝、誰だ?この人」

魔理沙は山田先生と面識の無いため、閃輝に誰かと聞く

「魔理沙姉、闇兄、紹介するね。こちらは山田先生。
俺のクラスの副担任をしてる人だよ」
「そうでしたか、私は日本政府のIS研究部に所属している 霧雨 闇夜です」
「私は霧雨 魔理沙、闇夜兄ちゃんの助手兼妹で閃輝の姉だぜ!」

闇夜と魔理沙は自らの自己紹介をする。すると山田先生は、慌てて頭を下げる

「ご、御親切にどうも!私はIS学園で教師をやらせてもらってます
山田 麻耶と申します!」

かなり大きな声で闇夜に挨拶する麻耶、それ見て魔理沙は苦笑する

「そんな緊張しなくて良いぜ?私達は、閃輝の付き添いで少しの間IS学園で厄介になるだけなんだぜ?」
「あっそういえば外部から誰か来るって聞いてましたが、霧雨君の御家族だったんですね?
それに日本政府の・・・成る程納得です」

麻耶は二人の身分を聞いて、納得する、麻耶は、荷物を持ち直して席に着いた。

「じゃあ、政府から来る男の人って・・・闇夜さんだったんですか?」
「そうですね、まあ政府は秘密裏にしてますがね。IS学園に行ってましたか」

闇夜は、幻想郷から外界へアクセスしてこのような設定を作り上げた
これにはにとりも関与しており、戸籍から何まで作り上げたしまった。
この二人は天然チートである。

そしてモノレールはIS学園に到着した
麻耶を加えて4人となった一行はモノレールを降りて学園へと向かった。

「そういえば私と兄ちゃんの部屋はどうなるんだ?」

魔理沙は気づいた事を口に出した

「それなら確か・・・空きのある教員室になると思いますよ
でも、1部屋だけなので相部屋となりますけど・・・」
「ま、私は兄ちゃんと同じなら文句は無いぜ♪」
「まあ、見ず知らずの人と一緒にされるよりも、遥かに良いな」

そして、4人はIS学園へと入った

「では私はこれで。闇夜さん、魔理沙さん、職員室に来て頂けますか?」
「あ~その前に何か食べても良いか?お腹減っちゃって・・・」

魔理沙は恥ずかしそうに、頬を欠きながら麻耶に言った

「じゃあ俺が食堂に案内するよ、その後で職員室に案内しますよ」
「そうですか?じゃ霧雨君、お願いしますね。私は職員室に居ますので」

そう言って摩耶は走って去って行った

「じゃあ、行こっか」

閃輝は闇夜と魔理沙を連れて学園内に入って行った
向かうのは勿論、食事をするために食堂に向かっているが
魔理沙はキョロキョロっと周りを見ている

「どうしたの?魔理沙姉?」

閃輝は、周りを見回している姉に声を掛ける

「いやさ、無駄に金を掛けてるなぁっと思ってさ」

確かに廊下には不必要とも言えるほどに照明がつけられている
更に、廊下には無駄とも言える、装飾品も着いている。
魔理沙は、そう言った無駄なものはあまり好まないのである

「まあ、そこら辺は政府が無駄に金使ってるからな。
要するに馬鹿な事をしてるって事さ」
「ふ~ん・・・」

魔理沙は闇夜の言葉に、納得したようなしていないような顔をしながら
閃輝の後を歩いて行った

「あれ?あれって霧雨君じゃない?」
「あっほんとだ」
「でもあの人達誰だろ?男の人も居るし・・・」

食堂に到着した閃輝達は、明らかに視線を集めていた。
それもその筈。世界で初めてISを動かした男が、見知らぬ男と女性を連れているからだ
食堂内に居る女子達の、興味を引くには十分すぎる物だ。

「魔理沙姉は何にするの?」
「ん~・・・」

魔理沙はメニューを見て何にしようか迷っている
闇夜は適当に野菜炒めとご飯セットにしたようだ、因みに閃輝は月見うどんである。

「・・・じゃキノコ炒めの盛り合わせだな」

魔理沙も漸く料理を決めて、食券を出した
暫しして、料理が来てそれを受け取り席を探していると・・・

「「あ!一夏(閃輝さん!!)!!」」「閃輝!!」

鈴、セシリア、箒が丁度前を通ろうとした、閃輝を見つけて大声を出した
閃輝は一夏という単語を聞いて不愉快になった。

「・・・」
「閃輝、丁度良いし此処に座ろうぜ。悪いけど座らせて貰うぜ」
「そうだな」

魔理沙と闇夜は足早に空いてる席に、腰掛けた。閃輝は闇夜と魔理沙が座ったら
闇夜の隣に腰掛けた。闇夜達は、箒達を向かうように席についている。

「んで?閃輝、この子達は誰だ?」

闇夜が水を飲みながら、前に座っている箒達と関係を閃輝に聞く

「・・・左からセシリア・オルコット、篠ノ之 箒がクラスメイト
凰 鈴音?が同級生」
「ちょっと!何であたし時だけ疑問系なのよ!!?」

鈴は自分の時の紹介の時の扱いの違いに、文句を言う
が、閃輝はそんな事にお構いなしにうどんを食べ始める。

「あ、あんたねぇ・・・」
「鈴さん、落ち着いてください・・・それで、貴方方はいったい?」

セシリアは鈴を落ち着かせながら、闇夜と魔理沙に何者かと尋ねる
魔理沙と闇夜は一旦、箸を置いた

「俺の名は霧雨 闇夜。日本政府の人間であり、閃輝とそこの魔理沙の兄だ」
「私の名前は霧雨 魔理沙!閃輝の姉で闇夜兄ちゃんの助手だぜ!」

闇夜と魔理沙はそれぞれの自己紹介をした
箒達は自己紹介に、驚きと衝撃を受けた。

「「「(この二人が・・・閃輝(閃輝さん)(一夏)の家族・・・)」」」

っと思っている
自己紹介を終えると、すぐさま二人は食事の集中し始めた。

「・・・少しこのキノコは、美味しくないな・・・
調理法を間違えてるぜ」
「この野菜もだな。繊維を壊すような切り方で、味のランクが落ちてる」

魔理沙と闇夜は、料理の仕方に文句を言いながら料理を平らげる
閃輝もうどんの、出汁まで飲み干した。

「そ、そう言えば閃輝さん。お休みは何所に行かれていたのですか?」

セシリアは何とか話題を作ろうと、閃輝に休みの間何所に行ったのか尋ねる

「言う必要があるのか・・・」

めんどくさそうな声を上げて、水を飲む閃輝

「ちょっと!そんな言い方しなくても良いでしょ!一夏!!」

鈴は強くテーブルを叩きながら閃輝に言う。
威圧するような言い方だが、閃輝は知らんぷりで、残っている水を飲み干す

「落ち着きたまえ、閃輝の代わりに答えよう、俺達の家に帰ってきたんだ」
「家・・・ですか?」
「ああ、そうだぜ」

魔理沙はコップを置きながら言った

「閃輝は周りが、女子だらけだから家に帰ってきてストレスを癒してるんだ。
まあ、何だか知らないけど、一夏って違う名前言われて、不快らしいけどな」

魔理沙は若干目つきを鋭くして鈴を睨み付けた
鈴はその鋭さと、魔理沙から向けられた敵意に寒気がした。

「そう言えば、明日はクラス対抗戦だったな」
「まあね」
「ま、閃輝だったら負ける心配無いし、期待させて貰うぜ、閃輝♪」

そう言って魔理沙は閃輝に抱きついた

「「「あああ!!」」」

箒、セシリア、鈴は魔理沙のいきなりの行動に驚きを隠せなかった
が、閃輝は何も抵抗するような素振りも見せない。

「ま、魔理沙さん!何やってるんですか!!?」
「スキンシップ♪」
「もう・・・馴れた」

流石にずっと同じような事を、されて来た為かすっかり魔理沙の行動にも
馴れてしまった閃輝は、もう動じない

「・・・魔理沙、職員室に行って手続きするぞ」
「解ったぜ」

闇夜がそう言うと魔理沙は閃輝の頭を撫でて、離れて闇夜と共に立ち上がった

「じゃな閃輝」
「後でな♪」

闇夜と魔理沙はトレーを持って去って行った
閃輝は去っていく兄と姉に手を振った

「閃輝・・・お前の家とは何所なのだ?」

箒が閃輝に尋ねる

「答える必要があるのか?」

閃輝は立ち上がってトレー持って、去って行った
箒達はその後を追おうとしたが、閃輝は能力を使って加速したため
直ぐに見失った

「何?霧雨の兄と姉が来ているだと?」

職員室では、千冬が麻耶に闇夜と魔理沙が来ている事を伝えていた

「はい、もう直ぐ此方に来ると思いますよ」
「そうか・・・」

千冬は、前を向く

「(・・・一夏の今の家族だという、霧雨 闇夜、霧雨 魔理沙
一体何者なのだ・・・彼らが私の一夏を、変えてしまった存在なのか・・・
だとしたら・・・私は、必ず一夏を・・・元の一夏に戻して見せる!!)」

と張り切る千冬だが、それは単なる勘違いと解る時は遅くない。
霧雨と織斑。この二つが波乱を呼ぶ!

「なあ、兄ちゃん」

魔理沙は、共に職員室を目指している闇夜に声を掛けた

「何だ?」
「この外界って本当に腐ってるんだな。幻想郷の方が、秩序が保たれてるぜ」

それを聞いた闇夜は、笑みを浮かべた

「それは、紫さんに言ってやんな。きっと喜ぶぞ。
まっこれから会いに行く女が、この外界を腐らせた犯人の一人だからな」

そう、彼らが向かっている職寝室には、白騎士事件の実行犯の一人

『織斑 千冬』なのだ

「魔理沙」

闇夜は、戦いなどで発する気迫を少し出して声を発した

「一応、準備はしておけ。何をしてくるか解らん」
「解ってるぜ、兄ちゃん。何時でも戦えるぜ」

魔理沙は、闇夜の言葉に同意の意志を示し、八卦炉を取り出せるように準備する
そして闇夜に限っては、外界では感じ取れない霊力を練り始めている。
二人は既に、戦闘体勢を整えていた。そして二人は職員室に到着した

「行くぞ」
「応よ!」

闇夜は職員室の扉を数回ノックし、扉を開けた

「失礼します、山田先生はいらっしゃいますか?」
「あっ闇夜さん、御待ちしてましたよ。」

闇夜は柔らかい声で言うと、麻耶はすぐさま反応して、二人を出迎えた

「いや~悪いな。私が食事したいなんて言ったもんだから、遅くなっちまって」

魔理沙は頬を欠きながらトレードマークである帽子を脱いで、麻耶に謝罪する
麻耶は謝罪されて、慌てて手を横に振る。

「だ、大丈夫ですよ!お腹が減るのは誰にだってある事ですし!」
「そう言って貰えると助かるぜ」

魔理沙は帽子を被り直す

「それで、手続きはどちらですれば宜しいのですか?」
「はい、そちらの部屋になります」

麻耶が指差した方向に扉があった。
が、闇夜と魔理沙は其処に居る外界での強い者の気配を感じ取った

「(兄ちゃん)」
「(ああ・・・)行くぞ」

二人は視線で会話をして、その扉を開けてその部屋に入った
その部屋に居たのは・・・

「貴方達が霧雨 闇夜さんと霧雨 魔理沙さんですか?」

似合わない敬語を言っている織斑 千冬であった
闇夜と魔理沙は、気づかれないように霊力を練り上げていく

「ええ、霧雨 闇夜です」
「霧雨 魔理沙だぜ」

二人は千冬に挨拶をしながら、千冬と相対するように席に着いた

「こちらが書類になりますので」
「解りました」

闇夜は懐から、香霖堂で購入した年代物の万年筆を取り出してサインを始める。
万年筆を購入する時に、キッチリ料金を払ったら霖之助がひどく感動していたのが
闇夜にとって、とても印象的だった。妹の魔理沙が迷惑が掛けている事も謝罪してから
魔理沙もちゃんと、料金を支払うようになったらしい。

「・・・これで宜しいですか?」
「はい結構です」

千冬は闇夜がサインした書類を確認して、ファイルにしまった
それを確認すると、闇夜も万年筆を懐に戻した、すると千冬が、口を開いた。

「少し、霧雨 閃輝の事を聞いても宜しいですか?」
「閃輝がどうかしたのか?」

魔理沙は若干目を鋭くして、千冬を見た

「彼のISについてです。あのようなISは世界に存在していない
あれは一体何なんですか?」

千冬は威圧感を出しながら、闇夜と魔理沙に聞く
というより問いただすと言った方が正しいかもしれない。
が、幻想郷ではこの程度の威圧感など、役にも立たない。
妖怪に亡霊、吸血鬼に鬼、天狗、更には神と言った者まで居る幻想郷
そんな幻想郷で生きてきた、魔法使いと人賢者にとってこの程度の威圧感など
痒くも無い。

「(これが来客に対する態度かよ・・・)んな事言われても、今まで無かっただけだろ?
世界は日々進化していくもんだぜ」
「(流石は閃輝が嫌う女だな)魔理沙の言う通りだ
望まぬ結果であろうと、進化は止まらないからな」

二人は千冬の対応に不快感を覚えながら、そう言う。そう言われた千冬は何も言わなかった。
二人の言葉は間違っていないからだ、進化は歩み続ける
それ故にあのようなISが産まれてもおかしくは無い。

「・・・他に用が無いなら俺達は、行かせて貰いますよ」
「色々と忙しいからな、私達は」

闇夜と魔理沙は一礼をして、立ち上がって扉に手を掛けた時

「後一つ良いですか?」

千冬がそう言った

「私の弟・・・織斑 一夏と霧雨 閃輝は瓜二つなのです!
閃輝の本当の名は、一夏と言うのではないのか!!?
お前達が私の一夏を奪ったのではないのか!!!??」

今までの敬語とは違い、明らかに強気な言い方をする千冬

「何でそう思うかな?奴は俺達の弟だ。貴方の弟という証拠もないし、
ただ似ている人間なら他にも居る」

闇夜は落ち着いて返すが、魔理沙は千冬の言葉に怒りを感じていた

「勝手に家の大事な弟と、あんたの所の弟を一緒にするな!!
閃輝は閃輝だ!!私達の大切な家族だ!!!」

魔理沙は怒鳴るように大きな声を上げた。
それは完全防音処置のしてある、防音処置を打ち破って、職員室にも聞こえていた。
あまりの声の大きさに、千冬も驚いた。

「今度そんな事言ってみろ、唯じゃ済まs「落ち着け魔理沙」でも兄ちゃん!!」

闇夜は魔理沙の言葉を遮った、それに魔理沙は異議を唱える

「閃輝は私達の弟だ!こんな奴の弟なんかじゃない!」
「ああ解ってる、閃輝は俺と魔理沙の弟だ。それは間違いない
どうしても認めないってんなら・・・」

闇夜は袖から短刀を滑らせるに出して、それを握る

「俺が相手になってやる。この俺、霧雨 闇夜がな」

闇夜の目は本気だった。
もしもこれ以上首を突っ込もう物なら、死ぬ事を覚悟せよと言われるような
感覚が千冬を襲う。人賢者の殺気を受けたのだから当たり前である。

「ではな」
「・・・兄ちゃんが居るから引いてやるぜ」

魔理沙は不満そうだが、闇夜に素直に従って共に部屋から出て行った
二人が部屋を出て、千冬は倒れこむように椅子に座り込んだ。

「・・・なんだあの殺気は・・・心臓を掴まれるような物だった・・・」

千冬は額に流れる汗を拭いながら、体を震わせた。千冬が初めて味わった
死に対する直接的な恐怖

【閃輝は俺と魔理沙の弟だ。それは間違いない、どうしても認めないってんなら
俺が相手になってやる。この俺、霧雨 闇夜がな】

あの時の闇夜を思い出すだけで、体が震え始めてしまう
千冬は無意識の内に、右手で左腕を掴んでいた。
震えをとめようとするが、逆に震えて止める事が出来ない。

「・・・諦めんぞ・・・私は・・・必ず一夏を・・・」

自分が撒いた種が育って結果だと知らずに、自分勝手な解釈をする千冬
これが、どれほど愚かな結果になるとも知る事は、現時点では無かった

そして翌日、クラス代表対抗戦

閃輝はピットで、体を解しながら闇夜と魔理沙と共に居た

「お望み通り、ナイフには例の機能付けといたぞ。
槍も装備してるからな」

闇夜は体操をしている閃輝にファンタズム・ナイトを渡す。
槍とナイフを搭載するために一時的に、闇夜に預けていたのだ

「お、ありがとう闇兄」

閃輝は嬉しそうに受け取り、展開する。
確かに脇腹の近くに、咲夜から譲り受けた袋が搭載されていた。

「?これって八卦炉?」

閃輝は懐に何かあるのを感じて、それを出して見ると、魔理沙と御揃いの
八卦炉が入っていた

「それは私からのプレゼントだぜ!」
「・・・俺にマスパでも撃てと?」
「別に閃輝だったらいいぜ♪」

出来るから問題は無いのだが、閃輝のマスタースパークは魔理沙の程の威力も無く
『劣化マスタースパーク』と言える物で、そんな物は姉に対して失礼だと
閃輝は、自身のマスタースパークを多用したがらない。

「閃輝、お前のマスパは広範囲に放つから威力が低くなってる。
今度は一転に集中させるように撃ってみろ」

闇夜は閃輝のマスタースパークの弱点を説明する

「解ったよ、じゃあ行って来るよ。闇兄、魔理沙姉」
「ああ、勝って来い」
「頑張って来いよ!私達の弟!」

閃輝は兄と姉の声援を受けながらピットから、アリーナへと飛び出した

「来たわね一夏・・・ってなにそれ!?」

既にアリーナでは、鈴がISを展開して仁王立ちしていたが
閃輝のライジング・ダークを見て大声を上げる。
それもそれ筈、従来のISとはまったく違う物であるからだ。

「・・・」
「まあいいわ!私が勝ったら言う事を聞きなさい!」

鈴はビシィ!っと擬音が立ちそうな勢いで、閃輝を指差した

「断る」

が、閃輝は即効で拒否した

「な、なんでよ!!」
「お前とそんな事をやる仲でもない。箒のような幼馴染ならともかく
お前のような奴と、そのような事を約束する気は無い」

閃輝は淡々とした口調で言い放った。

「なんであたしは駄目なのよ!!あたしだって幼馴染でしょうが!!」

鈴は箒は良くて何故、自分は駄目なのか納得が行かない
閃輝は溜息を吐いた。

「そんな事知らんし、お前は暴言に人の名前は間違える
訳の解らん事を口走る。いきなりISの武装で攻撃してくる。
それに比べて箒は、それほど暴言は言わんし、名前は間違えない。
お前より遥かにまともだ」

箒との違う点を言われると鈴は、1歩下がった
全てが的を射ているからだ。ISで攻撃された際は、面倒なので能力を使用して
部屋に戻ってやり過ごしたらしい。

「と、とにかく!試合には勝たせてもらうわよ!」
「勝てる物ならな」

そして戦いの火蓋は切られた。

まず先に仕掛けたのは、鈴であった。双天牙月を強く握って、閃輝に向かっていく
閃輝は何故か、赤い杯のような物を展開し、杯で双天牙月を受け止める。
受け止める際には、杯からは、入っていたと思われる液体が毀れた。

「何でそんなもんで受け止められるのよ!?」
「・・・はっ!」

閃輝は反撃に出た。空いている方の腕で、鈴を切り裂くように腕を振るい攻撃を始める
鈴はそれを体をずらして回避する。閃輝は立て続けに回し蹴りの要領で
蹴りを繰り出すが、鈴は体を沈ませて避けるが、閃輝はすぐさま
殴りつけるように攻撃を食われる、鈴は大きくジャンプし肩の非固定浮遊部位から、衝撃砲
を繰り出す。それは目には見えないが、真っ直ぐに閃輝に向かっていく。
が、閃輝はバックステップを踏み衝撃砲を回避する、衝撃砲は地面に炸裂し
砂埃が閃輝を包むが、強い光が発せられて砂埃は消し飛ばされる。
閃輝は杯に、口を付け液体を飲みながら手を自分のほうに向けるように折って鈴を挑発する

「むっき~!!もう頭にきた!!」

鈴は頭から煙が出そうなほど真っ赤になり、怒りに身を任せて衝撃砲を乱射する

「・・・(フッ)」

閃輝は口元を歪めてニヤリっと笑った。
閃輝は空に場面を移し、杯の中身を飲みながら目には見えない筈の
衝撃砲を避け続ける。

「なんで当たらないのよ!?」

鈴は衝撃砲が当たらない事に焦りを感じながらも、連射を続けるが
まったく当たる気配が無い。
幻想郷ではこれより、鬼畜な弾幕を張る者達が山ほどいる、そんな幻想郷で
弾幕ごっこを続けていた閃輝にとって欠伸が出るような弾幕だった。
そして、閃輝は杯の中身を飲み干すと杯をしまって、懐から八卦炉を取り出した

「おお!兄ちゃん!閃輝がやってくれるみたいだぜ!!」
「だな」

それをピット内のモニターで、見ていた魔理沙は闇夜に抱きつきながら興奮している
闇夜はそんな妹を、撫でながらモニターを見続けた。

「なによ!そんなもんであたしを倒そうって訳!?」

鈴は完全に八卦炉の事を馬鹿にしながら、自らの法が不利と言う事にも気づかずに
攻撃を止めない。

「行くぜ、マスター・・・」

閃輝は八卦炉に霊力を集中させる、八卦炉には虹色の光を放ち始めた

「スパァァアアアク!!!」

その声と共に、八卦炉から虹色の美しい色をした極太のレーザーが放たれた
八卦炉から放たれた極太のレーザーは、衝撃砲から放たれた空間を一瞬で消し去り
真っ直ぐに鈴に向かっていく

「ちょ!?なによこれぇええ!!?」

鈴は衝撃砲をレーザーに連射するが、レーザーによって掻き消され
それも無駄となり、鈴はマスタースパークに飲み込まれた。

「きゃぁあああ!!!」

鈴は悲鳴を上げるがそれも、レーザーが立てる轟音に掻き消された
マスタースパークは、アリーナの地面も削り取り融解に近い状態にさえ
なっている。観客の生徒達もあまりの威力に呆然としている。
そしてマスタースパークを打ち終わると、八卦炉の発射口から煙が出ている。
鈴のISは大きくシールドエネルギーを削られていた。

「耐え切ったのは意外だったな・・・まだまだ練習が必要だな」

閃輝は八卦炉を見ながらそう言った。
まだ威力が大きく分散していると理解しているからだ

「くっ・・・なんて威力なのよ・・・」

鈴は何とか体を起こす。絶対防御が発動してシールドエネルギーは50ほどしか
残っていない。

「では・・・止めと行こう」

閃輝は腰の刀に手を伸ばしたその時!

チュゴォォォン!!
凄まじい爆音がアリーナに響く。アリーナのシールドを突き破り
何者かが、侵入してきたのだ。閃輝は進入してきた者を睨み付けた。

「な、なによあれ・・・」
「なんでもいい・・・」

不明機は装備された砲塔に、エネルギーを回してマスタースパークとは
違う色のビームを放つ。
閃輝は帽子を取って、被る部分をビームに向けて超高速で回転させた。
ビームは真っ直ぐと吸い込まれるように帽子に向かって行き、誰もが突き抜けると
思ったが、ビームは大きな音を立てて帽子の穴に吸い込まれていく。

「「「「「ええ!!?」」」」」

それを見た生徒達は、避難する事がすっかり頭から抜けてしまった。
そしてビームを吸収し終わると、今度は逆方向に高速回転し
先程吸収した、ビームを吐き出した。
が、吐き出されたビームは吸収した時より細く、スピードも段違いであった
不明機は回避などは出来ずに、真正面からそれを食らい、倒れこんだ

「・・・呆気ないな」

閃輝は咲夜から譲り受けた、ナイフを取り出した

「はっ!」

閃輝はナイフを1本投げた、が次の瞬間には、閃輝の周りにナイフが隙間無く
展開されて不明機に向かっていく。
不明機は予想外の攻撃に、対応が遅れながら回避をしながらビームを放ち
ナイフを落とそうとするが、既に遅く全身にナイフが突き刺さった。
その光景に鈴は仰天した。

「な・・・な」

あまりの圧倒的な戦いに鈴は、言葉が出なかった。
こんな事が出来るのか?疑問に思ってしまう
確かに普通の人間では不可能だ、だが閃輝は能力に覚醒した幻想郷の住人。
まったく不可能ではない。

「これで止めと行こう」

閃輝は腕を引くと、刺さっていたナイフが全て抜けて、閃輝の元へと戻って行った。
ナイフを全て元在ったように戻して、袋を収納した。
そして手に光が集まって行き展開されたのは、フランが拾ってきた槍であった
槍を構えて勢いを付けて・・・

「おりゃ!」

そのままの勢いを維持して槍を不明機に向けて投げた。
不明機は投げられた槍にビームを放つが、槍はビームを弾く様に突き破り
そのまま不明機の胸部に突き刺さった。
それだけでは勢いは死なずに、不明機はそのまま後方に大きく吹き飛ばされて
壁に槍ごと突き刺さった。
不明機は腕を閃輝に伸ばす動きを見せたが、直ぐに腕は垂れ下がった。

閃輝は壁に突き刺さった不明機に近づき、槍を更に深く減り込ませた後
槍を引き抜いた。不明機はそのまま重力に従って地面に落ちた。

閃輝は槍を収納し、ファンタズム・ナイトを解除してピットへと歩いていった 
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