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雷の第一世代

作者:大空
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プロローグ

 
前書き
X766年、ハートフィリア家の長男が誕生した。シュードとレイラはその子に『シュレイダー』と名付けた。シュレイダーは『シュレ』と呼ばれ、すくすくと育っていった。
そしてその一年後、ハートフィリア家の長女が誕生した。シュードとレイラは前から決めていた『ルーシィ』という名を付けた。

ルーシィが生まれて三年の月日が流れ、ルーシィは3才に、シュレは4才になった。
ある日、シュレはハートフィリア家の山で遊んでいた。 

 
(暇だな~。本で読んだ、家出というものをしてみたいなぁ…)

草の上でシュレは普通の4才が考えないようなことまで考えているが、それもそうだろう。シュレは生まれつきの天才肌で、1を教えると10がわかってしまうような子だった。

ドッスゥゥゥン!!!

大きな地響きがしたため、シュレは慌てて立ち上がり、辺りを見回す。

(なんだ?なっ!?)

シュレはそこにいたものに驚愕した。
そこにいたのはーーーーー竜

「我は雷の竜、ラクスマーニ。我と一緒に来ぬか?」

ラクスマーニと名乗った竜はそう言い、翼を広げた。その翼はゆうに30メートルはこえていた。

「付いていったら何かあるのか?」
「ああ、滅竜魔法を授けよう。」
「滅竜魔法!?」

シュレが驚愕するにも納得する。シュレはいつもと言ってもいい程本を読んでいるが、滅竜魔法とは聞いた事がないからだ。

「どんな魔法なんだ?」
「うむ、滅竜魔法とは自らを竜の体質にする対竜用の太古の魔法だ」
「!?」

シュレはさらに驚愕したが、滅竜魔法を覚えればギルドに入れると考え、ラクスマーニに付いていくという選択した。

「では我の背に乗れ」

ラクスマーニは命令口調でそう言った。そしてシュレはラクスマーニの翼と翼の間に乗り、伏せた。

「行くぞ」
「おうよ!」

ラクスマーニは地を蹴りーーー飛んだ。










それと同時刻、ハートフィリア家ではシュレがいなくなったことに大騒ぎになっていた。

「シュレはどこだ!」
「わ、わかりません…。山に行ったと思いますが…」

シュードの怒りや焦りを含んだ声に使用人はびくびくとしながら答えた。

「すぐに探してくれないかしら?」
「は、はい!」

レイラはいたって冷静にそう言った。そして、声をかけられた使用人は慌てて山へシュレを探しに行った。

「シュレ……」
「シュレ…どこに行ってしまったの…?」
「……お兄さま……?」

シュードとレイラが振り向くとそこにはーーー

「ルーシィ……」

シュレの妹、3才になったばかりのルーシィがいた。

「ルーシィ、お兄さまはね、」
「し、親戚に引き取られたんだ」

慌てて嘘をついたシュードとレイラをルーシィは交互に見、3才でも昨日までいた人が突然いなくなることには疑問を感じるのか、ルーシィは何で?と親に尋ねた。

「とても頭がいいからよ」

少し焦ったが、レイラが冷静に答えた。

「ふーん」

幼いルーシィはその答えで納得してしまったようだった。










「ここが今からシュレイダー、お前の家だ」

ラクスマーニがシュレを連れて来たのは山にある、大きな洞窟だった。

「ここでお前は魔法を習得するのだ」
「一人で!?」
「いや、我が指導する」

それはそうだろう。何も知らない者に一人で魔法を習得しろ、と言っても何も出来ないに違いない。いくら天才肌といえど知らないものは知らないのだからな。

「だが、今日は疲れているだろう。飯を食って寝ろ。明日から早速練習だ。」

そう言い、ラクスマーニは夕食の準備を始めた。










ー30分後ー

シュレとラクスマーニは夕食を食べていた。

「なぁ、ラクスマーニ。」
「何だ?」
「俺、魔法を習得したらどうしたらいいんだ?」

シュレはその疑問が心の中にあった。そして思いきってラクスマーニに聞いてみると、ラクスマーニは

「さあな。シュレ、お前はどうしたい?」
「俺は……」

シュレはラクスマーニの言葉に俯き、考えた。するとラクスマーニは

「今は分からなくてもいい。後で考えろ。今は魔法の習得だ。」

と言った。その優しさを含んだ声にシュレは頷き、ラクスマーニが用意してくれたベッドにダイブした。


 
 

 
後書き
ここまで読んでくださってありがとうございます!
まだまだダメダメな大空ですが、これからもよろしくお願いします!

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