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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another Final Story

 
前書き
ラスボス戦。
そしてエンディング 

 
ヘルキメラモンに寄生して蘇ったヴァンデモンは、ヘルキメラモンの肉体の力を思う存分振るう。

賢「まさか、兄さんの身体に寄生してたなんてね。いや、まあ有り得ないことではないけれど」

暗黒の種はないために、短期間でこれだけの知識を得るためにはそれなりのことをしなければならない。
まさかヴァンデモンが寄生していたとは思わなかったけれど。

ヘルキメラモン[お前の兄はお前達に対して強烈な嫉妬心と現実世界に対する嫌悪感を抱いていた。そして誰よりもデジタルワールドに行きたい…逃げたいと思っていた。その願いを叶えてやっただけだ。感謝してもらいたいものだな]

賢「へえ…いいことを教えてもらったよ。じゃあお前を倒す理由も教えてもらったことに感謝して塵1つ残さず消し去ってやるよ」

ヘルキメラモン[無理だな。ヘルキメラモンの肉体を得てパワーアップした私は3年前の私の何十倍もパワーアップしたのだ。]

大輔「んじゃあ、俺達はそれの何百倍もパワーアップしたから。お前に勝てる道理なんかねえ。とっとと消えろ」

マグナモン[シャイニングゴールドソーラーストーム!!]

ベルゼブモン・BM[カオスフレア!!]

手加減など一切無しの必殺技がヘルキメラモンに炸裂した。

アインス「やったか!!?」

リイン「ねーさま、それフラグ…」

マグナモンとベルゼブモン・ブラストモード目掛けて、ネオデビモンの腕が迫る。

マグナモン[お!?]

ヘルキメラモン[舐めるのも大概にするのだな!!防御も碌に知らない獣と一緒にするな!!ギルティクローを喰らえ!!]

ベルゼブモン・BM[お前も一度は獣になっただろう!!ダークネスクロウ!!]

マグナモン[マグナムキック!!]

対するマグナモンとベルゼブモン・ブラストモードも技を繰り出して弾く。
成る程、カオスピエモン以上の戦闘力だ。
ラストティラノモンとギガシードラモンのデータをロードしていなければ危なかった。

大輔「アインス、あれの準備だ」

アインス「もうあれを使うのか?」

大輔「ああ、あんなのに時間を割いてやる理由もない。最高の力で手っ取り早く終わらせるぞ。気絶しているクソガキにも現実を見せてやらないとな」

アインス「うむ、では行くとしようか大輔。ラピッドモン。一乗寺治を守れ」

リイン「ベルスターモンもおじさまを守って下さいです」

ラピッドモン[え~?仕方ないなあ]

ベルスターモン[はいはい、面倒だけど仕方ないわね]

本当に面倒臭そうにカイザーの元に向かうラピッドモンとベルスターモン。
苦笑しながら大輔達はマグナモンとベルゼブモン・ブラストモードの元に向かう。

大輔「マグナモン!!」

賢「ベルゼブモン!!」

2体に駆け寄る4人。
マグナモンとベルゼブモン・ブラストモードは4人の意図を察して、4人の元に。

全員【力を1つに!!】

久しぶりのユニゾンとユニゾンエボリューション。

マグナモン[X進化!マグナモンX!!]

ベルゼブモン[X進化!ベルゼブモンX!!]

X進化してX抗体に進化したマグナモンXとベルゼブモンX。
融合進化により更に力が増す。

ヘルキメラモン[姿が変わっただと…っ!!?]

マグナモンX[待たせたなヴァンデモン。お前の命は後もう僅かだ。この形態は久しぶりでなあ。手加減は出来ないからあっさり終わっちまうかも…その時は許してくれよ]

ベルゼブモンX[悪いなんて欠片も思ってもいないくせに…マグナモンX。行くぞ]

マグナモンX[おう、ほら…掛かってこい]

指をくいくいと、動かして挑発するマグナモンX。

ヘルキメラモン[舐めるなあっ!!]

挑発を受けてマグナモンXとベルゼブモンXにヘルキメラモンが接近すると拳にエネルギーを集中させていた2体は同時にヘルキメラモンに無数の打撃を叩き込んだ。

ヘルキメラモン[ぐおあああああああっっっ!!!!!?]

反応すら出来なかったヘルキメラモンは勢いよく吹き飛ばされた。

ベルスターモン[あら、凄い。もう前世のインペリアルドラモン・パラディンモードを超えてるんじゃない?]

ラピッドモン[そうだね]

デジモンカイザーを抱えながらベルスターモンが呟く。
ラピッドモンは当然そうに頷いた。
マグナモンXとベルゼブモンXには現デジタルワールド最強格のラストティラノモンとギガシードラモンのデータをロードしているのだ。
ラストティラノモンとギガシードラモンの戦闘力の大半を取り込んでいるのだからヘルキメラモンにマグナモンXとベルゼブモンXが負けるはずがない。

ヘルキメラモン[ば、馬鹿な……]

ベルゼブモンX[どうした?そんな程度か?賢の兄さんを利用して、沢山の完全体と究極体のデジモンの生体パーツを利用したヘルキメラモンの肉体を得て……その程度なのか?]

ヘルキメラモン[ぐ…ぬうう…]

マグナモンX[お前なんて所詮そんなもんだ。自分の力を高めようとしないで、身近にある力に縋っていた時点でお前の敗北は決まっていたんだよ]

ベルゼブモンX[ヴァンデモン。賢の兄さんを利用したお前の罪は重い。まあ、お前に謝罪なんか求めない。ただ死ね。どれだけ足掻いても届かない絶対的な力の差に絶望しながら]

ヘルキメラモン[ぬ、ぬかせ!!私は最強の肉体を得たのだ!!貴様らがいくらパワーアップしても負けるはずが…]

マグナモンX[プラズマシュート!!]

ベルゼブモンX[獣王拳!!]

再び、襲い掛かるヘルキメラモンだが、簡単に攻撃をかわされ逆に零距離攻撃を叩き込まれた。

マグナモンX[確かにヘルキメラモンは数体の完全体と究極体デジモンの合成デジモン。鍛えれば合成数に見合う伸びしろがあるだろうが、自分を鍛えることをしないお前に言っても無駄だろ。それにお前、ヘルキメラモンの特性さえまともに理解していないだろ?そんな状態で最強の肉体とやらを手にしたところで宝の持ち腐れだ。]

ベルゼブモンX[お前に耐えきれるかな?俺達の最大の一撃を…]

マグナモンXの鎧から凄まじいエネルギーが放たれ、ベルゼブモンXのベレンヘーナにも凄まじいエネルギーが収束していく。

ヘルキメラモン[あ…ああ…]

マグナモンX[エクストリーム・ジハード!!!!]

ベルゼブモンX[ハートブレイクショット!!!!]

鎧と銃から放たれた閃光が、ヘルキメラモンに炸裂した。








































ズドオオオオオンッッッ!!!!!

太一「うおっ!!?」

ヤマト「な、何だ?地上にまで凄まじい衝撃波が…」

オメガモンの両肩に乗った太一とヤマトが半壊した要塞を見上げる。

ルカ「多分このパワーは、切り札の1つであるX進化を使いましたね。」

ミミ「X進化?」

ロゼモン[何なの?それは?]

聞き慣れない単語に疑問符を浮かべるミミとロゼモン。

ティアナ「うーん、ちょっと説明が難しいですね。1種の潜在能力の解放みたいな感じでしょうか?モードチェンジやオーバードライブの強化版みたいな物と考えてくれればいいかなと。」

丈「で、でも…これだけの強さなら…しかも2人はまだ切り札を残しているんだろう?」

一輝「ああ、究極体を凌駕する超究極体、インペリアルドラモン・パラディンモードがな」

ドゥフトモン[今回ばかりはいくらカイザーが強力なデジモンを出そうと相手が悪すぎたな]

ジョグレス超究極体のインペリアルドラモン・パラディンモードが残っている以上、デジモンカイザーの敗北は確定していた。












































要塞内では、爆煙でヘルキメラモンの姿が分からない。
生きているのか倒したのか。

ベルスターモン[どう?]

ラピッドモン[まだ生きているね。生命反応がまだあるよ]

ベルスターモン[あらら、キメラモン系列は本当にタフね]

ラピッドモン[あのヴァンデモンが寄生しているから余計にそう思えるね。]

ヘルキメラモン[ぐっ…うう…]

よろめきながら立ち上がるヘルキメラモンにマグナモンXとベルゼブモンXは意外そうに目を見開いた。

マグナモンX[まだ動けるのか。流石キメラモンの強化版。タフだな]

ベルゼブモンX[だが、もう限界のようだがな。マグナモンX、そろそろ終わりにしよう。最強の力でな]

マグナモンX[ああ、あいつを完全に葬るには強大な力で一気に畳み掛けるしかないからな。]

マグナモンXとベルゼブモンXがブイモン、ワームモンに退化、そしてジョグレス。

パイルドラモン[究極進化!インペリアルドラモン!!モードチェンジ、ファイターモード!!モードチェンジ、パラディンモード!!]

ドラゴンモード、ファイターモード、パラディンモードとモードチェンジを連続で発動し、前世に置いて最大最強の強さを発揮したジョグレス超究極体、インペリアルドラモン・パラディンモードが降臨した。
神々しい純白の輝きを身に纏いながらヘルキメラモンを睨み据えた。

インペリアルドラモン・PM[ヴァンデモン。お前の破滅の時だ。]

聖剣・オメガブレードを発現させ、鋭い殺気をヘルキメラモンにぶつける。

ヘルキメラモン[ぐ、ぐうう!!ヘルヒートバイパー!!]

悪足掻き同然にヘルキメラモン版ヒートバイパーをインペリアルドラモン・パラディンモードに向けて放つ。
威力だけなら前世で最初に戦ったキメラモンカオスのギガヒートバイパーにも匹敵するが。

インペリアルドラモン・PM[温すぎる]

今のジョグレス超究極体のインペリアルドラモン・パラディンモードが相手では掠り傷つけることさえ叶わない。
ヘルキメラモンの熱線は片手で受け止められてしまった。

インペリアルドラモン・PM[軽すぎる一撃だ。やはり貴様は俺達の最大の好敵手であったキメラモンカオスは愚か、強敵だったラストティラノモンやギガシードラモン、カオスピエモンの足下にも及ばない。]

冷たく吐き捨てるインペリアルドラモン・パラディンモードにヘルキメラモンは自分が葬られる立場になった事をこの上なく思い知らされる。

インペリアルドラモン・PM[…ヴァンデモン。俺達は弱者をいたぶって楽しむというお前のような下品な嗜好は持っていないんでな。せめても情けだ、一撃で葬ってやる。聖なるエネルギーを極限まで引き出してな!!!!!]

ヘルキメラモン[くっ!!!]

ポジトロンレーザー砲を胸部に接続しようとした時、往生際悪く逃げようとしたが、ベルスターモンもラピッドモンもそれを許すほどお人好しではない。

ベルスターモン[行きなさい。フライバレット!!!]

ラピッドモン[ラピッドファイア!!!]

フライバレットを出現させ、ヘルキメラモンの周囲に展開させるとフライバレットから銃撃が放たれ、ラピッドモンの放ったホーミングミサイルがヘルキメラモンを撃墜した。

ベルスターモン[私達から逃げられると思っているのかしら?]

ラピッドモン[逃げようだなんて絶対に許さないよ。一乗寺治を利用してデジモンカイザーにした挙げ句デジタルワールドを滅茶苦茶にしたお前だけは絶対に許さない]

インペリアルドラモン・PM[そういう訳だ。諦めろヴァンデモン。安心しろ苦しむのはほんの一瞬だ…お前がしてきたことに比べれば遥かにマシなことだ。一度くたばってアヌビモンに裁かれて来い。ギガデス]

ズッガアアアアアアアアアアアアアアアンッッッ!!!!!!!!!!

凄まじい閃光と衝撃がデジモンカイザーの空中要塞をも粉砕し、インペリアルドラモン・パラディンモードとベルスターモン、ラピッドモンはすぐさま脱出した。
ヒカリ達は初めて見るインペリアルドラモン・パラディンモードに驚いた。

ヒカリ「あれは!!?」

アリサ「あれがインペリアルドラモン・パラディンモード。ブイモンとワームモンの最大最強の切り札。究極体を超越する超究極体デジモンよ!!」

空「凄い…」

インペリアルドラモン・パラディンモードが放つ神々しいオーラに空は思わず見惚れた。
そして退化すると、デジモンカイザーを地面に下ろす。

カイザー「ぐっ…うう…」

賢「目が覚めたかい兄さん?」

カイザー「賢…ヘルキメラモンは…?」

ロップモン[ヘルキメラモンなら大輔達が粉砕したよ。ギガデスの一撃で]

カイザー「僕のヘルキメラモンが…負けた…?僕が、負けた…どうしてなんだよ!!?全て完璧だったはずなのに!!こんなの、こんなの最低だ…!!最低のバッドエンディングだよ…!!こうなったら…初めからやり直しだ…!!何もかも…!!デジタルワールドをリセットして、もう一度世界改革をしてやる…」

太一「てめえ…」

ヤマト「まだそんなことを…」

遼「待ってくれ、太一、ヤマト……治。」

カイザー「遼……ぐあっ!!?」

バキィッ!!

遼はデジモンカイザーの胸倉を掴むと、思いっ切り殴り飛ばした。
しかし殴られた方より殴った遼の方が痛そうな表情をしていた。

遼「…いい加減にしろよ治!!いつまでガキみたいなこと言ってるんだ!!?ゲームじゃないんだよ!!ここで死ねば…現実でも死ぬんだよ!!パソコンの中だと思っていたか?このデジタルワールドはパソコンの中の世界じゃないんだっ!!!!」

デジモンカイザーの腕を引っ張るとテレビのある方に向かう。

カイザー「どこに連れて行く気だ!!?離せ!!僕はデジタルワールドの…」

大輔「…とっとと入れ!!」

力ずくでゲートを潜らせる。
そして大輔達も現実世界に戻る。









































そして現実世界に戻ると、パソコンの電源を切り、聖竜学園の生徒全員がデジモンカイザーを逃がさないように睨み据えていた。

カイザー「くっ、くそお…僕が…この僕が、プログラムデータの扱いで負けるなんて…」

ルカ「いい加減にしなさい!!デジモンがただのプログラムデータだと思っているのですか?だったら現実世界にいるフレイモンと皆さんのパートナーデジモンは何なんですか!!?」

スバル「デジモンはただのプログラムデータじゃないんだよ!!ちゃんと見てみてよ!!ここにいるデジモン達を!!」

カイザー「え…?」

よく見ると自分を睨んでいる者達の中にはデジモン達がいた。
そして賢のパートナーデジモン達もここにいる。

カイザー「な、何故…?何故プログラムデータがこの世界に…」

ブイモン[俺達はパソコンの中だけのデータじゃないんだよ。]

ワームモン[僕達も…命を持った生き物なんだよ]

カイザー「デジモンも…生き物…?それじゃ…今まで僕がやってきたことは…」

カイザーの脳裏にイービルリングで支配して、殺して、改造して、街を、村を破壊してきた今までのことが過ぎった。

カイザー「僕は…何てことをしてきたんだ…!!」

一輝「デジタルワールドはな…俺達の世界の影と言える世界なんだよ…ゲームとかじゃねえんだ。」

フェイト「私達と同じ、現実のもう1つの世界なの」

カイザー「うわぁあぁあぁっ!!」

デジモンカイザーの服装が消え去り、一乗寺治の姿となった。

治「僕は…僕は…何てことをしてしまったんだ…!!」

賢「兄さん…」

今の兄の姿がかつての自分に見えたのか、賢は気づかぬうちに拳を握り締めていた。

遼「治」

遼が治の肩に触れようとした瞬間、治は急に立ち上がると一気に駆け出した。

「待てよおい!!」

「どこに行くのよ!!」

学園の外に出るための場所にはロックをかけている。
治が逃げられないようにするためだ。
しかし治が向かった場所は出口ではなく屋上だった。








































屋上に来た治は、飛び降りようとしていた。

遼「何をしてるんだ治!!止めろ!!」

賢「兄さん止めるんだ!!」

治の自殺を止めようと、肩を掴むと押さえつける。

治「離せ!!離してくれ!!」

遼「そんなこと出来るか!!死のうとしている奴をそのままに出来るかよ!!」

治「僕は…取り返しのつかないことをしてしまった…デジタルワールドを滅茶苦茶にして…デジモン達を沢山殺してしまった…っ!!僕にはもう居場所はない…!!生きたくない…死にたい…っっっ!!!!」

大輔「甘ったれるな馬鹿野郎!!死んで楽になろうなんて思うな!!あんたが死んだら、賢はどうなるんだ?賢にとってあんたはこの世界でたった1人しかいない兄貴だろうが!!それにあんたが死んだら…あんたの帰りをずっとずっと待っていたおじさん達はどうなるんだよ?あんたにしてきたことを謝りたいって待っていたおじさん達に一生消えない苦しみを背負わせるつもりか!!!!?」

治「父さん達が…」

大輔「あんたが死んだら、悲しむ人がいるんだ!!ここであんたを死なせたら賢や遼さんやおじさん達が凄く悲しむ…そんなことは俺が許さねえ!!あんたを必要としている人達の為にも…罪を償って…生きろ…っ!!!!」

治の胸倉を掴んで、強く真っ直ぐに言い放つ大輔。

ヒカリ「過ぎてしまった過去は消せないけど、それを乗り越える事は出来ますよ」

今でも光が丘テロのことで胸に痛みを感じることがあるが、自分を救ってくれた父のような、兄のような大輔の存在がいたから乗り越えることが出来たヒカリだからこそ言える言葉。

大輔「ヒカリちゃんの言う通りだ。過去は消せないけど乗り越えることは出来る。あんたは1人じゃない。賢や遼さんや家族がいるだろ?」

大輔の言葉に治は泣きじゃくりながら謝罪した。
賢と遼は治を自宅に連れて行くことにし、学園を後にした。
残された面々は、正気に戻った治を見て、微妙そうな表情を浮かべていた。

太一「…何か、あの姿見たらな…」

ヤマト「そうだな、今までの怒りが吹っ飛んじまった。同時に悲しくなってきたな。」

ミミ「あの人、あんなに心を病んでいたのね…」

丈「天才であるが故の孤独…か」

光子郎「僕達はとても恵まれていたんだってことを思い知らされますね…」

タケル「うん…僕達には僕達を理解してくれる仲間や家族がいた。でも一乗寺治さんには無かった…」

ヒカリ「………今回の事件は人の孤独の心が生んだのね…」

この場にいる全員の一乗寺治に対しての怒りが失せていた。
もしかしたらああなっていたのは、自分だったのではないかと思うと、怒りが消えてしまった。

大輔「(……後の俺達に出来ることは精々治さんのサポートくらいだな)」

大輔は空を見上げながら胸中で呟いた。








































そして一乗寺家では、一乗寺兄弟が久しぶりに自宅に帰ってきた。

賢「ただいま」

「お帰りなさい賢ちゃ…治ちゃん!!」

治「…あ」

治の姿を見た母親は賢と治を強く抱き締めた。

「治ちゃん、よかった…無事に帰ってきてくれて…」

「治…すまなかった。お前の気持ちを考えず…俺達は…」

父親も涙を流しながら今までのことを謝罪した。
久しぶりに見た両親は記憶の中の両親よりも窶れていた。

賢「兄さん、父さん達はずっと兄さんを待っていたんだよ。」

治「僕を…?」

自分をずっと待っていてくれた両親に治の双眸から涙が溢れる。

治「父さん…母さん…ありがとう…そして、ごめんなさい……」

今まで両親に心配をかけていたことを謝罪する治を遼は少し離れた場所で見守っていた。

遼「(良かったな治…)」








































こうしてデジタルワールドのデジモンカイザー騒動は終わりを告げた。
大輔は一乗寺治を正式な選ばれし子供にすることを進言し、パートナーデジモンをヴァンデモンのかつての部下であるピコデビモンを宛てがう。
最初は複雑そうに見ていた聖竜学園の生徒含めた選ばれし子供達だったが、懸命に罪を償おうとする治の姿を見て、自分達も治を助けようと考え、デジタルワールドの復興作業を続けた。
大輔達はダークタワーの破壊とこれを機にデジタルワールドを支配しようと企む敵を片づけていき、聖竜学園の生徒達が治と共にデジタルワールドの復興に精を出した。
荒れ果てたデジタルワールドの復興は容易ではなく完全な復興には、かなりの時間を要したが、無事に終わらせることが出来た。

大輔「ふう……」

フェイト「大輔?どうしたの?」

大輔「いや、これでようやく終わったなって。本当の意味で…ヴァンデモンも完全に消滅したらしいし」

あの後、念入りにヴァンデモンの生死を確認し、完全に消滅したことが分かり、デジタルワールドの復興も終わったことで自分達の役割は完全に終わった。

大輔「後は残りの人生を楽しもうぜ」

フェイト「うん!!」

エリオ「父さん、母さん」

キャロ「みんなが待っているよ」

この時代で再会し、再び養子にしたエリオとキャロ。
2人が指差した先には…。

タケル「大輔君、早くしないとバーベキューの肉食べられちゃうよ!!」

アルマジモン[ハグハグ]

ホークモン[アルマジモン、食べ過ぎですよ…]

デジモンカイザー騒動の後、正式なパートナーである京と伊織の元に行っても、こういうパーティーには必ず来る2体に苦笑しながら、大輔はジュースの入ったコップを持つ。
この中には前世では死んでしまった治がいる。
伊織の父親の浩樹も生きている。
タケルは闇のトラウマを持たずに生活している。
ヒカリも光が丘テロの罪悪感から解放されている。
前世で救えなかったアポカリモンも救えた。
はっきり言ってこれ以上ないくらいの上等なエンディングを迎えられた。
後は第2の人生を楽しむとしよう。

ブイモン[よーし、みんなーーーっ!!食うぞおおおおっ!!!!]

アグモン[飲むぞおおおおっ!!!!]

全員【騒ぐぞおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!!!!!!】

大きく叫ぶ、かつての選ばれし子供達。
こうして、大輔達の第2の人生の戦いは完全に終わった。 
 

 
後書き
これにてリリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~のAnother編を完結します。
今まで呼んでくれてありがとうございました!!!!

ブイモン[最後までこの作品を読んでくれた読者の皆さんは凄いっ!!] 
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