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SAO<風を操る剣士>

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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
  第15話 ゲームオーバー!?

 
前書き
すいません!!
投稿遅れました!!!

※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。 

 



 アルゴとの昼ごはんから2日後、俺はシリカや他のプレイヤー達と一緒に第十層の攻略をする為に十層の迷宮に来ていた。そして今、ボス部屋に向けて俺達は話しながら歩いていた。


「それにしてもβテストと大分違っていたよな、シュウ」
「そうだな、この橋もβテストの時には無かったしな…」
「出るモンスターも、ほとんど違ったな…」
「ああ、もしかしたらボスもまったく違うかもしれないぞ、キリト」
「……かもな…」
 …今回の攻略は、参加する人数が少なく45人…つまり6人のパーティーを5組と、3人のパ-ティーを1組の攻略になる。その1組のパーティーは当たり前といえるが……俺にシリカにキリトの三人だ…(アスナは自分の入ったギルドの人と組んでいる)


「そういえば話しは違うけどさ、俺に何か教えるとかずっと前に言ってなかったか?」
「よくそんな前の事思い出したなキリト…」
「いや、ふと思い出して…それで、なんだったんだ?」
「う~ん」

 俺はキリトに、俺の見つけた《システム外スキル》を教えるか迷った…なぜならアルゴに少し前に 『その《システム外スキル》はあまり人に見せない方がいイ』と、言われたからだ。
 理由は聞いていなかったが…だがそれからは、俺はシリカにしか《値移行》も《体重移動》も見せていない……たぶん、MMOのプレイヤーのゲーマーにとって、何に触れるスキルなのだろう(俺はあまりMMOプレイせず家庭用ゲームなどをプレイしてきたからわからん)

「話している所、悪いと思うんですけど…シュウさん達、そろそろですよ」
「ああ、分かったよ。…この話はまた今度な、キリト」
「分かった」
 話しながら歩いている俺達に、シリカがそろそろボス部屋に入る頃だと教えてくれた。俺はシリカに返事をして、キリトに今度にするように言った。
 ……今度、キリトにスキルの説明をして自分で教えて欲しいか決めてもらおう…

「行くぞ!!」

 誰かがそんな声をあげて扉を開き、俺達も部屋へ入って行った。



==========================



「あれ? いない?」
 プレイヤーの誰かがそう言った。
 たしかにボスの部屋には、ボスがいなかった。

 部屋は周りが螺旋階段(らせんかいだん)になっていて、部屋の天井(てんじょう)も今までに無いくらい高く、そして階段を下りて地面のフロアには破壊可能オブジェクトの、大き目の岩と長くて太い木があるだけだった。

 しかし、他のプレイヤーはキョロキョロと見渡している中、俺は《索敵》スキルですでにボスがいることが分かっていた。そしてその位置がなんと……
 俺の位置カーソルと同じ場所だった。

 俺はその意味を前もってアルゴに聞いていたため、すぐに分かり上を見る。
 するとボスはすでに姿を見せて、俺達に《ブレス》の攻撃をしようとしていた。

「クソ…」
 他のプレイヤーはまだ気ずいていなかった…しかし、今から教えても攻撃は避けられない..

 仕方が無いが俺は他のプレイヤーが攻撃を喰らった後に、連続で攻撃を喰らわないようにガードする事にした。

「きゃっ!?」
 ガードする為には、まずあの攻撃を避けなきゃならない……その為に俺はまだキョロキョロしていたシリカを抱きかかえて破壊可能オブジェクトの岩に隠れた。

 そのまま《ブレス》の攻撃が岩に直撃して、その後攻撃が終わったのを確認してから他の人達の方を見たらボスが降りてきたところだった。……やはりほとんどのプレイヤーが今の攻撃を喰らってしまったようだ、みんなHPが半分くらい減っている…

「シリカ!!」
「はい!」
 俺とシリカはすぐにボスの前に走り出した。走りながらボスの姿を俺は確認した。

 名前は《フェザーゾン・ドラゴン》というらしい…姿は《ピナ》を大きくして、そして両手にクローとシッポと胸の辺りに鎧をつけたようだった…

 俺達が走り出した後、ドラゴンは倒れたプレイヤーに攻撃しようとしていた。俺は急いでドラゴンの攻撃しようとしている右腕に向かって《レイジスパイク》を放った。

 俺の《レイジスパイク》でドラゴンの攻撃は止まり、次は左腕のクローを上に上げていた。
 その攻撃は俺は硬直中なので動けない…けれど、俺と同じように攻撃を喰らわなかったらしい、キリトとシリカがドラゴンの胸に向かってソードスキルを放って、ドラゴンが苦しそうとも聞こえる声を出した。

 その声を聞きながら、その隙に俺とキリトとシリカは後ろに下がった。
 その際にドラゴンのHPを確認したが、ボスにしては少なめの3本ゲージの一番上が少し減っていた。……どうやら取り巻きのモンスターがいない分、防御力が高いらしい…


 そして俺達が時間を稼いでる間に他のプレイヤーも立ち上がり、HPを回復し終わっていた。
 ……いまさら気が付いたが、あのドラゴンが放った《ブレス》は今まで俺の見てなかった、《風》の《ブレス》らしい……周りを見ると結構、斬り刻まれた岩などがある。
(例にするならカマイタチの《ブレス》か…)


 その後俺達は、後ろに下がった後に他のプレイヤーと共にドラゴンに向かって行った。



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 しばらく攻撃をして、ドラゴンのHPゲージが一本になった時、ドラゴンがまたそらへ飛んだ。俺はそれを見て、ドラゴンがあまりまだ高く飛んでない内にシリカに合図した。
「シリカ!!」
「はい! 頑張って下さい!!」

 そう言ってシリカは、両手を下に組んで俺の脚を置けるような形を作った。
 俺はシリカの組んだ手の上に乗り、そのままシリカが上に飛ばす力(簡単な《体重移動》を加えた)と一緒に足に力を入れる(《値移行》の応用を加えた)、すると俺は今の《敏捷力》じゃありえないくらい高くまで跳んだ…

 …この方法はアルゴの話を聞き、もしもの時のために対策だ…そして《体重移動》と《値移行》の応用でもある……まぁ、女の子の上に乗るのはイヤだったんだけどな…

 そしてドラゴンに向かって跳び、そのままドラゴンの頭に《ソニックリープ》を叩きつけ、ドラゴンは地面に向かって落ちて行った。

「うぉ! あぶね!」
 俺は落ちていく中オブジェクトの木を掴み、なんとか落下によるダメージをなくした。
 そして木をおり終わったと同時くらいに、ドラゴンが声をあげた。そしてその後にはプレイヤーの悲鳴も……俺は急いでシリカの元に向かった。

 そしたらシリカも俺の所に来る途中だったらしく、すぐに合流した。
「シュウさん!」
「シリカ! どうしたんだ!?」
「それがドラゴンが落ちてきてから、また急に翼を広げたと思ったら…そのまま風がドラゴンに巻きつくように包んだら、その後ドラゴンが強くなって…」
「ドラゴンが…強く?」
 俺はシリカの言葉を聞いてから、ドラゴンの方を見た……すると確かに素早く、そして頑張って攻撃するプレイヤーの攻撃を喰らった時のHPの減りと、そのプレイヤーにお返しの攻撃をしてプレイヤーのHPの減り具合を見て、たぶん攻撃力も防御力も上がっている…

 俺はこれはどういう事か考え始めた。

 …このSAO《ソードアート・オンライン》において、俺は少し前まで回復魔法などは無いと思っていた。しかし、シリカの友達であり使い魔でもある《ピナ》のような数少ない例外で《回復(ヒール)ブレス》という回復系の技を使えるモンスターも知った…ということは…

「たぶん、ステータスに風属性を付与したな…」
「風属性…ですか?」
「ああ、教会などで武器に聖属性を付与しても貰うのと同じだと思う」
「なるほど」
 俺はシリカに思ったことを説明した。そして、説明してる間に他のプレイヤーの方を見ていたら、キリトがこっちに向かってきた。

 そして俺とキリトはすぐにどうするか話し始めた。
「シュウ! どうする!!」
「キリトはどうしたら良いと思うんだ?」
「俺は一時撤退だな…」
「俺もだよ…みんなパニックになってる、これじゃあ無理だ」
「ならどうやって撤退するかだけど…」

 キリトが悩んでいるが、俺はどうするか決まっていた。
「……俺が時間を稼ぐから、キリトとシリカはみんなを出口に先導してくれ…まだクリスタルは高価すぎて、使ったら次の攻略をすぐに出来ない…」
「いいのか?」
「そんな! 危険です、シュウさん!!」
「良いんだよシリカ、でも俺が無理そうならクリスタルを使ってくれ」
「……分かりました」
 どうやらシリカはこのSAOが始まってから一緒にいるため、俺が言ったら聞かないのが分かってきたらしく、すぐにしぶしぶ納得してくれた…

「んじゃ、行って来る!」
「ああ、頼んだぞ!」
「無理しないで下さいね!」
 そう言って俺はドラゴンに向けて走り出した。



========================



「うおーーーーーー」
 俺はドラゴンに向けて《体重移動》を使い攻撃をした…ゲームが始まってからもう少しで3ヶ月になる……その間の練習で《体重移動》はソードスキルと合わせなければ、ほとんど成功するようになっていた…(ソードスキルのモーションと合わせると、まだ約6~7割)

 しかし《体重移動》はあまり人に見せたくなかったが、この場合は仕方ない…なぜなら、今はソードスキルの硬直時間は命取りになるかだ…
 なので俺はソードスキルを使わなくても、ダメージの多い《体重移動》を使って攻撃をしていた。そして何度か攻撃してドラゴンが動くとその攻撃を俺は避ける…

 俺は得意だった卓球で、相手の先を読むのが得意だった。なのでドラゴンの攻撃もさっきまでの戦いを見て、ある程度の攻撃パターンを分かっていた。

 …ドラゴンの攻撃する速度は違っても、攻撃モーションは違わないらしい

 なので俺はドラゴンに攻撃を与えては避け、与えては避けの繰り返しを続けた。



========================



「グォーーー」
 しばらく戦った後、俺はドラゴンのそんな声で正気に戻った……どうやら戦いに集中しすぎて、周りの事を忘れてしまっていたらしい…

 ドラゴンが攻撃をやめている間にドラゴンのHPを見ると、あと1/5ほどだった。
「シュウ!」「シュウさん!」
 声の方を見てみるとキリトとシリカがいた。

「バカ! さっきから声かけてるのに!!」
 キリトがそんな事を言った……あ~、そういえば声が聞こえてたような…

「あ! 悪……」
「グォーーー」
 そして、キリトに返事をしようと思っていた所で、ドラゴンが《ブレス》のモーションに入っていた……

(マズイ! このままじゃ!)

 俺は自分のHPを確認すると半分くらい残っていた……しかし、あの《ブレス》の直撃を耐えられるかどうか…避けられる距離でも……

 そんな悩んでいる中、俺は頭に一つの思い浮かんだ……けど、こんな方法……

(………もう考えてるだけ無駄だ!! どうにでもなれ!!!)

 そう思い、俺はドラゴンの口を目掛けて《値移行》で一気に近づいた。
 そして、ドラゴンの口の下に向けて《体重移動》を使った《バーチカル》を放つ。

「その口、()じろォーーー!!!」

 そして、俺の攻撃でドラゴンの口は閉じられて、口の中がカマイタチだらけになったのか、急にドラゴンの頬が爆発した。

「うわ!」
 俺はそのまま巻き込まれて、吹き跳ばされる。そして跳ばされた後、体を起こし自分のHPを確認すると赤くなっているがどうやら残ったらしい…

 俺はHPを確認し終わると、ドラゴンのほうを見た。
「グォーーー」
 すると丁度、声をあげながらドラゴンはHPが0になったのかそのまま四散して消滅した。



=========================



「ふぅ」
 しばらくそのまま俺は、ウィンドウが現れるのを待っていた。そしてキリトとシリカが、こっちに歩いてくるのを見ていたら…
「シュウ!」「シュウさん! 上!」
 …急にキリトとシリカが騒ぎ出した。

 俺はシリカが言うよう上を見ると、壊れた岩の破片が俺に向けて落ちてきていた。
 …たぶん、爆発のせいで弱っていたんだと思う。

 俺は急いでその岩を避けた……が、少しだけ(かす)ってしまった…

 すると俺の赤かったHPはみるみる下がっていった……そして……

 ウィンドウが現れると同時に………0になった……


 俺はそのHPを見て、思った
(…ゲームオーバー…か…)
 そしてシリカとキリトに向けて一言だけ言った。

「ごめんな…」

 その言葉に合わせるように、自分の体がガラスのように砕けたことが分かった…

 その一瞬シリカの顔が見えた…その顔を見ていると本当に胸が痛くなった……

 そしてその痛みのせいで、消滅の直前に聞こえたレベルアップした時の音のことも分からなかった……






 
 

 
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