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『ナイフと海と月』

作者:零那
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『夜の海』

考えたところで死人は生き返らない。
泣いたところで死人は成仏しない。
生き返ってくれるなら何でもする。
生き返ってくれるなら...

いや、自分が逝こう。
皆の元へ...
ひと目だけでもまた逢えるなら。
地獄と天国の分かれ道で、ひと目だけでも...
だってサヨナラって言ってないよ?

何度も何度も無意識にナイフを引く。
何度も何度も月に祈りを捧げた。
逝かして下さいと祈り続けた。

空の月に嫌われたなら、水面に歪み浮かぶ月に祈り続けた。

何故こんなに、こんなに自分だけが...
そんな想いでいっぱいいっぱいだった。

『自分だけが辛い』なんてのは有り得ないってちゃんと解ってる筈なのに、立ち直れなかった。

ただただ、夜の海で、だらだら血と涙を流すだけ...

ナイフと海と月...

大事なものを失った其の時、必要不可欠なものと居場所だった...


 
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