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ドリトル先生の水族館

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第七幕その二

「普通のお魚じゃないからね」
「ジンベエザメさんは」
「だから無理なんだ」
「ジンベエザメさんってそんなに飼育が難しいのね」 
 ポリネシアもです、その大きなお姿を見ています。水槽の中でとても穏やかに泳いでいる姿はのどかそのものです。
「大きいだけじゃなくて」
「そうだよ、いつも泳いでいないといけないし」
「ああ、鮫だからね」
「そうだよね」
 オシツオサレツも言います。
「いつも泳いでいないとね」
「駄目なのよね」
「さもないと死ぬのよね、鮫さんだから」
「そうした種類の鮫さんだから」
「そう、そのこともあってね」 
 それでとです、先生はオシツオサレツに答えました。
「ジンベエザメ君達を水族館で育てることは相当に難しいんだ」
「じゃあこの水族館でも」
「皆苦労してるのね」
 チープサイドの家族もここで家族でお話します。
「大きいだけじゃないから」
「それでなのね」
「ここにいてもらうだけでも」
「大変に苦労してるの」
「そうなんだ、本当にね」
 それこそとも言う先生でした。
「大阪の海遊館でもそうだけれどね」
「この八条水族館でも」
「そうしてるの」
「水族館員の人達も大変で」
「死なせない様にしてるんだ」
「そう、いつも注意してね」
 そうしてというのです、まさに。
「ここで育てているんだよ」
「僕達みたいにはいかないんだね」
 ホワイティもしみじみとして述べます。
「簡単には」
「いやいや、君達についてもね」
「簡単じゃないんだ」
「そうだよ、それぞれの生きものがね」 
 ジンベエザメさん達に限らずというのです。
「それぞれ難しいんだ、程度の問題はあるけれど」
「簡単じゃないんだよ」
「生きものと一緒にいることはね」
 どんな生きものでもだというのです。
「気を抜いてはいけないことなんだ」
「僕達でもだね」
「そのことは」
「先生私達のことよく知ってくれてるけれど」
「それでもなのね」
「うん、だから君達と一緒にいるけれど」
 それでもというのです。
「家族として接していてね」
「いつも見ている」
「そういうことなんだ」
「そのつもりだよ、注意しているよ」
「だからジンベエザメさんは」
「先生でも」
「難しいんだね」 
 皆もここまで聞いて納得しました、そして。
 その話の後で、でした。先生はその水槽の中のお魚さん達を皆じっと見回してです。そのうえでなのでした。
 水槽のガラス越しにです、お魚さん達にその言葉で尋ねました。
「どうかな、調子は」
「うん、別にね」
「悪いところはないよ」
「僕達皆元気だよ」
「問題はないから」
「それは何よりだね。ただ」
 ここで、です。先生はジンベエザメさん達にも尋ねました。見ればジンベエザメさんは一匹ではなくつがいでいます。
「君達はどうかな」
「うん、僕達もね」
「大丈夫よ」
「ここで気持ちよく暮らしてるよ」
「ここは広くて食べるものも沢山あるから」
「気楽にやってるよ」
「いつも泳いでるわ」
 こう先生に答えるのでした。 
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