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ドリトル先生の水族館

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第六幕その十二

「どうしようもなくなるよ」
「それですぐに肩で息をして」
「へとへとになってね」
「動くことが出来なくなる」
「そうなるよね」
「そうなんだよ、お掃除も下手で洗濯も出来ないしお料理は特にね」
 家事の中でもです。
「駄目だからね」
「だからそっちも全力で向かっても」
「出来なくて」
「それで僕達が止めて」
「トミーも王子もね」
「サラに一番止められるね」 
 妹さんに、というのです。
「どうしてもね」
「サラさんはね」
「何だかんだで先生のことを心配してるからね」
「妹さんだしね」
「それで一番言うんだよ」
「自分がやるってね」
「うん、サラは結婚する前はね」
 まさにです、その頃のサラはといいますと。
「家事を全部やってくれてたよ」
「そうそう、トミーと会うまではね」
「先生のそうしたこと全部してくれたんだよね」
「僕達がするんじゃなくて」
「サラさんがね」
「お兄ちゃんに任せられないって言ってね」
 ここでこう言うのがサラです。
「それでだったね」
「それで今もね」
「時々日本に来てね」
「先生に言うよね」
「何かとね」
「そうなんだよね、言われるのがね」
 それこそとも言う先生でした。
「僕だったね」
「それで出来ないことを代わりにやってもらう」
「それが先生だね」
「そうした巡り合わせだね」
「出来ないことも出来る様になりたいね」
 こうも思う先生でした。
「出来ないことは出来ないままじゃなくて」
「出来る様になる」
「そういうことだね」
「先生もそうしたいんだね」
「才能がないことでもね」
 先生にとってのスポーツや家事もです。
「出来ないままじゃなくて」
「そう言うんだね」
「やっぱり出来てこそ」
「そう思ってるんだね」
「そうだよ。僕一人の時に努力してね」 
 そうしてでもというのです。
「考えてるよ」
「先生って見てたら放っておけないから」
「それでついつい出来ないことは僕達が、ってなってるけれど」
「そこをなんだね」
「出来る様になりたいのね」
「そうも思ってるよ。じゃあデザートを食べて」 
 無花果とメロンを切ったものが来ました、それを食べてというのです。
「後はね」
「うん、休憩してね」
「またお仕事しようね」
「それからもね」 
 こうお話してでした、皆は楽しく過ごすのでした。先生の診察は順調に進んでいました。先生が気付かないことがあっても。 
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