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『僕と僕』

作者:零那
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『非行』



僕達は、お父さんを残して、お母さんの田舎に来た。
お母さんが、お父さんとの喧嘩中に出て行ったんだ。
だから...

僕は、お父さんの元に帰りたかったんだけど...

田舎に来ると、お母さんは『仕事』を朝から夜迄するようになった。

居ないから寂しいとか思わなかった。
構ってくれないのが当たり前だったから。

御飯は、おじいちゃんが作ってくれてた。

暫くして、隣の家のお姉ちゃんと仲良しになった。
悪いことを覚えるのは簡単だった。

体型は、小さくて身軽。
素早い動きも得意だった。

最初は見張りから始まって、窃盗、タバコ、酒。

慣れたら、スリ、空き巣、恐喝、強盗。

楽しかったんだ。
学校の勉強より。
一生懸命練習してた一輪車より。

見つかるか見つからないか、ゲームだった。
スリルもあるし、逃げるのもゲームのひとつだった。

何より『僕は生きてる』って実感が湧いたんだ...

間違ってるのは解ってるよ。

だってまた僕の中から僕の声がするんだ。

最近は怒られてばっかり。
正直うっとうしいくらいなんだよなぁ。
命令口調で言ってくるし。
学級委員長みたい。

『悪いことはヤメなさい』

ソレばっかり。


 
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