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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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決勝!最凶世宇子!!前編

 
前書き
お待たせしました! 

 
ついに決勝戦のスタジアムに着いた。

俺たちはゴクリと息をのみ近付いた。扉には紙が張ってある。

──────閉鎖───────

「──って閉鎖してるっ!!」

俺は思わず叫ぶ。

これまで全国大会の試合を行ってきたスタジアムが突然の閉鎖。

なぜ急に閉鎖になったのか、今日の試合は一体どうなるのか、まったくワケが分からず俺たちが呆然としていると…。

「だ、誰もいないぞ、どうなってんだ…?」

ピリリリリ ピリリリリ

「はい…はいそうです、えっ…?どういうことですか!?今さらそんな…!」

「誰からだ?」

「それが…大会本部から、急遽決勝戦の会場が変わったって…」

その時お嬢の携帯にかかってきた一本の電話、それは決勝の会場がこことは別のスタジアムになったことを知らせるものだった。

そんなとき空中で音が響いた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

「な…!なんだあれ!?」

「まさか…決勝戦のスタジアムというのは…!」

「あ…あそこか!?」

まさに神殿のような巨大な城ではなくスタジアムが空中に現れた。

そしてそのスタジアムから、長い長い階段が現れ、俺たちはスタジアムに向けて階段に踏み出したのだった。

「こ、ここが試合会場…!」

「決勝当日になって世宇子スタジアムに変更…影山の圧力ね。どういうつもりかしら」

「…円堂、話がある」

突然空中に現れた決勝の舞台、世宇子スタジアムに乗り込んだ俺たち。

何やら監督が円堂に話したいことがあるようだ。

「大介さん…お前のお祖父さんの死には、影山が関わっているかもしれん」

「え…!?じ、じいちゃんが影山に…!?」

「ひ、響木監督!なぜこんな時に!?」

なんといきなり円堂におじいさんの死は影山が関わっているかもしれないとバラして、円堂に激しいショックを与えてしまう監督。

大事な決勝の前だというのになぜこんな真似を…。

(決勝の前に選手の心を乱す監督は失格だろう…しかし、これは今でなければダメなんだ。影山の陰謀でフットボールフロンティア決勝に出られなくなった俺達は、ショックから立ち直れず運命を呪い、そしてサッカーから離れてしまった…だがそれは間違いだった。恨みにとらわれたせいで、サッカーという大事なものを失ってしまったからだ…。もし影山への恨みでサッカーをしようというのであれば、俺はこの場で監督を辞め試合を棄権する…大好きなサッカーをお前から奪わないために)

そんなことを思いながら響木監督は円堂に話していた。

円堂のおじいさんの死の真相を知らされた円堂が、影山への恨みを引きずらずにサッカーを続けるには曇りのない心で影山を乗り越える必要があるってことだ。

「はっ…!はっ…!はっ…!はっ…!」

円堂の中でとてつもない怒りが膨れ上がって、もはや普通に息をするのすら困難な様子。

まさかここまでの怒りをあらわにするとは…これは普通に試合を始めるのも一筋縄じゃいかないかもしれない。そんなときだった。

ぽんっ

「…!」

そんな円堂を正気に戻したのは豪炎寺の手…豪炎寺に振り向いた瞬間、円堂はその顔に夕香ちゃんの姿がダブッて見えた。

豪炎寺もまた、影山に夕香ちゃんを殺されたも同然の身。今の円堂に限りなく近い怒りを、この試合の前に乗り越えてきたんだろう。

「円堂君…!」

「円堂…!」

「円堂!」

「キャプテン!」

そして円堂の背中を押すように俺たちは声をかける。

俺たちの気持ちが伝わったのか、あれほど荒々しかった円堂の呼吸もようやく普段通りに戻った。

「…監督…みんな…こんなに俺を思ってくれる仲間…みんなに会えたのはサッカーのおかげなんだ…影山は憎い…!けどそんな気持ちでプレーしたくない、サッカーは楽しくて面白くてワクワクする…ひとつのボールにみんなが熱い気持ちをぶつける、最高のスポーツなんだ!だからこの試合も、俺はいつもの俺達のサッカーをする!サッカーが好きだから!」

(円堂…!お前ならそう言うと信じていた…影山のように恨みでサッカーを汚すのではなく、愛するからこそサッカーをする…!辛い特訓に耐え、よくこの決勝の舞台までやってきた…きっとその痣だらけの体が応えてくれるはずだ…!)

ついに影山への恨みを振り払い、いつも通りのサッカーバカな気持ちで決勝に臨む円堂。

円堂の言葉で完全に腹をくくった監督は、いよいよ決勝の戦闘準備のために俺たちロッカールームへ向かった。

俺はここにくる前に、病院に寄り、痛み止めを打ってきた。効果は二時間半とのこと。

ここにくるまでに約三十分…。
あと二時間しかない。
まあ延長戦にならない限りは大丈夫だろう。

そして俺たちはグラウンドに足を踏み入れた。

ドワアアアアアアアアア!!

「うおっ…!?」

《雷門中、40年ぶりの出場でついにこの決勝戦まで登りつめた!
果たしてフットボールフロンティアの優勝をもぎ取ることができるのでしょうか!》

そしてユニフォームを着た俺たち雷門イレブンがフィールドに戻ってくると、観客席にはいつの間にやら超満員の大観衆が集まっていた。

《さあ間もなく試合開始です!!》

今日のスタメンは

FW雷藤 染岡 豪炎寺
MF鬼道 一之瀬 マックス
DF風丸 土門 壁山 栗松
GK円堂

この布陣で決勝戦に挑む。

「いいかぁみんな!全力でぶつかればなんとかなる!勝とうぜ!」

「「「おお!!」」」

そしてとうとう試合開始目前、円陣を組んで最終決戦への気合を入れる俺たち。

それに対して、世宇子イレブン達は優雅に乾杯をしていた。

ピイイイイイーッ!!

《さあ試合開始だあーーっ!!》

そしてついに鳴らされた運命のホイッスル。

キックオフとなるのは世宇子ボールから。

もはやこいつらがボールを持つこと自体が恐怖だが、果たして一体どんな出方を見せるんだ…?

「…動かない!?」

「なめんな!!」

なんとボールを受けたアフロディはその場で棒立ち。
真面目に戦う気のない明らかな挑発だ。

これに切れた俺と染岡と豪炎寺はアフロディへ猛突進する。それに対してアフロディは呟いた。

「君たちの力は分かっている…僕には通用しないということもね。ヘブンズタイム!!」

アフロディが指を鳴らした途端、完全に動きが止まってしまった俺たち。

アフロディのスピードが、人間の知覚できる速さを完全に超えてしまっている。

俺たちとは全く違う時の流れの中を、スタスタと優雅に歩くアフロディ…そしていとも簡単に俺たちを素通りする。

「き、消え…!?」

グオオオオオオ!!

「「「うああああーっ!!」」」

そしてアフロディが普通の時の流れに戻った途端、いきなり俺たちの周囲に巻き起こった爆風。

「み、見えなかった…!」

「く…!なんて速さだ!」

「ふ…ヘブンズタイム」

またもアフロディは悠々と歩きMF陣を抜き去る。

「な…!」

グオオオオオオ!!

「「「ぐあああーっ!!」」」

今度は鬼道と一之瀬までもがこの技の餌食になった。

やはり全く反応できない動きで背後を取られ、爆風で吹き飛ばされてしまう。

俺たちには、目の前のアフロディが背後に瞬間移動したようにしか見えないこの技…。止めようとした瞬間すでに抜かれているのでは誰にも止めようがなく、俺たちFW陣、鬼道達MF陣、そして土門達DF陣までもがヘブンズタイムに突破され、いよいよ円堂との一対一になってしまった。

「く…!来い…!全力でお前を止めてみせる!」

「天使の羽ばたきを聞いたことがあるかい?」

そうアフロディが呟くとアフロディに翼が生え、空中に飛び上がる。

円堂に向けて、途轍もないパワーを持つアフロディの必殺シュートが放たれた。

「ゴッドノウズ!!」

ドゴオオオオオ!!

「ゴッドハンド改!!」

ギュルルルルルル!!

激突するゴッドの名を持つ2つの技。

「本当の神は…どちらかな!!」

「く…!?ぐぅあああーっ!!」

グワシャァァァァン!!

ピ─────────!!

ゴッドノウズに無惨に打ち砕かれて敗北を喫するゴッドハンド。試合が始まってわずか1~2分にも関わらず、雷門イレブン全員がアフロディ一人に手も足も出ず1点奪われてしまった。

今度は雷門中のキックオフから試合再開、すぐに一点を取り返してやろうと意気込む俺たち。

俺たちがドリブルで駆け上がるが、相手は動かなかった。

《どういうことだ世宇子イレブン!?全くディフェンスをしない!攻め込まれても動かない!》

「ちっ!舐めやがって!!」

なんと雷門中が攻め上がっても棒立ちのまま何もしない世宇子イレブン。

「舐めやがって!行くぞ、雷藤、風丸!」

「「おう!!」」

完全に俺たちを舐めてる、世宇子のキーパーに向けて、シュートを繰り出す。

俺と風丸がトップスピードで駆け上がり、ボールを持った染岡が前にドラゴンクラッシュを放つ。

そのボールを俺と風丸が蹴り込む。

「「「ドラゴンズウィンドォォォ!!」」」

グゥォォォ!!

俺たちのシュートが唸りを上げ、相手キーパーに襲いかかる。

「ツナミウォール!!」

バッシイイインン!!

俺たちの必殺シュート、ドラゴンズウィンドは相手のキーパー技により、吹き飛ばされてキーパー、ポセイドンの手に収まった。

「ド、ドラゴンズウィンドが…!?」

「なんて奴だ…!」

「有り得ない…!」

そんな俺たちを見ながら、相手キーパーのポセイドンはふざけた行動を取った。

コロコロコロ

「…!?」

《おおっとポセイドン!?雷門にボールを渡してシュートを撃ってこいと挑発!?》

シュートを防いだポセイドンは俺にボールを渡してもう一発シュートを要求。

完璧に舐められている。

「ボールを渡したことが失敗だと思い知らせてやる…行くぞ!!」

俺がそう叫ぶと俺は、鬼道にボールを渡した。

「ピィ──────!!」

鬼道の指笛と共に現れた、ペンギン、ゴッドハンドを粉々に粉砕したこの技で点を取るんだ!

「皇帝ペンギンッ!!」

鬼道が蹴ったボールに俺と豪炎寺がツインシュートで合わせる。

「「2号ォォォォーッ!!」」

グオオオオオオ!!

「ツナミウォール!!」

バッシイイイイン!!

「…!!これでもダメか!」

そしてボールをキャッチしたポセイドンは、またも俺たちにボールを渡してきた。

「ぐ…!なら…!これでどうだぁぁぁっ!!」

GKの円堂も上がってきて、俺たち雷門の最高クラスの必殺技で点を取りに行く。

円堂、一之瀬、土門が綺麗な交差線を描いて飛び上がった。

「「「ザ・フェニックス!!」」」

三人が蹴り落としたボールは不死鳥に変化しポセイドンに襲いかかる。

ポセイドンは大きく後ろに振りかぶると、ボールを思いっきり叩き潰した。

「ギガントッ!ウォール!!」

グワッシャアアアッ!!

続いて打ち込んだザ・フェニックスも、ポセイドンのギガントウォールに叩き潰され全く通用しなかった。

「これじゃウォーミングアップにもならないな…!」

そうポセイドンが呟いた。

「お、俺達の必殺技が…どれも通用しない…!?」

ドラゴンズウィンドやザ・フェニックス、皇帝ペンギン2号は間違いなく雷門中最強クラスの技のはず…。

それがこうも簡単に阻まれてしまい、俺たちの脳裏に敗北の2文字が段々とちらつき始めていた。

そしていよいよ世宇子も本気での攻撃を開始し始めた。

「ゴールには近づかせないッ!!」  

俺がブロックに入ると、相手はニヤッと笑い、必殺技を放つ。

「ダッシュストーム!!」

(くっ!左目の死角か!)

シュゴオオオオオオ!!

「ぐあああーっ!!」

俺は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

「ぐ…!」



染岡もやっと回ってきたボールを懸命にキープし、前線に上がっていく。

「ちっ…!これ以上好き勝手させっかよォッ!!」

「メガクエイクゥゥッ!!」

ゴワッシャアアアッ!!

「がああああーっ!!」

雷門イレブンを襲う世宇子の殺人技の数々。

立て続けにダメージを食らい続けた雷門イレブンは少林寺、マックス、栗松、目金、染岡と負傷者が続出…とうとう控えメンバーさえも底を突き、たった10人で戦うことになってしまった。

「リフレクトバスター!!」

「ゴッドハンド改ッ!!おおおっっ!」

グワシャァァァァン!!

「うあああああ!!」

「ディバインアロー!!」

「爆裂パンチィィッ!!」

ドッゴオオオオオ!!

「ぐぅああーーっ!!」

さらに円堂の必殺技を軽々と弾き返し、次々とゴールに突き刺さる世宇子の必殺シュート。

ひたすらズタズタにされ続けた俺たちは、とうとう誰一人立ち上がることすら出来なくなってしまいまった。

「ぐっ…ぐぐ…!」

「まだ続けるかい?いや、続けるに決まってるね…では質問を変えよう、チームメイトが傷ついていく様子をまだ見たいのかい?」

「「「…う…う…」」」

(…かなわない…世宇子には、俺達のプレーが何一つ通用しない…!いつだって諦めたことなんかない…でも、もうダメなのか…本当に…何も出来ないのか…!)

どれだけボロボロになろうとも、自分一人だけなら円堂は絶対に勝負を捨てたりはしないだろう。しかし今円堂の目の前には、無惨な姿でフィールドに倒れた9人の仲間達がいる。

何よりも大事な仲間達に、これ以上酷な思いをさせることは円堂には耐えられなかった。

(必殺技が通用しなくても…俺一人ならぶっ倒れるまで戦う…けど、このままじゃみんな…みんな…)

「何を迷ってる円堂ッ!!」

俺は叫んだ。

「雷藤の言う通りだ…!まさか俺達のためにだとか思ってるとしたら…大間違いだ!!」

「最後まで諦めないことを教えてくれたのはお前だろう!!」

傷つき倒れた俺たちの姿を見て、試合を投げそうになっていた円堂…そんな円堂に叱咤の言葉を投げかけたのは、他ならぬ俺たち自身だった。

さっきまで一人残らずフィールドに倒れこんでいた俺たちは、円堂を立ち直らせるためにもう一度全員がよろよろと立ち上がった。

(なんて…なんてバカなんだ…!仲間を理由に諦めようとしていたのは俺だ…!俺自身だ…!信じてくれる仲間がいる限り…俺は何度でも立ち上がる!!)

決して最後まで諦めまいと再び世宇子への闘志を俺たちは表した。

だが現実は甘くなかった。

攻撃では俺・豪炎寺・鬼道の3人がかりでも世宇子のDF一人抜くことができず、守備では土門・影野・壁山の3人がかりでもアフロディ一人止めることができず…世宇子に比べて雷門はあまりに無力だった。

「ディフェンスは攻撃陣を徹底的に狙え!オフェンスは守備陣を!キーパーは重点的に!」

そんな中容赦ない指示を出し始めたアフロディ。

その気になれば点なんていくらでも取れるだろうが、あえて雷門全員を叩き潰して試合を終わらせる気のようだ。

立ち上がった俺たちも、世宇子の殺人技を受け続けてますますボロボロになっていった。

「これ以上見てられません…!」

「ダメよ、目をそらしちゃ…!」

「みんな必死に戦っているんだから…私達もその戦いから逃げちゃいけないわ…!」

公開処刑といった方が伝わるだろうか…あまりにむごいその光景に、マネージャー達も直視することすら耐えかねていた。

雷門イレブンが再び力尽きるのも時間の問題か…とその時、アフロディが意外な行動をとった。

なんと攻撃の真っ最中にわざわざボールを外に出して試合を中断し、全員ベンチに戻り水分補給し始めた世宇子イレブン。

「あれ、変じゃない…?全員同時にって…」

「確かに試合中の水分補給は重要だけど、試合途中に全員がベンチへ戻ってなんて見たことがない…」

「い、言われてみれば…」

「2人とも、来て」

そんな怪しい世宇子イレブンの様子を見て、あの水に何かがあることに気づいたマネージャー達。

すかさず水を運んできた連中を尾行して、その正体を突き止めようと後を追った。

「誰も中に入れるんじゃないぞ」

「はっ!」

そして心美達が辿り着いたのは、2人のガードマンに守られたいかにも怪しい部屋…あの水はここで作ってるみたいだった。

「うらやましいねぇ。私もアレを飲めば、君より強くなれるのかねぇ?」

「き、聞きましたか…?」

「ええ…やっぱり夏未さんの推理通り、あのドリンクには秘密があるんだわ…!」

そんなガードマンのうち、ちょっとヒョロヒョロして細い感じの男が漏らした「俺もあれ飲んでパワーアップしたい」という言葉。

それを聞いたマネージャーたちは、あの水が強力なドーピング剤であることをついに確信した。

「こ、こいつらを捕まえてくれぇーーっ!!」

「「「きゃああああああ!!」」」

「なに!?ま、まさか神のアクアを!」

そんなとき一人のガードマンが心美に気付き叫んだ。

あの水の扉を守っていたガードマン達も口封じのためにマネージャー達を追いかけ始めた。

「ふう…」

ところが、そんな3人目のガードマンの正体は鬼瓦刑事だった。

鬼瓦刑事は神のアクアの不正な事実を掴むために、扉の中へ侵入しようとマネージャー達に協力を頼んでいたのだった。今逃げているマネージャー達はガードマンを部屋から引き離す囮役…まんまとその作戦は成功し、鬼瓦刑事は扉の中へと進んでいくのだった。



──────────
「限界だね。主審」

「…試合続行不可能ということで、この試合世宇子中の…」

ところがその頃、世宇子の攻撃でまた全員が倒されていた俺たち雷門イレブン…。さすがに今度こそ限界か…、その光景を見かねた主審により、雷門イレブンの負けが宣告しようとしたときだった。

「ま、まだだ…!まだ…試合は終わってない…!」

「…!?」

しかしそれでも立ち上がり宣告をさえぎる円堂。
さらに円堂が立てばそれに続き俺たちを立ち上がる。

最後にはまた俺たち雷門イレブン全員が立ち上がった。

この驚異的なしぶとさの前にはさすがのアフロディも驚きを隠せないようだ。

「信じられないという顔だな…円堂は何度でも何度でも立ち上がる…!倒れるたびに強くなる…!お前は円堂の強さには敵わない!」
 
俺がそう叫ぶと、一時沈黙したアフロディは、怒りの表情を表し、翼を生やし飛び上がった。

「…では試してみよう、ゴッドノウズ!!」

容赦なくゴッドノウズを撃ちに行くアフロディ。

さっきから棒立ちでシュートを食らうがままの円堂では、今度こそゴールごと吹っ飛ばされてしまう。

ピピィィィーーッ!!

「…ふ、命拾いしたね」

しかしゴッドノウズが放たれるその瞬間、前半終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。

まさに九死に一生だ…。

なんとか後半まで繋いだ俺たちは、歩くのもやっとという様子でベンチへと向かうのだった。 
 

 
後書き
雷藤「ぐっ…!はあ…はあ…」
心美「お兄ちゃん…大丈夫…?」
雷藤「問題…ねぇよ…」
心美「……」 
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