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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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停止教室のヴァンパイア
  戦後処理×勝利の宴

黒鐵改が、ドウターゲートを消滅してから解除後黒神眷属とサーゼクス、ミカエル、アザゼルが集まってきた。少々疲れたが、三大勢力戦争のあの時よりかはマシだな。

「やったな!一ちゃん見事だったぞ」

「ああ、これでここはもう戦闘は無いだろう。サーゼクス、アザゼル、ミカエル、来てくれてありがとな」

「よせやい、俺達は盟友で飲み友だぜ。友達を助けないで何が友達だ、なあミカエル?」

「ええ。私達の力があればこの先もいけるはずでしょう。さて、そろそろ前線基地へ戻りましょうか」

「そうだな。黒神眷属の皆もご苦労さん、ありがとな」

「ご主人様のお力になれた事を嬉しく思います。では先に前線基地に戻らさせて頂きます」

そう言って、残ったのは俺達だけとなった。空間から、ジョッキを取り出してビールを注いだ。

「もしかしてこれは勝利の酒か?一ちゃん」

「そうだ。俺ん家にある酒だから美味いぞ」

「おっ、それはいいね。乾杯しようか」

「こちらも準備出来ましたよ。前線基地から貰ってきたつまみです」

『乾杯!』

コン、と音が鳴ってビールを飲み始めた。ミカエルからつまみを貰って飲んだ。

「はあ・・・・美味いな勝利の酒は」

「ほんとですね。いつも飲んでる酒のはず何ですけど、今日は一段と美味しいと思いますよ」

「そうだな。一ちゃんの奢り酒とは言え、これ程美味い酒は久しぶりだな」

「そろそろ朝のようだな。サーゼクス、今日は臨時休校にしないか?グラウンドがこの有り様だ。それに俺も一睡してないから眠い」

「その方が良さそうだね。一誠君の部隊を借りてもいいかな?正門を閉めて、臨時休校という説明をしなければならない。理由はそうだね・・・・不発弾処理にしようか。丁度軍隊いるからね」

「それはいいアイディアだ。分かった許可しよう、前線基地・・・・聞こえるなら応答せよ」

『こちらレイです。どうしましたか隊長』

「もうすぐ朝になるが、駒王学園を一日臨時休校にしようと考えている。俺ら一睡もしてないからな」

『そうですね。正門にいる隊員に伝えておきますし、門を閉めて誰も入らせないようにします。理由はどうしますか?』

「不発弾処理と言っておいてくれ。それと今までの戦いのデータは録ったか?」

『はい。全て録画しました、もちろん隊長達がビール飲んでる所も』

俺はビール飲んでたら、吹き出した。ゴホゴホと咳き込みながら、ミカエルに背中を叩かれていた。余計な所まで、撮りやがって何してるんだレイの奴は。

「一ちゃんどうした?いきなり吹き出して」

「俺達が乾杯してる所まで撮ったらしい。そこまでは録るなよな」

「ああーそういう事か。私が一誠君だとしても吹くと思うよ。さて私は正門の所に行ってくるが、ここの理事長だからね」

ジョッキを返却し、サーゼクスは飛んで行った。ジョッキを空間にしまって、2杯目のビールを注いで飲んだ。2杯目を飲んだ俺達は、前線基地に帰還後、ミカエル達に今夜人間界本家に来てくれと誘ってから、天界とアザゼルが所有しているマンションに戻って行った。

ブラック・シャーク隊は、正門にいる隊員以外は仮眠したり食事をしたりしていた。俺?俺は、前線基地で報告書を作成していた。主に三大勢力の会談での報告書に、IS部隊隊員達は、人間界本家に帰還した。トレミー1・2・3番艦は、それぞれの所へ帰還した。

副長と地上部隊は、正門の方に回して交代制にした。地上部隊は八百人いたからな。まだ仕事をしてたが、部下が撮った動画を編集したり、いらない所をカットしたり三大勢力の会談用と保存用に分ける作業をしていた。パソコン画面と睨み合って、2時間が経過してたら部下が声をかけてきた。

「隊長、無理しないで下さい。一睡もしてないと聞きましたが」

「大丈夫だ。こういう事はよくある事だし、部下からの報告書も読まないといけない。やる事は一杯だよレイ」

「まあ確かにそうですよね。私達はやった事を報告をするだけで、隊長曰く司令官は私達の報告書を読んだり書類整理や部下が撮った写真や動画のチェックとかもでしたよね。あっそうそう、これ目が覚めると思ってコーヒーを用意しました、隊長の好きな微糖ですよ」

「ありがとう。早速飲ませて頂くよ。美味いな、これでまたやれそうだ。レイはもう仮眠しのか?」

「はい。通信兵でしたからね、緊張が解けたらすぐ寝れましたよ。今は隊長の様子見をするように、と副長から言われてきました」

「そうか。今はお昼か、昨日の夜から何も食べてなかったな。戦闘に集中しすぎたか、レイはもう昼食は食ったのか?まだなら一緒に行かないか?」

「勿論です。その為にここへ来ましたから」

俺は作業を中断して、編集中の動画を上書き保存して暗証番号を入れてから電源を切った。コーヒーを飲み終わった俺は、カップを机に置いてレイと一緒に仮設テントへ向かった。仮設テントに入ると良い匂いがしたが、どこかで食べた匂いがしたので厨房に行ってみると帰ったはずの華琳がいた。今は料理中だったが、俺に気づくと調理をやめてこちらに来た。

「やっと来たわね一誠」

「やあ華琳。人間界本家に帰ったかと思ったよ、ここの料理長でもしてるの?」

「ええそうよ。ちょうど来る頃かと思って作っていたから、そこの机で待っててくれないかしら。勿論レイの分も作ってあるから」

俺達は言われた場所へ行くと回復組の桃香達がいたが、俺に気付くと桃香や黒歌がこっちに来て抱き着いてきた。桃香・朱里・雛里・月・璃々・小蓮・大喬&小喬・光姫・由佳里・黒歌も、それぞれ人間界と次元の狭間に戻ったと思った俺だったが検討違いのようだ。しばらく経つと華琳と流琉が運んで来たが、皿を見たら俺の大好きなカルボナーラだった。

「俺の好みのものだな。とても美味しそうだ、皆は何を食べているんだ?」

「私は、和食だよご主人様」

「わたしもだよごしゅじんさま」

桃香達は、ご飯と味噌汁とエビフライ。俺はチーズをかけて、スプーンとフォークを取り出して一口食べた。美味しいカルボナーラだが、華琳が作ったのだから美味いに決まっている。食後のケーキも美味しかった。ワゴンを4つ運んで来たが、見たら軽食13個があった。

「華琳、それどうした。どこか運ぶのか?」

「仮設テントにある病室へ運ぶのよ。グレモリー眷属とシトリー眷属の食事よ」

「アイツらか。そういえばあの後どうしたんだ?」

その質問に答えてくれたのは桃香だった。何でもグレイフィアが運んできて、瀕死状態のアイツらを桃香率いる回復組により回復させた。アーシアもいたが、まだまだ力不足なので桃香達が回復を行った。仮設テントに、病室として使って簡易ベッドを使って13名運んだ。

血が足りなかったから輸血もしたとの事で、その為先程まで気絶状態だったが、グレイフィアから連絡が来て皆が目覚めたから軽い食事を作って欲しい、と言うオーダーが入ったんだと。だからワゴン4つ用意した。

「なるほどな。そのワゴンの1つは俺が運ぼう。桃香と黒歌も来るか?」

「もちろん行きますよご主人様。朱里ちゃんも行こうよ、一応私達が回復させて治療したから」

「もちろん行くでしゅ」

「私も行くにゃ。白音の様子見としてだけど」

俺と桃香・朱里・華琳・黒歌が行く事になったので、ここからレイと別れて仮設テントである病室に向かう。ワゴンは、俺・桃香・朱里・華琳で運んだ。黒歌は、俺にピッタリくっついて歩いてた。少々歩きにくいが、しょうがないと思いながら入って行くと目覚めたのか看護師が、バイタルチェックをしていた。俺達を見たグレイフィアは、立ち上がってこっちに来た。

「一誠様、仕事は大丈夫なのですか?先程チェイン様が来られましたが、一誠様が仕事に夢中で気づいてくれないと仰っておりました。まだ睡眠も取ってないと言ってましたが大丈夫ですか?」

「今の所はな。コーヒー飲んで、昼食を食べたからもう少ししたら仮眠を取りたい。それよりリアス達はどうだ?」

「お蔭様で。劉備様達のお蔭で、瀕死状態から回復致しました。ありがとうございます」

「いえいえ、私達はご主人様の指示に従っただけだから。ご主人様から聞きましたが、許可なく戦闘をして自業自得で敗戦したと聞きました。ですが私達は、回復役であり世話係なので気にしなくていいですよグレイフィアさん」

「そうですか。お食事を運んで来たようですね、一誠様は座っていて下さい。私達で配りますから」

俺が運んできたワゴンを、グレイフィアに引き継いでリアス達に食事を配り始めた。桃香・朱里・華琳も配り始めたので、俺は近くにある椅子に座って様子見。次々と運んで行ったから流石グレイフィアだな、と思いながら見ていたらリアス達と目が合った。

リアス達は、顔を曇らせながら配られた食事を食べていた。全員輸血と点滴をしていたが、見た目はもう大丈夫だろうが内心はまだかな?と思いリアスに近づいた。

「やあリアス。敗戦してどうだった?俺の許可無しに戦った感想は」

しばらく無言だったが、代わりに小猫ちゃんが答えてくれた。ちなみに黒歌は小猫ちゃんに食事を食べさせていた。

「・・・・強かったです・・・・戦って後悔しました。・・・・どうして一誠先輩の許可無しに戦ったんだろうと・・・・でもリアス部長とソーナ会長は私達なら勝てると言って私達を連れて・・・・そして戦いました」

小猫ちゃんは、下を向きながら話してくれた。小猫ちゃんの元へ向かい頭を撫でた、小猫ちゃんは、一瞬ビクッとしたが撫でると途端に頬が赤くなっていた。

「お前らは悪くない。そこにいるリアスとソーナが悪いからな、歩けるようになったら反省文を書かせる。それとちょっとした罰金をもらわないと、俺らは気が済まないからな。リアスとソーナ以外全員不問とするが、お前達は『王』に従っただけだ」

俺が罰金の事を言うとグレイフィアが反応した。リアスとソーナもな、許可なく戦闘開始したんだ。それ相応のを貰わないと俺の気が済まない。

「罰金とはいくらくらいでしょうか?」

「リアスとソーナを合わせると1億かな、片方5千万と考えるが。お前ら個人で払える額ではないと理解しているが、こっちは軍人で多額の額を使ったから当然だと思うぜ」

俺が億と言ったらリアスとソーナは固まり、下僕達は騒然していた。学生では有り得ない額だったが、こちらは大人だ。それに弾一発いくら掛かってると思っているんだこいつらは?対人戦用じゃなくて、対ドウター戦用だから高い弾を何万発も撃ったんだ。医療費込で輸血代とか回復代と消費税とかな。

「それは冗談では?」

「冗談言ってる程、面白く言った訳ではないぞ。サーゼクス」

いつの間にか病室内にサーゼクスがいたから、俺は気にせず答えた。対してリアス達は驚いていた。

「お、お兄様!」

「やあリアス元気そうで何よりだ。尋問と言うO・HA・NA・SIが、あるから覚悟しといてくれたまえリアスとソーナよ」

サーゼクスは、笑って言ったが目が笑っていなかった。怖ええよサーゼクス。気になったが、O・HA・NA・SIって何だよ。ツッコミ入れたいが、話が脱線しかけたので俺が元に戻した。

「サーゼクス、それは後程にしてくれ。今は謝礼金について話してるんだ、別にリアスから出す訳にはいかないからケルディムかサーゼクスに払ってもらう。学生であるお前らではこの額は払えまい」

「確かにこの額では、リアス達だと払えない額となるから私か父上なら楽に払える。今回は私が払おうじゃないか、この小切手を銀行に持ってけばすぐにもらえるだろう」

サーゼクスは、懐から小切手を取り出して書き出した。書き終わるとこちらに渡してきたが、確認すると内ポケットにある財布にしまった。

「確認した・・・・あとで人間界本家にいるメイドに渡すか。正門の方はいいのか?」

「ああその事かい?ほとんどの生徒は、私や君の部下から説明して帰って行ったよ。代わりにメディア達が沢山来たが、人払いの結界を張ってある。中に入れないようにしておいたよけど、君はどうするんだい?」

「まだ仕事が残ってるから、それが終わったら寝る。今夜人間か本家に来てくれサーゼクス。ミカエルとアザゼルが、勝利の宴にと冥界産や天界産の酒を持ってくると言っていた」

「そうなのかい?ならぜひ行かせてもらうよ。それとリアス達の事は、私に一任せてもいいかね?」

「本来なら俺達が裁判をするが、リアス達は悪魔だから裁けないから任せる。謝礼金も貰ったからな」

病室を出てから、前線基地に戻りパソコンの電源を入れて仕事を再開。撮った動画を編集させて、人間界本家にいる隊員を呼んで、サーゼクスからもらった小切手を渡して隊員達は銀行に行った。俺は、いつの間にか爆睡していたと後で聞いた。

パソコンの電源は落としてあるから、問題はないけどベッドじゃなくて床で寝てたらしい。こっちに来た桃香達が、俺を見つけて悲鳴が聞こえたらしく部下が来たら悲鳴は収まった。悲鳴でも気付かない程寝てた俺だったので、部下達は桃香達に説明させて納得。毛布をかけて静かに出て行った、と後程聞いた話である。

気付いた俺は、人間界本家にあるベッドで寝ていた。多分愛紗達が運んでくれたのだろう。起き上がると、外はもう夜になっていたから部屋にあるシャワーを浴びて着ていた戦闘服から部屋着に着替えてリビングに行く。サーゼクス達がいたので、俺に気付いたアザゼル達が近寄ってきた。

「やっと起きたか一ちゃん。もう起きてこないかと思ったぜ」

「しょうがねえだろう。こっちはまともに寝てなかったし、そっちはいいがこっちは人間だ。眠いに決まってるじゃないか」

「それはそうですが、お酒飲みましょうよ一誠さん」

「ああミカエル。コップをくれサーゼクス」

「乾杯しよう。ミカエルにアザゼル」

『かんぱーい!』

寝起きの酒は美味い、サーゼクスと話をしてたらどうやら尋問と言うO・HA・NA・SIを済ませたらしいな。どういう尋問だったのかについては、聞かなかったがアザゼルによると冷や汗をしながら震えていた。恐怖心を抱いたのか?と思いサーゼクスに聞いたら、魔王の覇気を浴びせたようでリアス達は終始恐怖を抱いたとな。

「それはそれでお疲れだなサーゼクス。お前の覇気とはどれくらいだ?」

「一誠君とは大違いだけど、それなりの覇気を浴びせたよ。覇気を出すのは久しぶりだったけどね、これで妹達は一誠君の命令には聞いてくれるだろう。一誠君は人間であり神様でもあるから、命令違反は二度としないと誓約書を書かせたよ。今頃反省文でも書いているんじゃないのかな」

「ははは、そうだろうな。始まりの神とも言われている創造神だからな」

「神でも人間でも、どちらでもいいじゃないですか一誠さん。あなたは人間であり、この世界を守ってくれた恩人でもあるんですよ」

「そうだなミカエル。一ちゃんが、神だろうと人間であろうと関係ねえ。俺達は盟友であり、仲間でもあるんだからな」

ミカエルにアザゼル、良い事言ってくれるじゃねえか。流石俺の友だなと再確認した、リビングで少量ずつ酒を飲みながら話している。周辺にはグレイフィアとガブリエル、堕天使の副総督と幹部だからなのか三大勢力に属してる奴らだらけだ。

これを見た各勢力は、どう思うか楽しみだぜ。人間界本家にはBSメイドがいるし、通信兵もいるから天界と冥界と人間界に何かあったら通信できるようにしてある。

「そういえばサーゼクス、もうすぐ授業参観だがグラウンドとかはどうするんだ?まだ傷だらけ何だろう」

「それなら心配ないよ、こちら側の土木関係の仕事をしている悪魔に頼んで大急ぎで修復してもらったから大丈夫だよ。授業参観は、私や父上も出席するから楽しみ何だけどね。妹の授業風景を見たいし」

「そうなのか。ケルディムが来るのか?」

「そういえば一誠君の親を見た事ないね、どこにいるんだい?」

「そういえばそうだな。一ちゃんどうなんだ?」

「ですね・・・・三大勢力戦争前から知らないですけど、どうなんですか?」

「・・・・・」

俺は、無言のままリビングを出てベランダに向かった。サーゼクス達は、慌てて俺を追おうとしたが愛紗が止めてくれた。ありがとな、愛紗。

ーーーーーアザゼルside

「どうして止めるのだ関羽殿」

「その事についてお話があります。ご主人様の両親について何ですが、グレイフィア様とガブリエル様はご主人様の所へ行って下さい。理由に関しては、ご主人様から語ってくれますから」

グレイフィアとガブリエルは、一ちゃんの後を追った。どう言う事だ?

「サーゼクス様・アザゼル様・ミカエル様、ご主人様には両親がいないのです。三大勢力戦争前々から」

「何だと!?だが奏さんがいるじゃないか、と言う事は奏さんの親はどうなんだ?」

「奏様の親は、既に消失しております。ご主人様が駆け付けた時には、破滅の道に進んだ世界にただ一人いたそうなのです。その前から、ご主人様の親がいるという事は聞かされておりません。今思うと、最初から存在してなかったとしか考えられません」

そんなバカな!?一ちゃんにそんな過去があった何て、俺達はとんでもない事を言ってしまったのかもしれない。一ちゃんで言えば、禁句かタブーな話だったかもしれんからあとで謝らないといかんな。

「という事は、私達はとんでもない事を言ってしまったという事ですね。サーゼクス、アザゼル」

「そうだな・・・・そういえばさっき授業参観だと言ってたが」

「親の代わりとして私達が行っております。先程の一言によって思い出したのでしょう。悲しみに囚われてると思い、グレイフィア様とガブリエル様に行かせたのです。ご理解頂けましたでしょうか」

そうか。そんな過去があった何て・・・・一ちゃん周辺は温かいと思っていたが、そんな冷たいのがあるとは泣かせるぜ。

「ではこのような事はどうでしょうか?」

いきなりミカエルからの申し出があったので聞いた。

「サーゼクス、貴方の親を一誠さんの養父と養母にする事は出来ませんか?」

「それは出来なくもないが・・・・なるほど。そういう事なら私も同感だ、グレモリー家は下僕の事を慈愛として見てるからもしかしたら上手くいくかもしれないね」

その手があったな。だが一ちゃんは納得してくれるだろうか?いきなり養父と養母が現れると困惑するんじゃないか?サーゼクスの両親だと上手く行くかもしれんな、確か三大勢力戦争前に会っていると聞いていたし、その時から盟友のようだったとな。

「今から通信するから、静かに頼むよミカエル、アザゼル」

俺達は無言で頷いて、サーゼクスは小型魔法陣で連絡した。結果はOKとなり、早速サーゼクスの母親が人間界本家に来る。おいおい早いな、と思ったらインターホンが鳴った。関羽殿が行った後、戻るとトランクを持ったサーゼクスの母親であるヴェネラナ・グレモリーが現れた。

「母上、何も今すぐでは早すぎるのでは?」

「あらそうかしら?一週間後に授業参観があるから、私は一誠さんがどんな生活を送ってるか知りたいのよ。そういえば貴方達は?」

「私はミカエル、天界で天使長をしている者です。よろしくお願いします」

「俺の名はアザゼル、堕天使の総督をしている。よろしく頼むよ、サーゼクスの母親殿」

俺とミカエルが挨拶したら、驚いたのかサーゼクスと小さい声で話をしていた。あれが家族会議って奴なのか?数分後納得したのかこちらに戻ってきた。

「驚きました、まさか一誠さんに天界側と堕天使側のトップと盟友とは。初めまして、私はヴェネラナ・グレモリーでありサーゼクスの母親です。サーゼクスから聞いた時は驚きましたが、一誠さんはそのような冷たい過去があったのですか。関羽さん」

「はい。ご主人様は今頃庭にいると思います。側には、グレイフィア様とガブリエル様がいるのでご安心下さい」

「そう。それより私の部屋はどうなっているのかしら?」

「今、メイド達が清掃をしているので、今しばらくお待ち下さい」

「分かったわ。それより貴方達はさっきまで何をしていたの?そこにいるのは、堕天使の二人のだけれど」

俺の後ろにいるシェムハザとバラキエルに目を向けたら、いつの間にか酔って寝てしまったようだ。俺はヴェネラナに、勝利の宴だと伝えた。勿論対ドウター戦で。一ちゃんを心配していたが、サーゼクスが詳細を言っていたので安心したように見えた。その後一緒に酒を飲んでいたら、一ちゃんが戻ってきた。

「心配かけてすまんな・・・・ん?何故ここにヴェネラナがいるんだ?」

「お久しぶりですね一誠さん。貴方の冷たい過去を聞きました、ミカエルとサーゼクスの案により私は貴方の養母になります。しばらくの間だけど、よろしくね一誠さん」

「え?・・・・なるほど、ミカエルとサーゼクス。お前ら良い案出したが、確かにその通りだ。俺に家族はいるが、実の両親はいないからな。ヴェネラナが母親になってくれるのは嬉しいぞ、ヴェネラナいや母さんと呼んだ方がいいのか?それとも養母さんなのか?」

「ええ。それと養母さんじゃなくて母さんでいいわよ。授業参観がある一週間前から来たのよ。しばらくの間よろしくね一誠・・・・やはり呼び捨ては無理だから、さん付けでいいかしら。私より年上ですものね」

抱きついた一ちゃんとヴェネラナさん。一緒に飲んだ後、一ちゃんは明日学校があるからと先に寝てしまった。我々も事後処理があるので帰る事にしたが、グレモリー卿にはヴェネラナさんが言っておくと行ってしまった。

サーゼクスからも伝えておく、と言ってグレイフィアと一緒に帰った。ミカエルも魔法陣で帰っていったので、俺はシェムハザとバラキエルをバケツで水を顔にぶっかけて強制的に起こさせてから帰った。 
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