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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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こうして僕は異世界に呼び出されました

 可愛い女の子の弱いのは、別に僕だけではないと思う。
 日曜日という高校が休みのこの日。
 今日はたまたま友達が数人風邪で寝込んでしまい、予定が何一つなかった。

 かといってこの青い空が広がり、冬が近づいているのを感じる秋の風は少し寒さを感じるけれど、夏ほどの日差しの強さは無くて歩きやすい。
 そんな理由から僕は、着替えて外を散歩する事にした。
 道の左右に一戸建てが立ち並ぶアスファルトの道を歩いていく。
 
 今日は何処に行こうか、昔釣堀があった池のある公園の遊歩道をぐるりと一周してくるかなと僕は気楽に歩きだす。
 こんな天気のいい日なのに外には誰もいなかった。
 今日はこの公園を一人占めだなと思っているとそこで目の前に何かが落ちてくる。
 
 それは赤い石の様だった。
 以前見せられたカットされていない原石の紅玉、それを親指くらいにした物の様に見えた。
 でも本物だったら高いだろうからガラスかな? と思いつつそれを拾い陽の光にかざす。
 
 赤い輝きの中に、薄く青い色が見える。
 更によく見ようとかざすと、白い花とつるの様な模様が見える……気がする?

「あれかな? 透明なプラスチックの様な物で花が入っているのかな?」

 もしかしたなら女性の物が何かの間違いで飛んできたのだろうかと思う。
 けれど周りは人っ子人おらず、民家も木々に隠れて見えない。

「これ、何処から飛んできたんだろう。まさか空から落ちてきたとか? 隕石?」

 冗談めかして呟いた僕が空を見上げると、青空が広がっていた。
 何処までも深く高いその空を見上げながら僕は、そのまま凍りつく。
 僕の視線の先にはゲームやファンタジーのイラストで見かける様な光り輝く魔法陣がこの先ほど拾った石のような赤い光を放っている。

 一体何が起こるんですか、と茫然と僕が思っていると更にその輝きが眩しくて目を開けていられない。
 思わず瞳を閉じる僕。
 やがて、瞼を閉じても眩しいその光を感じなくなったので僕は恐る恐る瞳を開いた。

 先ほどまでいたのは公園だった。
 池の畔の遊歩道を、時折池の中で泳ぐとても大きく丸々太ったニシキ鯉が泳いでいるのを眺めながら歩いているはずだった。
 そしてもう少し歩くくと休憩所らしいベンチと雨宿り出来る様な屋根のついた休憩所があり、そこには自動販売機もおかれていたはずだ。

 だが今僕の前にあるのは何だろう。
 そこは部屋だった。
 だがベッドやら何やらが女の子らしい可愛さに満ちている。
 
 どうやら女の子の部屋に来てしまったらしい。
 そう僕が思っているとそこで声がした。

「こんにちは。私が貴方を召喚した、レイアです」

 すんだ鈴の様な少女の声に僕は振り返る。
 そこにはファンタジー小説に出てくるような格好の……無表情の杖を持った少女がいたのだった。

 
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