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魔界転生(幕末編)

作者:焼肉定食
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第21話 決着・岡田以蔵

刃の玉と化した以蔵は容赦なく土方に襲いかかった。
(くそ、くそ)
土方は馴れない西洋甲冑と以蔵の攻撃で息が上がり始めていた。
「全員、家中を脱ぎ積み上げろ。そして、全員で抑えているんだ。それまで俺がこの化け物を引き付ける」
土方はこれしかないと思い隊員に叫んで思い体に鞭をうち、走り出した。
「ハハハ、逃がさんぜよ」
刃の玉のスピードの方が断然土方よりも速くすぐに追いつかれた。が、土方はなんとか以蔵の攻撃を交わしながら街を駆け回った。
(もうすぐだ。あの球を甲冑の山で防御してやる。そして、こいつをくらわせてやる)
土方は刀状の棒を抜いた。それこそ、この戦いの切り札。
(あった。よぉーし、来い、岡田。ここで貴様の息の根を止めてやる)
隊員たちが積み上げた鎧の山が見えてきた。が、以蔵も土方の後ろへ迫って来ていた。
(未だ!!)
土方は横に飛び去ると以蔵は鋼鉄の山へと突っ込んでいった。
ガリガリガリっと嫌な音が響いた。土方は高速回転する刃の玉目掛けて走りだし、棒のスイッチを押すと同時に玉に向かって投げ入れた。
ガチャンガシンガリ。
甲冑もろとも以蔵の刃がその棒に向かって吸い寄せられていく。
「な、なんぜよ、これはぁーーー」
以蔵は驚愕の声をあげた。
「わしの刀が、わしの刀がぁーーー」
以蔵は刀を取ろうと必死にもがいた。が、その一瞬後頭部から眉間へと貫通した刃を見て取れた。それは、土方の必殺の付きだった。
当然、土方も西洋家中を着てきたのだから、磁石に吸い取られそうにはなった。が、その勢いを利用して以蔵の背後から頭めがけて渾身の一撃をくらわせたのだった。
「落ちろ、岡田以蔵。もう2度と現れるな」
土方は以蔵の頭部をえぐった。
「ぎゃぁーー!!」
以蔵は断末魔をあげてこと切れた。それと同時に以蔵の体は一瞬で灰となり消え失せていった。
(勝った。が、しかし、この後どうしたものか?)
土方はまた苦笑いをするのだった。

武市は無くした薬指に痛みを感じ、そこに目を移すと薬指が生えているのに気づいた。
(以蔵、敗れたか)
武市は空を見つめた。以蔵への追憶なのか。が、そうではなかった。
(フフフ、たとえ、以蔵が敗れても私の計画はもはやとまらぬ)
武市は空に向かって狂笑するのだった。
 
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