| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

あの太陽のように

作者:黒ノ双剣
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

1話

人が過ごす最低限のもの、一部の娯楽機械があるだけの、無味乾燥な部屋。
俺は1人ベットの上でゴロゴロしていた。

「あぁぁぁ…暇だぁぁぁ…」

暇だけどなぁ…何もしたくねぇ…。
むしろすることなんてねぇ…。

とりあえずテレビでもつけよう。暇すぎて精神がおかしくなる。

リモコンを手繰り寄せ、電源を入れる。
表示されたのは夕方ワイドニュース。

『昨夜、サッカーの名門校、雷門中が少年サッカー日本一を決める大会、ホーリーロードにて優勝しました』

雷門中、かぁ。

「ん?」

見覚えのあるトンガリ頭の少年が映っている。
背番号は10番。

「おぉ…さすがエースストライカー」

優勝してくれてよかったようん。
ファイアトルネードダブルドライブかっこよかったなぁ。

「サッカーねぇ…」

サッカーは嫌いじゃない。むしろ好きなほうだ。それもかなり。
両親も、外出するのこそ禁じやがるが、趣味についてはとやかく言ってこないようだ。
まぁ、言ってきたら言ってきたらで、ブチギレそうなものだ。俺が。

雷門中は俺が一応在学している学校でもある。
無論、教室はおろか校内にすら入ったことがない。クラスメイトになんて会ったこともない。
病院の外に出られない。

試合をテレビで見る度に思った。
『サッカーがしたい』と。
1度でいいから、ボールに触って、あちこち走り回ってみたい。
無理ってことはわかってる。どうせ言ったところで、俺の今の行動範囲を狭めてくるだけだ。

…あぁ、そうだ。
ちょうどこの時間ならリハビリも終わってるだろうな。

おめでとうって、言ってこないと。

俺はテレビを消し、病室を後にした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧