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愉悦神父の息子のSAO

作者:神納豆
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《ソードアート・オンライン》

 
前書き
どうも初めましてゲルマニウム神です‼︎

始めての投稿です!

よろしくお願いします。

では、どうぞ‼︎ 

 
薄暗い洞窟の中、何処からか金属のような硬いものがぶつかり合う音がする。

その音は神父の様な服装の青年の剣と、トカゲの様な怪物ーーリザードマンロードーーの剣がぶつかり合う音のようだ。

彼らは何度か剣を打ち合わせた後、お互いに離れ青年は両手に三本ずつ挟んでいた剣ーー黒鍵(こっけん)ーーを収めると何かの武術の構えをとった。

リザードマンロードは剣を収めた青年に向かって剣を輝かせて何かの技ーーソードスキルーーを発動させ、突進していった。

青年はものすごい速さで迫ってきた剣をスレスレで避け、懐に飛び込み腹に強烈な拳撃を叩き込んだ。
攻撃を受けて吹き飛んだリザードマンロードは壁にぶつかり、無数のポリゴン片になって爆散した。

リザードマンロードを倒した青年——コトミネ——はゆっくり息を吐き構えをといた。

「ふぅ、そろそろ帰るかな」

彼がいる場所はアインクラッド第七十四層迷宮区。アインクラッド攻略において最前線と言われている場所だ。

現在午後4時そろそろ戻らないと夜になってしまう。
出口に向かって歩き出した時、彼はふと二年前、このデスゲームが始まった日の事を思い出していた。


























二年前


2022年11月6日


side コトミネ

『ソードアート・オンライン』

天才的な頭脳を持ったプログラマー茅場晶彦によって制作されたVRMMORPG。
自らの体と武器で百層ある浮遊城《アインクラッド》を攻略していくというゲームだ。
初回ロットがたったの一万本しかなく、発売された瞬間に即完売となっていた。

俺——言峰紫苑——は最初このゲームには全く興味もなかった。ならなぜ俺がSAOにログインしているのかというと——
「まさか、あの父さんがゲームを送ってくるなんてな」
そう、俺の父親——言峰綺礼——がSAOとナーヴギアを送ってきたからだ。

今まで、神父に必要なのか分からない戦闘術しか教えてこなかったあの父親がだ。

荷物と一緒に届いた手紙には、
『修行ご苦労だった。それは私からの労いだ、楽しんでくれ。
 PS,私の友人もそのゲームをすると言っていた。もし会ったらよろしく言っておいてくれ』
と書いてあった。
この手紙を見た瞬間本当にあの父さんが書いたのか自分の目を疑ったよ。
「そう言えば父さんが言ってた友人って誰だろう?………まぁいっか、そのうち会えるだろ」
そう言って俺は周りを見ながら歩き始めた。

「しっかし、本当に良くできてるな。本当と見分けがつかん」
第一層の始まりの街の街並みのクオリティはとても高いものだ。

「おーい。そこのお前ちょっと待ってくれよ」
近くでそんな声が響いた。自分が呼ばれたと思い、周囲を見渡してみる。
すると赤い髪の男が黒い髪の男に話しかけているのが見えた。
「もしかしてお前ってさ、ベータテスターか?」
「あ、ああ。そうだけど、何の用だ?」
「俺、今来たばっかでよ、ちょいとれくちゃーしてくれよ!」
と、そんな会話が聞こえてきた。
(ベータテスターか。確か、ベータテストってのに参加してた奴らのことだよな。なら他の人よりかはこのゲームについての情報を持っているってことか。おれも教えてもらった方が良いかもな)
「なら、今から武器屋行くか」
「おうっ」
「なぁ、ちょっといいか」
「ん?」「あ?」
「呼び止めてしまってすまない。あんたら今から武器屋に行くんだろ?」
「ああ、そうだが」
「俺も一緒に行っていいか?」
「俺は別に構わないけど」
「俺もいいぜ」
「ありがとう。俺はコトミネって言うんだ」
「そういや自己紹介がまだだったな。クラインだ、よろしくな!」
「俺はキリトだ、よろしく」
そうして俺は赤い髪の男ーークラインーーと黒い髪の男ーーキリトーーと一緒に武器屋へと歩き出した。
















場所は変わって、今は《始まりの街》周辺の草原にいる。
武器を買った俺たちはキリトから先頭の手ほどきを受けるためにこの草原にきた。
今はクラインが武器屋で買った海賊刀(カトラス)を手に青いイノシシ——フレンジーボア——を相手にしている。
「せいっ……おりゃっ……どわあああっ!」
剣を振り回しているがフレンジーボアにあたらず、逆に強烈な突進を受け草原を転がっていった。
「ははは……違うよ。大事なのは初動のモーションだ、クライン」
「って〜。くそぅ」
「大丈夫か、クライン」
「おう、大丈夫だ。けどようキリト……あいつ動きやがるしよぉ」
「当たり前だ。カカシじゃないんだから。でも、ちゃんとモーションを起こせばシステムが技を命中させてくれる」
「モーション……モーション……」
そうぶつぶつ言いながらクラインは手に握っている海賊刀を振っていた。
「さて、そろそろ俺も戦うか」
そう言って俺は近くにいたもう一体のフレンジーボアに向かって走り出した。
気付かれないように近づき、その横っ腹に蹴りを叩き込む。
吹っ飛ばされたフレンジーボアは俺が近づく前に起き上がり、こちらに向かって突進してきた。
その突進を右に避け、剣を肩にかつぐように構えて、突進を終えて動きの止まったフレンジーボアにソードスキル《スラント》を命中させた。
フレンジーボアの断末魔を聞きながら俺は戦闘中に感じた違和感に首を傾げていた。
「うーむ……」
「どうしたんだ?コトミネ」
「何ていうか、リアルで武術をやっていたせいなのかな。なんか武器とかソードスキルが俺と相性が悪いみたいだ」
「大丈夫なのか?」
「戦う分には問題ないが、何か気持ち悪くてな。体術スキルとかないのかな」
「さあな。まぁこの先お前に合う武器が出てくるかもな。体術スキルもあったりして」
「もしあったら教えてくれよ、キリト」
「ああ、もちろんだ」

そうやってキリトと話していると——
「うおっしゃあああ!」
というクラインの雄叫びが耳に入ってきた。
どうやらクラインもフレンジーボアを倒したようだ。
満面の笑みを顔に浮かべながらハイタッチしてきたので、それに応える。
「おめでとう、でもそいつ雑魚中の雑魚だけどな」
「マジで!?おりゃてっきり中ボスかなんかだと」
「周りを見てみろよ、クライン。中ボスがうじゃうじゃいるぞ」
クラインは周りを見て肩を落としていたけれど、顔を上げて同じソードスキルを繰り返し始めた。

「もう少し狩り続けるか?」
「いや、一度落ちてメシ食うわ。ピザが五時半に届くんだよ」
「そっか。コトミネは?」
「俺も一度戻るわ」
「あ、そーだ。キリト、コトミネ、フレンド登録しねぇか?メッセージとか飛ばせて便利だしよ」
「へーそんな機能あんのか。俺はいいぜ」
「あ、ああ、俺もいいぞ」
そうして俺たちは互いをフレンド登録し、これからの楽しいゲームが続くとばかり思っていた。



しかし



「あれっ、ログアウトボタンがねぇ」




もうすでにこのゲームは遊びではなくなっていた。 
 

 
後書き
批評、感想よろしくお願いします。 
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