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ドリトル先生と森の狼達

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第十二幕その十

「僕はそうなるね」
「そのことについても何か思うことは」
「いいね、サラも結婚してご主人がいて子供もいて」
「義理の弟だからっていってもなのね」
「悪い感情はないよ」
「公平なところも変わらないわね、その兄さんなら」
 サラはまたお茶を飲みはじめて言いました。
「きっともっと幸せになれるわ」
「またそう言うんだ」
「ええ、本当にもっと幸せになってね」
「サラ最近何かと世話焼きになったね」
「昔からよ、何だかんだで兄さんじゃない」 
 サラにとってはかけがえのない、です。
「それなら当然のことよ」
「そうなるんだ」
「そうよ、じゃあいいわね」
「その幸せ見付けようかな」
「もう言葉としては知ってるから後は実感するだけよ」
「言葉では知っている」
「ソクラテスの言葉よ」
 またこう言うサラでした、その手元には日本の新聞が開かれていてニホンオオカミ生存の記事があります。ですがそこに先生の名前は書かれていませんでした。今サラの目の前にいる出会ってお話をした人はあえてそうしたことを望まず今は幸せについて考えていました、妹とお話をしながら。
「そういうことでね」
「ソクラテスねえ」
「そうよ、ソクラテスよ」
「何か狼のお話からソクラテスにもなるなんてね」
「それもまた面白いことじゃないかしら」
「悪法もまた法なり」
 先生はソクラテスのこの言葉も出しました。
「そして良法もまた法なり」
「そんな言葉ソクラテスは言ったかしら」
「いや、僕の言葉だよ」
 先生は笑って答えました、それが狼さん達を守ってくれるものであることを知っているからです。人が作ったそれが。そうしたことをお話しながら妹さんとはこれまで通り普通の兄妹の会話を楽しむのでした。


ドリトル先生と森の狼達   完


                        2015・5・11 
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