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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another71 月のない夜には背後に気をつけよう

 
前書き
特訓中 

 
異空間のファイル島でメタルグレイモン達とメタルグレイモン達の影が激闘を繰り広げていた。
太一達も必死にパートナーを応援するが影達が僅かながら優勢な感じがする。

太一「何かあいつらメタルグレイモン達より強くないか!!?」

ミミ「同じ実力なのにどうして!!?」

ミミの当然な疑問にルカが答えてくれる。

ルカ『それはですね、影のメタルグレイモン達は感情がない。つまり“恐れ”や“恐怖”と言った物がないからダメージが蓄積しても常に全力全開でやれるんです。しかし言い替えてみれば、影の力があなた方のパートナーデジモン達の持つ本来の力です。』

丈「僕達の…ズドモン達の本来の力…」




































ルカ「(やはりこういう点ではユニゾンエボリューションには劣りますね)」

ユニゾンエボリューション…融合進化はパートナーデジモンがダメージを受けると、融合しているパートナーにもダメージが入るというデメリットはあるが、通常の進化よりも心のシンクロ率が飛躍的に上がり、パワーアップも通常の進化より高いというメリットがある。
しかし戦いに関して素人である太一達が融合進化をしたところで自分達のようなパワーアップは見込めない。
前世の大輔も賢(…は少し微妙だが)も生まれも育ちも良くも悪くも普通の一般家庭の子供だ。
しかし、異世界に飛ばされたことにより、自分自身での戦いが増え、融合進化により鍛えに鍛え抜かれたためか、前世に置いて肉体的に最高潮だった二十代前半くらいは正に人間としては最強クラスだったと言えよう。
因みにルカは元々戦うために造られた身であるが、しかし選ばれし子供と判明するまでは完全に力を持たない子供だったスバルとギンガ、ティアナ、アリサ、すずか、はやて、アリシアはあの辛いデジタルダンジョンでの特訓に耐えられたのは今でも凄いと思う。
しかし昔は分からなかったが、今なら分かる。
ただ大好きな人を支えたい、傍にいたい。
それだけだろう。
昔は殺戮機械のようだった自分が前世では孫まで出来たのだ。
当然、妻達との間に出来た子供や子供達から出来た孫には本能故か泣かれたが。

ルカ「(出来るならもう一度、子供達と孫を抱きたいものですね)」

流石に年を取ったと、苦笑しながら奮闘する太一達を見守るルカ。

ルカ「(ああ、そうそう。昔はこんなことがありましたねえ…)」

若い頃を思い出してか、若い頃の珍事件やら何やらが脳裏を過ぎり、噴き出す。
隣にいるスバルが疑問符を浮かべていた。



































あれは確か、最強最悪の敵、キメラモンカオス・ルインモードとの死闘から数年後、聖竜学園中等部とお台場中学校との顔合わせがあったのだ。
勿論立案はゲンナイ。
デジモン達の偏見がないようにしたい気持ちは分かるために大輔達も断る理由はない。
最近はパートナーデジモン達を持つ子供が増えてきているために、デジモンへの理解が深い聖竜学園の生徒にアドバイスを受ける者も少なからずいる。
お台場中学校ということは知り合いも出て来る。

タケル『やあ、大輔君』

大輔『……お前か』

少しの間を置いて、タケルを見遣ると、すぐさま自分の仕事に取り掛かる。
大輔はパートナーデジモンを持つ子供達に説明をしている最中だったようだ。
話し掛けるタイミングを間違えたとタケルは溜め息を吐いた。

大輔『少ししたら終わる。それまで待ってろよタケル』

タケル『あ、うん…』

数年ぶりに会う彼は記憶よりも声が低くなっていたが、それでも記憶に残っていた声であることに安堵した。

大輔『ヒカリちゃん達も色々と大変だろうけど、頑張れよ』

ヒカリ『うん。』

幼稚園の先生や小説家になりたいらしいと聞いた大輔は仲間を応援する。

『よう大輔~』

『転校して以来だな』

大輔『…?』

声に反応して振り返るが、見覚えがあるような気がしなくもないためにかつての同級生か何かだろうか?

『大輔、聞いてくれよ。俺にもついに彼女が出来たんだよ!!』

大輔『あ、ああ…そうか、良かったな』

同級生か何かの少年は歓喜の表情で大輔に抱き付こうとするが。

グイッ。

『痛てててて!!』

大輔『止めて欲しいな。俺にそんな趣味はねえ』

関節極めました。

『俺にだってないわい!!』

ヒカリ『(だったら抱きつかなきゃいいのに…)』

ヒカリの尤もなツッコミが炸裂した。

『痛てて…で、お前は彼女いるのか?ああ、いるわけないか!!お前バレンタインは義理チョコばっかりだったし!!』

大輔『まあな…バレンタインはある意味良い思い出がないな……』

バレンタインウォーズの最終究極兵器のCHOCOLATEとかCHOCOLATEとかCHOCOLATEとか。
渋い顔になる大輔に少年は肩を叩く。

『まあまあ、元気出せ。いずれ彼女出来るさ』

大輔『独り身の方が遥かに気楽だったけどな。』

『は?』

フェイト『大輔~』

アリサ『大輔!!』

アリシア『お兄ちゃ~ん』

声に反応して振り返ると、金髪の美少女達が大輔に駆け寄る。

大輔『何だ?』

フェイト『大輔、今日の放課後時間あるなら…私達とデートしない?』

大輔『デート?』

アリサ『ほ、ほら…あんた最近働きっぱなしじゃない。私達があんたに楽しんで貰おうと…』

アリシア『お兄ちゃん、デート行こうよ』

大輔『…仕方ないな』

苦笑しながら言う大輔。

ルカ『大輔さん、残りは僕がやっておきますから、大輔さんはフェイトさん達とのデートを楽しんできて下さい』

大輔『ルカ、サンキュー。ああ、紹介するな。右からフェイト、アリサ、アリシア…もう1人いるけど俺の恋人達だ。結婚前提』

【何いいいいい!!?】

大輔のかつての同級生達から悲鳴が上がる。

『あ、あはは…冗談だろ…?お前があんな可愛い娘達と付き合ってるって…』

大輔『本当だ。俺の家族にもフェイト達の家族も俺達の仲を認めてもらっているからな』

『お、おいおい。そんな嘘なんて……』

フェイト『本当です。私達は大輔とお付き合いしています。結婚前提の仲なんです』

アリサ『嫌なら付き合ってないわよ』

【嘘おおおおお!!?】

『ふざけんなあああ!!お前惚れ薬でも使ったのかちくしょおおおおお!!』

大輔『そんなもん使うか、まあ、そこは生まれもっての格の違いじゃねえか?』

『これは…夢じゃねえよな』

『てか何でお前があんな可愛い娘達と付き合えんだ!!』

大輔『さあな、外見ばかりの奴には分からねえんじゃねえか?』

『ぐぅぅぅ!!月の無い夜は背後に気を付けろよおおおおおおおお!!!!』

『ちっ…ちくしょおおぉぉぉぉ!!!!』

男として完全敗北となったお台場中学男子生徒達がそれから数日間、大いに荒れたのは言うまでも無い。 
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