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ピリカピリカ

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6部分:第六章


第六章

「昔からあの外見だったってお父さん言ってたよ」
「うちのお母さんも」
「お爺ちゃんも言ってたよ」
 このことも語られます。
「昔からあの顔だったんだって」
「ずっとね」
「お爺ちゃんが言っていたんじゃ」
「それじゃあ」
 ここで疑念がさらに深いものになります。
「やっぱりあのお爺さん」
「お化け!?」
「それによ」
 また一つ話が出されます。
「あのお爺さん全然食べないんだって」
「全然!?」
「そう、全然」
 今度話されるのはこのことについてでした。
「凄い少食なんだって」
「食べないで生きていられる!?」
「それはないわよね」
「そうだよ」
 食べないと生きていられません。子供の皆もわかることです。
「それはね。どうしてもね」
「やっぱり」
「お化け・・・・・・」
 彼等の中で出る結論はこれしかありませんでした。
「だよねえ、やっぱり」
「お化けだったらどうしよう」
「十字架?」
「御守り?」
 またこうした話になってきました。
「それ今からでもさ。持って来る?」
「教会この辺りにあったよね」
「神社も」
 こっちの話も進みます。
「確かそっちに」
「あとお寺も」
「お経もいるよね」
「絶対にいるよ」
 どうも中にそういったことに詳しい子がいるようです。かなり真剣に動いている子がいます。
「そういうのが抜けたら何されるかわからないよ」
「じゃあお坊さんも呼ぶ?」
「神父さんも」
「神主さんも」
「皆呼んで一気にだよね」
「ここは」
「それじゃあ」
 皆が決定しようとしたその時です。ここで。
「ああ、その必要はないよ」
 市長さんが言うのでした。
「それはね」
「えっ、ないって」
「どうしてですか!?市長さん」
「ほら、見て」
 ここである場所を指差してみせます。
「あそこだけれど」
「あそこっていいますと」
「何処ですか?」
「ほら、あそこだよ」
 その指差した場所は。見ればその裏手のガレージでした。見ればそこに一人の男の人がいました。その人は何か必死にしています。
「あれっ、何してるのかな」
「鏡、見てるね」
「うん」
 その通りでした。男の人はガレージの中の壁にある鏡を見てそこでメイクを落としています。見ればそのお顔はというと。
 
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