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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章 誕生!最強ライダー編
  第3話『48時間』

この雛見沢では毎年祭りの夜に一人が死に、一人が行方不明となる事件が五年前から発生している。始まりはダム建設の作業員一人が惨殺死体で発見され、犯人はもう一人の作業員であったが、その作業員は逃走し、そのまま行方不明となる。二件目の事件は、沙都子の両親が川へ転落し、父親が遺体となって発見され、母親は未だに行方不明。三件目の事件では古手神社の神主、梨花の父親が謎の奇病で死に、母親も後を追うように自殺したが、底無し沼に投身自殺したため、遺体は未だに行方不明となる。続く四件目の事件では沙都子の叔母が撲殺された状態で発見され、沙都子の兄の悟史が雛見沢を出ると言って行方不明になってしまう。無論この4つの事件に関連性は無く、ただ偶然に重なっただけであるが、雛見沢の村人はダム建設に反対し、ダム建設に賛成した北条家を村八分にし、東京から来た団体を歓迎した古手家に疑問を抱いていた。その所為もあってか、村人はこの土地の神、オヤシロさまが村に害をなす者を排除する祟りだと噂し、今年は誰が犠牲者となるか楽しんでいる始末である。しかし、オヤシロさまは本来祟り神では無くその昔村が奇病に襲われた時に人柱となることでその奇病を治めた一人の人間の女性である。その女性は古手家の先祖で名は羽入。つまり、古手羽入とはオヤシロさまが神秘の力を使い、肉体を具現化させた姿である。また、三件目の事件の神主の奇病の正体は、東京の団体が古手神社の祭具殿を見たいと言い、神主は当然拒否したが、東京の団体は既に雛見沢症候群を強制的に発症させる薬を開発し、神主に強制投与したことで神主は死に至ったのである。元々、雛見沢症候群のウイルスは、東京にいたウイルス学者の鷹野一二三が発見したが、その時は学会に握り潰され、闇の中に消えていった。しかし、一二三が養女として向かい入れた三四が大学の卒業論文に雛見沢症候群を題材にしたことで東京の団体の目に着き、多額の出資額と施設を用意してもらい、三四は現在雛見沢症候群の研究を行っている。また、鷹野達の活動拠点は入江京介という東京から来た医師が開いている入江診療所を利用しているため、迂闊に手を出すことが出来ない状態にある。
「まあ、そんなことを村人に打ち明けても無意味どころか、かえって悪影響かぁ。」
雅は夜、梨花と今後のことで話していた。
「まあ、そうでしょうね。きっと羽入の祟りで殺されるわ。」
梨花はお気に入りのワインを飲みながら冗談めいた口調で話す。
「まったく、百年以上生きている以上そういった酒とか飲みたいだろうが、その小さい身体で酒なんか飲んでいると将来育たないぞ。それはともかく、最低限のことはみんなに教えるんだろ?」
「ええ、そのつもりよ。」
「でも流石に梨花がオヤシロさまの生まれ変わりだってこととある条件下で死んだ場合は綿流しの祭りの約半月位前まで羽入が時間を巻き戻すことは言わないつもりだろ?」
そう、梨花が百年も同じ時間を繰り返すのは今年の綿流し以降犠牲者を出さないようにし、梨花曰わく『敗者のいない夏』を目指しているからだ。
「当然でしょ。みんなが一気にレベルⅤになったらどうするの!?」
「まあ、だろうな。そうなんだよな、雛見沢症候群ってこの土地に住んでいれば無条件で保菌者に、当然僕もその一人だが、自分に理解出来ない状態になると最終非常状態、所謂レベルⅤになって強制隔離が必要となるからな。とりあえず、沙都子には悟史がレベルⅤの状態で発症したから入江先生の病院の地下隔離施設で療養を受けていることは話していないだろう?」
「もちろん話していないわ。沙都子にその現実は重すぎる。」
「おっと!もうこんな時間だ。明日は身体検査で入江先生が来るから、それを踏まえて話を進めるとして、今はもう寝よう。」
「そうね。おやすみ。」
時刻は3時を過ぎていた。
翌朝、梨花達は学校へ行き、早めの授業が終わり、身体検査が始まり、梨花の番が来る。
「入江、その後の調査は?」
「はい、間違いないなく鷹野さんは雛見沢症候群と古手家第一子には関係性があると踏んでいるみたいです。」
実は、入江は雛見沢に来て沙都子のことを保護者として大切に思い、雛見沢を守りたいと思うようになり、東京には協力してはいるものの裏では裏切り、こうして梨花に力を貸しているのである。
「そう、そろそろ、部活メンバーと雅には話しても大丈夫かしら?」
「おや?梨花さんが名前で呼ぶとは、よほど信頼しているなら大丈夫でしょう。」
「分かったわ。相談に乗ってくれてありがとう。」
「いいえ、皆さんの安全が、今の私の一番の幸せですから。」
「なら、そろそろ戻るわ。みんな心配するでしょうし。」
「解りました。こちらでも進展があれば報告いたしますね。」
梨花はそれを聞き、保健室を出る。
「梨花ちゃん遅かったな。まさかあの入江先生から変なことでもされた?」
みんなが心配する中、
「違うのです。ただ、僕が今書いている小説の相談に乗ってくれていたのです。」
梨花は作り物の表情で話す。
「へぇ。梨花ちゃん小説なんて書いていたんだ?」
「なのですが、丁度話が煮詰まっちゃったのです。もし良かったら魅音の家でみんなからアイデアを貰いたいのです。」
「良いよ。それじゃ、放課後はおじさんの家に集合だ!」
そそうして、あっという間に放課後となり、雅を含めいつものメンバーは園崎邸に行く。みんなが座り、一段落着くと、梨花はみんなに真実を告げ、助かる方法を求めた。
「梨花ちゃん、それは本当のことか?」
圭一は驚きながら質問する。
「紛れもない事実だ。梨花本人が言うならともかく、そんな嘘を言う利点の無い僕が言うからには、事実だ。」
雅が助言する。
「もしそうなら、梨花をどこかに隠さないと!」
レナが提案するが、
「それは無理がある。彼等はこの村を隅々まで調べたから、そこらに逃がしてもすぐバレる。」
雅は無理だと言う。
「ならばいっそのこと梨花を殺してしまう、というのはどうでしょう?」
沙都子は突拍子にとんでもないことを話した。当然みんなふざけているのかと思う中、
「なるほど、東京の狙いがその病気の立証なら梨花ちゃんが死んで2日経っていれば計画が失敗になって自然と手を引くって訳か。」
圭一の説明でみんな納得する。
「だがそれを実行するには、大人の手助けが必要になる。大石刑事の力でも借りられれば─」
雅がそう言うと、
「私がどうかしましたかぁ?」
雛見沢を出てすぐの街、興宮の刑事、大石倉人が警視庁の刑事、赤坂衛を連れて現れる。園崎家はヤクザと繋がりがあるため捜査に来たという名目で実際は魅音の母、茜と麻雀をして遊び、帰るところであった。
「あれ?梨花ちゃん、久し振り。」
「赤坂、お久しぶりなのです!」
梨花はかつて赤坂に助けてもらい、それ以後懐いていたため、再開を喜んでいる中、雅は大石に事の事情を話す。大石はそれを聞き、
「なるほど、私一人の力では難しいですがぁ、私ももうじき定年です。最後に一花咲かせてやりましょう!」
大石はその提案を受け入れる。赤坂も手を貸す旨を伝える。物語は、確実に梨花達の方に追い風が吹き始める。続く

次回予告
ついに始まる48時間計画。果たしてその結末は?そして、雅は次の世界へ。次回『流転』 
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