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『様々な愛』

作者:零那
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『ゼラニウム』



あなたに白いゼラニウムを贈ります。
何故なら、私はあなたの愛を信じないから。

あなたのイタミ総て包んであげたかった。
あなたの背負い込んできたもの総て抱き締めてあげたかった。

あなたと出逢った意味は在ったのだろうか。
確かめる術さえないけれど...

今迄歩いて来た長い道のり。
歩くことすら、ままならない時だってたくさん在っただろう。
どんな出会いと別れを繰り返し、どんなにイタくて叫んできたか。
他人には解らない。

「イタミは募るだけ」

あなたの其のセリフに、私が存在してる意味を無くした。

白いゼラニウムの意味。
『私はあなたの愛を信じない』

せめてピンクのゼラニウムを贈ってあげようかな。
『決心、決意』

あなたの元を去る私の決心。
そして、あなたはもう少し前を向いて歩くという決意。

今が門出の時期だろう、お互いに。
それなら薔薇の香りのするローズゼラニウムの方が良いかな。
見つかるかな?

私はあなたの愛を信じない。
何故なら、お互いに愛を知らないから。

共依存ってやつだろうから。
だから思い切って手を切ろう。

さよなら、ゼラニウムの独特な匂いが好きなあなた。
私は其れが嫌いだった。


 
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