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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第23話 報告会と2人の正体

「まずは自己紹介かな。初めまして、俺は加藤桐谷と言う」

「私は佐藤加奈です」

二人はそれぞれ挨拶をする。


あの後俺たちは無事ライたちと合流出来た。
いきなり観覧車が爆発したことでかなり遊園地はパニックになっていたようだ。
その人ごみに飲まれライ達は遊園地からかなり離れたところまで流されていた。

合流したとき、フェリア達が驚いた顔をしていた。

やっぱり見ていたんだな………
ライと夜美は気づいていたが人ごみが余りにも多く、近くにフェリア達もいたため救援には行けなかったらしい。
取り敢えず俺たちはこの場所を離れ、近くの公園へと移った。
結界も張り、普通の人に聞かれないようにした。

「さて、どこから話すか…………」

「まずは、私の疑問から。零治達は魔導師なのか?」

手を挙げ発言するフェリア。

「ああ、俺達全員一応リンカーコアも持ってるし、デバイスも持っている」

「なぜ隠していた?」

「魔法とか関係なく普通に生活していきたかった。俺達全員な」

そう言って俺は星、ライ、夜美の顔を見る。
三人とも頷いてくれた。

「そうか、嘘ではなさそうだな。それでは私たちの正体も知っているのか?」

もう隠してもしょうがないか。

「ああ、俺はシャイデから聞いている。だけどこの三人は知らないけどな」

「そうか………」

そう言って下を見るフェリア。

「「「フェリア姉………」」」

セインたちも心配そうにフェリアに声をかける。

「なぜ、正体を知っていながら受け入れたんだ?」

「不審な行動をしたときに即座に対応するため」

「そうか………」

「だけどセインが来た辺りから家族として向かえ入れていたよ。フェリアと過ごしてきて普通の世間知らずの女の子にしか見えなかったからな」

この答えにはさすがのフェリアも驚いているな。
だけどこれが俺の本音。こいつらと生活してきて戦闘機人と言うより年頃の女の子だったから。

「だから俺はお前らを家族だと思っている」

「私もですよ」
「僕も!」
「我もだ」

「みんな………」

セインは涙を見せながら言った。

「だからお前たちをどうこうするつもりは無い。だから安心してくれ」

「レイ兄…………」

ウェンディが申し訳ないような顔で俺の名前を言った。

「さてフェリア、他にあるか?」

「…………私もある」

「フェリア姉!?」

「ここまで信用してもらったんだ。これ以上隠し事をするのも悪い」

「でも、ドクターにバレたら私達廃棄処分にされちゃうかも………」

「そんなことさせないよ!!」

セインが口に出した言葉にライが反論した。

「友達にそんなことさせるもんか!!絶対セインの事を守ってみせるよ!!」

「ライ………」

「廃棄処分とはどういうことだ!?」

セインの呟いた言葉に夜美が反応した。

「それはこれから私が説明する。……………実は私たちは戦闘機人なんだ」

その言葉を聞いて驚く星達。

「造った人はジェイル・スカリエッティ………」

その名前を聞いて更に驚く。

「ジェイル・スカリエッティってもしかして次元犯罪者の………」

「なぜこの世界に?」

ライ、夜美が順番に質問する。

「私はこの世界で調査の依頼を受けていた。調査の内容は黒の亡霊について」

また驚く3人。

「そのためにシャイデ先生にドクターが依頼し、学校に通いながら調査していたんだ。それが私の目的だ」

「で、調査の方はどうなっているんです?」

星がフェリアに聞く。

「分かったことは少ない。最近活動をしていないということだけだな」

3人がチラリと俺のことを見る。
しょうがないじゃん。目の前にいるのにむやみになれるか!!

「セイン達は?」

ライがセインに聞く。

「私はゴールデンウィークって言う長期休みがあるって調べて分かったから遊びに来たの」

「そんな理由なのか!?」

「うん」

夜美、お前の気持ちは分かる。
俺も最初は何考えてるんだコイツと思ったもんな。

「ノーヴェ達は?」

星がノーヴェに聞く。

「私はこのアホのめんどうをみるためと、こっちの世界の勉強にって」

「アホじゃないっス!ウェンディっス!!」

「うるせぇ!デカイ声で叫ぶな!!」

「めんどうって………」

呆れながら言う星。

「私って稼働してからまだ一週間たってないんス」
「そうなの!?」
「全然そう見えなかったぞ………」

ライと夜美が声を上げた。
そういえば箸も普通に使ってたもんな。

「ウェンディは何か少し不具合があって、それが原因かもってドクターが言ってたけど」

「心外っスノーヴェ。私はよいこで賢い子っス!!」

えへんと胸を張るウェンディ。

「ネジが外れてるけどな………」
「同感」

俺の言葉にセインが賛同すろ。

「私はアホの子じゃないっス!!」

ポカポカと俺を殴るウェンディ。

へん、それくらいなら………

「いい加減にしなさい!!」

いきなりの怒鳴り声に話していた全員が怒鳴り声を上げた本人を見る。

「私たちそっちのけで何勝手に話進めてるのよ!!」

「いや、先ずはこっちの話を先にするべきだと思ったから………」

「だからって勝手に話しすぎなのよ!!話が分からない私たちにとってはつまらないの一言しかないわ。気が利かない兄さんね、自己紹介とかやれる事があるでしょうが!!」

「「「「「「「兄さん!?」」」」」」」

「まあそう言う反応になるだろうな」
「ほのぼの言ってるんじゃねぇよ桐谷。それで俺から説明して欲しいことがあるんだろうが………」
「まずは私から!!この子達が家族ってどういうことよ!?」

本当にやかましいな加奈は。
前は冷めてたような気がするんだけど。

「そのまんまの意味だよ。一緒に生活してる」

「そ、それって同棲じゃない!!」

「まぁそうだが…………」

「この変態!!美少女並べてハーレムとか楽しむつもりなんでしょ!!」

失敬な、オッドアイの変態と一緒にしないで欲しい。

「待ってください」

文句ばかりたれる加奈に星が割り込んだ。

「私たちのことですが……………」

星は俺達が初めて出会った時の話を語り始めた。






「ごめんなさい………」

俺じゃなく、星達3人に謝る加奈。

……………俺は?

「こちらこそすみません、勝手に家族なんて名乗ってしまって………私たちは出ていきます。本当の家族がいるのに私たちは邪魔ですから…………」

それに頷くライと夜美。
こいつら…………

「ふざけんな!!」

星の言った言葉を即座に否定した。

「さっき言ったよな、お前ら全員俺の家族だって、勝手に名乗って?俺が家族になろうって言ったんだろ!?俺にはお前らが必要なんだ!!今度勝手なこと言ったらぶっ飛ばすぞ!!」

「す、すみません………」

「考輔落ち着け………」
「俺は有栖零治だ。こいつらと一緒に生活している中学生だ。佐藤考輔じゃ無い」

「…………前の名前は捨てるのか?」

「前の名前なんて必要ない!俺は今この世界で生きているんだ!!俺は今の生活が好きなんだよ、前の俺とは違う!!」

そんな怒りの俺にたじろぐ桐谷。

「わ、分かった、すまなかったな零治」

「ああ…………熱くなってこっちこそ悪かった」

そう言って手を繋ぐ俺達。

「だが一般的に同い年の男女が同棲するのは良くないと思うぞ」

「関係ねぇよ。俺は自由に生きてるんだから」

「……………やはりお前は変わってないな」

いきなり変な事を言い出す桐谷。

「そう?結構変わったと思うわよ。主に女の子をこんなに連れているところとか」
「そういうことじゃないんだが………」

加奈の言葉に呆れる桐谷。

「私からも質問いいですか?」

セインが手を上げて桐谷に聞く。

「何だ?」

「レイとはどういうご関係なんですか?」

「昔、隣近所に住んでいた親友ってところかな」

何でみんな驚いた顔してんだ?

「レイ!!お前友達いたのか!?」

フェリア、それはないんじゃないか?

ってあれ?みんなも驚いているような………

「私、安心しました。休日はずっと私たちと一緒にいましたから、友達いないのかと………」

星がホッとしながら言う。
他のみんなも頷いている。

みんなに心配されてたんだ俺。
何か恥ずかしい………

「………お前どんな生活してたんだ?」
「違うよ!?嫌われてるわけじゃなくて、こっちから近づかないだけだよ!!」
「それじゃ、いい訳にしか聞こえないわよ」
「本当に変わってないな………」

ふん、友達の一人や二人………
自分で言ってて悲しくなってきた。

「もう俺の事はいいんだよ!!それより桐谷。お前何普通に実弾使ってんだよ!!」

ミッドの方だと禁止になってるんだぞ!?

「お前こそ何言ってるんだ?魔法でモノを言っている世界だったら違う手段の方が有効だろうが」
「魔法の世界だと質量兵器は禁止されているんだぞ!!」
「質量兵器?」

そこからかよ!?

「実弾兵器。銃器とか!」

「ここは地球だろ?実弾武器なんて普通にあるじゃないか」

「いや、そうだけど…………」

「それに非殺傷設定だっけ?それもついてるから殺すことは無いさ」

「そんなことが出来るのか!?」

「出来るって俺のデバイスが」

「………ラグナル?」

『わ、私は知ってましたよ!聞かなかったマスターが悪いんです!!』

『全く、相変わらず使えないデバイスですね』

『お、お前はレミエル!?』

『久しぶり、駄デバイス」

『駄!?その言葉そっくりそのまま返します!!』
『どの口がそんなこと言えるのかな?』
『わ、私はちゃんとマスターのために………』
『でも、質量兵器でも非殺傷設定出来ることも言ってないのに?』
『うっ………』
『こんなことも出来ない駄デバイスなのに?』

いきなり光が輝き、収まると20代くらいの金髪美人がいきなり現れた。

「「「「「「「えっ!?」」」」」」」

「お前は誰だ!?」

皆が驚いている中、フェリアだけ手にナイフを持ち臨戦体制に入っている。

「ちょっ!?そんな物騒なもの出さないでくださいよ!!」

両手を上げ、慌てて言う。

「私ですよ私。桐谷様のデバイスのレミエルです!」

「「「「「「「「はあああああああ!?」」」」」」」」

「まぁ最初に見たらそうなるよね」

「持ち主の俺もびっくりしたからな………」

冷静に話す加奈と桐谷。
本当にビックリだよ!!

人になれるデバイスなんて…………あ、リインフォースⅡがいた。

『私もなれますぞ』

そう声を聞いた時、加奈のデバイスが輝き、目の前にたくましい紳士服をきた男が立っていた。

「初めまして、私、加奈様のデバイスのエタナドと申します。以後お見知りおきを」

執事の礼でみんなに挨拶するエタナド。

「凄い、デバイスなのに」

ライがそう呟くが、皆が頷いている。

「レイ、ラグナルも出来るのではないのか?」

そういえば!

「ラグナル、どうなんだ?」

『……………出来ません』

「ん?よく聞こえなかったんだが………」

『出来ないって言ってるんです!!ああ、そうですよ!私は人になれません!マスターを満足させるどころかあのクソデバイスにも劣る駄デバイスですよ私は!!』

「満足って何だよ………」

「ふんやっぱり。ポンコツのくせにでかいこと言ってるんじゃないです」

「レミエル、少し黙れ」

静かに威圧し、桐谷がレミエルを黙らせる。

『ぐすっ、恥ずかしい………』

「ラグナル………」

『マスターすみません、私何もできない駄デバイスで。レミエルみたいにできればもっとマスターを助けられたのに………」

「いいよ。ラグナルは今のままで」

『えっ!?』

「今のままでいいって。それに今までラグナルにどれだけ助けられたか………戦いのときは忠実に俺の命令に素早くあたってくれるし、星達が来るまではずっとラグナルが話し相手になってくれてたからな。ラグナルがいなかったら星達と会う前に俺は生きることを諦めてたかもしれなかった。ありがとう、ラグナル」

『ううっ………マスター!!』

びーびー泣き始めるラグナル。
泣くデバイスって気持ち悪い。
…………ってそうだ!!

「ラグナル、人になりたいか?」

『えっ!?なれればなりたいです………』

「よし分かった。ちょっと待ってろ」

そう言って俺は目をつぶる。

『マスター?』

俺は神様に会いに行くため意識を飛ばした。





「用件は分かっておる」

「話が早くて助かる。2つ目の願いOKか?」

「大丈夫じゃが…………本当にいいのかの?」

「ああ、それでよろしく。それと………」

「なんじゃ?」

「あの二人は死んだのか?」

「……………ああ、わし以外の神のミスでな」

「そうか…………」

「怒らんのか?」

「まぁ久しぶりに会えた事は嬉しかったし、あいつらが怒ってないのに俺が怒る事じゃないだろう」

「本当に変わっとるの………」

「よく言われるよ。じゃ、戻るな」

「ああ、あと願いは1つじゃからな」

「そんときはよろしく」

毎度お馴染み、目の前が真っ暗になった…………





目を開けると。


何故か星の顔が近くに…………
何故に?

「レイ、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。それよりラグナル」

『はい?』
「なれるぞ、人の姿に」
『えっ?』
「やってみろ」
『やってみろって……………あ、あれ?』

そう言って、ラグナルが輝き出す。収まると20代ぐらいの銀髪の美人がそこに居た。

「なれた………」

「よかったな、ラグナル」

「マスター!!!!」

俺に思いっきり飛び込んできた。

「ありがとう、マスター!!これでマスターとあんなことやこんなことも………」

「「「「ラグナル………?」」」」

そこにはセットアップしていた星、ライ、夜美、加奈がいた。

「皆さん………デバイスなんか持って何してるんですか?」

「「「覚悟はいい(な)(わね)?」」」

「オハナシです………」

「ま、マスター!!………ってあれ?」

俺は素早く離れて桐谷の側に退避した。

「マスター!私たちは一心同体じゃ………」

「いや、痛いのは嫌なんで………」

「マスター!!!!!」

お前たち、壊さない程度にしろよ。
そんな中、

「私もこの姿ならマスターを…………」

レミエルがそんな事を呟いていたのだった……………






「どう?」

「間違いないよフェイトちゃん………」

私はなのはを呼んで、この前のサーチャーの映像を見せていた。

はやては仕事があってこの場にいないけど。

「この子あの時に戦った星光の殲滅者って名乗ってた子だよ。バリアジャケットも同じ………」

「でも………」

「うん、消えていったはずなんだけど………」

映像を見ながら考えているなのは。

「それとこの人はやっぱり………」

「うん、零治君………」

なのはにも聞いたけどやっぱり間違いはないようだ。

「どうするのフェイトちゃん」

「取り敢えず明後日に私が帰りにでも聞いてみるよ。…………いや尾行しよう!」

「フェ、フェイトちゃん!?」

「今思えば零治の家って知らないし、もしかしたら彼女にも会えるかも」

「でもフェイトちゃん、それってストーカーだよ?」

「違うよ尾行だよび・こ・う」

なのはは少し納得出来てないみたい。
だけど私は執務官だし尾行も普通にやったりするんだけど………

「なのは、嫌なら私だけでやるよ?」

「ううん、私もやる。私も気になるし」

「じゃ、明後日の放課後ね」

「うん、はやてちゃんにも教えとくね」

「よろしく。あとこのことは内密にね………」

「うん、分かったよ」

だが、フェイトは気づいていない。


このマンションに零治達が住んでいることを………… 
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