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ドリトル先生と森の狼達

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第十一幕その七

「僕はそう思うのですが」
「密猟者や悪質な学者、マスコミですね」
「はい」
 まさにそうした人達がとです、先生も答えます。
「非常に」
「そうですね、そのことは」
「どうしましょうか」
「そのことについてもお話しましょう」
 園長先生は先生にあらためて言いました。
「日笠さん、学園長を交えて」
「そうしてですね」
「はい、万全な保護を」
「そのことをですね」
「決めましょう」 
 こうお話してでした。
 先生は園長先生から朗報とお話のことを受けました、学園長とのお話は明日になりました。そのことをお話してでした。
 先生はその場にいた皆にです、今の電話のことをお話しました。
「そういう次第だよ」
「はっきりしたんですね」
「うん、あの毛と写真がね」
 まさにとです、トミーに答えました。
「ニホンオオカミ君達のものだとね」
「はっきり証明されて」
「しかもね」
「狼さん達が特別保護動物に指定されて」
「そしてね」
「あの辺り自体もですね」
「うん、法律的に保護されるよ」
 そうなることもお話するのでした。
「素晴らしいことにね」
「そうですね、ただ」
「ただ、だね」
「問題は法律を無視する人達ですね」
「いるからね、どうしても」
「ほんの僅かですが」 
 それでもいることはいるのです、困ったことに。
「そうした人達に対してどうするのか」
「それが問題だよ」
「それで何かお考えは」
「うん、前から少し考えていたけれど」
 ここで先生が出す知恵はといいますと。
「迷信かな」
「迷信ですか」
「悪く言うとね」
 そうなる種類のものだというのです。
「あの辺りにある妖怪のお話だね」
「一本だたらっていう」
「あの妖怪のお話も出して」
 それにというのです。
「山の神様とかね」
「その立ち入ったら危ない場所に入ったらですね」
「出て来るっていうね」
「どっちも本当のお話じゃないんですか?」
「僕はそう思うよ」
 先生はこの所謂迷信を否定しませんでした。
「実際のものだってね」
「そう思われますよね」
「うん、妖怪の存在はね」
「否定出来ないものがありますね」
「何度も言うけれど僕達の知っていることはね」
 それこそというのです。
「この世のほんの少しのことだから」
「だからですよね」
「妖怪にしてもね」
「否定出来ないですね」
「そうだよ、ここで科学を出して頭から否定してもね」
 科学者でもある先生のお言葉です。
「それは非科学的じゃないよ」
「科学は万能かといいますと」
「この世に万能のものはないよ」
 そもそもというのです。
「だから科学にしてもね」
「万能じゃないですよね」
「そうだよ」
 こうトミーに答えるのでした。 
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