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blood∴or∵knight

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未確認な追憶

 
前書き
どうも白のナイト2です!
今回は久々のオリジナル小説です!ホント久々の投稿です!
今回はループ物語? (-ω-;)ウーンループ物語ダヨネ?的な物語を考え、書きました。
死んでも死ねない少女と何度も、殺される少年のお話なんですが、不可解なストーリーです……書いた作者ですか混乱します(×﹏×)
死んでも死ねない少女は記憶を保持したまま殺される前の2時間前に戻され、何度も、殺される少年は記憶を消され、1時間30分前の過去に戻ります!
さて、何故、少年は少女を助けようと殺されるのか?
何故、少女は何度も殺されるのか?
感想書いてくれると嬉しいです・:*+.\(( °ω° ))/.:+ややこしい物語で本当にすいませんm(。>__<。)m 

 
 強く…………なりたい。
 単純な事だ。
 人は弱さを知れば力を望む。
 少女は血の混じった地面を歩む。
 力だ…………。
 他者を圧倒する力……。
 こんな結末は嫌だ…………。


 もし、もし結末を変える事を許されたなら。
 君は、どんな結末を望む?


 望んだ者と望まれた人間の理不尽さ。
 曖昧なんだよ、俺なら。望んだ奴と望まれた奴の中間的な存在を選ぶね。
 だってさ。なんか嫌じゃん? 自分が、誰かから望まれた人間なんて。まぁ、望まれたなかった奴からすれば逆の考えなんだろうけど、俺なら中間を選ぶって訳だ。
 親の決めた人生を生きるのも、お前の勝手だ。
 お前も望んで親も望んでるなら万々歳なんじゃねぇか?
 他人の決めた道を生きるのも、お前の勝手だけど。俺は自分の決めた道を進みたい。
 誰が決めた道じゃない。自分の決めた人生を。

 綴った文字を何度も、読み直すと俺は中二病の才能が有るなと自負する。
 そもそも現在進行形で、俺は中二病じゃぁ? と考えるが。
 俺はその文を読んで恥ずかしくないのだ。
 自分で考えて自分で書いた中二病文は他人が読むと「うわぁ〜コイツ中二病だわー」と言ってきそうな文だ。
 でも、俺自身が読んでも、そう思わない。
 まぁ、俺は中二病の先導者だからな!
 …………あれ? 実は今、俺は無茶苦茶恥ずかしい事を言ってるんじゃ……。
 ちょっと……ちょっとだけ……体温が上がった気がするぞ。
 大丈夫だ、この教室は今、俺だけだ! 他に誰も居ない!

「変なーーーー人」

 透明な声は俺の心を揺さぶった。
 綺麗な声だ、ビクビクッと体を震わせ俺はその声の方向を向いた。
 ……………………女の子。
 髪型は長髪のロング。髪の色は黒で、身長は160cm程度。
 俺の推測だと平均的な女子高生より優れたスタイルと判断する。
 綺麗だ、外見も……透き通る様な声も。
 でも、何故だろう。背筋が凍る様な寒気が、俺を襲った。
「あッ、そのえっと……ハロー……」
 アッハハハハなんかすんません。
 綺麗な女の子だな。ちょっと緊張するぞ。
 そもそも俺は女の子との会話が苦手だ、ある程度歳上の女性なら話せるが、同年代位と成れば話は別だ。
 興味を逸らす程度、質問の様な事を俺は模索する。
 まぁ、妥当な質問でも構わないか。
「あの〜その〜俺の名前は八尋 十咲です……出席番号14番性別男。
 最近ハマってる事は現実を無視する法則を計算する事です!
 ………………貴女は、その…………」
 ヤバイ無茶苦茶緊張する!
 思考回路停止寸前だよ、落ち着け!俺!
「誰……ですか…………?」
 一瞬空間は時間を止めた。
 変な質問だった。質問した自分でさえ、何故、そんな質問をしたのか解らない。
 解ってるのは目の前の女の子が綺麗な事と…………服装が変な事だ。
 コスプレ衣装かな、古風の貴族の様な服装。
 雰囲気出てるな。まるで貴族の様な貫録と雰囲気は俺の思考を狂わせる。
 苦手なんだよ、女ってさ。会話する方法を教えてくれ!
 すると黙ったままの女の子は口を開けた。

「18時54分47秒・・・貴方は消える」

 ――――――消えた。
 慌てて廊下から飛び出るが、女の子の姿は見えない。
 嘘だろ・・・まさか、幽霊的なパターンか?
 そう考えると寒気が……周囲を確認するが、女の子は見当たらず。残ってるのは俺だけだ。
『下校時間です。校内に残っている生徒は速やかに下校して下さい。
 繰り返します………………』
 教室の電気は消えた。
 一定の時間が過ぎると電気が消える様に設定されているのだ。
 放送の時刻からすると時間は6時30分か、まだ学校全体の電気は消されないな。
 教室の電気は消えるが、廊下の電気は7時に消える。それを超えれば夜の学校の完成だが、まだ時間は残っている。
 俺は考え、実践する。
 まぁ、女の子を探すと。
 うちの高校の制服を着てなかったって事は多分、うちの生徒じゃない。
 それにこの高校に演劇部なんて部は存在しない。勿論、コスプレ部もだ。
 なら、部外者と考えるのが通りだ。もしかしたら暗闇の教室で怯えてるかも知れない。
 説明を加えるなら、うちの高校は6時30分を過ぎると電気が消えると同時に扉にオートロックが掛けられる。
 俺みたいにマヌケな奴は教室に荷物を置きっぱなしにするのだ。
 ザマァ〜って俺の事じゃん。現に俺のバックが教室に閉じ込められてる…………ハァ、置き勉だドンマイ俺の筆記用具達。明日、迎えに行くからな。
 あれ? 明日って土曜日だったような?
 すまん…………筆記用具達よ。来週の月曜日会おうぜ。それまで生きてろよ!
 身軽な姿で、俺は女の子を探索する。
 真っ暗な教室を一つずつ確認する。
 スマホの光を光源にドアの窓から見るが、女の子の姿は見当たらない。
 隣の教室も、その隣も、はたまた隣の教室も。
 スマホの時計で時間を確認する。
 時間は6時52分…………あと8分経ったら校内の電気は全部消える。
 俺も、閉じ込められる………………訳ねぇじゃん。
 フッフッフッ。
 うちの高校の生徒は万が一・万が一学校に閉じ込められた時の為にCランクまでなら開放する事が一時的に可能な生徒手帳を支給されている。Cランクだと教室の鍵や一部の特別教室の鍵などを開けられる位のレベルだ。
 このまま時間が過ぎたとしても、俺はこの生徒手帳で脱出可能って訳だ!
 参ったか!見知らぬ綺麗な女の子よ!ワッハッハー…………節子、それ生徒手帳ちゃう。メモ帳や。
「嘘…だろ…?
 マジ……なの? まさかな漫画的なシチュエーションなんて〜俺認めないよ?」
 何度、制服のジャケットを漁っても生徒手帳は見付けられず。
 結局、その場で立ち止まったまま時間は過ぎた。
 カチンッ!
 全校内の電気は消えた。
 暗闇の中を俺はゆっくりと進む。過ぎた事は仕方ない。
 打開策を考えよう。現状を把握出来すると俺って馬鹿だな〜と壁に頭を叩きつけたくなるが無駄な体力消費は今後の事を考えて諦めるのだった。
 手元のスマホを使って助けを呼ぶ!
 名案だ! と思った瞬間。俺は絶望の淵を落ちる。
 スマホの充電がイってる…………公衆電話は……あぁ、駄目だ。今日、財布忘れたんだった。
 窓ガラスを割って自力で脱出するか?
 コツコツと窓ガラスを叩くと割れそうな感じがした。
 試しに強めに叩くと案外割るんじゃね? と淡い希望が俺を照らす。
 一点集中!必殺!シャイニングヒィンガー!!!!!

 ゴキッパキッ

「痛ってエエエエエエエエエエエエエ!?」
 硬った…………てか、今更思い出した。
 この学校のガラスは全部特殊加工された逸品。考えれば割れる訳ねぇじゃん!
 この強度だと椅子とか机使っても割れないな。
 辺りを探せどこの状況を打開する手段は…………あぁ、監視カメラだ。
 通報されれば脱出可能だ、なら、もうちょっと続けるか。
 真っ暗な学校の廊下を歩くとテンション上がるな。恐怖より探求心が勝ってるのか案外暗闇は平気だ、夜道の散歩は楽しいねぇ〜なんてぼやきつつ俺は女の子を探すのだった。



 もぉ、タイムリミットだ。
 少女は職員室の時計を眺め、呟いた。
 彼は、『運命』を遮るか……結末を変えられるか……数は限られるぞ。
 数回の連鎖はそろそろ少年の記憶に変化を与える。
 まぁ、阿呆か馬鹿なら。
 決められた結末を繰返すだけだ。
 救える回数と助けられる回数は別だ。
 基本的に救える回数は一回。助けられる回数は人の気分。
 少女の気分で少年の運命は変わる。変えられる、変える事を望めば少年の運命は変わる。
 少年の名前……確か、八尋 十咲だったかな。
 やっと名前を覚えられたよ。今回の君は以前の君達と比べて馬鹿ポイからな。
 する事は同じでも第一印象はまぁまぁだったよ。普通の男子高校生だ、女の子との会話が苦手な普通の男子。

 また、私を救おうと死ぬんだな……君は。

 今回の結末も以前と変わらない。
 八尋の人間味が変わっただけ。結果は見ずとも分かる。
 コレを続けても私は救われない。そろそろ君も、報われなよ……名前も知らない私を助けるな、救けるなよ。
 階段を駆け上がる音は校内を響かせる。
 タイムリミットだ。
 何度も、何度も、繰返された。
 八尋は階段を登りきった直後。
 何も知らない無垢な私を庇って『殺される』
 人間味を失ったな私は…………もぉ、救ける気力さえ、残ってないよ。
 限られた回数で、私は何度も、祈った。彼が救われる事を私が救われる事を彼が私を救けてくれる事を私が八尋を救けるられる事を。
 そして……私と一緒に死んでくれる事を。
 一人で死ぬのは嫌だ。私を庇って死なれるのは嫌だ。
 その思いは願いは叶った。現に、私は存在を書き移せるから。
 でも、それでも……結末を変えたい。
 以前と変わらない結末と解っても、私は進んだ。
 死ねないなら護るんだ。死ねないから護るんだ。
 なら、する事は解るよね……私。



 ひ弱な私は力を欲した。
 死ぬと解っても覆そうと努力する私を私は知っている。
 でも、力の差は圧倒的。無駄な努力と罵られるだろう。
 そんな私を変えたのは『八尋』だ。
 名前も知らない初対面の私を助けようと死んだ少年は誇らしかった。
 勝手な自己紹介や過度のお人好しの彼は何度も、何度も、私を救おうと身を捧げた。
 どの道、八尋と私は殺される。八尋の死は無駄だった。でも、無駄でも私を助けようと死んだ事実は変わらない。
 だから、責めて、今度は八尋を助けると誓った。
 私を助けようとする八尋を止める。私は助からない。でも、八尋は助かる。
 無限ループを終わらせる方法は簡単だ。でも、それを実行できる勇気を私は―――――――
 臆病な私は『死』恐れ、目を背けた。
 本当は死んでるんだよ? 何故、死ねないの?
 何度、自分に問い掛けても返答は決まっていた。

「生きたい……私、死にたくないよ……」
 身体は震え、恐怖する。
 八尋は私の為に死んだ。
 なら、私も八尋の為に死ぬんだ。
 そう思っても、心は生きたいと叫んでいる。
 八尋は凄いよ。こんな私の為に何度も、死ぬんだから。
 私を貫いた刃から血が垂れる。
 ポタポタと真っ赤な液体は八尋の骸を覆って、全身を緋に塗り替えた。
 今回も、駄目だったね。
 無理矢理笑顔を作って運命を嘲笑った。
 なんて、理不尽な人生なんだろ。痛覚は慣れない、心臓は貫かれ内蔵の一部は体から剃り落ちる。
 片眼は潰れ、半身の感覚は消える。繰返される連鎖でも、慣れないよ。
 叫びたい……痛いって…………叫びたいよ。
 繰返される度に私の人間性は薄れ、人間だった頃を思い出すと何故、私は笑ってるのか?
 何故、私は泣いてるのか? 何故、私は怒ってるのか? 何故、彼を好きになったのか?
 それさえ曖昧だ。多分、数万回前の私なら感じられた人間の本能だろう。今の私は理解できず、混乱する。
 戻れるなら、最初の私に戻りたい。戻って、色んな事をやりたい。
 嫌いだった事、好きだった事、慣れない事、恋愛を…………人間だった頃の私は、どんな人間だったかな?
 好き嫌いの激しい女の子?
 根を曲げない真面目な女の子?
 本が好きな物静かな女の子?
 さぁ、忘れた。
 友達の名前も、家族の名前も、全部。
 覚えてるは八尋だけ。私を守ろうと努力する八尋 十咲だけ。
 何時かの私は私を救ってくれない八尋を憎んだ。
 でも、違うんだ。彼は私を助けようと繰返すだけだ。
 悪いのは私だ、永遠を八尋に押し付けるから。八尋は私の決められた永遠の人生を守護する騎士、私が死ねば最初から私を救おうと殺される騎士。死んでも、私を助けようと殺される私の騎士。
 私だけの騎士……私だけの…………。


「…………次は、必ず助ける。
 だから、待ってて…………」

 少女の運命は変わった。
 微妙な変化は結末を変えるキッカケを生んだのだ。
 最初の変化は八尋の殺され方だった。
 私を助けようと殺される筈の八尋は私を逃がそうと身代わりとなった。
 無論、運命は変わらず。私は八尋が殺された後、殺された。
 多少の変化を私は希望と信じ、次の私を演じた。変わらない運命は若干のズレを生じさせ私の結末は変わり徐々に、徐々に、八尋の生存時間も伸びた。
 1秒から2秒……1分から2分……10分から20分……30分から40分……。
 私を助けようと殺される八尋は生きる事を諦めず、死を否定する様な眼で、私を見るのだ。

 そして…………時間は動き始める。

「助けるよ、今度は助けられる。
 持っててね……今度は……助ける…………」

 私の時間は緩やかな速度を保ち、動き続ける。
 一定以上の時間は生きられず。殺される結末を変えようと努力するも無駄と終わった人生を八尋は変えた。
 自殺を図っても殺される私は結局元通り。諦めても死ねない私を助けようと『無駄』な努力を重ねた八尋の事を私は、好きになっていた。
 もし、次の私を助けられたら聞くんだ。
 なんで……私を助けたの?
 その返答は予想しつつ少女は安らかな眠りに付いた。
 覚めれば元通りな地獄の世界に。



 
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