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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第21話 有栖家、遊園地に行く

「ここが!!」

「そう、ここが遠見ハイランドパーク!!」

「凄いっス!!感動っス!!」

入口で騒ぐ三人。

我が有栖家元気っ子3人組だ。

「すごいなこいつら………」

「朝からテンションが高すぎる………」

「またあの悪夢が………」

ノーヴェの呆れた様子と違い、明らかにテンションが低い二人。
まぁ気持ちは分かるが………
しかもその負担はセインとウェンディが加わり、更に増えることは目に見えている。
フェリアとノーヴェがいる分、幾分かはマシになるだろうが………

「まぁ今日一日頑張ろうぜ………」

俺はテンションの低い二人を励ますのだった………





「まずはあれに!!」

「おお!!」

「いいっスね!!」

「ちょっ!?待て、いきなりか!!」

だが、俺を無視し3人はさっさと行ってしまう。



今回の目玉、ゴットスライダーに………

「レイ~!!早く~!!」

「やっぱり俺も乗るのね………」

「レイ、私が乗りますか?」

星が俺に聞いてくる。

「いや、今回は俺が行くよ。嫌でも連れ回されるんだし………」

「………分かりました」

俺の言ったことが理解できたのか、星は素直に引き下がる。

「ノーヴェとフェリアはどうする?」

「私も行く!!」

「私は今回はいい」

ノーヴェは乗り、フェリアは乗らないそうだ。

「レイ~!!!」

青色のお姫様がご立腹みたいだし早く行くか………





「ああ!!面白かった!!」

「うん!最高だったよ!!」

「あのスピードはたまらないっスね~!!」

興奮しながら3人は出口から出てくる。

「ああ~凄かった」

「ふ、ふんあれくらいじゃ大したこと無いな………」

言葉が硬いぞノーヴェ………

「じゃあ星達の………」

「もう一度乗ろう!!」

「そうだね!!」

「賛成っス!!」

「えっ!?」

やっぱりそうなったか………
ノーヴェの驚きを無視し、3人はまた並び始める。

「レイも~!!」

「悪い、ちょっと休憩を………」
「大丈夫っス、グロッキーになっても私がおんぶするっス」
「わ、私も手伝うよ………」

そう言う問題じゃないんだよウェンディ君、セイン君………

「じゃ、私は………」

逃げようとするノーヴェ。

「ま、待てノーヴェ!!」
「い、嫌だ!私は乗らないぞ!!」
「違う!!伝言を頼みたいんだ」

「伝言?」

「多分今回も前と同じになりそうだから星達で好きに遊んでいいよって言っておいてくれ」

「………お前は?」

「こいつらの面倒。昨日約束したし、相手してやるつもりだよ………」

そう言って3人を見る。
嬉しそうに喋り合っている3人。特にライとセインは乗れたことに本当に嬉しそうだった。

「それにあの笑顔を見たら少しは疲れは取れるさ」

笑顔で俺はノーヴェに言った。

「そうか………悪いな、姉と妹をよろしく頼むな」

「ああ、何かあったら連絡してくれ」

「了解」

そう返事をして、ノーヴェは星たちの所へ戻って行った。
だけど手を合わせて行くなよ………

「レイ~!!!」

「さて、有言実行だな」

俺はまた気合を入れ直して3人について行った………








「そうですか………」

予想通りでした。レイならそう言うと思ってました………
無理をしなきゃいいんですけど………

「星………」

やはり夜美も同じことを考えていたみたいです。

「大丈夫ですよ。せっかくだし私たちも楽しみましょう」

「そうか………そうだな。せっかくレイが楽しんでこいって言ってくれたんだ、楽しむか」

夜美も切り替えたのか声を張り答えました。
前は絶叫系ばかりになってしまったのでここはレイの言葉に甘えましょう。

「フェリアは何か乗りたいものありますか?」

私はノーヴェと一緒にパンフレットを見ているフェリアに聞きました。

「これ…………」

そう言って指を指した場所は動物ふれあい広場。
………正直いつもクールなフェリアには似合わない組み合わせと思ってしまいました。

「ここで………いいのか?」

夜美もどうやら同じみたいです。

「ああ………ひよこさん………触ってみたい………」

少し頬を赤く染めながらフェリアは消えそうな声で言いました。
ノーヴェ、携帯のカメラで撮るのやめなさい。

気持ちは分からなくも無いですが………
それくらいフェリアの仕草は可愛かったです。

「ああ、じゃあ行くとしようか」

私たちは夜美の声でふれあい広場に向かいました………







「今度はここ!!」

そう言って指さしたところは大きな滝から乗り物が落ちてくる、フォールマウンテンだ。
簡単に言えばディズ〇ーランドにあったスプラッシュマウンテンだと思ってくれればいい。
むしろそっくりだ。

「いいね、いいね!!これにしよう」

「いや~あそこから落ちたら気持ちよさそうっス」

「また絶叫系………」

あの後、合計3回もゴットスライダーに乗った3人娘。
早くもグロッキーになりそうな俺にまた試練がやって来た。

「どうしたの?レイ」

「いや、また絶叫系かなって………」

ライが俺に声をかけてきたので望み薄だけど、遠まわしに言ってみた。

「何言ってるのレイ、当たり前じゃん」
「そうだよ、遊園地に来んだから絶叫系を楽しまなくちゃ」
「そうっス、それが常識っス!!」

いつからそんな常識が出来たんだよ………
まぁ予想通りの結果ということで気合い入れていかないと………

マジでウェンディにおんぶされたら恥ずかしさのあまり、自殺しそうだもん。

「さぁいっくよ~」

「「オオー(っス)!!」」

「おおー………」

でもこのテンションにはついていけない俺だった………






「可愛い………」

それには私も納得ですが………
恐る恐るひよこを持つフェリア。

ものすごく和みます…………
ノーヴェ激写するのやめなさい!

「しかしこういうのもいいな」

「同感です。前に来たときはライに引っ張られ、絶叫系だけでしたから」

これもレイのおかげなのですが、レイは大丈夫でしょうか………





「次はあれっス!!」
「うん、そうしよう!!」
「早く、早く!!」

「頼む………少しは………休憩を………」

フォールマウンテンも結局3回も乗った。
何で今日は空いてるんだろうか…………

余りにもスムーズに乗れすぎている。
頼む!もっと混んでいてくれ…………

俺の思いもむなしく、大きな山の中をグルグル高速で回るマウンテンスライダーにすぐ乗る羽目になった………






「はぁ面白かった」
「あの3Dというのは迫力があって面白かった」

ノーヴェとフェリアも満足そうです。

ふれあい広場を後にして私たちは半分ほど回ることができました。
絶叫系は避けてきたのでレイたちと遭遇することはありませんでしたが………

レイは大丈夫でしょうか?
そろそろお昼ですし連絡を………

と思っていたときに電話が震えたので私は直ぐに出ました。

『もしもし~星?』

「ライですか。今どこにいます?そろそろお昼にしようと思ったのですが………」

『今、マウンテンスライダーの近くのベンチ』

「………ならこっちに来てください、こっちの方がお店が多いのでこっちの店でご飯を食べましょう」

『そうしたいんだけど…………』

なぜか言葉を濁すライ。

『レイが少しグロッキーになっちゃって今休憩中なの』

「レ、レイは大丈夫ですか!!!」

『ちょっ!?大声出さないでよ~。普通にしゃべれるし、今休んでるから大丈夫だよ………』

「今すぐそっちに行きます!!そこを動かないで!!!」

『ちょっ!?星………』

私は無理やり電話を切り、携帯をしまいました。

「どうしたんだ星?」

「レイ達を迎えに行ってきます!!みなさんはここで待っていてください!!」

返事も待たず、星はレイの元へ駆けていった………






「あ~何か星妙に焦ってたな………」

「いや、ライの説明が悪かったと思うよ………」

セインは呆れた様子でライに言う。

「ほら飲み物ですよレイ兄、はい、あ~ん」

「一人で出来るから止めろ………」

ベンチに寝ながら俺は文句を言う。

「ぶ~つまんないっス。せっかくレイ兄で遊べると思ったのに………」

「お前な………」

怒りたいがそんな元気がない俺。

「ウェンディ、私もやる~」
「ウェンディとライだけずるいよ。私もやりたい!」

3人で飲み物を取り合いになる。
そんな様子を見て俺は一人小さく呟くのであった。

「星、早く来てくれ………」

本当に今日は厄日だな………






「レイ!!」

私が来たときには、何故かレイはライに膝枕され、その両端にセインとウェンディがいました。

「ライ、そろそろ………」

「え~もう?………仕方がないなぁ。はい、セイン」

そう言ってライはセインと場所を変えました。

………今度はセインがレイに膝枕を。

「どうですか?」

「頼むからやめてくれ………」

レイは否定することを言っていますが、まんざらでもない様子………
一気に私の心は氷点下まで下がりました。

「レイ………?」

私は怒りを隠し、レイに声をかけました。







「レイ………?」

この響きは………
俺は声のした方を見てみる。

「………何をしているのですか?」

これはヤバイ………
他の3人もただ事ではない星の雰囲気を感じているみたいだ。

「レイ………オハナシ………しますか?」

「いや、でもレイは………」

ギロっと星に睨まれ、何も言えなくなるセイン。

「だ、ダメだよセイン。こうなった星は止まらないよ………落ち着くまで待つしか……」
「じゃあ、お腹も減ったしご飯にするっス」
「いいですよ………長くなりそうなので、皆さんと一緒に先に食べていてください………」

「えっ!?いいの?」

「ええ、3人ともお腹減ったでしょ?」

「あ、あありがとうございます星!!ほら行こう!!」

「ま、待てお前ら………」

「レイは駄目ですよ………」

セインの腕を掴もうとした俺の腕は星によってつかまれる。

「じゃあ頑張ってレイ………」
「ごめんね、レイ………」
「ファイトっス、レイ兄!!」

さっさと行ってしまう三人。

ウェンディに関してはグッとガッツポーズまでされた…………

「あいつら………」

「さて、それじゃあ始めますか…………?」

星がニヤリと笑いながら言う。

ものすごく怖いです星様………
取り敢えず俺はこう言うことにした。

「不幸だぁ~~~~~~!!」

俺はとある主人公の口癖を叫んだのだった………







「到着……………目標索敵………………………発見。場所、遠見市ハイランドパーク…………」

遠見市よりかなり離れた上空。

浮かんでた少女は目的地に向かって飛んで行った。






「ここは?」

「分からない、どこかの森みたいだが………」

気づいたら二人は何もない森にいた。

「取り敢えず、ここの場所を確認しよう。まずはどこか目印になる場所を…………」

そう言って周りを見渡す、桐谷。

そこに………

「遊園地?」

遠くに観覧車が回っているのを見つけた。

「取り敢えずあそこを目印にして進もう。その間にデバイスのことも詳しく聞かないとな」

『お任せなの。分かる範囲でならなんでも答えるの』

「ありがとうレミエル」

『私もです。なんなりとご質問を………』

「うん、ありがとうエタナド」

こうして二人もハイランドパークへと進む。 
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