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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第18話 初日、ファッション?ショー開幕

「じゃあ、そろそろ………」

「ああ………」

「行くか………」

今は昼の13時。
あの後ゲームで盛り上がり、ざるそばをみんなで食べた。

ノーヴェは中々箸をうまく使えており、皆驚いていたな。
ウェンディは全くダメダメだったけど………

星に食べさせてもらってました。

妹を世話する姉みたいだったな。
その後はゲームで盛り上がったせいか、みんなでグダグダテレビを見てました。
こっちの昼ドラはあっちよりかなりドロドロしてたな………
普通に面白かった。

そんなこんなダラダラしてやっとみんな重い腰を上げて………

「やっと買い物に来ました」

「レイ?」

「ああ、独り言」

俺と星が並んでみんなを見る。
初めてのデパートの広さと人の多さに驚いているセイン、ノーヴェ、ウェンディ。

ライと夜美も嬉しそうだ。
何か企んでいるような顔だけど………

着いた途端誰かに電話してたし。
フェリアは騒いでる妹達を一生懸命抑えようと走り回っている。

頑張れ、お姉ちゃん。

「レイ、見てないで私逹も行きますよ」

「ハイハイ」

俺と星もフェリアの手伝いをしに行った。









「………やっと到着したか」

「長かったな………」

「もう疲れました………」

服屋の前のベンチに座る、俺と星とフェリア。
目的の服屋に着いたのは一時間後。

途中寄り道が多く、なかなか進まなかった。
ウェンディとセインについては勝手にどこかへ行くもんだから迷子にならないか心配でならなかった。
ライと夜美はそんな二人と一緒に走り回るし。

唯一、ノーヴェが言うことを聞いてくれたのは助かった………

「どうしたの三人とも?これからが本番だよ!!」

「そうだ!今からそんなだとこの先もたないぞ!!」

やけにテンションの高いライと夜美。
一体何を企んでいるんだ………?

「ライちゃん、夜美ちゃん、準備オッケーよ!」

店から店長が現れた。
………何の準備だ?

「分かったよ!それじゃあ星とフェリアはこっちに来て」

星とフェリアに手招きするライ。
渋々二人が立ち上がり店の中に入っていく。

店の店員が高い台座を準備し始めたけど………

何してるんだ?

「ちょ!!ライ、夜美、これはどういうことですか!!」

「私も聞いてないぞ!!」

「言ってないもん」

何の話をしているのやら。

何かフェリアと星が怒ってるけど………

そう思っていると人が集まり出してきた。
何だか嫌な予感がする………
取り敢えず近くの男の人に聞いてみた。

「この集まりはなんですか?何かイベントでも?」

「かつて一人の少女がここに舞い降りた………」

何か語り始めたよ………

「その少女は黒い眼帯と長い銀髪をなびかせ、様々な服を着飾り、観客を魅了した。その少女が帰ってくるってデパートの掲示板にあったのだ!!!」

感動を抑えるように拳に力を込め叫んでいる。

「本当に今日は付いている神よ私は今日という日を感謝します!!」

今度は祈り始める男の人。
話しかける相手間違えたな………

っていうかまたライと夜美の仕業だろ?
妙にテンションが高かったのはこのためか。

「レイ、ちょっと………」

店からライが俺を呼ぶ。

「すみません、準備中なのでもう少々お待ちください」

そう言って店の奥に入って行った。
俺もそれに続く。

「で、俺に何のようだ?」

「これから一本引いて」

そう言われてボックスの中に入った4つの棒から1本引く。
その棒には星の名前が書いてあった。

「おい、これなんだ?」

「レイは星だね。それじゃ次は私………」

俺の質問には答えず、ライも俺と同様に棒を引く。

「僕はセインだね」

「やったー!よろしくね、ライ!!」

「こちらこそ!!」

手を取り合い喜ぶ二人。

意味が分からないんだけど………

「次は私だ」

今度は壁際にいた夜美が棒を引いた。

「我はフェリアか、よろしく頼む」

「………帰りたい」

かなりテンションが低いなフェリア………
壁際で丸くなりながらつぶやいている。

「と言う事は私はノーヴェっスね!!私が完璧にコーディネートするっス!!」

「なんでお前じゃなくて姉の私なんだよ!!」

「ノーヴェの方が面白いからに決まってるじゃないっスか」

「お~ま~え~な~!!」

「きゃ~ノーヴェがいじめるっス~!」

そう言ってフェリアに抱きつく。

「こら!!フェリア姉から離れろ!!」

「フェリア姉ガードっス!!」

「………帰りたい」

………どんだけトラウマになってるんだ?
さっきから小さく丸くなってそのままだぞ!!

あれ?

「ところで星は?」

「あっちに隠れて出てこない」

そう言って試着室の方を指さす。
何のため引いたか分からないけど取り敢えず俺も星に声をかけるべきか………

そう言って星の所へ向かう。

「星?」

「私は絶対出ませんからね。なんで私がこんな恥ずかしい事を………」

「星、俺だ!」

「レ、レイ!?どうしたんですか!?」

俺の声を聞いて驚く星。
何を慌てているんだか………

「何かよく分からんけど俺、星と組むことになったからその報告を………」

「私がレイと………」

なにやら考え込む星。

「やります!やってみます!!レイと一緒なら問題ありません!!」

「お、おう………」

何故か分からんがやる気を出した星さん。
っていうかあの棒の意味を聞いてないんだが………

「それじゃあ、みんな始めるわよ」

店の店長に呼ばれ、それぞれ動き始める。

「いや、だからこの棒の意味は………」

「レイ、頑張りましょう!!」

だから、この棒はなんなんだよ………











「さぁチーム戦、ファッションショーの開幕よ!!」

その店長の言葉で俺は全て理解した。









「あのさ、言ってくれれば俺も協力したよ?」

「あ~ごめんごめん、前怒られたし、また止められるかもって思ったから………」

ライが手を合わせながら俺に謝る。
まぁいきなりこの状況だったら俺も止めてたかもな………

「で、一番止めそうな星を巻き込んだか………だけどよく星を巻き込めたな」

「そこは企業秘密です」

禁則事項です、って可愛く言うお姉さんみたいに言うライ。
結構可愛い。

「そろそろ始まるぞ、静かにしろ」

凄いマジだな夜美………

『ただいまより、ファッションショーを開催します!!!』

ワアアアアアアアアアア!!!

歓声が響きわたる。
店の前に用意していた高い台座をのぼり、そこで店長がマイクを使いしゃべっている。

店の周辺は超満員、観客は二階にも集まっている。
っていうか、周りの店には迷惑だよな………

あっ、他の店の人も見てる。

『今回は前回とは違い対戦方式で行いたいと思います!!結果は皆さんの投票によって決まりますのでよろしくお願いします!!!』

ワアアアアアアアアアアアアアア!!!

さっきより盛り上がり方が半端無いな………

『では出場者の紹介です。まず最初に、黒い眼帯がキュート。長く綺麗な銀色の髪がトレードマークの少女、フェリア・イーグレイちゃん!!』

「………帰りたい」

ドントマインド、フェリア。

「うおおおおおおおお!!」
「フェリちゃーーーーーーん!!!!」
「生きててよかった………」

そんな人生で良かったのか?
しかしやっぱり人気あるな………

『続いて2人目、フェリアさんの妹、水色のセミロングの元気っ子、セイン・イーグレイちゃんです!!』

「イエーイ!!」

元気よくピースしてアピールしているセイン。

「かわいいーーーーー!!!!」
「セインちゃーーーーん!!!」

女の子も居るんだな………

『3人目、またまたイーグレイ姉妹の一人、少し睨みが聞いた赤髪少女。だけどそのツンデレ具合が素晴らしい、ノーヴェ・イーグレイちゃんです!!!』

「私はツンデレじゃねぇ!!」

「おおっ!!ツンデレ最高!!」

「萌ーーーーーーー!!」

ノーヴェは気持ち悪い奴らに人気が高いな。

「最後に緊急参戦、私のお気に入りのお客様。大和撫子の清純さと気品の良さを兼ねそろえたザ・日本美女。有栖星ちゃんです!!!』

「よ、よろしくお願いします………」

「うおおおおおおおお!!」
「照れてる星ちゃんかわゆい~!!!」

最後の男出てこい、ぶっ殺す!!

『続いて、コーディネートする4人の紹介です。まずフェリアちゃんを担当するのはこの人。きつい言葉の裏には優しさがある。厳しいコーディネートの裏には素晴らしいコーディネートがあるはずです。紹介しましょう有栖夜美ちゃんです』

「よろしく頼む」

歓声に包まれる夜美。

『続いて、セインちゃんを担当するのはこの人。セインちゃんと同じ明るい性格でみんなの人気者。コーディネートの方でも皆さんの期待に応えてくれるでしょう。有栖ライちゃんです!!!』

「みんな、よろしくね~!!」

またも歓声が上がる。

『3人目は、イーグレイ姉妹の末女が登場。そのノリの良さから何が起こるかわからない。だけど見せてくれるはずです。ウェンディ・イーグレイちゃんです!!!』

「よろしくっス、みんなぁ~!!」

手を振りながらアピールするウェンディ。

『最後に有栖星ちゃんのコーディネートに参戦するのは唯一の男性。ハーレム一直線、男の憧れ、有栖零治ちゃんです!!』

「っておい!!なんでそんな悪いイメージを………」

案の定ブーイングの嵐。

こりゃ、下手なコーディネートしたら帰れないぞ………

『それではコーディネート対決開始します!!!』

そして対決の火蓋がきっておとされた。






『それでは参りましょう、まずはフェリアちゃんです!!』

出てきたフェリアは少しずつ壇上に上がっていく。

その姿は青い制服を着ていた。

「………逮捕しちゃうぞ」

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

男共が魂の雄叫びのごとく叫んでいる。
何がファッションショーだよ、結局こうなってるじゃないか………

『さすが、人気もありますから盛り上がり方が違いますね!!次はセインちゃんです!!』

次にセインが壇上に上がる。
その姿は白い純白の妖精。

ナース服だった。

「お注射しちゃうぞ」

注射を右手に持ち、左手を腰に当て言うセイン。

「あああああああああ!!!」

絶叫する男共。
盛り上がってるな………

『予想以上の盛り上がり。さて、次は三番目はノーヴェちゃんです!!』

台に上がるノーヴェ。
短いスカートと胸元が開いているメイド服を着ていた。

「………別にお前のためじゃないからな!!」

「ツンデレメイドキターーーーーー!!」

………ここに神崎がいたらアイツ暴動起こすんじゃないか?

『最後は店長期待のホープ、星ちゃんです!!!』

やっと星の番か………
頼むぞ星、俺の命はお前にかかっている。


台の上に上がる星。
俺が選んだのは………

「に、にぁあ………」

赤いチャイナ服を着て猫耳をつけている星。
恥ずかしがってるのもまたいいけど………

「かわいいいいいいいいいいいい!!!」
「星ちゃん萌ーーーーーー!!!」
「恥ずかしがりながら言ってるところも最高!!」

おっ、好評みたいだ。
しかも女子からも支持が高いみたいだな。

「くっ、やる………」
「さすがレイだね………」
「次は負けないっス!」

残念ながら俺にはまだ奥の手があるんだよな………


『それでは二回戦と行きましょう!!』

こうして大会は続いていく………





『さぁ、三回戦です。これが最後。皆さん心の準備はいいですか?』

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

会場はかなりの盛り上がり。
ヒートアップしてるな………

『では参りましょう。まずはフェリアちゃん!!』

出てきた、フェリア。

「こ、これは!!!」

旧スク水!!!!

そんなの有りかよ!?

「………恥ずかしいからあまりジロジロ見るな」

「「「「「「グハッ!!」」」」」」

吐血して倒れる男が続出………
気持ちは分かる………

『さすがフェリアちゃん!!男共に凄いダメージだ!!次のセインちゃん、姉に負けるな!!』

台座に走っていくセイン。

「みんなどう~?」

体育着にブルマ!!!

なんてものを………

元気っ子にかなりマッチしてやがる………

「もう死んだっていい………」
「幸せ………」

悶絶する奴までいるし。

『さすが、ライちゃん。かなりマッチしているぞ!!これは分からない!!次はノーヴェちゃんだ!!』

台の上に登ってくるノーヴェ。

今度は何を………

「ジロジロみんなよ!!恥ずかしいだろ………」

照れながら言うノーヴェ。
まさかこんなものがあったなんて………

ノーヴェが来ているものは黒のゴジックドレスだった。
小さい黒いシルクハットがよく似合っている。

「可愛い!!!!」
「すごく似合ってるよ!!」
「家に一体欲しい!!」
「抱きしめたい!!」

特に女性の人気が半端ないな………

『こちらも大変な人気です!!さて今度の星ちゃんで最後!!さぁダークホースとなった零治君。一体何を選んだのか!!』

さぁ、これが俺のジョーカーだ!!

星がゆっくりと歩いていく………そして台の上にたった。

「私を幸せにしてくださいね………」

静まる会場………

「うああああああああああああああああああああ!!」
「きゃあああああああああああああああああああ!!」

男女関係なく観客の歓声が響きわたる。

『これは、これは凄すぎる!!!今までにない盛り上がり、これほどの感動を呼び起こすとは………この二人化け物か!!!』

俺が星に着せたのはウェディングドレス。花束のブーケも忘れていない。
俺はこれを見つけた瞬間、直ぐに確保した。

奪われたら負けだと思ったからな………

「星………綺麗………」

「これには流石に………」

「勝てないな………」

「綺麗だな、星さん………」

「さすがっス星姉!!」

「いいなぁ、私もああいうの着たかったぜ………」

上からライ、夜美、フェリア、セイン、ウェンディ、ノーヴェ。
それぞれみんなが星に見惚れていた。

確かに綺麗だよな、星………







結果は星が優勝だった。
お礼として店の商品をプレゼントしてもらったためお金は掛からずにすんだ。
是非ともまたやりたいと店長に言われたが、もう勘弁願いたい………






余談………

「ドクター」

ウーノがスカリエッティのラボにやって来た。

「どうしたんだい?ウーノ」

「まずはこれを………」

そう言ってディスプレイを展開する。
そこに写っていたのは今回の報告書とファッションショーの映像である。

『ドクター、セイン、ノーヴェ、ウェンディとも無事にこちらにこられました。最初は驚きましたが、久しぶりに妹達の顔を見れたのは嬉しかったです。ありがとうございました。今回初めて妹たちとファッションショーというものを体験しました。こっちの世界のネットに映像があったので送ります。皆で見てください』

「おお、似合ってるじゃないか3人とも」

「いや、そう言う意味ではなくてですね………」

「せっかくだから保存するとしよう」

「ですからドクター………」

「それと他の子達にも見せてやろう。みんなを呼んでおいてくれ」

「………分かりましたドクター」

ウーノは黒の亡霊の事はどうしますかと聞きたかったのだが、それ以上言わなかった……… 
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