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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない

作者:フリーK
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機動戦士ガンダムSEED編
  第18話

 
前書き
今回はバルトフェルド達の視点と主人公の視点でお送りします。

 

 
「隊長ホントに良かったんですか?町を焼くだけで明けの砂漠の連中はそのまま放っておいて」

 バギーを運転しながら、“砂漠の虎”の異名を持つアンドリュー・バルトフェルドの部隊で副隊長を勤めるマーチン・ダコスタは隣に座っている隊長バルトフェルド本人に疑問をぶつけていた。何故隊長はレジスタンスの拠点だけ焼き払って引き上げる真似をしたのかと。
 実際、バルトフェルドはゲリラの本拠地であるタッシルの町にバクゥ三機とダコスタと自分が乗るバギーで攻め入り、住宅や武器や食糧を保存してある洞窟などを焼き払った。しかし、住民に関しては勧告を行い避難したのを確認した上でやった行為であり、その上この事を知ってやってくるであろう明けの砂漠を放置し撤退したのだった。現在はその撤退している最中であり、砂漠の中バギーを走らせ後ろにバクゥが歩きながら付いて来ている状況である。
 ダコスタはこの行動に必要性はあったのかがわからずにいた。戦力ではこちらが圧倒的に上とはいえ明けの砂漠は未だ抵抗を続けているゲリラの一味であり、できるだけ早く対処したに越した事はないのである。ならば町を焼かれて躍起になってやってきたところを一網打尽にしてしまった方が効率が良いではないかとダコスタは考えていたのだ。
 そんな質問にバルトフェルドは軽く溜め息を吐きながらダコスタに顔を向けてこう答えた。

「ダコスタ君、さっきも言っただろう?それは卑怯だと。彼等に対してそんな事をする必要はないさ」
「ですが隊長、奴らはあれくらいで諦めるとは到底思えませんよ!あそこで潰しておいた方が良かった筈です」
「別にそれでも構わんさ」
「えっ?!」

 バルトフェルドはダコスタに向けていた顔の方向を前に戻して話を続ける。

「あれは警告だよ、だからあそこで潰す訳にはいかないのさ。今回の事で身の程を知って大人しく従うなら良し。あれで懲りずにまだ抵抗を続けるのならその時はこの世から退場してもらうさ」
「自分にはあまり効果があるようには思えないのですが…」
「そうだね、でも彼等の中にもいると思うんだよ。自分達の戦力では到底こちらに勝つなど無理な話だと気付いている者もいると。だから今回こういう手段に出る事にしたのさ。どちらもやはり余計な血は流したくないしね」

 ダコスタはバルトフェルドの言で一応の理解はできたが納得した訳ではなかった。何せ今はあの艦がいるのだ。ゲリラはこれで諦める処かあの艦と共闘しこちらに討って出る可能性は十分に考えられると。

「ああ。その可能性は考えたさ。いや、どちらかというとそっちの方が可能性が高いか」
「こっちの考えを読まないで下さいよ!というよりそれだったらついさっき言った事は何だったんですか?!」
「言っただろ?従わないならこの世から退場してもらう、と。可能性は低くとも試す価値ぐらいはあるさ。それに彼等が本当にあの艦と共に向かってくるなら好都合だ」
「どうしてです?」
「…あの艦はまず間違いなくザフトの脅威となるよ。特にあのMSのパイロット達はね」
「あの新型のMSならわかりますが、…パイロット“達”、ですか?」
「そうだ。まずあの新型のパイロットだが、元々の腕はかなり高い。動きにムラがあるようだが、もっと実戦経験を積めば今以上に厄介になる」
「あれ以上に!?レセップスの主砲を撃ち落としたりやりたい放題だったのが、もっと酷い事になるっていうんですか!!?」
「ああ。そして、あのジンのパイロット」
「あのジンのパイロット、ですか…?あれも確かにかなり厄介そうでしたが新型と比べると……」

 ダコスタの発言をバルトフェルドは首を横に振る事で否定する。確かにあのジンも脅威にはなりえると感じてはいたが新型程ではないだろうとダコスタは思っていた。しかし、この反応を見る限り隊長はあのジンの方が脅威足り得ると思っているようだった。

「確かに新型の動きは凄まじかったよ。まさにバーサーカーだ。あれを相手にするとなると僕も本気でいかなければならないだろうね」

 ダコスタはバルトフェルドの新型に対しての評価に心底驚いた。バルトフェルドはMSパイロットとしても優秀であり、彼にここまで言わしめるとはあの新型のパイロットは本当にナチュラルなのだろうかと。

「なら隊長はあのジンのどこに新型以上の脅威を感じたのでしょうか?自分はMSの戦闘は専門ではありませんが新型程秀でているものがあるとは思えなかったのですが…」
「報告書を見ていないのかい?ダコスタ君。あのジンはクルーゼをも退けた難敵だよ」
「えっ、クルーゼってあのラウ・ル・クルーゼをですか!?」

 これにはダコスタもオーバーリアクションをしてしまう程動揺してしまった。ラウ・ル・クルーゼといえばバルトフェルドと同じザフトのエースと称される人物である。性格が悪いとか何やら黒い噂などが絶えないが、その腕は一級品である事は間違いない。それを退けたなどとはいくら自らの隊長の言う事でも、ダコスタには到底信じる事ができなかった。
 
 
「その通りだ。私も最初は俄かに信じがたかったのだがね、正規の報告だった上に実際にジンの動きを見るかぎりかなりのベテランらしい」
「ベテランって、この戦争にMSが投入されてまだ1年程度しか経ってないんですよ?」
「言葉の例えだよ。確かにMSが投入されたのはつい最近だ。だかね、あのジンの動きは僕が見てきたMSパイロットの誰よりもMSという兵器を熟知している者の動き。そうとしか言いようのないものだった」
「…そんなにすごかったんですか?」
「ああ、だからこそ早めに潰しておいた方がいいのさ。あの艦とパイロット達を放っておけば数多くのザフト兵が死ぬ事になるだろうさ」
「……………」

 その時、後ろに付いてきていたバクゥの足元で爆発が起こった。バルトフェルドは恐らく自分の予感が当たったと確信しながらも、そのバクゥのコックピットに通信を繋いで状況確認を行う。

「どうした。何があった!?」
『ミサイルです!機体に損傷はありませんがこれはゲリラの連中です!数は6……いや、8!』
「隊長、明けの砂漠の奴らこっちに向かって来てます!」

 ダコスタが後ろ斜めの方を見ながらそう叫んでいた。バルトフェルドもそちらを見てみるとそこにいたのはダコスタの言う通り明けの砂漠の面々であり、それぞれ武器を持ってこちらに砲撃をくわえてきていた。

「見たところあのMS達はいないようだが……どうやら余程死にたいようだ…」
 
 そう言うバルトフェルドの雰囲気は先程までとは打って変わり戦場での指揮官としての理知的な面と兵士としての虎を思わせる獰猛さを兼ね備えたザフトの“砂漠の虎”のものへと変化していた。

「仕方ない。全機、迎え撃て!」

 















「オレは留守番か…」
「しゃーないだろ?ジンはストライクと違って全く飛行できないんだから」

 現在、オレは格納庫でストライクの発進準備を手伝っている最中だ。あれから原作と同じような流れでタッシルの町が焼かれ、住民は事前の勧告で避難ができたので無事だったものの食糧、弾薬、家屋は全て焼失しそれで感情を押さえきれなかった一部の明けの砂漠の面々がバルトフェルド達を追って飛び出してしまったのだ。見捨てるという選択肢もあったが結局救援に向かう事になり、ムウがタッシルの救援で手一杯なので短時間ながら単体での飛行が可能なストライクを駆るキラが行く事になった。

「それはそうなんだけどな…」

 隣で同じく発進準備に勤しんでいるマードックの言葉に相槌をうちながらも、何か出撃する方法がないかと考える。
 アンドリュー・バルトフェルド。指揮官としても、一パイロットとしても優秀な男だ。できれば戦っておきたいのだが、ジンだと飛行できるストライクとは現場に到着できるスピードがかなり違う。例え出撃許可が下りたとしても到着する頃には戦闘は終わっているだろう。それでは意味がない。オレはバルトフェルドがどこまでのものか。そしてバルトフェルドに決戦の際にキラではなくオレを戦う標的として見てもらわねば困るのだから…
 何か良い案はないかと作業をしながら考えていると、ふと格納庫のある区画が目にとまった。そうだ、何故これを思いつかなかった!

「…なあ、マードック」
「どうした?」
「…スカイグラスパーってまだ一機余ってたよな」
「って、お前さんまさかあれに乗って出るつもりか!?」
「そうだが、何か問題があるか?」

 そう。スカイグラスパーは第8艦隊からの補給物資の一つであるがその機数は二機。一機目はムウが使っているがもう一機は乗り手がいない為予備機として格納庫で眠っていたのだ。こいつならストライクと同じスピードで現場に辿り着く事ができる。

「いや、そりゃ別に問題は特にないけどよ。その前にお前MAに乗れるのか?」

 マードックはオレの発言に驚きながらも、整備兵として聞いておくべき事であろう疑問を口にした。ああ確かに今までMSに乗っているところしか見た事がないのでオレがMAに乗るなんて夢にも思わなかったのだろう。だが…

「大丈夫だ。MSに乗る前は戦闘機にも乗ってた時がある。何も支障はないよ」
「そうは言ってもな……。とにかく艦長達の指示を聞いておくべきだぜ?」
「わかってるよ。ちょっと連絡してくるわ」

 そうして格納庫にある通信機にて出撃許可をもらう為ブリッジに連絡をとる。

「ちょっといいか?」
『悠凪さん、どうしたのかしら?』

 通信に出たのはマリューだ。あまり時間も掛けていられない為艦長が答えてくれるのは手っ取り早い。早々に要件を伝えるとしよう。

「予備のスカイグラスパーで出撃させてほしい。言っておくがMAでの戦闘経験はあるから問題はない」

 嘘は言っていない。「荒廃した世界」にてMSが使えない状況だったので代わりに戦闘機などを使った事もある。もっともそれも数回程度で本職のムウに比べたら微々たるものでしかないが今回は今後の為にもどうしても出ておく必要がある。何が何でも出撃許可をもらわなくてはならない。

『しかし、そうは言ってもそう簡単に許可をだす訳には…』

 マリューは判断を決めかねているようでなかなか首を縦には振ってくれない。チィ、やっぱりこうなるか。自分でもかなりごり押しの方法だとはわかってはいるがここで引く訳にもいかないんだよ。

「救援はできる限り多い事に越した事はないでしょう。それに決してスカイグラスパーを撃墜させるような事にはさせませんよ」

 それからマリューは大分迷っている様子だったが最終的に今の状況だと出撃させた方がいいと判断してくれた。

『………わかりました。それでは準備が済み次第すぐに発進してください』
「了解した」

 渋々といった感じではあったものの許可をもらう事に成功した。すぐに通信を切り、マードックに許可がとれた事を伝えに戻る。

「許可はとったぞ。パイロットスーツに着替えてくるから発進準備頼む。ストライカーパックはランチャーで」
「…わかったよ。オイ、お前ら聞いたな!グラスパーの準備急げ!!パックはランチャーだ!!!」

 それから控え室に赴きパイロットスーツに着替え終え戻ってきた時には既に発進準備が粗方完了しており、この艦の整備兵の仕事の早さに改めて感服したのだった。
















「見えてきたな」

 スカイグラスパーを駆りキラと共にアークエンジェルから飛び立ってから十数分後、目についたのが二機のバクゥに対して攻撃を仕掛けるも、目立ったダメージを与える事もできずに踏み潰され、蹴飛ばされ、無惨にも散っていくジープに乗った明けの砂漠の面々の姿だった。
 …あれ?一機足りないぞ? ああ、そういえば確か明けの砂漠の攻撃で一時的に動かなくなったバクゥがいたんだったな。遠目で見てみるとかなり遠くの方にバクゥらしきシルエットがあるのを発見する。だが、今回の本命はあれが動くようになってから登場するのだ。今は放置しておいた方がいいな。

『…何だってこんな……!!』

 キラはこの光景を見て何か思うところがあったのかそう叫んでいた。今のキラの言葉はバルトフェルドの部隊に対して言ったんだろうか?はたまたこの戦いを仕掛けた明けの砂漠の連中に言っているのだろうか? まあ、オレがそれを知ったところで何がどうなる訳でもないし、それに今はこの状況をどうにかするのが優先事項だ。さっさと始めよう。

「キラ、仕掛けるぞ。このままだとあいつらは全滅する」
『はい…!』

 キラは返事と共にビームライフルをバクゥへと向けその引き金を引いた。だが、発射されたビームはバクゥより僅かに逸れた方向に向かっていった。

『熱対流か!なら…』

 バクゥはビームを撃ってきたストライクに対してミサイルを放ってくるが、それをキラはイーゲルシュテルンで撃ち落としながら再度バクゥに向けビームライフルを撃った。そこから撃ち出されたビームは今度は逸れる事はなく吸い込まれるように見事バクゥの背中にあるミサイルポッドに命中した。どうやら今の台詞を聞く限りこの短時間でビームがこの砂漠地帯でも対応できるようOSを組み替えたらしい。
 ミサイルポッドが爆発した衝撃によりバクゥに生じた隙を見逃さずオレは機体をバクゥの方へ向け、中口径キャノン砲と砲塔式大型キャノン砲を使って一気に畳み掛ける。その砲撃をバクゥは咄嗟に避け何とか撃墜は免れたものの左前脚に一部被弾したらしく僅かに損傷が見られた。
 
 ビー!ビー!ビー!

 レーダーに反応が見られ即座に横に回避運動をとると先程いた場所をミサイル群が通り過ぎていった。ストライクは先程攻撃したバクゥの相手をしておりこちらを援護する余裕はないようだ。

「本命が来る前にさっさと仕留めておきたいところだが…な!」

 すぐに後方に旋回し20mmバルカン砲をバクゥに向け発射。が、それをバクゥは横に跳びながら回避し、もう一度ミサイルをこちらに放つ。それをバルカン砲で迎撃しつつオレはバクゥの進行方向を狙って対艦ミサイルを発射した。
 ミサイルはバクゥの少し前辺りに着弾し、その爆発の衝撃で辺りに砂が撒き散らされる。あちらが撒き散らした砂で視界が悪くなっている内にすかさず中口径キャノン砲を連射してバクゥの動きをさらに牽制していく。こちらの攻撃にバクゥは全く動けない様子だ。ここで一気に畳み掛けようとしたその時

「…!? 来やがった!!」

 遠方よりこちらに迫るミサイル群の存在をレーダーが知らせる。咄嗟に操縦桿を右に切り機体を逸らす事で何とかミサイルを避ける事に成功した。避けた瞬間に反撃の為にトリガーを引きミサイルを放ってきた存在に向けてアグニを発射する。が、それを敵は難なく避け先程のバクゥと共に再度ミサイルを大量に発射してきた。それをこちらがバルカン砲で迎撃しながら避け続けている間に二機は猛スピードで残り一機の相手をしているストライクの方へと向かっていった。
 …今のはやはりバルトフェルドの駆るバクゥだな。しかしやっと来たかと思ったらこっちよりもストライクの方を優先するとは………

「その選択、間違っていた事を教えてやる」

 バルトフェルドの駆る機体を含めたバクゥ三機はストライクを取り囲みミサイルを放って、時に突撃を仕掛けたりと完全にストライクを翻弄していた。キラもビームライフルで迎撃しているが全く当たる気配はなく、接近戦を仕掛けようにも常に一定の距離をとられ、あちらが突撃を仕掛けてきてもすぐにその場から離脱する為攻撃する暇もないと為す術がない状態だ。
 すぐさまその場に急ぎ、全砲門を開いてからストライクへ通信回線を開く。

「キラ、今すぐ上空に跳べ!!」
『!? …はい!』

 その指示に最初は驚いた様子だったがそれも一瞬で、キラはすぐにオレの言った通りにスラスターを噴かせ上空へとストライクを跳ばしていた。
 ストライクが跳ぶモーションに入った時点でオレは今スカイグラスパーに装備されている全ての武装を使っての一斉射撃をバクゥ達がいる場に放った。スカイグラスパーから放たれるバルカンやミサイル、アグニのビームはバクゥ達へ降り注いでいき三機の内二機には残念ながら避けられたが最後の一機は逃げ遅れ諸に集中砲火の餌食となって爆散していった。
 ストライクはそこから急降下しエールストライカーからビームサーベルを引き抜いて二機の内ミサイルポッドがない機体に切りかかる。そのバクゥは掠りはしたもののビームサーベルを避ける事には成功するが、切られた衝撃で仰向けに転倒してしまう。

「させるか!」

 残り一機。恐らくバルトフェルド機が救援に向かおうとするがそうはさせまいと中口径キャノン砲で牽制を仕掛ける。バルトフェルド機はいとも簡単に攻撃を避ける。そこまではいい。いや、良くはないが、その後なんとこちらに飛びかかってきた。

「なっ!?」

 急の事に驚いたが何とかギリギリでバルトフェルド機の突進を避ける。バルトフェルド機はそのまま着地した瞬間にこちらに振り向きミサイルを発射してきた。こちらも避けようとしながらも咄嗟にアグニを発射する。そのアグニのビームは見事相手のミサイルポッドに直撃したが、こちらも避けきれずミサイルが左翼に当たってしまった。

 ドガァァァン!!!

 スカイグラスパーの左翼と敵のミサイルポッドの爆発。そしてキラが敵機を撃墜したのはほぼ同時だった。オレは必死に機体制御を行い左翼が爆発した影響で燃え上がる中、砂漠に何とか突っ込む事なく着地に成功した。
 もしや攻撃してくるのではと思いバルトフェルド機の方を見るとあちらはこっちに何もする事なく早急に撤退を開始した。こちらはオレが戦闘不能になったが、未だに五体満足のストライクがいるのに対して、あっちは残り一機の上に武装が破壊されている。なら撤退して当然か。

『悠凪さん、大丈夫ですか!?』

 機体を損傷させてしまったが一応無事に済んだ事にほっとしているとキラが通信でこちらの安否の確認をしてくる。

「心配ない。体の方は傷一つないよ。…機体の方はアークエンジェルまで運んでもらわなきゃならないが」
『ああ、はい。それは大丈夫です。まだストライクのバッテリーは十分残ってますから。それよりも…』
「あいつらな…」

 ハッチを開け、外に身を乗り出しながら遠くを凝視する。見つめる先には明けの砂漠の今回運良く生き残った面々が集まっているのがいた。

『あの人達の事…どうします?』
「今回のような暴走をまたされても困るし…一応釘差しとくか。利くかどうかは知らないが」
『そう…ですね』

 ん? 何だかキラの様子が変なんだが。奴らの行動に口出しするのにあまり気乗りじゃないようだな。気になるし理由を聞いておくか。

「どうした。あまり気乗りしてないようだが?」
『いえ、そういうんじゃないんです。…ただ』
「ただ?」
『…今回あの人達がやった事は擁護できないけど、町を壊されて怒ったり、悲しんだりする気持ちは何となくわかる気がして…』

 …そういや学生組は今まで住んでいたヘリオポリスが戦闘の結果無くなってしまったんだったな。それが今回タッシルの町を焼かれたあいつらとだぶって見えたってところか。ただ原作ではそんな事思う事なくあいつらに口出ししてたんだかな。キラは。これはオレが色々としゃしゃり出た結果か? まあ、原作とこっちとキラを取り巻く環境がかなり違ってきてるからこういう事になったのかねぇ…。これが後々吉と出てくれる事を願おう。

「確かにオレも故郷を壊されて怒る気持ちはわからなくはないがな。だが今回はそれを考慮したとしても、結局はただでさえ少ない人員を無駄に使い潰しただけだ。そこいらへんを自覚してもらわないとこっちにも被害が飛び火するやもしれんしな」

 キラもそこはわかっているようでモニター越しに頷いて答えていた。じゃあ、柄じゃないんだが言うべき事を言いに行きますか。 
 

 
後書き
名前:天原 洸

  Lv:18
 
  PP:291

  格闘:178

  射撃:173

  技量:174

  防御:154

  回避:193

  命中:181

  SP:159

  エースボーナス:不明

  空:A

  陸:A

  海:C

  宇:A

精神:直感(SP:15)

   直撃(SP:20)

   ???

   ???

   ???

スキル:???

   精神耐性

   ???

   ???

   ???

   ???

撃墜数:53 
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